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クリティカルシンキングとは|批判的思考の実践ポイントと鍛え方|例題有

クリティカルシンキングとは|批判的思考の意味と鍛える方法を解説

この記事に辿り着いたあなたなら「クリティカルシンキングとは何か?」あるいは「クリティカルシンキングの鍛え方を知りたい」と考えていることだろう。

クリティカルシンキングは、別名「批判的思考」とも呼ばれる。「批判的思考」と聞くと何やら物騒な感じがするが、これからのビジネスパーソンにとって必要不可欠な考え方だと断言できる。

よって、今回は「クリティカルシンキング」の鍛え方や実践ポイントを、例題も交えて解説する。

今後ビジネスパーソンに求められるのは「決まったことを正確にできる人材」ではなく「自分の頭で考え、新しい価値を生み出せる人材」であり、そのカギを握るのがクリティカルシンキングだ。

もしあなたが「クリティカルシンキングを鍛えたい」と考えているなら、ぜひ最後までお読みいただきたい。 

ビジネス書の学びを最大化したい方へ|視点」と「法則」をストックしていく読書術

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本論に入る前に、拙著「読書の方程式」を紹介させていただこう。

人の「思考プロセス」は、必ず、

  1. 視点:まずは何らかの「視点」を置き
  2. 法則:その「視点」を元に「ああなれば→こうなるはず」という法則性を考え
  3. 結論:結論を出す

というステップを辿る。

つまり、あなたが生み出す「結論(仮説・発想)」は、あなたの頭の中にある「視点の多さ」と「法則の多さ」の掛け算で決まってしまうといえる。それが本書でいう「方程式」だ。

方程式
何を考えるべきか<視点> × どう考えるべきか<法則> =結論の量・質

 本書は、あなたの中に「視点」と「法則」をストックしていくために、

  • 視点を増やす「視点読書」
  • 法則を増やす「法則読書」

の実践的な方法を解説した書籍だ。

「視点読書」を実践すれば、あなたは人とは違う「視点」を置くことで新たな概念(=コンセプト)」を生み出すことができる。そして「法則読書」を実践すれば「ああなれば → こうなる」という仮説をスピーディーに導けるようになるはずだ。

おかげさまで、書評やAmazonレビューでも、

  • 読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • 読書術の本でありながら、実用的な思考力向上の学びが得られる
  • 一つひとつが結構深くて、ハイライトを引きまくり

など、ありがたい言葉を頂戴している。

例え同じビジネス書を読んでいても、人によって「得られる学びの量」は何倍も変わってしまう。もし1冊のビジネス書から得られる学びの量を最大化したいなら、まずは本書を手に取って頂きたい。

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングとは?-1:教科書的な定義

まずはクリティカルシンキングの意味について理解を深めよう。クリティカルシンキングの「教科書的な」定義は、以下の通りだ。

「クリティカルシンキング」とは?-Wikipedia

あらゆる物事の問題を特定して、
適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法

しかしこの記事に辿り着いたあなたにとって、上記の定義は不十分なはずだ。

なぜならこの定義では「ロジカルシンキングと何が違うのか?」「分析と何が違うのか?」が曖昧でよくわからないからだ。

クリティカルシンキングの定義が曖昧なままでは、実践には落とせない。そして実践に落とせなければ成果には辿り着けない。今あなたに必要なのは、もっとわかりやすく、もっと実践的な「クリティカルシンキングの意味」だ。

クリティカルシンキングとは?-2:実践的な意味

それでは、実践的な「クリティカルシンキングの意味」とは何だろうか?

クリティカルシンキングの「クリティカル(critical)」とは「批判的」という意味を持つ。よって、クリティカルシンキングは別名「批判的思考」とも呼ばれる。

日常で「批判的」といえば「否定的な評価」というニュアンスが伴う。

しかし本来の「批判」の定義とは「良い部分・悪い部分を意識的に見分け、評価・判定すること」であり、むしろ「先入観にとらわれず、中立的な姿勢を重視する」のがクリティカルシンキングのポイントだ。

これらを踏まえると、クリティカルシンキングの実践的な意味は下記のようになる。

「クリティカルシンキング」とは?-実践的な意味

物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度

鋭いあなたならお気づきだと思うが、クリティカルシンキングには大きく分けて2つの要素が存在する。

  • 物事を鵜呑みにせずに疑うこと。
  • 「思考態度」であること。

物事を鵜呑みにせず適切に疑うことができれば、これまでの当たり前や常識を覆し、新たな側面の発見につながる。

別の言葉でいえば、一つの側面に囚われることなく中立的に様々な角度から物事を考えることで、新たな可能性を切り拓くことができるのだ。

このブログをお読みのあなたなら、様々な思考法を学んでいると思う。

それらすべての思考法に共通して必要となるのが「物事を鵜呑みにせずに適切に疑う思考態度」だ。

  • 自分の考えは正しいはず
  • 専門家が言ってることは正しいはず
  • みんなが頷いているから正しいはず
  • 論理的に筋が通っているのだから正しいはず
  • 常識的に考えると正しいはず

そんな思い込みに対して適切に疑う態度を持ち「別の可能性はないのか?」を考え続けるのがクリティカルシンキングだ。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い

ここで、クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いについても触れておこう。

ロジカルシンキングとは、筋道立てて矛盾なく推論を行う思考法のことを指す。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-3:ロジカルシンキングとの違い①ロジカルシンキングとは

しかしロジカルシンキングは「前提の置き方」を教えてはくれない。別の言い方をすれば「前提の置き方」次第で「正解」は無数に存在することになる。

また、ロジカルシンキングは論理を展開する際の「切り口(視点)」を教えてくれるわけではない。物事を考える際には無数の切り口が存在するが「切り口の選び方」に正解はない。

しかし「正解がない」ということは、物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度を持てれば「これまでの当たり前を覆し」「これまでにない新たな切り口を見出す」ことが可能になるはずだ。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-3:ロジカルシンキングとの違い①ロジカルシンキングとは②クリティカルシンキングとは

重要なことなので繰り返すが、ビジネスの世界に「正解」など存在しない。

置いている前提が1ミリでも変われば、その後の未来は大きく変わることになる。そして、過去に成立した因果関係が未来にも成立するとは限らない。

だとすれば、ビジネスに絶対的な模範解答などなく、常に「暗中模索」や「試行錯誤」があるだけだ。

クリティカルシンキングをマスターしている人はそのことを理解しており、どんなに素晴らしい本に書いてあったことも、どんなに論理の筋道が通っていたとしても、全ては「こうかもしれない」という可能性の一つに過ぎないと考える。

そのため、時に誰もが驚くような「別の可能性」を見出して、周囲を驚かせることがあるのだ。

クリティカルシンキングの実践ポイントと例題

続いては「クリティカルシンキングでは、何を批判的に考えればいいのか?」について、ロジカルシンキングとの違いを意識しながら、実践ポイントを解説していこう。

クリティカルシンキングの実践ポイント-1:「前提」を批判的にを疑う

まずは下記の図をご覧いただきたい。もしあなたがロジカルシンキングをご存知なら、下の図が「ロジックツリー」であることは、すぐに気づくはずだ。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-1:前提を疑う①よくあるロジックツリーの例

ロジカルシンキングの場合、まずは「売上を上げる」という前提を「受け入れた」上で、右側の箱に、

  • 新規の購入者数を増やす
  • 既存顧客の購入頻度を上げる
  • 客単価を上げる

など「売上を上げる手段」へと分解していく。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-1:前提を疑う①よくあるロジックツリーの例②ロジカルシンキングのアプローチでは

しかし、クリティカルシンキングでは「売上を上げる」という「前提自体を疑う」ことから始まるのがポイントだ。

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あらゆる企業において「売上を上げる」ことは必要不可欠だ。しかし深く吟味して考えれば「売上を上げる」ことは「利益を上げる」ための手段であり目的ではない。

例えどんなに高い売上を上げたとしても、それ以上にコストがかかり利益がマイナス(つまり赤字)になってしまえば本末転倒であることは、あなたもご承知のはずだ。

だとすれば、ビジネスの本来の目的は「利益を上げること」であり「利益を上げる」ことを目的にすれば、その手段は「売上を上げる」だけでなく「コストを下げる」という別の選択肢も見えてくる。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-1:前提を疑う④別の可能性を見出す

このように、ロジカルシンキングは、

  • 「目的」を「前提」として受け入れて
  • その前提を元に論理の筋道を考えていく「思考技術」

であることがわかる。一方でクリティカルシンキングは、

  • 「目的という前提」そのものを適切に疑い
  • 別の可能性を探そうとする「思考態度」

であるといえる。

つまりクリティカルシンキングとは、前提を疑い、適切なイシュー(=論点)を探し続ける思考態度であり、そもそもロジカルシンキングとは立ち位置が違うのだ。

クリティカルシンキングの実践ポイント-2:「切り口(視点)」を批判的に疑う

続いて、以下の図をご覧いただきたい。こちらも「ロジックツリー」の展開例だ。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-2:「分解の切り口」を疑う①ロジックツリーの展開例

もし「売上を上げる」場合、想定される手段は先ほど解説した通り、

  • 新規の購入者数を増やす
  • 既存顧客の購入頻度を上げる
  • 客単価を上げる

のいずれかとなる。そしてこれらは、

  • MECE(モレなくダブリなく)が成立している
  • 「売上を上げる」という目的に対する手段として、因果関係が成立している

という2つを満たしてることから「ロジカルシンキング的には」全く問題のないロジックツリーだ。

しかしあなたがクリティカルシンキングを身につけたいなら、適切に疑う思考態度を持たなければならない。例えば「分解の切り口は、本当に正しいのか?」という疑い方だ。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-2:「分解の切り口」を疑う②分解の切り口は正しいのか?

確かに売上を上げるためには、

  • 新規の購入者数を増やす
  • 既存顧客の購入頻度を上げる
  • 客単価を上げる

のどれかを実現しなければならない。

しかしこれらはすべて「企業側の視点」であり「市場の視点」が入っていない。つまりロジックとして成立してはいるが、内輪都合のロジックになってしまっている。

だとすれば、市場の視点を取り入れ、以下のような切り口で分解するのはどうだろうか?

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-2:「分解の切り口」を疑う②分解の切り口は正しいのか?②分解の別の切り口

売上高を「市場規模×市場シェア」という切り口で分解すれば、

  • 売上を上げるために、市場を広げていくべきなのか?
  • 売上を上げるために、市場シェアを上げるべきなのか?

という「市場」を加味した「戦略レベルの検討」ができるようになる。もし市場が成長局面なら「市場を広げる」という成長戦略が優先課題となるかもしれない。

あるいは市場が成熟局面なら「競合ブランドからのブランドスイッチを促す」という競争戦略が優先課題となりうる。

クリティカルシンキング(批判的思考)の事例-2:「分解の切り口」を疑う②分解の切り口は正しいのか?③より戦略的な検討へ

鋭いあなたならお気づきの通り「論理の筋道が正しい(=ロジカルシンキング的視点)」ことと「論理の筋道を考える際の切り口が正しい(=クリティカルシンキング的視点)」こととは、まったく別次元の問題だ。

「論理的に正しい」ことと「ビジネス的に正しい」ことは、必ずしもイコールにならない。

だからこそ「論理的に正しいからOK」ではなく「本当にその切り口(=論点)で正しいのか?」を疑い続けるマインドセットが必要となる。それがクリティカルシンキングのポイントだ。

クリティカルシンキングの鍛え方と例題

クリティカルシンキングとは何か?が理解できたら、続いては「クリティカルシンキングの実践ポイント」について具体例を交えて解説していこう。

クリティカルシンキングの鍛え方と例題-1:適切に疑う「視点」を持つ

この記事をお読みのあなたなら、すでに「ロジカルシンキングとは何か?」について理解していることだろう。

ロジカルシンキングの本を読めば、必ずといっていいほど登場するのが「So What?/Why So?」のフレームワークだ。

「So What?」とは「だから何?」という意味合いであり「現在持っている情報から、主張や結論を導き出す際の問いかけ」だ。

クリティカルシンキング(批判的思考)を鍛える方法-1:クリティカルな視点を持つ①So What

また「Why So?」とは「なぜ、そう言えるのか?」という意味合いであり「結論に対して、納得できる理由があるかを確認する問いかけ」と言える。

クリティカルシンキング(批判的思考)を鍛える方法-1:クリティカルな視点を持つ②Why So

しかし賢明なあなたならお気づきだと思うが「So What?/Why So?」は「原因と結果」や「根拠と結論」など、物事の因果関係を検証するためのフレームワークであり「前提を疑う視点」や「多様な切り口(=イシュー)を見出す視点」が入らない。そのため、現状を覆し、別の可能性を切り拓くのには向いていないのが難点だ。

もしあなたがクリティカルシンキングを実践したいなら「So What?/Why So?」以外に持っておきたいのが、以下の2つの視点だ。

  • True?-本当か?
  • Anything else?-他には?
適切に疑う視点を持つ-1:True?(本当か?)

クリティカルシンキングに必要な視点の1つ目は「True?(本当か?)」という視点だ。

ビジネス環境が目まぐるしく変化している現在では「今までの方法でうまくいったのだから、これからもこの方法でうまくいくはずだ」といった考え方は通用しない。

例えば、これまで小売業界では「整然とした商品陳列と売れ筋把握」が成功要因とされてきたが、その常識を「True?(本当か?)」と問いかけたのがドン・キホーテだ。

ドン・キホーテは「魔境感のある商品陳列」と「これ、売れるの?と思えるような見せ筋の仕入れ」という常識を覆すアプローチで売上を伸ばしており、ビジネス 前提を疑うことで成功している事例だ。

このように、これまでの「当たり前」や「常識」を「True?(本当か?)」と疑うことができれば、様々な可能性に思考を巡らせることができる。

適切に疑う視点を持つ-2:Anything else?(他には?)

クリティカルシンキングに必要な視点の2つ目は「Anything else?(他には?)」という視点だ。

例えば以下の通りだ。

  • タイの高級洋菓子市場は市場規模が拡大している。
    →高級洋菓子市場が拡大しているのはタイだけなのか?その他の国はないのか?
    →高級洋菓子市場以外は拡大していないのか?例えばカジュアルギフト市場はどうか?
  • 自社にとって「タイの高級洋菓子市場」は魅力的な市場だ。
    →市場が拡大しているだけで「魅力的」といえるのか?
    →市場の成長性だけでなく、市場規模は十分か?
    →競争環境は激しくないのか?
    →自社の強みは活かせるのか?

このように、現在の視点に対して「Anything else?(他には?)」という視点を持てれば、より広い視野で、かつ精緻に物事を捉えることができるようになる。その結果、より確度の高い意思決定へとつながるはずだ。

クリティカルシンキングの鍛え方と例題-2:適切に疑う「思考習慣」を持つ

続いて、クリティカルシンキングの鍛え方を、問題解決プロセスに準じて解説しよう。

適切に疑う思考習慣を持つ-1:現状を疑う

冒頭で、クリティカルシンキングとは「物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度」だと解説したが、クリティカルシンキングを実践する習慣を持てれば、これまで当たり前すぎて誰も気づかなかった問題に気づけるようになる。

なぜなら、問題発見は「現状の在り方」や「現状の方法」を疑うことから始まるからだ。

そして当たり前のことだが、そもそも問題を発見できなければ、問題を解決することはできない。

クリティカルな思考習慣を持つ-1:現状を疑う

上記を踏まえれば、本質的な問題を発見し解決するには、クリティカルシンキングが必須のスキルであることがご理解いただけるはずだ。

もしあなたがクリティカルシンキングを鍛えたいなら、まずは現状を適切に疑う(True?)ことから始めよう。

そうすれば「時代に合わなくなった常識」「不合理なルール」が見えるようになり、問題解決のスタートラインに立てるようになるはずだ。

適切に疑う思考習慣を持つ-2:問題を疑う

現状を疑い問題が発見できたら、次は「問題を疑う」ステップだ。より分かりやすく理解するために、具体例を交えて解説しよう。

もしあなたが、テーマパークの責任者だったと仮定しよう。

そのテーマパークは驚くほどの盛況で、毎日のように開門ゲート前に行列ができる状況だ。

責任者であるあなたにとっては嬉しい限りだが、一方でゲート付近は極端に狭い作りのスペースになっているため、ゲートが開いて群衆が一斉に走り出した際に、互いの肩がぶつかりあうような状況だ。

つまり、いつ事故が起きてもおかしくない状況といえる。

あなたは責任者として現場担当者に改善策を検討させたところ、以下のような提案が挙がってきた。

  • 問題:ゲート付近が極端に狭い作りになっていること
  • 解決策:ゲート付近に工事を入れ、人同士がぶつからないようにスペースを広げる

この問題解決策は、問題を「ゲート付近が極端に狭いスペースになっていること」と定義している。

しかしクリティカルシンキングとは「物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度」のことだ。よって責任者であるあなたは、本当に「ゲート付近が極端に狭いスペースになっていること」が問題なのか?(=True?)と疑わなければならない。

そして、もし問題そのものを適切に疑うことができれば、

  • 真の問題は「ゲート付近が極端に狭い作りになっていること」ではなく「入場者が一斉に走り出してしまうこと」だ。

という新たな気づきを得ることができる。

そうすれば、入場者が一斉に走り出さないように「入場直前に、テーマパーク内で使えるクーポン冊子を配る」という別の解決策を導き出すことも可能になる。

入場者がクーポン冊子を手に取れば、走りながら文字は読めないため急ぐ人を減らすことができるからだ。

クリティカルな思考習慣を持つ-2:問題を疑う

このように「問題」は「問題そのものを疑い、捉え直す」ことで、解決が容易になる場合がある。上記の例の場合「ゲート付近に工事を入れること」と「入場直前にクーポン冊子を配ること」では、後者の方がはるかに手間がかからず、低コストで問題を解決できるはずだ。

もしあなたがクリティカルシンキングを鍛えたいなら、問題を発見した際には「その問題の捉え方は、本当に正しいのか?」と適切に疑う(True?)習慣をつけよう。そしてうまく問題を捉え直すことができれば、驚くほど簡単に問題解決に至る場合がある。

適切に疑う思考習慣を持つ-3:思考の偏りに気づく

問題の解決策を考える際に、多くの人が陥りがちなのが心理バイアスだ。「バイアス」とは「偏り」のことであり、人が人である以上「価値観」や「性格」も含めて「心理的な偏り」は避けようがない。

しかし、あらかじめ「人はどのような心理に偏りやすいのか?」を知っておけば、常に「この考えはバイアスがかかっていないか?」と疑えるようになりバイアスを避けやすくなる。

特に、多くの人が陥りやすい心理バイアスは以下の通りだ。

  • 現状維持バイアス:
    変化を避け、現状を維持したくなる心理バイアス
  • リスク回避性向:
    得られる利益の大きさより、失う損失の大きさを重視してしまう心理バイアス
  • バンドワゴン効果:
    みんなが良いと評価しているものを高く評価してしまう心理バイアス
  • ハロー効果:
    目立ちやすい特徴に引っ張られ評価してしまう心理バイアス
  • フレーミング効果:
    知らないうちに視点や枠組みを固定してしまう心理バイアス

心理バイアスが恐ろしいのは、多くの人がこれらのバイアスに対して無自覚であることだ。つまり、疑うきっかけや余地がないまま、無意識に受け入れてしまっているともいえる。

いったん疑いはじめれば「何を疑うべきか」は自然と見えてくることが多いが、そもそもバイアスに無自覚で「疑う気がない」あるいは「疑うということを思いつかない」ときには、疑う思考回路自体が働かなくなる。

もしあなたがクリティカルシンキングを鍛えたいなら、様々な心理バイアスに自覚的になり、常に「自分は心理バイアスに囚われていないか?」と疑う習慣を持ち続けよう。

適切な思考習慣を持つ-4:別の可能性を考え続ける

問題解決策を立案する際には、自分に対して常に「True?」と問いかけることで前提を疑い「Anything else?」と問いかけることで別の可能性を模索しつづけよう。

例えば、以下のロジックツリーをご覧になってほしい。法人営業における一般的なロジックツリーだ。

クリティカルな思考習慣を持つ-4:別の可能性を考え続ける①別の可能性を考え続ける

ここまでお読みのあなたなら「このロジックツリーを鵜呑みにしない」のがクリティカルシンキングであることはご理解いただけているはずだ。

仮に「売上を上げるには?」という前提が正しいとした場合、どのような「別の可能性」が考えられるだろうか?

例えば、以下のロジックツリーは「売上は営業が上げるもの」という前提を疑い(=True?)、それ以外のどんな可能性がありうるか?(=Anything else?)というクリティカルシンキングの視点で作成したロジックツリーだ。

クリティカルな思考習慣を持つ-4:別の可能性を考え続ける②

もし広報活動で商品カテゴリー自体の社会的ニーズを創造することができれば、それは市場が広がることを意味するため、売上向上につながりやすくなる。

またマーケティング活動では、ブランドマーケティングによって商品の知名度が上がれば、それだけ引き合いの数は多くなり、売上向上につながりやすくなる。

また、コンテンツマーケティングを通して資料請求数が増えれば、こちらも売上向上に寄与していくはずだ。

これらのように「売上を上げるのは営業だけ」「改善すべきは営業活動プロセスだけ」と考えるのではなく、常に「前提は正しか?(=True?)」「他にはないか?(=Anything else?)」と考え続ける習慣を鍛えることができれば、あなたはすでに立派なクリティカルシンカーだ。

クリティカルシンキングの本|おすすめ書籍3冊

締めくくりに、あなたにおすすめできる「クリティカルシンキング本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるクリティカルシンキング本。
  • 実際に実務や事例共有に役立っているクリティカルシンキング関連書籍。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるクリティカルシンキング本。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

クリティカルシンキング本おすすめ書籍-1:ビジネス思考法使いこなしブック

ロジカルシンキング・ラテラルシンキング・クリティカルシンキングという3つの思考法を体系的に扱っている書籍は、そう多くはない。そのような中で、それぞれの思考法の違いも含めて、わかりやすくかつ体系的に学べるのが本書の特徴だ。

本書では3つのキャラクターが登場し、同じ問題に対してそれぞれのキャラクターがロジカルシンキング・ラテラルシンキング・クリティカルシンキングの異なるアプローチで問題解決策を立案する。その際に「どのように結論が変わりえるか?」という比較がなされるため、それぞれの思考法の違いが理解しやすいのが特徴だ。

また、表紙の画像をご覧いただければわかる通り、内容はとっつきやすく物語形式で描かれているため「クリティカルシンキングとは何か?」「クリティカルシンキングはロジカルシンキングと何が違うのか?」と迷いがちな初心者にはわかりやすいはずだ。

もしあなたが「クリティカルシンキングは難しそう」と感じるなら、初めのとっかかりとしてふさわしい書籍だ。

クリティカルシンキング本おすすめ書籍-2:入社1年目で知っておきたい クリティカルシンキングの教科書

あなたは「論理的思考は理解できるが、なかなか実践できない」と悩んではいないだろうか?

例え論理的思考の方法論が理解できたとしても、誰にも認識されていない課題を自ら設定できなかれば、主体的な行動を起こすことはできない。そして「誰にも認識されていない課題」を設定する上で必要不可欠なのがクリティカルシンキングだ。

本書は、主体的な課題設定ができる「クリティカルシンカー」になるために必要な「実践のプロセス」や「重要ポイント」をステップごとに提供してくれている。

もしあなたがクリティカルシンキングを「実践」に落とし込みたいなら、ぜひ手元に置いておきたい書籍だ。

クリティカルシンキング本おすすめ書籍-3:グロービスMBAクリティカル・シンキング[改訂3版]

本書は、およそ20万人に読まれた「クリティカルシンキング」のベストセラー書籍だ。

本書の特筆すべき点は、ビジネススクールが発行している書籍らしく「ビジネスパーソンが仕事を進めていく上で役立つ」という観点に徹底的にフォーカスしていることだ。

ともすればクリティカルシンキングは教育論や心理学、哲学など、その範囲は後半に広がりがちだ。しかし本書はビジネスに特化した上でロジカルシンキングの方法論(テクニックやフレームワーク等) とクリティカルシンキングに必要な姿勢(心構え) を体系的に組み合わせて解説しているため「ビジネス実務への活かし所」がイメージしやすいのが特徴だ。

本書の旧版は2001年に発売されている。それ以降20年に渡って読み継がれているのは、それだけ時代を越えても変わらない本質が描かれているからだ。

もしあなたがクリティカルシンキングを自由自在に使いこなしたいなら、本書を何度も繰り返し読むことをお勧めする。読むごとに、新たな発見に気づかされるはずだ。

このブログから書籍化した本

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説→8/5(木)までKindle版が¥1,760→¥880のキャンペーン実施中

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ここまでお読みになったあなたなら、クリティカルシンキングには、仮説思考が必須であることがおわかりいただけているはずだ。

なぜなら、例え「前提を疑う視点」で物事を眺めたとしても「別の側面」としての仮説が立てなければ、その先のステップには進めないからだ。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

翻って本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

誤解を恐れずに言えば、あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

57個の仕事術を身につけたい方へ|超効率ハック→8/5(木)までKindle版が¥1,760→¥715のキャンペーン実施中

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クリティカルシンキングに関心があるあなたなら、仕事術全般にも関心があることだろう。しかし、いざ仕事術を身につけようと思っても、その分野は、

  1. 時間術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術

など多岐に渡り、全てを身につけようとすると膨大な費用と時間がかかるのが難点だ。しかし、拙著「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術をギュッと1冊に凝縮しているため、幅広い分野の仕事術を効率的に身につけることができるのが特徴だ。

また、類書と大きく異なる点は「EXCELの関数を覚える」「ショートカットキーを使い倒す」などの小手先のテクニックではなく、その根本にある「57個の頭のスイッチの切り替え」を解説している点だ。

どんなに時短テクニックを駆使しても、そもそもその作業自体が必要なかったら意味がない。しなくてもいいことを効率的に行うことほど、無駄なことはない。

この場合、必要なのは「作業の処理スピード」ではなく「不必要な作業を見極め、周囲を納得させる力」だ。

本書は、このような「57個の頭のスイッチの切り替え」を、具体的な処方箋を交えながら紹介している。

おかげさまで、本書を解説したSchooの授業は「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、Amazon Kindleでも「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得し、海外での出版も決定している。

Amazonレビューでも、

  • 「どのライフハック本と比べても異色であり、学べることが多かった」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「仕事術をマスターしたい」「仕事の生産性を劇的に高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

ビジネス書の学びを最大化したい方へ|視点」と「法則」をストックしていく読書術

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冒頭でも紹介したが、再度ここでも紹介させていただこう。

人の「思考プロセス」は、必ず、

  1. 視点:まずは何らかの「視点」を置き
  2. 法則:その「視点」を元に「ああなれば→こうなるはず」という法則性を考え
  3. 結論:結論を出す

というステップを辿る。

つまり、あなたが生み出す「結論(仮説・発想)」は、あなたの頭の中にある「視点の多さ」と「法則の多さ」の掛け算で決まってしまうといえる。それが本書でいう「方程式」だ。

方程式
何を考えるべきか<視点> × どう考えるべきか<法則> =結論の量・質

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  • 視点を増やす「視点読書」
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「視点読書」を実践すれば、あなたは人とは違う「視点」を置くことで新たな概念(=コンセプト)」を生み出すことができる。そして「法則読書」を実践すれば「ああなれば → こうなる」という仮説をスピーディーに導けるようになるはずだ。

おかげさまで、書評やAmazonレビューでも、

  • 読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • 読書術の本でありながら、実用的な思考力向上の学びが得られる
  • 一つひとつが結構深くて、ハイライトを引きまくり

など、ありがたい言葉を頂戴している。

例え同じビジネス書を読んでいても、人によって「得られる学びの量」は何倍も変わってしまう。もし1冊のビジネス書から得られる学びの量を最大化したいなら、まずは本書を手に取って頂きたい。

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書

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本書は、筆者の専門である「ブランディング」について解説した書籍だ。

ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー入りを果たし、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

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終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかる解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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