このページに辿り着いたあなたなら「ラテラルシンキングとは何か?」あるいは「ラテラルシンキングの鍛え方」に関心があることだろう。
このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ビジネスの「できない、わからない」を解決するブログだ。
ラテラルシンキングは「どのような前提条件にも支配されない自由な思考法」のことを指す。
ラテラルシンキングは、これからのビジネスで最も必要とされる能力だといっても過言ではない。なぜなら、少子高齢化や市場成熟化が進み、いま求められているのは閉塞状況を打破する新たな発想やイノベーションだからだ。
しかし、ロジカシンキングと比べ「ラテラルシンキング」は発想の自由度が高い分、取っつきずらいのが弱点だ。
ラテラルシンキングはよく「常識にとらわれず、自由な発想を可能にする思考法」と説明されるが「何を」「どのような視点で」考えれば「自由な発想ができるのか?」を体系的に解説している書籍は少ない。
よって、今回は「ラテラルシンキングとは何か?」「ラテラルシンキングの鍛え方」について解説する。その内容は以下の通りだ。
- ラテラルシンキングとは何か?
- ラテラルシンキングとロジカルシンキングの違い
- ラテラルシンキングの5パターンの鍛え方
- ラテラルシンキングの5つの例題と成功事例
情報や知識は「目に見えるもの」だ。そして短時間で簡単に手に入る。しかし短時間で得られる競争力は、短時間で真似される競争力でしかない。
一方で「ラテラルシンキング」などの「思考力」は「目に見えないもの」であり、いったん身につければ、簡単には真似できない長期的な競争力になる。ぜひ今回の解説を、あなたの「持続可能な競争力」に結び付けて欲しい。
また、この記事の最後には、記事内で紹介した図版のスライド資料を用意しているので、活用頂きたい。
- ★「シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説
- ラテラルシンキングとは何か?
- ラテラルシンキングのメリット
- ラテラルシンキングのコツ
- ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例
- ラテラルシンキングの本|おすすめ書籍3冊
- このブログから書籍化した本4冊
- その他の解説記事とおすすめ書籍
- 終わりに
- ラテラルシンキングとは|水平思考の鍛え方と成功事例|スライド資料
★「シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説
あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。
なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。
しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、
- 「センスが必要」
- 「経験の積み重ねが物を言う」
など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。
一方で本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。
おかげさまで本書は6版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。
さらにAmazonレビューでも、
- 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
- 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
- 「一生もののスキルになるのは間違いない」
など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。
もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。
ラテラルシンキングとは何か?
ラテラルシンキングとは?
まずは「ラテラルシンキングとは何か?」について理解を深めよう。
ラテラルシンキングとは、1967年にイギリス人の医師であるエドワード・デボノが提唱した思考法で、別名「水平思考」あるいは「ラテラル思考」とも呼ばれる。
エドワード・デボノの定義によれば、ラテラルシンキングとは「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」であり「水平方向に発想を広げる」という意味合いからラテラル(=水平)という言葉が使われる。
ラテラルシンキングとロジカルシンキングの違い
ここで、ラテラルシンキングとロジカルシンキングの違いについて触れておこう。
ラテラルシンキングとロジカルシンキングの最も大きな違いは「前提の捉え方」だ。
ロジカルシンキングの思考プロセスは「前提」→「推論」→「結論」という筋道を辿る。つまり、まずは「A」という前提を置き、その後「AだからB」「BだからC」という推論を辿った結果「結論はCである」という答えに辿り着く。
しかしここまでお読みになればお気づきの通り、ロジカルシンキングは前提(=A)の置き方次第で結論が変わる。そしてロジカルシンキングはA(=前提)そのものの置き方を教えてくれるわけではない。
一方で、ラテラルシンキングとは「前提(=A)の置き方」に着目し、前提そのものを覆す発想をすることで、これまでにない新しいアイデアを生み出そうとする思考法だ。
ロジカルシンキングは、まずは前提を決めた上でそこから深掘りしていく思考法のため、時に「垂直思考」とも呼ばれる。
一方でラテラルシンキングは「前提」を疑い、前提そのものの可能性を広げていく思考法であるため「水平思考」と呼ばれる。
ラテラルシンキングのメリット
ラテラルシンキングとロジカルシンキングは、うまく組み合わせることで「より広く」「深い」発想ができるようになる。なぜならラテラルシンキングとロジカルシンキングは、対立する思考法ではなく相互補完的な思考法だからだ。
冒頭でも述べた通り、日本では少子高齢化が進み、多くの市場は成熟化している。よって、これまでとは異なる新たな発想やイノベーションを生み出すことが求められている。
その際に、既成概念に囚われず、前提そのものを覆しながら発想を広げていくラテラルシンキングは必要不可欠な能力となる。
しかし、ただ単に「発想を広げる」だけでは「思い付きの羅列」でしかなく、ビジネスに再現性は生まれない。
もし、あなたがビジネスの成果を追い求めるのであれば、ラテラルシンキングで得られた新たな「前提」を元に「推論」を働かせ、成果の確信に至る「検証」が必要となる。その際に役に立つのがロジカルシンキングだ。
巷の書籍では、あたかも「ラテラルシンキング」と「ロジカルシンキング」は対立している概念であるかのように語られるが、ビジネス上の成果を目指すのであれば、この両者を「補完関係」として位置付けたほうが実践的だ。
もしあなたがビジネスで成果を出したいなら、ラテラルシンキングとロジカルシンキングは「補完関係」であることを頭に入れておこう。
ラテラルシンキングのコツ
続いては、ラテラルシンキングのコツについて解説しよう。
ラテラルシンキングは「どのような前提条件にも支配されない自由な思考法」であることからもわかる通り「前提への着目」が非常に重要な役割を果たす。しかし、そもそも「前提とは何か?」が理解できていなければ、ラテラルシンキングを駆使しようがない。
デジタル大辞泉によると「前提」とは「ある物事が成り立つための、前置きとなる条件」のことを指す。
例えば「赤信号だと止まらなければならない」というルールの前提は「道路交通法で定められているから」だ。もし「道路交通法で定められている」という前提が成り立たなければ「赤信号だと止まらなければならない」というルールも成り立たなくなる。
また、もしあなたの目の前に椅子があったと仮定しよう。
もし「あなたは疲れて帰ってきた」という前提があれば、その椅子は「座ってくつろぐもの」という意味合いになるだろう。しかしもしあなたが「引っ越し作業の真っ最中」という前提なら、その椅子は「運び出さなきゃいけない、やっかいなもの」となる。
このように、物事は「前提」や「前提となるコンテクスト」が変わることで「意味合い」が大きく変わることがある。
ロジカルシンキングの場合は「推論の正しさ」や「結論の正しさ」に目を向けるが、ラテラルシンキングの場合は「前提の置き方を適切に疑う」のがコツだ。
ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例
ラテラルシンキングの解説となると「クイズ問題」や「シチュエーションパズル」を多用して「ラテラルシンキングの発想例」として解説されることが多い。
これらは「頭の体操」としては有益かもしれないが、ラテラルシンキングに必要あ「着眼点」や「思考法」を理解しない限り、ビジネスに応用することはできない。
重要なことなので繰り返すが、ビジネスにおけるラテラルシンキングは「前提を疑う」ことからスタートする。そして、ビジネスの世界でよく置かれる「前提」は、大きくわけて5つある。
- 問題設定
- 目的設定
- 枠組み設定
- 先入観
- 視点
ここからは5つの項目ごとに「ラテラルシンキングの成功事例」をひも解きながら、ラテラルシンキングの鍛え方を解説していこう。
ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例-1:問題設定を疑う例題と解答例
ラテラルシンキングでよく紹介される例題に、以下のような問題がある。まずはお読みになって頂きたい。
問題設定を疑う-1:ラテラルシンキングの例題
- あるテーマパークで、アイスクリームを販売している出店業者があった。
- アイスクリームは売れているが、食べた後のカップやスプーンが付近の芝生に捨てられることが多く、テーマパークから苦情が入っている。
- この状況で、あなたならどうするか?
問題設定を疑う-2:ラテラルシンキングの解答例
あなたはこの例題を読んで「至る所にゴミ箱を設置する」などの解決策を考えたかもしれない。しかしこの例題で用意されている解答は、以下のようなものだ。
問題設定を疑う-3:ラテラルシンキングをビジネスに活かす方法
これはソフトクリームの誕生秘話としてよく語られるエピソードだが、ラテラルシンキングの文脈でいえば、その本質は「問題設定を疑う」ことにある。
もしあなたが問題を「出てしまうゴミを投げ捨てさせずに回収するには?」と設定すれば「ゴミ箱を設置する」という解決策は容易に思い浮かべることができるはずだ。
しかしゴミ箱を設置したところで100%ゴミを回収することは不可能であり、アイスクリームの売上が上がればゴミ箱はすぐにいっぱいになるため、やはり投げ捨ては起きるだろう。
一方で、問題そのものを疑い「そもそもゴミが出ない売り方をするには?」という「問題設定の転換」ができれば「ソフトクリームを売る」という発想が出てきやすくなる。
もしソフトクリームを売ることができれば、そもそもゴミがでないのだからゴミを回収する必要がなくなる。さらにソフトクリームの売上がどれだけ上がっても、そもそもゴミが出ない以上、ゴミ箱がいっぱいになることもない。
つまり「ソフトクリームを売る」という発想は「ゴミ問題」の根本解決になっていることがおわかりいただけるだろう。
適切な問題解決の前提は、解くべき問題の設定(=イシュー)を間違わないことだ。
このように「問題設定を疑う」ことをトレーニングをすれば、これまでは思いもよらなかった「問題解決策」を見出すことが可能になる。
ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例-2:枠組みを疑う例題と解答例
続いての例題だ。まずは以下の図をご覧になって欲しい。
枠組みを疑う-1:ラテラルシンキングの例題
枠組みを疑う-2:ラテラルシンキングの解答例
解答例は以下の通りだ。
枠組みを疑う-3:ラテラルシンキングをビジネスに活かす方法
この例題が教えてくれるのは「枠組みを疑う」ことの重要性だ。
多くの人はこの例題を示されると、無意識に「4本の線は、9つの点の内側からはみ出してはならない」という枠組みに囚われてしまう。
しかしその枠組みを外して「4本の線は9つの点の外側にはみ出しても良い」と伝えると、誰もが魔法が解けたようにあっさり解答できるのがこの例題だ。
ビジネスの世界でも、人は無意識のうちに「業界」や「部門」の枠組みに囚われてしまうことがある。
「自分たちは車を売る会社だ」という枠組みに囚われてしまえば、車が売れなくなった時に選択肢はなくなる。しかし「自分たちは豊かなカーライフを創造する会社だ」と枠組みを捉え直せば、
- 車の整備・点検の提供
- 自動車保険の提供
- カー用品の提供
- カーローンやカーリースの提供
などの選択肢が見えてくる。さらに「自分たちは豊かなカーモビリティ社会を創造する会社だ」と枠組みを広げれば、
- レンタカー事業やカーシェアリング事業
- ライドシェアリングや駐車場シェアリング事業
- 公共交通のシステムインフラ事業
などの可能性も見えてくるだろう。
このように、ビジネスの世界でも「今考えている枠組み」を疑い、視野を広げる視点を持てれば、思わぬ可能性が拓けることがある。
ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例-3:目的を疑う例題と解答例
続いての例題だ。こちらも、まずはお読み頂きたい。
目的を疑う-1:ラテラルシンキングの例題
- 車を運転していたあなたは、上り坂の雪道で渋滞に巻き込まれている。
- すると、あなたの直前の車がスリップしてバックしてきた。
- 車はあなたの後ろにも停車しており、車間距離が短くバックできない。
- 一本道なので左右に逃げるスペースもない。
- この状況で、あなたならどうするか?
目的を疑う-2:ラテラルシンキングの解答例
あなたはこの例題を読んで、咄嗟に「車の衝突を避けるにはどうすればよいか?」と考えたかもしれない。しかしこの例題で用意されている解答は、以下のようなものだ。
目的を疑う-3:ラテラルシンキングをビジネスに活かす方法
あなたもお気づきの通り、この解答では衝突を避けられない。しかし、以下のようなメリットが生まれていることにお気づきだろうか?
- 前の車との車間距離を詰めることで、衝突時の衝撃を最小限にできる
- 後続車との玉突き事故を防ぐことができる
この例題の本質は「目的を疑う」ことだ。
上記の文章を再度お読みになればわかる通り「直前の車はスリップしており制御不能な状態である」「後ろの車との車間距離は短くバックできない」という条件から、車の衝突は不可避だ。つまりこのケースの場合「衝突を回避する」という目的そのものが妥当でないことがわかる。
そして「目的そのものが妥当でない」という状態は、ビジネスでも頻繁に起こる。
例えば多くの企業では「売上を増やせ!」という号令がかかっていると思うが、どうしても売上を増やすことが難しいケースは存在する。その場合、目的を「売上を増やす」から「利益を増やす」に変えることができれば「コストを減らすことで利益を増やす」という別の選択肢が見えてくる。
このように、ビジネスでも「そもそもの目的が妥当かどうか」という「現在の視座を疑う視点」が持てれば、思わぬ解決策が見えてくることがある。
ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例-4:暗黙の先入観を疑う例題と解答例
更に続いての例題だ。
暗黙の先入観を疑う-1:ラテラルシンキングの例題
- 2人の子供のお土産用に買ってきた、5個セットのリンゴがある。
- 2人の子供に、5個のリンゴをどうわけるべきか?
暗黙の先入観を疑う-2:ラテラルシンキングの解答例
ロジカルに考えれば、子供1人に対して2個ずつリンゴを与え、残りの1個は半分に切って分け与えるのが正解となる。しかし、ラテラルシンキングで考えると、以下のような解答も正解となる。
目的を疑う-3:ラテラルシンキングをビジネスに活かす方法
この例題が教えてくれるのは「暗黙の先入観を疑う」ことの重要性だ。
多くの人はこの例題を示されると、無意識に「リンゴを固形物のまま配らなければならない」という暗黙の先入観で考えてしまう。しかしその先入観を疑い「リンゴを固形物として配る必要はないのでは?」という発想に想いが至れば、人とは異なるユニークな解答が見出しやすくなる。
よく「アイデアやイノベーションを生むには、常識を疑え」と言われる。しかし最も重要かつ難しいのは「自分はどのような先入観を持っているのか?」「何が常識なのか?」に自覚的になることだ。
もしあなたが出版社のマーケティング担当者で「本が売れない」という問題を抱えていたとしよう。ラテラルシンキングのアプローチを採るなら、まずやらなければならないのは「自分はどのような先入観を持っているのか?」「何が常識なのか?」を洗い出すことだ。例えば、
- 「本は読むもの」という先入観
- 「本は紙でできているもの」という先入観
- 「本は読んだら終わるもの」という先入観
- …etc
これらの「暗黙の先入観」を洗い出して初めて「先入観を疑う」ことができるようになる。そして「先入観を疑う」ことができれば、
- 「本は読まないもの」→インテリアとして飾る本
- 「本は紙でできていないもの」→電子書籍
- 「本は読み終わらないもの」→デアゴスティーニのようなコレクションモデル
など、様々なアイデアが発想できるはずだ。
このように、常に「暗黙の先入観を自覚し」「暗黙の先入観を疑う」ことができれば、創造的な問題解決策を導き出すことが可能になる。
ラテラルシンキングの鍛え方と成功事例-5:視点を変える例題と解答例
いよいよ最後の例題だ。
視点を変える-1:ラテラルシンキングの例題
- あなたは小児科病棟のMRI技師だ
- 担当しているのは小児科であるため、小さな子供をMRIで検査することが多い
- しかし子供はMRI設備を怖がり泣いてしまう子もいるため、仕事がはかどらずに悩んでいる
- どのような解決策があるか?
視点を変える-2:ラテラルシンキングの解答例
普通に考えれば、怖がって泣いている子供に対しては「おもちゃを与える」「お菓子を与える」などして「子供をなだめる」という発想が思い浮かぶだろう。
しかし、以下のような解答も正解になりえる。
視点を変える-3:ラテラルシンキングをビジネスに活かす方法
この例題が教えてくれるのは「視点を変える」ことの重要性だ。
多くの人はこの例題を示されると、無意識に「MRI検査技師の立場に立って」「どう子供をなだめすかして検査するか?」と考えてしまう。
しかし、いったん子供の立場に立って「怖がるどころか、喜んで飛び込みたくなるMRI検査とはどんなものか?」と視点を変えれば解答例のような発想が出てきやすくなる。
一般に、誰かの行動を促そうと思ったときに、すぐに思いつくのが「指示」や「命令」だろう。しかし「指示や命令を受ける側」の視点に立てば、それらは「やらされ仕事」となり、いつしか「自分で考える力」を失わせていく。いわゆる「指示待ち状態」だ。
しかし、もしあなたが視点を変えることができれば「強制」をする前に「本人が自発的にやりたくなる気持ちを創るにはどうすればよいか?」という問いに想いが至るようになる。
「視点」は、時に物を見る範囲を狭め、思考の幅を狭くする。しかし、柔軟に視点を切り替える「多角的視点力」を持てれば、これまでとは異なる世界が拓くことが可能になり、煮詰まっていた状況を打破するきっかけになる。
ラテラルシンキングの本|おすすめ書籍3冊
締めくくりに、あなたにおすすめできる「ラテラルシンキング本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。
- k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるラテラルシンキング本。
- 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っているラテラルシンキング関連書籍。
- 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるラテラルシンキング本。
もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。
ラテラルシンキング本おすすめ書籍-1:ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
「ロジカルシンキングはできるのだが、アイデア発想は苦手だ」。あなたはそのような悩みをお持ちでないだろうか?
ロジカルシンキングは「理由や根拠を掘り下げていく思考法」であることから「ビジネス課題の発見」には有効だが「そもそもの問題の定義」や「解決策の立案」の局面では不向きな思考法と言っていい。
本書は、ロジカルシンキングと対極をなす「ラテラルシンキング」を解説した書籍だ
ラテラルシンキングとは、知らず知らずのうちに頭の中で設けてしまっている制約を取り除き、自由に発想を広げる思考法を指す。
本書は、柔軟な思考力として「疑う力」「抽象化する力」「偶然を見逃さない力」などの重要性を説く。
「いざブレストとなると、通り一辺倒のアイデアしか湧いてこない」
もしあなたがそのような悩みをお持ちなら、一読の価値がある書籍だ。
ラテラルシンキング本おすすめ書籍-2:メタ思考トレーニング
例え同じ事実でも、視点の置き方によってその事実に対する解釈は変わる。
本書は、物事を「一つ上の視点」から客観的に考えるメタ思考の重要性と実践法を解説した良書だ。
これまで個別に見ていた問題も、一つ上の視点から眺めると実は「全体に対する部分」であったことに気付くことができる。
また、一見、規則性なく散らばった「バラバラの問題」も、一つ上から抽象化して眺めることで、その「意味」や「関係性」を読み解き、それらを引き起こす根本課題を特定して解決することができるようになる。
ビジネスの世界では「型の奴隷になるな。型の創造者たれ」という言葉がある。
もしあなたがメタ思考を身に付けることができれば、複数の問題に対する根本課題を読み解き、問題解決に活かすことが可能になるはずだ。
ラテラルシンキング本おすすめ書籍-3:アナロジー思考
あなたは「イノベーションとは、すでにあるものの組み合わせから生まれる」という話を、どこかで聞いたことがないだろうか?
これはイノベーションの父と呼ばれるヨーゼフ・シュンペーターによるイノベーションの定義だ。日本では、当時「新結合」という訳で輸入されている。
アナロジー思考は、この「すでにあるものの組み合わせ」を活かして、類推の力によってアイデアを生み出す思考法だ。
本書は、このアナロジー思考を体系的に解説した上で、そのベースとなる「抽象化思考力の鍛え方」「身近なビジネスの世界への応用の仕方」「アナロジー思考の頭の使い方」等のノウハウを解説してくれている。これらはすべて、ラテラルシンキングを鍛える際には必須となる能力だ。
本書を手に取りアナロジー思考力を鍛えることで、あなたのラテラルシンキング力は飛躍的に高まるはずだ。
このブログから書籍化した本4冊
★「シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説
冒頭でも紹介したが、再度ここでも紹介させていただこう。
あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。
なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。
しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、
- 「センスが必要」
- 「経験の積み重ねが物を言う」
など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。
一方で本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。
おかげさまで本書は6版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。
さらにAmazonレビューでも、
- 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
- 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
- 「一生もののスキルになるのは間違いない」
など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。
もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。
★8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける
どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、
- 時間管理術
- 段取り術
- コミュニケーション術
- 資料作成術
- 会議術
- 学び術
- 思考術
- 発想術
など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。
しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。もちろん、思考術に関しても重要ポイントを解説している。
さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。
おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。
Amazonレビューでも、
- 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
- 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
- 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」
など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。
もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。
★ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付
人は誰しも「視点」を通してしか物事を考えることができない。
別の言い方をすれば「そもそも何を考えるべきか?」という論点(=イシュー)は、視点が決めてしまうともいえる。
また、どんなに適切な視点を置いたとしても「ああなれば→こうなるだろう」という「予測のパターン(=法則)」が頭の中になければ、確かな仮説を導き出すことはできない。
本書はビジネス書から「視点」と「法則」を発見し、思考の質とスピードを上げていく独学術を解説した書籍だ。
1つの「視点」しか持てない人は、1つの論点しか設定することができない。当然、導き出せる仮説も1つだけだ。
しかし5つの「視点」を持てれば、5つの論点を設定できるようになる。その結果、5つの仮説を導き出すことができるようになるはずだ。
もしあなたが自由自在に「視点」を操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「新たな可能性」を拓くことができるようになる。
また、数多くの「法則」をストックしていけば、様々な現象に「法則」を当てはめることで「筋の良い仮説」を瞬時に導き出すことが可能になるはずだ。
おかげさまで、本書はThe21や日経、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、
- 視点力や仮説思考、抽象化スキルが身に付く良書
- これまでの読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
- まさに「モノの見方を変える方程式」
など、ありがたい言葉を頂戴している。
もしあなたが「フレームワーク」だけでは得られない「視点力」と「思考スピード」を身につけたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。
★ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」
本書は、筆者の専門である「ブランディング」を解説した書籍だ。
ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。
しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。
本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。
「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。
そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。
本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。
おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー入りを果たし、Amazonレビューでも、
- 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
- 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
- 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」
など、ありがたい言葉を頂いている。
もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。
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★17のビジネス分野別おすすめ書籍
★思考力が身につくおすすめ書籍
★ビジネススキルが身につくおすすめ書籍
★ブランディング・マーケティングの知識が身につくおすすめ書籍
終わりに
今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。
しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。
それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録やTwitter、facebook登録をしてほしい。
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