Mission Driven Brand

Mission Driven Brand

ブランディングの戦略家が【ブランド戦略の全て】を解説するブログ

ロジカルシンキングとは|論理的思考のフレームワークと思考法|例題有

ロジカルシンキングとは|論理的思考のフレームワークと思考方法|例題有

この記事に辿り着いたあなたなら「ロジカルシンキングとは何か?」あるいは「論理的に考える思考フレームワークを理解したい」と考えていることだろう。

今やロジカルシンキングは、多くのビジネスパーソンにとって必須のビジネススキルだ。

現に書店ではロジカルシンキング関連の本が溢れ、ほとんどのビジネススクールではロジカルシンキングや論理的思考の講座が用意されている。また、巷で開催されているロジカルシンキングの研修も、活況を呈しているようだ。

今やビジネスにおいて「マスト」とされるロジカルシンキングだが、ここであなたに質問だ。ロジカルシンキングは、あなたの仕事の「どのような局面」で「どのように」活用すべきだろうか?

もしあなたが一冊でもロジカルシンキングの本を読んだことがあるなら、以下のようなくだりを目にしたことがあるはずだ。

ロジカルシンキング本によくある解説

  • 人は皆、いつか死ぬ。
  • ソクラテスは人だ。
  • いつかソクラテスは死ぬ
    ⇒これを演繹法と言い、三段論法である。

これはロジカルシンキングの手法の一つである「演繹法」を説明した文章だが、あなたはロジカルシンキングを「ソクラテス」で説明されて、果たしてロジカルシンキングを仕事で活用できるイメージが湧いただろうか?

もしあなたがロジカルシンキングに対して「わかっちゃいるけど、使いこなせない」とお悩みなら、それは「なんのために」「どのような局面で」「どのように」ロジカルシンキングを活用すべきか、実践のポイントが掴めていないからだ。

巷にある多くの書籍は、ロジカルシンキングを「ロジカルに」説明しようとするがあまり、やや教科書的な解説となりがちだ。そのこと自体は「厳密性」という意味で素晴らしいが「ロジカルシンキングの仕事での使い方」のイメージが湧きにくいのが欠点だ。

「わかっちゃいるけど、仕事での使い方がわからない」

もしあなたがそう感じているのなら、今あなたに必要なのはソクラテスではない。「ロジカルシンキングの使い方」に対する理解だ。

よって、今回は「ロジカルシンキングとは何か?」はもちろん「ロジカルシンキングの実践のポイント」についても解説する。また、合わせて「ロジカルに考えるためのフレームワーク」や「ロジカルシンキングを鍛えるトレーニング手法」についても、例題を交えながらわかりやすく解説する。

一方で、ロジカルシンキングは、ともすれば「金科玉条の万能薬」のように語られがちだが、致命的なデメリットが存在する。

しかし、もしあなたが「ロジカルシンキングのデメリット」を理解し、うまく逆手に取ることができれば、ロジカルシンキングだけでは辿り着けない新たな領域に踏み出すことも可能になる。

今回は、そんな「ロジカルシンキングを逆手にとる方法」についても解説しよう。

また、以下の記事では「ビジネスに必須の様々な思考法」や「発想の幅を広げる方法」を紹介しているので、合わせてお読みいただきたい。

 

ロジカルシンキングとは何か?ロジカルシンキングの定義と意味

ロジカルシンキングとは?-1:ロジカルに考える思考法

まずは「ロジカルシンキングとは何か?」について解説しよう。

「ロジカルシンキング」とは、その名の通り「ロジカルに(論理的に)」「シンキング(考える)」ことを指す。

「ロジカル」とは「物事が体系的に整理されており、話の筋道に矛盾がないこと」であり「シンキング」とは「考える方法」であることから、ロジカルシンキングとは「物事を体系的に整理し、筋道立てて矛盾なく考える思考法」と定義できる。そしてその和訳が「論理的思考」だ。

「ロジカルシンキング」とは

物事を体系的に整理し、筋道たてて矛盾なく考える思考法のこと。

ロジカルシンキングとは?-2:ロジカルシンキングの2つの意味

上記の「ロジカルシンキングの定義」をご覧になれば、ロジカルシンキングには大きく分けて2つの意味が存在することに気が付けるはずだ。

  • 「物事を体系的に整理し」→「全体と部分の包含関係」を整理すること
  • 「筋道たてて矛盾なく考える」→「部分と部分の因果関係」を整理すること

ロジカルシンキングとは:ロジカルシンキングの2つの意味

例を挙げれば、ビジネスの基本的なKPIである「売上高」は、

  • 購入客数×
  • 客単価×
  • 購入頻度

というサブKPIに分解できる。これは売上高が「全体」であるのに対して「購入客数」「客単価」「購入頻度」は「部分」に当たるため、包含関係となる。

ロジカルシンキングとは:ロジカルシンキングの包含関係

また「広告宣伝をすれば、ブランドの認知度は上がる」という例では「広告宣伝をすると→ブランド認知度が上がる」という因果関係に当たる。

ロジカルシンキングとは:ロジカルシンキングの因果関係

このように、ロジカルシンキングは「全体」と「部分」そして「関係」を構造化して、物事を筋道立てて考える思考法といえる。

ロジカルシンキングとは?-3:ロジカルシンキングとクリティカルシンキングとの違い

よくロジカルシンキングと混同されやすいのが「クリティカルシンキング」だ。

ロジカルシンキングが「物事を体系的に整理し、筋道たてて矛盾なく考える思考法」であることは、すでに解説した。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-3:ロジカルシンキングとの違い①ロジカルシンキングとは

しかしロジカルシンキングは「筋道の立て方」は教えてくれても「前提の置き方」を教えてはくれない。別の言い方をすれば「前提の置き方」次第で、その後の「筋道」は無数に存在することになる。

また、ロジカルシンキングは論理を展開する際の「切り口」を教えてくれるわけではない。例えば、先ほどは「売上高」を、

  • 購入客数×
  • 客単価×
  • 購入頻度

という切り口で分解したが、分解の切り口を変えれば売上高」を、

  • 市場規模×
  • 市場シェア

で売上高を分解することも可能だ。このように、物事を考える際には無数の切り口が存在するが「切り口の選び方」自体に正解はない。

一方で、クリティカルシンキングは「物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度」のことを指す。

物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度を持てれば、

  • 前提を疑う
  • 切り口を疑う

ことを通してこれまでの前提を覆し、これまでにない新たな切り口を見出すことが可能になる。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-3:ロジカルシンキングとの違い①ロジカルシンキングとは②クリティカルシンキングとは

ここまでお読みになればお分かりの通り、クリティカルシンキングがロジカルシンキングの違いは、ロジカルシンキングが適切な筋道を考える「思考法」であるのに対し、クリティカルシンキングは「前提」や「切り口」を疑うことで新たな価値を生み出そうとする「マインドセット」であることだ。

ロジカルシンキングのメリット:5つの力が向上する

ロジカルシンキングは、あなたに多くのメリットをもたらす。具体的には以下の5つの力が向上することだ。

  • 分析力が向上する
  • 問題解決能力が向上する
  • 提案力が向上する
  • コミュニケーション能力が向上する
  • 仕事の生産性が向上する

以下、一つずつ解説していこう。

ロジカルシンキングのメリット-1:分析力が向上する

ロジカルシンキングのメリットの1つ目は、分析力が向上することだ。

世の中に現れる現象の多くは、様々な要素が複雑に絡み合っており、ただ漠然と全体を捉えただけでは有益な示唆を得られにくい。

世の中の現象を正しく分析するには、それらを全体として捉えるだけでは不十分で「個々の要素を吟味し」さらに「それぞれの関係性がどうなっているのか?」まで深掘りして分析していく必要がある。

もしあなたがロジカルシンキングを向上させることができれば、様々な現象や問題に対して、

  • 適切に要素を分解し
  • 要素間の相関関係や因果関係を見極め
  • 適切な判断や対応策を導き出す

ことが可能になる。

ロジカルシンキングのメリット-2:問題解決力が向上する

ロジカルシンキングのメリットの2つ目は、問題解決力が向上することだ。

「問題」は、発生場所を特定できなければ焦点が絞れず、無数の解決策のすべてを試さなくてはいけなくなる。このような「絨毯爆撃」ではいつ成果が出るかがわからず、時間も労力も大きく消費してしまう。

また「問題」には、かならずそれを生じさせている根本原因が存在する。そして根本原因に対して解決策を講じない限り、すべての施策は対処療法止まりとなる。その結果、施策の成果は限定的となり、いずれ同じ問題が再燃してしまう。

これらを踏まえれば「問題解決」には、

  • 問題の発生場所の特定
  • 問題の根本原因の特定

の2つが必要不可欠になることはご理解いただけるはずだ。

もし、あなたがロジカルシンキングを向上させることができれば「ロジックツリー」などの論理的思考のフレームワークを用いて、ロジカルに問題の発生場所を特定し、根本原因を突き止めることができるようになるはずだ。

ロジカルシンキングのメリット-3:提案力が向上する

ロジカルシンキングのメリットの3つ目は、提案力が向上することだ。

提案力のある人は自分の意見をスムーズに通しやすく、思い通りに物事を進めやすい。一方で提案力のない人は周囲に押し切られてしまい、損をすることが少なくない。

ビジネスの世界では、あなたが思っている以上に企業や部門、立場によって人の考え方は大きく異なる。

このような状況の中であなたの提案を通すためには、それぞれの人たちの立場や考え方に左右されない「ロジック」を駆使して、提案内容を筋道立てて説明することが必要不可欠となる。そのために、ロジカルシンキングの世界には、提案や報告の際に使える「ピラミッドストラクチャー」というフレームワークが存在する。

あなたの提案を「好き嫌いの世界」ではなく「良し悪しの世界」に持ち込みたいなら、ロジカルシンキングを鍛えるメリットは大きい。

ロジカルシンキングのメリット-4:コミュニケーション能力が向上する

ロジカルシンキングのメリットの4つ目は、コミュニケーション能力が向上することだ。

コミュニケーション能力は「相手の主張を正確に理解する能力」と「あなたの主張を正確に伝える能力」の2つで成り立っている。もしあなたがロジカルシンキングを鍛えることができれば、

  • 全体の中で、相手はどの部分のことを伝えようとしているのか?
  • 何を根拠に、どのような主張をしているのか?

を正確に見抜けるようになる。そのため、相手の主張を理解する際に「イシュー(論点)のズレ」や「事実と主張の混同」が起きにくくなる。また、あなたの主張を伝える際にも、

  • 全体の中で、今はどの部分を伝えるべきか?
  • 自分の主張を、どのような筋道で伝えるべきか?

などのイシュー(論点)やロジックがわかるようになり、コミュニケーション能力が飛躍的に向上するはずだ。

ロジカルシンキングのメリット-5:仕事の生産性が向上する

ロジカルシンキングのメリットの最後は、仕事の生産性が向上することだ。

間違った問題設定は、間違った仮説を生む。そして、もし業務がかなり進んだ段階で間違いに気づけば、問題設定にまで遡って再検討する必要が生じてしまう。これがいわゆる「手戻り」といわれる現象だ。

ロジカルシンキングには「イシューツリー」という思考のフレームワークがあるが、もしあなたがロジカルシンキングを鍛えることができれば、仮説を立てる前にイシューツリーを使い「そもそも本質的な問題は何か?」を見極めることができる。

そうすれば、その後の仮説立案や仮説検証に無駄がなくなり、仕事の生産性は大きく向上するはずだ。

 

ロジカルシンキングの手法:帰納法と演繹法の使い方と例題

いよいよここからは「ロジカルシンキングの手法」を、例題を用いて解説していこう。

ロジカルシンキングは、大きくわけて2つの論理展開手法が存在する。これは一般に「帰納法」「演繹法」と呼ばれる。

ロジカルシンキングの手法-1:帰納法の活用法と例題

帰納法とは?帰納法の論理展開手法

まずは帰納法について解説しよう。

帰納法の「帰納」とは「物事が落ち着いて(帰)、法則に納まる(納)状態」を指す。

この意味合いの通り、ロジカルシンキングにおける帰納法とは、複数の実例を挙げ、それらの共通点を導き出して結論を出す論理展開手法のことを指す。

「帰納法」とは

複数の実例を挙げ、それらの共通点を導き出して結論を出す論理展開手法
帰納法の例題

例えば、以下の例題が「帰納法」の論理展開手法の具体例だ。

ロジカルシンキング:帰納法の例題①

上記の例題のように、

  • 複数の実例を挙げ
  • 実例をもとに共通点を見出し
  • 共通点を根拠に結論づける

という思考プロセスを辿るのが「帰納法」の特徴だ。

帰納法のロジックがしっかり成立しているかどうかは「なぜならば」という接続詞を使って論理展開を逆算してみることで簡単にチェックできる。

ロジカルシンキング:帰納法の例題②

気を付けてもらいたいのは、帰納法は複数の「状況証拠」から共通点を見出して、それを根拠に結論づける論理展開手法である以上、

  • 状況証拠自体に間違いがある場合
  • 状況証拠から共通点を見出す際に論理の飛躍がある場合
  • 共通点から結論に至る筋道に論理の飛躍がある場合

には破綻する。よって「帰納法」を使った論理展開の場合には、必ず「なぜならば」という接続詞を使ったロジックチェックを怠らないようにしよう。

帰納法を実践する局面

仕事において帰納法を実践する局面は「複数の周辺環境を分析した上で」「方針を導き出す時」だ。

「帰納法」の使い方

複数の周辺環境を分析し、方針を導き出したいとき

よって「ビジョンを策定する」「コンセプトを決める」「ターゲットを決める」「ポジショニングを決める」など「環境分析を通して方針を決める」際には帰納法のロジックが有用であることを頭に入れておこう。

ロジカルシンキングの手法-2:演繹法の活用法と例題

演繹法とは?演繹法の論理展開手法

演繹法とは「決められたルールに物事を当てはめて結論を出す」論理展開手法のことをを指す。

演繹法の「演」には「押し広める・説く」という意味があり「繹」には「糸口を引き出す」という意味がある。つまり「演繹」とは「広く説かれている法則(演)から、糸口を引き出す(繹)」ことだ。

「演繹法」とは

決められたルールに物事を当てはめて結論を出す論理展開手法
演繹法の例題

例えば、以下の例題が「演繹法」の活用例だ。

ロジカルシンキング:演繹法の例題①

上記のように、

  • 決められたルールが存在し
  • そのルールに物事を当てはめ
  • 決められたルールに合致しているかどうかで結論を出す

という思考プロセスを辿るのが「演繹法」の特徴だ。

演繹法を実践する局面

仕事において演繹法の使う局面は「決められた方針のもとに」「その方針に沿ったアクションプランを導き出したい時」だ。

「演繹法」の使い方

決められた方針をもとに、その方針に沿ったアクションプランを導き出したいとき

例えば、先ほどの例題のように「女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する」という方針が示された場合、演繹法のロジックに沿った4Pのアクションプランは以下の通りとなる。

①商品開発:

  • 決められた方針(ルール):
    女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する。
  • 方針(ルール)に当てはめる事実:
    女性の9割が、この試作品に「女性らしさを感じる」と答えた。
  • 結論(アクションプラン):
    よってこのコンセプトの試作品を商品化すべきだ。 

ロジカルシンキング:演繹法を実践する局面①商品開発

②価格設定:

  • 決められた方針(ルール):
    女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する。
  • 方針(ルール)に当てはめる事実:
    敏感肌に悩む女性の7割が、+20%までの価格設定を許容した。
  • 結論(アクションプラン):
    よって店頭小売価格は、一般の敏感肌用美容液の+20%以内に設定すべきだ。

ロジカルシンキング:演繹法を実践する局面②価格設定

③チャネル:

  • 決められた方針(ルール):
    女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する。
  • 方針(ルール)に当てはめる事実:
    敏感肌に悩む女性は、現在ドラッグストアで美容液を購入している。
  • 結論(アクションプラン):
    よってメインの販売チャネルをドラッグストアに据えるべきだ。

ロジカルシンキング:演繹法を実践する局面③チャネル

③プロモーション:

  • 決められた方針(ルール):
    女性らしさを表現できる敏感肌用美容液に参入する。
  • 方針(ルール)に当てはめる事実:
    敏感肌に悩む女性は、ファッション誌の閲読率が高い。
  • 結論(アクションプラン):
    よってメインのプロモーションメディアをファッション誌に据えるべきだ。

ロジカルシンキング:演繹法を実践する局面④プロモーション

仕事における演繹法の使い方は「方針(ルール)にプランを当てはめ、右か左か、あるいはGoかNo Goかの結論を出す」局面だ。

しかしここまでお読みになればお気づきの通り、演繹法は「すでに方針が存在し、かつその方針が正しいこと」を前提にしている。逆を言えば「方針」自体が間違っていれば、方針に当てはめて導き出す結論も間違ってしまうことになる。

ロジックは常に「前提→推論→結論」という筋道を辿るが、ビジネスにおいて演繹法を活用する場合、演繹法の「前提」である「方針(ルール)の正しさ」に強く依存することを認識しておこう。

 

ロジカルシンキングのフレームワーク

続いて、ロジカルシンキングでよく使う「思考のフレームワーク」の解説に移ろう。

ロジカルシンキングのフレームワークとは、先ほどの「帰納法」や「演繹法」を使う際に便利な「思考の枠組み」のことを指す。

料理に例えれば「帰納法」「演繹法」が「料理の素材」だとしたら、ロジカルシンキングのフレームワークは「料理のレシピ・調理法」に当たるものだ。

ロジカルシンキングのフレームワーク-1:ピラミッドストラクチャーとは

あなたは上司や同僚から「なぜその結論に至ったの?」と聞かれて「なんとなくです!」と答えられるだろうか?

ことビジネスにおいては、なんらかの結論を述べる際には、その根拠を示さなくてはならない。ピラミッドストラクチャーとは、結論と根拠の構造をピラミッド状に表現したフレームワークを指す。

通常は「最も伝えたい主張」を頂点に、複数の根拠が下層に配置されピラミッド型の構造になるため「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれる。

ピラミッドストラクチャーは「複数の事実」を通して「一つの結論」に導くことから「帰納法」でロジックを構成する際に有用なフレームワークだ。

ピラミッドストラクチャー

もしあなたが、なんらかの「結論」や「方針」を主張したい時は「帰納法の論理展開手法」を意識しながら「ピラミッドストラクチャー」のフレームワークに当てはめて説明しよう。

そうすれば「なぜその結論や方針に至ったのか?」という根拠も含めた、より説得力のある説明ができるようになるはずだ。

ロジカルシンキングのフレームワーク-2:ロジックツリーとは

ロジックツリーとは、決められたテーマをツリー状に分解することで選択肢を広げ「問題を引き起こしている原因」や「問題解決の方法」を洗い出すのに適したフレームワークだ。

今回は、3つのロジックツリーを簡単に解説していこう。

ロジックツリーの種類-1:要素分解ツリー

要素分解ツリーとは「全体」を「部分」に分解していくロジックツリーを指す。よって、要素分解ツリーは「全体と部分」の包含関係を表すことになる。

ビジネスでの主な使い方は「ターゲットを検討・分析する使い方」だ。例えば「シニア層」を要素分解していくと以下の通りとなる。

ロジックツリー1.要素分解ツリー

ロジックツリーの種類-2:原因究明ツリー

原因究明ツリーとは、何らかの問題が生じた際に、その問題を生じさせている原因を究明することを目的としたロジックツリーだ。

原因究明ツリーは、先ほど解説した要素分解ツリーのように「全体と部分の包含関係」だけでなく「量と質」に分解した「量率関係」にも着目するのが特徴だ。

例えば「結婚式場の売上が下がっている問題」を原因究明していくと以下の通りとなる。

ロジックツリー2.原因究明ツリー

ロジックツリーの種類-3:イシューツリー

イシューツリーとは、何らかの目的に対して「何を検討すべきか?」という「考えるべきこと」を洗い出すためのロジックツリーだ。

イシューツリーも原因究明ツリーと同様に「全体と部分の包含関係」だけでなく「量と質」に分解した「量率関係」にも着目するのが特徴だ。

例えば「WEBサイトのPVを上げるには?」という目的に対して「検討すべき内容」をイシューツリーで表現すると以下の通りとなる。

ロジックツリー3.イシューツリー

ロジックツリーは「一つの論点」をもとに「複数の結論」に導くことができるフレームワークであることから「演繹法」で論理を構成する際に有用なフレームワークだ。

ロジックツリー×演繹法

ロジカルシンキングのフレームワーク-3:帰納法(ピラミッドストラクチャー)と演繹法(ロジックツリー)の組み合わせ

これらを「ビジネスに活用する局面」で整理すると、下記のようなフレームワークになる。

ロジカルシンキング:帰納法と演繹法の合わせ技

もしあなたが「ロジカルシンキングの使い方」に悩んでいるのなら、

  • 目的や方針を導きたい上流段階:
    帰納法的な頭の使い方×ピラミッドストラクチャー
  • 目的や方針に基づいてアクションプランを導きたい下流段階:
    演繹法的な頭の使い方×ロジックツリー

 

ロジカルシンキングを鍛える方法:ロジカルシンキングのトレーニング手法

ロジカルシンキングは、誰でも身につけることができる「思考技術」だ。

そしてロジカルシンキングが才能や資質の話ではなく「技術」である以上、そこには再現性が存在する。つまり「方法と手順」を身につけることができれば「誰でも」「例外なく」ロジカルシンキングを鍛えることが可能だ。

もしあなたが「ロジカルシンキングを仕事に活用できない」と悩んでいるなら、今すぐ実践できるロジカルシンキングのトレーニング手法を紹介しよう。

ロジカルシンキングのトレーニング手法-1:メールを使って「帰納法」を鍛える

まずおすすめしたいのは「日々のメール」を活用したロジカルシンキング(帰納法)のトレーニング手法だ。

例えばプロジェクトメンバーとミーティングをセットしたい場合、あなたはただ漫然と以下のようなメールを送ってはいないだろうか?

「ミーティングをセットしたいので●月●日●時から、
●●会議室にお集りください」

確かに簡潔に用件は伝わるが、もしあなたがロジカルシンキングをトレーニングしたいなら「用件だけ」のメールを打つ前に「帰納法的な組み立て」を考える習慣をつけよう。例えば以下のような組み立てだ。

  • 結論:
    ミーティングをセットするべきだ。
    (なぜならば)
  • 実例の共通点:
    メールで共有するより顔を合わせたミーティングをしたほうが、今後のプロジェクトの進行がスムーズに進むからだ。
    (なぜならば)
  • 複数の実例:
    • 今回ミーティングで共有しようとしている資料は、プロジェクト全体に影響を与える非常に重要な内容が含まれているからだ。
    • 今回ミーティングで共有しようとしている資料は、単に読んでもらうだけでは伝わらない、言外の「ニュアンス」が含まれているからだ。
    • 今回のミーティングでは、新しくプロジェクトに参加したメンバーとの意識統一も図っておく必要があるからだ。

ロジカルシンキングのトレーニング手法-1:メールを使って「帰納法」を鍛える

もしあなたがビジネスパーソンなら、社内外の人たちに向けてメール発信をしていることだろう。多い日なら、1日相当な量のメールを送る日もあるはずだ。

だとすれば、日々のメールを「ロジカルシンキングのトレーニング」に活用できれば、頻度が多く習慣化しやすいため、ロジカルシンキングを鍛える早道となる。

ロジカルシンキングのトレーニング手法-2:報告書を使って「演繹法」を鍛える

続いておすすめしたいのは「日々の口頭報告」や「報告書」を活用したロジカルシンキング(演繹法)のトレーニング手法だ。

あなたがビジネスパーソンなら、必ず「上司」がいるはずだ。そして節目節目のタイミングで「上司に報告する機会」が存在していることだろう。

しかしあなたは日々の上司への報告の中で「報告がうまくいくかどうかの基準」を考えているだろうか?もし考えていなかったら、これを機会に「報告がうまくいく基準」を念頭に置きながら上司に報告する習慣をつけよう。例えば以下の通りだ。

  • 決められたルール:
    報告の際に「今後のToDo」「役割分担」「期限」が明確であれば、上司は納得しやすい。
  • ルールに当てはめる事実:
    今回の報告は「今後のToDo」「役割分担」「期限」を明確に報告できる。
  • 結論:
    よって今回の報告に、上司は納得してくれるはずだ。

ロジカルシンキングのトレーニング手法-2:報告書を使って「演繹法」を鍛える

技術を身につけるには、ひとつの基本技が身につくまでひたすら繰り返すことが重要だ。

ぜひ「日々のメール」や「上司への報告の機会」をうまく味方につけて、ロジカルシンキングをトレーニングする習慣を身につけて欲しい。

ロジカルシンキングのトレーニング手法-3:ゲーム感覚でアプリの例題を解く

最後は、スマートフォンアプリを活用したトレーニング手法だ。

下記の書籍は「ロジカルシンキングを学ぶ」だけでなく「アプリ・ウェブサービスでロジカルシンキングをトレーニングできる」という「知識」と「トレーニング」を組み合わせた書籍だ。

書籍の中身はロジカルシンキングに関する「基本知識」や「実践法」がわかりやすく紹介されており、初心者向けの入門書と言える。

また、アプリやWEBサービスに書籍を登録すると、週に1回ロジカルシンキング関する練習問題が出題されるため、知識を得るだけでなくトレーニングや習慣化できるのが利点だ。

もしあなたが自分の中にロジカルシンキングを「定着」させたいと考えるなら、一つの選択肢になるだろう。

 

ロジカルシンキングのデメリット

冒頭で述べた通り、ロジカルシンキングには致命的なデメリットも存在する。

しかし、もしあなたが「ロジカルシンキングのデメリット」を理解し、うまく味方につけることができれば、ロジカルシンキングでは辿り着けない新たな領域に踏み出すことができる。

ロジカルシンキングのデメリット-1:「前提」の置き方次第で正解が変わる

論理は「前提」「推論」「結論」の3つのプロセスで成り立っている。そして「ロジカルシンキング」といえば、ともすると「推論の妥当性」や「結論の良し悪し」に着目しがちだが、真に重要なのは「前提の置き方」だ。

「前提」を間違えば「推論」や「結論」はすべて間違うことになる。逆を言えば「前提の置き方」次第で、ロジカルシンキングの「正解」はいくらでも変わる。

そしてロジカルシンキングは、帰納法や演繹法など「推論の仕方」は教えてくれるが「前提の置き方」は教えてくれない。

ロジカルシンキングのデメリット-1:「前提」の置き方次第で正解が変わる

ロジカルシンキングのデメリット-2:裏付けとなる事実は無数に存在する

ロジカルシンキングは、事実の裏付けが伴って初めて説得力を持つ。しかし、ある主張に関する事実は無数に存在する。そして無数に存在する事実全てを収集し、検証することは物理的に不可能だ。

だとすれば、あなたの主張に対する「根拠」は、無数の事実の中から特定の事実だけを選ぶことになり、その選び方にあなたの恣意性が入ることになる。

よく「ロジカルシンキングは客観的である」といわれるが、それは幻想にすぎない。だとすれば「ロジカルシンキング」を絶対の存在と盲信するのではなく、主張に合理性を持たせるためのツールとして捉えることが重要だ。

ロジカルシンキングのデメリット-3:論理を展開する「視点」は無数に存在する

ロジカルシンキングによく登場する手法が「要素分解」だ。そして要素分解をするには、必ず「視点」が必要となる。

例えば「売上を増やすには?」という問いに対して「要素分解の視点」を考えてみよう。ざっと挙げると、以下の通りだ。

  • 地区別に要素分解(=視点)して、売上が低い地区の売上を増やす。
  • 顧客の年代別に要素分解(=視点)して、売上が低い年代の売上を増やす。
  • 商品別に要素分解(=視点)して、売上が低い商品の売上を増やす。
  • 客数と客単価で要素分解(=視点)して、どちらかを増やす。
  • 新規顧客と既存顧客で要素分解(=視点)して、どちらかの売上を増やす。

ここまでお読みになればわかる通り「売上を増やす」という目的に対する「要素分解の視点」は無数に存在する。そしてどのような「視点」を想定するかは、結論を出すあなたが想定している「仮説」に依存する。

ロジカルシンキングは「要素分解が必要だ」とは教えてくれるが「要素分解の視点」までは教えてくれない。「要素分解の視点」は、ロジカルシンキングとは別の能力だ。

ロジカルシンキングのデメリット-4:因果関係が未来にも成立するとは限らない

ある問題が存在しているとき、問題を生じさせている原因を特定することができれば、その原因を取り除いたり、変化させたりすることによって問題を解決することができる。これがロジカルシンキングにおける「因果関係」の一般的な使われ方だ。

しかし変化が大きい現在においては、過去に成立した因果関係が将来も成立する保証はどこにもない。

今後は、過去の延長線上の未来を「想定」するよりも、過去とは異なる未来を「創り出す」ケースが増えてくる。そのようなケースでは、ロジカルシンキングはほとんど意味を持たない。必要なのは、未来を見通す洞察力だ。

ロジカルシンキングのデメリット-5:ロジカルシンキングは意思決定には使えない

ロジカルシンキングの最大の誤解は、それが意思決定の方法であると考えられていることだ。

ロジカルシンキングは意思決定のための「材料」を提供してくれるが、それだけで意思決定はできない。もし論理だけで決められることがあるとすれば、それは人でなくてもできる意思決定だ。

解くべき問題を可能な限りロジカルに考え抜き、考え得るオプションを並べたところで、前提条件が少しずれただけで結果は大きく変わってしまう。

複雑な現実を単純化・抽象化し、意思決定をしやすくするためにロジカルシンキングは必要不可欠だ。しかし最後の最後、その結果を元に適切な判断を行うためには、意思決定者の高い見識が求められることを肝に銘じておこう。

ロジカルシンキングを逆手に取る方法

ロジカルシンキングの弱点を整理すると、下記の通りになる。

  • 「前提」の置き方次第で「正解」が変わってしまう。
  • 「事実」が無数に存在し、裏付けとなる事実の選び方に恣意性が入ってしまう。
  • 論理を展開する「切り口」が無数に存在し「仮説」に依存してしまう。
  • 因果関係が未来にも成立するとは限らない。
  • ロジカルシンキングと意思決定は別物。

ここまでお読みになって、あなたは「ロジカルシンキング=使えない」と感じてはいないだろうか?しかしそう考えるのは早計だ。ロジカルシンキングのデメリットを理解するということは、別の見方をすれば、そのデメリットを逆手に取る視点を手に入れたということでもある。

  • 前提は疑ってみるべき
  • 事実を疑い「例外」に着目してみるべき
  • 人とは違う切り口で物事を捉えてみるべき
  • 因果関係を疑ってみるべき
  • 「価値観」や「信念」に基づいた意思決定も検討すべき

ロジカルシンキングを「ロジカルに」検証すると、様々なデメリットが見えてくる。

しかし、そのデメリットを逆手に取る視点が持てれば「ロジカルシンキングを越えた」思考スキルを手に入れるチャンスとなる。

それはつまり、当たり前を当たり前に考えない「イノベーティブ発想」であり「価値創造力」だ。

 

ロジカルシンキングの本|おすすめ書籍4冊

締めくくりに、あなたにおすすめできる「論理的思考能力を高める本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるロジカルシンキング本。
  • 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っているロジカルシンキング関連書籍。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるロジカルシンキング関連本。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

ロジカルシンキング本おすすめ書籍-1:ロジカルシンキング

本書は、ロジカルシンキングを学ぼうと思ったら誰もが通るベストセラーであり「ロジカルシンキングの名著」だ。

著者である照屋氏はマッキンゼーのエディターとして活動した経験を持っており、マッキンゼーを一躍有名にした書籍としても知られる。

本書は「ピラミッドストラクチャー」や「MECE」「So What?/Why So?」など、今では当たり前のように使われるビジネスパーソンの「基本作法」を、日本に普及させた名著と言ってよい。

この書籍は多くのビジネスパーソンにとって「ロジカルシンキングの登竜門」的位置づけと言って良いだろう。もし、あなたが「理解」を越えて「ロジカルシンキングを使いこなしたい」なら、ぜひ一読を勧めたい必読書だ。

ロジカルシンキング本おすすめ書籍-2:入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法

ロジカルシンキングは、あなたの頭の中にあるだけでは意味がない。

ビジネスの現場では、レポーティングや業務メール、あるいは提案書など「自分の考え」を文章に落とす局面は多い。

本書は、ベストセラーとなったバーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」の翻訳者が著した、日本人向けのロジカルライティングの書籍だ。

ロジカルライティングは、ロジカルシンキングと異なり、常に「相手」を想定しなければならない。

本書の特筆すべき点は、ロジカルシンキングを「相手に合わせて」「文章に落とす」実行可能な方法論を、徹底的にわかりやすく解説してくれていることだ。

ビジネスとは、突き詰めれば人と人との間にある営みだ。

しかし「自分が伝えたいことをロジカルに伝える」ことはできても「相手が知りたいことロジカルに伝える」ことができる人は、そう多くない。

もし本書を手に取れば、あなたは「ロジカルシンキングを相手に伝わる形に変換する」スキルを身に付けることができるはずだ。

ロジカルシンキング本おすすめ書籍-3:頭がいい人の「論理思考」の磨き方

本書は、延べ25万人を教えたグロービスの講師によるロジカルシンキングの「トレーニング本」だ。

本書の特徴は「帰納法」や「演繹法」あるいは「MECE」「ロジックツリー」などについて、ロジカルシンキング入門者が「つい陥りがちな罠」も含めて解説している点だ。

さらには5つの例題を通して、紙面と「格闘」しながら具体的にロジカルシンキングを磨き上げるトレーニングができる点も特徴だ。

本書は、一通りロジカルシンキングが理解できるようになったあなたが、より論理的思考能力を鍛え上げる際にぴったりの一冊だ。

ロジカルシンキング本おすすめ書籍-4:知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ

ロジカルシンキングには限界が存在する。それは推論を考える際の「切り口」の限界だ。

ロジカルシンキングを行う際には「ロジックツリー」というツールを多用する。

ロジックツリーは、目の前にある「問題現象」を要素分解することで根本課題を見抜いたり、あるいは「問題解決」の打ち手の選択肢を広げていくときに使われることが多い。

しかし「要素分解」も「選択肢の拡大」も、その「切り口」次第で結論は変わる。そうなると、いかに「筋のよい切り口」を見出せるかが重要なカギとなるが「筋のよい切り口」は論理では導き出せない。

本書は「多面的な視点」を持ち、複眼的に様々な切り口から物事を見る重要性を説いた書籍だ。

もしあなたがロジカルシンキングを越えて「多面的」「複眼的」に考える思考技術を手に入れたいなら、一読をおすすめする。

その他の解説記事とおすすめ書籍

もしあなたが本解説以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深く学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

終わりに

今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

k_birdがブログを更新した際には、あなたに通知が届くはずだ。