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思考法一覧|ビジネスに必須のビジネス思考力【10種類】を解説

思考とは何か?|ビジネスに必須の11種類の思考法を一覧で解説

このページに辿り着いたあなたなら「ビジネスに必須の思考法とは何か?」あるいは「様々な思考法をマスターしたい」と考えていることだろう。

本ブログの執筆者であるk_birdは、外資系コンサルティングファームと広告代理店の両方を横断したキャリアを持つストラテジストだ。

コンサルティング業界や広告業界は「形のある売り物」が存在しない。そのため「思考」を総動員して論理やアイデアを導き出し、常に高い価値を提供し続けなければ報酬を得られない。

こう書いてしまうと、思考力を身につけるには過酷な努力が必須と思われるかもしれない。しかし、両方の業界に身を置いた者として「そうではない」と強く断言できる。

なぜなら「思考力」とは「努力の話」ではなく「方法論の話」だからだ。

そして思考力が「方法論」である以上、そこには再現性が存在する。つまり、一旦「思考法」や「考える手順」をつかんでしまえば「誰でも」「過酷な努力は必要なしに」マスターすることが可能だ。

今回は外資系コンサルティングファームや広告代理店で得られた知見をまとめ「ビジネスに必須の10種類の思考法」を一覧で解説しよう。是非、思考力を身につける参考にして頂きたい。

また、この記事の最後には、記事内で紹介した図版のスライド資料を用意しているので、ぜひ復習時に活用頂きたい。

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

本論に入る前に僭越ながら、拙著を紹介させていただこう。

あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考の重要性は説くものの、肝心の「仮説思考の身につけ方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせている書籍が多い。

しかし本書は「仮説思考に必要な頭の使い方の手順」を、豊富な事例とともに徹底解説している。よって、その手順通りに頭を使えば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

ビジネス思考とは何か?ビジネス思考の意味を定義する

思考とは?

ビジネス思考を考える前に、まずは「そもそも思考とは何か?」について整理しておこう。このブログの執筆者であるk_birdは「思考」の意味を以下のように定義している。

「思考」とは何か

「情報」や「知識」を「知恵」に変換するプロセス

自分自身がスキルアップするために、情報を収集したり、知識を得たりすることは必要不可欠だ。しかし「情報」や「知識」は、ただそれだけでは「過去の誰かからの借り物」に過ぎない。

また、それらが有益なものであればあるほど、すぐに一般化し「誰もが知っていること」になってしまうため、あなた独自の競争力にはならない。

一方であなた自身が生み出した「知恵」は、あなた独自のものとなる。そのため一般化しにくく希少価値があり、簡単には古くならない。

このように考えると「思考」とは、得た知識をあなた独自の「知恵」に変換するプロセスであり、あなたが自分自身の競争力を築く上で、極めて重要な概念であることがおわかりいただけるはずだ。

思考とは?-1:思考の意味

思考力の重要性

情報や知識は目に見えるものだ。そして短時間で簡単に手に入れることができる。しかし短時間で得られる競争力は、短時間で真似されやすい競争力でしかない。

一方で「思考」は目に見えない。しかし思考力を時間をかけて身につけていけば、ライバルが追随できない長期的な競争力を築くことが可能になる。

なぜなら「目に見えない」ということは、傍から見て「真似されにくい」ことを意味するからだ。

また「時間をかけて身につける必要がある」のは他の人も同様であることから、一旦身につけてさえしまえば「今日明日では真似されない」ことを意味する。

世の中には、何をやらせても優秀な人が存在する。その人たちが優秀である理由は、例え知識は一夜漬けでも、思考力を通して「優れた知恵」へ変換することができるからだ。

逆を言えば「思考力がない人」とは、情報収集したあとに思考が働かず「知識止まり」になってしまう人だ。情報を「自分独自のの知恵」へと変換できない人ともいえる。

世の中では、AI化が叫ばれており「情報」や「知識」は早晩、人工知能に置き換わる。もしあなたが「AI時代」を生き抜き「情報や知識を知恵に変換する力」を身につけたいなら、高い思考力は必須となる。

思考とは?-2:思考の重要性

思考法とは何か?-思考法の意味

重要なことなので繰り返すが、思考力とは才能ではなく「思考法をマスターしているかどうか」の違いでしかない。

つまり思考法さえマスターすれば「誰でも」「過酷な努力なしに」高い思考力を身につけることが可能だ。

「思考法」とは何か

「情報」や「知識」を「知恵」に変換するための、思考の方法論

思考法とは「情報や知識を知恵に変換するための、思考の方法論」のことを指す。

そして「方法論」である以上、そこには再現性の高い「モノの見方」や「手順」が存在する。

いよいよここからは、ビジネスに必須の10種類の思考法について解説していこう。10種類の思考法を体系的に整理すると下記の通りだ。

思考法とは?:ビジネスに必須の10種類の思考法一覧

思考法の種類:10種類のビジネス思考法

ここからは、ビジネスに必須の10種類の思考法について解説する。

もし、各思考法についてより詳しく知りたいなら、それぞれのリンク先に詳細な解説ページを用意しているので、合わせてご覧いただきたい。

思考法の種類-1:物事を考える上で適切な前提を置く思考法

思考法-1:論点思考(イシュー思考)

思考は、適切な論点を置くことで適切な思考プロセスを辿ることができる。

「論点思考」とは「白黒つける価値がある重要な問題を見極める思考法」のことを指す。別の言い方をすれば「今、この局面で何を考えるべきか?」の「何を」に相当する部分だ。

論点思考とは?

白黒つける価値がある重要な問題(=イシュー)を見極める思考法

経営学の父の異名を持つピーター・ドラッカーは、この「論点思考」に対して意味深い発言を残している。

  • 「経営における最も重大な過ちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問題に答えることだ」

イシューを間違うということは、白黒つけるべき問題を間違うことであり、白黒つけるべき問題を間違うということは、解いた答えも当然間違うことになる。

だとすれば、物事を考える際にまず初めに必要なのは「問題を正しく解くこと」ではなく「解くべき問題を正しく見極める」論点思考だ。

思考法-1:論点思考(イシュー思考)

例えば、あなたの会社が売上の低迷に悩んでいるとしよう。リーダーであるあなたは以下のようなイシュー(=白黒つけるべき問題)を設定したとする。

  • 「どうしたら、売上を回復させることができるのか?」

このようなイシューを設定したあなたは、チームメンバーに「売上回復策のアイデア出し」を指示することになるはずだ。しかしぞくぞくと挙がってきたアイデアを前に、あなたは途方に暮れることになる。

なぜなら、あなたの中に「どのアイデアを選択すべきか?」の基準がなく、優先順位がつけられないからだ。その結果「なんとなく良さそうなこのアイデア」という選び方となってしまい、その成果は未知数となる。

しかし、もし仮に以下のようなイシュー(=白黒つけるべき問題)を設定したらどうだろうか?

  • 「売上が低迷している原因は何か?」

もしこのようなイシューを設定すれば、あなたはチームメンバーに「売上低迷の原因究明」を指示することになる。

するとやがて売上低迷の根本原因が明らかになり「売上低迷の根本原因を解決できるアイデアはどれか?」という基準でアイデアを選ぶことができるようになる。

根本原因に対して対策を打つのだから、大きな成果が見込めるだろう。

イシューを正しく設定する

このように「論点思考」はビジネスの方向性に大きな影響を与え、時に命運すら左右する。

よって、物事を考えたり意思決定を下す際には、拙速に「答え」を求めるのではなく「イシュー(=白黒つける価値がある重要な問題)は何か?」を見極める論点思考が必要不可欠だ。

もしあなたが「論点思考」をもっと詳しく知りたいなら、以下の解説が参考になるはずだ。この解説では論点思考を身につける方法について解説しているので、ぜひご覧いただきたい。

思考法の種類-2:多角的に発想を広げ、ユニークな仮説を導き出す思考法

思考法-2:仮説思考

適切に「白黒つける価値がある重要な問題(=イシュー)」を見極めることができたら、次に必要となるのが「仮説思考」だ。

ビジネスにおける「仮説」とは「まだ証明はしていないが、最も確からしい仮の答え」のことを指す。そして仮説思考とは「今ある限られた情報だけで問題の本質や全体像・解決策をイメージし、現時点で最も妥当だと思える結論を導き出す思考のことだ。

「仮説思考」とは

今ある限られた情報だけで問題の本質や全体像・解決策をイメージし、現時点で最も妥当だと思える結論を導き出す思考

仕事ができる人に共通するのは、問題の本質をいち早く発見し、その解決策に素早く辿り着けることだ。そしてそのスキルを身につけるためには、早い段階で問題のありかを見極め、問題解決の仮説を立てる「仮説思考」の力が必須となる。

環境変化が激しい現在においては、例え時間をかけて精緻な「計画」を策定したところで、実行局面では「すでに前提そのものが変化していた」という状況は、当たり前に存在する。

環境変化に柔軟に対応していくためには、どの局面においても常に「仮説」を持ち、リアルタイムに入ってくる情報を元に仮説を検証・進化させていくことが成功を左右する。

よく「優秀な人は1を聞いて10を知る」といわれるが、それができるのは「1の事実」から「残りの9」を、

  • 仮説を立てる早さ
  • 仮説の幅広さ
  • 仮説の精度の高さ

で導き出す「仮説思考力」を持っているからだ。

もし、優れた「仮説思考力」を持てれば、あなたは短時間で人の何倍・何十倍もの仮説を立て、生産性を高めていくことができる。

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もしあなたが「仮説思考」をマスターしたいなら、以下の解説が参考になるはずだ。ぜひご覧いただきたい。

思考法-3:批判的思考(クリティカルシンキング)

「仮説」と「思い込み」は紙一重だ。よって、仮説は常に「正解だと思い込む」のではなく「批判的に検証する」ことが求められる。

クリティカルシンキングの「クリティカル(critical)」とは「批判的」という意味を持ち、別名「批判的思考」とも呼ばれる。

日常語で「批判的」といえば「否定的な評価」というニュアンスが伴うが、本来の「批判」の定義とは「良い部分・悪い部分を意識的に見分け、評価・判定すること」であり、むしろ「先入観にとらわれず、中立的な姿勢を重視する」のがクリティカルシンキングのポイントだ。

これらを踏まえると、クリティカルシンキングの実践的な定義は下記のようになる。

「クリティカルシンキング」とは?

物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度

鋭いあなたならお気づきだと思うが、クリティカルシンキングには大きく分けて2つの側面が存在する。

  • 物事を鵜呑みにせずに疑うこと。
  • 思考方法ではなく「思考態度」であること。

物事を鵜呑みにせず適切に疑うことができれば、これまでの当たり前や常識を覆し、新たな側面の発見や価値の創造につながる。別の言葉でいえば、一つの側面に囚われることなく中立的に様々な角度から物事を考えることで、新たな可能性を切り拓くことができる。

また、クリティカルシンキングがロジカルシンキングなどの「思考法」と大きく異なる点は、クリティカルシンキングが「物事を考える際の思考態度・マインドセット」であることだ。つまり「思考技術」の話ではなく「思考態度」の話であるといえる。

世の中には、多彩な思考法が存在するが、それらすべての思考法に共通して必須となるのが「物事を鵜呑みにせずに適切に疑う思考態度」だ。

  • 自分の考えは正しいはず
  • 専門家が言ってることは正しいはず
  • みんなが頷いているから正しいはず
  • 論理的に筋が通っているのだから正しいはず
  • 常識的に考えると正しいはず

そんな思い込みを適切に疑う態度を持ち「別の可能性はないのか?」を考え続けるのがクリティカルシンキングだ。

思考法-3:批判的思考(クリティカルシンキング)

「クリティカルシンキング」については、下記で詳細に解説している。この解説をご覧になれば「ロジカルシンキングと何が違うのか?」についても、より明確に理解できるようになるはずだ。

思考法-4:抽象化思考

抽象化思考は、これからの時代に必須となる能力といっても過言ではない。

なぜなら、日本ではすでに多くの市場が成熟しており、少子高齢化も相まって、今後は右肩下がりが予想されているからだ。右肩下がりの時代には、例え現状を精緻に分析し、今あるニーズに適応したとしても、市場そのものが縮小している以上、抜本的な解決にはならない。

多くの市場が縮小している今、あなたに必要なのは「過去の分析」ではなく「未来の創造」であり、これまでに存在しなかった新たな概念(=コンセプト)」を生み出し、具現化していくことだ。

抽象化思考とは、様々な物事を実体として捉えるのではなく、より大局的・全体的な視座から「概念」として捉える思考法のことを指す。

抽象化思考とは?

  • 「具体的なもの」を「形のない概念」へと置き換える思考のプロセス。

ここで、より「抽象化思考」をわかりやすく理解するために、例を用いて解説しよう。

例えば今あなたの前に「水」が存在していると仮定しよう。「物理的な液体としての水」は、そのまま捉えれば「実体」だが「概念」として捉え直せば「飲むもの」となる。

思考法-4:概念化思考①

そしてあなたが多角的な視点を持てれば「水=飲むもの」だけでなく「水=洗うもの」「水=火を消すもの」「水=泳いで遊ぶもの」など「実体としての水」から多様な「概念」を抜き出すことが可能になる。これは、別の言い方をすれば「水(という実体)」の可能性を大きく広げたことと同じだ。

思考法-4:概念化思考②

更に「水=洗うもの」という「概念」を、今度は実体化していこう。

すると「手洗い用洗浄水」「トイレ用洗浄水」「食品用洗浄水」「電子部品用洗浄水」など、実体化のプロセスの中で、さらに可能性を広げることが可能になる。

思考法-4:概念化思考③

このように、物事を「実体」から離れた「概念」として捉え直したり、あるいは逆に「概念」を実体に落とし込んで考えるなど「実体と概念」を自由に行き来できるようになれば、あなたは「目の前にある実体」を捉えるより遥かに幅広い可能性を生み出すことが可能になる。

このように、抽象化思考を身につけるには「実体⇔概念」を自由に行き来する力や、物事を多角的な視点で捉える思考法が必要となる。もしこれらの思考法を身につけたいなら、下記の解説をご覧いただきたい。

思考法-5:水平思考(ラテラルシンキング)

水平思考もまた、これからのビジネスで最も必要とされる能力だといっても過言ではない。なぜなら、少子高齢化や市場成熟化が進み、いま求められているのは閉塞状況を打破する新たなアイデアやイノベーションだからだ。

水平思考とは、1967年にイギリス人の医師であるエドワード・デボノが提唱した思考法で、別名「ラテラル」あるいは「ラテラル思考」とも呼ばれる。エドワード・デボノの定義によれば、水平思考とは「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」であり「水平方向に発想を広げる」という意味合いから「水平(ラテラル)」という言葉が使われる。

「水平思考」とは?

どのような前提条件にも支配されない自由な思考法。

しかし、論理的思考と比べ「水平思考」は発想の自由度が高い分、取っつきずらいのが弱点だ。水平思考はよく「常識にとらわれず、自由な発想を可能にする思考法」と説明されるが「何を」「どんな視点で」考えれば「自由な発想ができるのか?」を体系的に解説している書籍は少ない。

端的に言ってしまえば、水平思考と論理的思考の最も大きな違いは「前提の捉え方」だ。

論理的思考の思考プロセスは「前提」→「推論」→「結論」という筋道を辿る。つまり、まずは「A」という前提を置き、その後「AだからB」「BだからC」という推論を辿った結果「結論はCである」という答えに辿り着く。

しかし論理的思考は前提(=A)の置き方次第で結論が変わる。そして論理的思考はA(=前提)そのものの置き方を教えてくれるわけではない。

一方で、水平思考とは「前提(=A)の置き方」に着目し、前提そのものを覆す発想をすることで、これまでにない新しいアイデアを生み出そうとする思考法だ。

ラテラルシンキング(水平思考)とは-2:ラテラルシンキングとロジカルシンキングの違い

水平思考と論理的思考は、2つをうまく組み合わせることができれば「より広く」「深い」発想ができるようになる。なぜなら水平思考と論理的思考は、対立する思考法ではなく相互補完的な思考法だからだ。

先ほど振れた通り、日本では少子高齢化が進み、多くの市場は成熟化しているため、これまでとは異なる新たなアイデアやイノベーションを生み出すことが必要だ。その際に既成概念に囚われず、前提そのものを覆す発想を広げていく水平思考は必要不可欠な思考方法となる。

しかし、ただ単に「発想を広げる」だけでは「思い付きの羅列」でしかない。もし、あなたがビジネスの成果を追い求めるのであれば、水平思考で得られた新たな「前提」を元に「推論」を働かせ、成果が得られそうだという結論に辿り着く「検証」が必要となる。その際に役に立つのが論理的思考だ。

巷の書籍では、あたかも「ラテラルシンキング」と「ロジカルシンキング」は対立している思考法であるかのように語られるが、ビジネス上の成果を目指すのであれば、この両者を「補完関係」として位置付けたほうが実践的だ。

  • ラテラルシンキングは、前提そのものを覆す発想を広げる
  • ロジカルシンキングは、その発想の妥当性を検証する

ラテラルシンキングとロジカルシンキングの組み合わせ

下記の記事では、水平思考を体系的に整理し「どのように考えればビジネスに活かせるのか?」を解説している。もし時間があれば、参考にしていただきたい。

思考法-6:コンテキスト思考

あなたもご存じの通り、市場成熟化やインターネットの発達により、モノや情報は洪水のように氾濫する時代だ。非常に便利な時代といえるが、この状態は同時に2つの副作用を生み出している。

一つ目は、モノや情報自体の差別化が難しくなったことだ。今や多くのモノや情報が「誰でも」「いつでも」手に入る状態となっている以上、それ自体に価値を生み出すことが難しくなっている。

そして副作用の二つ目は「情報が流れるスピードの速さ」があなたを圧倒するがあまり、一つ一つの情報の「意味合い」や「解釈」が難しくなっている点だ。

情報が流れるスピードが加速度的に増していくと、人は「情報に追いすがる」だけで精いっぱいとなり「情報を解釈する」ことに気が回らなくなる。しかし逆を言えば、それらの情報に「あなたなりの解釈」を加え、あなたオリジナルの「知恵」に変えることができれば、情報洪水時代において希少価値となりえる。

そして「物事を適切に解釈し」「解釈力を強みにつなげる」上で必須である思考法が「コンテキスト思考」だ。

あらゆる物事は、

  • 見えている実体
  • 実体の背景にある見えない前提

の2つの側面に分けて考えることが可能だ。そして「実体」のことを近年では「コンテンツ」と呼び「実体の背景にある見えない前提」のことを「コンテキスト」と呼ぶ。

辞書的には、コンテキストは「背景」「文脈」「前後関係」などと解説されることが多いが、このブログの筆者であるk_birdは「コンテキスト」を「実体の背景にある見えない前提」と定義している。そして「コンテキスト思考」の定義は下記の通りだ。

「コンテキスト思考」とは

物事の背景にある「見えない前提」を味方につけ、新たな価値を生み出す思考法

例えば、あなたがTV番組をご覧になっていて、池上彰さんの番組が始まったとしよう。池上彰さんの番組はどれも高視聴率で知られるが「池上彰さんの番組」自体は「コンテンツ」だ。仮に「池上彰さんの番組」というコンテンツに、以下のような特徴があったとしよう。

  • 難しい時事やニュースでも「腹落ち感」を創ってくれる
  • 客観的で、主張や押し付けがない
  • 政治家に対して、タブーなく突っ込み「自分たちの本音」を代弁してくれる

ここで、物事には、

  • 実体(=コンテンツ)
  • 実体の背景にある見えない前提(=コンテキスト)

という2つの側面があり、2つの関係性によって価値が決まることを思い出してほしい。

「池上彰さんの番組」というコンテンツが高視聴率をたたき出している以上、そのコンテンツが受け入れられる「世の中のコンテキスト」が存在しているはずだ。そしてその2つが掛け合わさって「池上彰さんの番組の価値」が決まっていると考えることができる。

k_birdなりに「池上彰さんの番組が受け入れられるコンテキスト」を考えてみると、以下の通りとなる。

  • 情報スピードが速く、情報を追いかけるのが精いっぱい
  • 複雑な世の中をどう理解していいかわからない
  • でも、理解しなきゃいけない気がする

そして「池上彰さんの番組」というコンテンツと「その背景にあるコンテキスト」を掛け合わせると、池上彰さんの番組の人気の理由は以下の結論に至る。

「池上彰さんの番組」が人気なのは

池上彰さんの番組の人気の理由は「知的スッキリ感」をくれるから。

これらの「コンテンツとコンテキストの関係」を構造的に整理すると、下記の通りだ。

コンテキスト思考のメリットと例-1:コンテクストをコンテンツマーケティングに活かす

冒頭でも解説した通り、現在は様々な情報が溢れ、物事は複雑化している。そのような状況の中で、もしあなたが池上彰さんの番組を通して、

  • コンテンツ:池上彰さんの番組は高視聴率を獲得している
  • コンテキスト:その背景には「情報の氾濫&世の中の複雑化」がある
  • 価値:よって「知的スッキリ感をくれるもの」には価値がある

と考えたなら、次は「本当にそうか?」「ほかに当てはまるものはないか?」など「蓋然性」を検証してみよう。例えば、

  • 世界一受けたい授業:日本テレビ
  • 林先生が驚く初耳学:TBSテレビ
  • ホンマでっか!?TV:フジテレビ

などは「知的スッキリ感」をくれる番組であり、どれも高視聴率をたたき出している。このことから「世の中は、知的スッキリ感を求めている」という価値は「蓋然性が高い」と結論付けることができそうだ。

そして蓋然性が検証できたら、今度は「知的スッキリ感が求められている」という価値を「自社のコンテンツに活かし、味方につけることはできないか?」を考え、コンテンツマーケティングに応用してみよう。

もしあなたが新聞社の人間なら、情報洪水に埋もれてしまう時事や速報ニュースだけでに頼るのではなく「知的スッキリ感を創る解説記事(=コンテンツ)」を充実させることができないだろうか?

あるいは、もしあなたがネットメディアの人間なら「新しさ」を追いかけるトレンド記事だけでなく「知的スッキリ感を創る特集記事」というコンテンツを充実させることができないだろうか?

このように、もしあなたが様々な事象から「コンテキスト」を見抜くことができれば、それらのコンテキストを味方につけた、新たなコンテンツマーケティングができるようになるはずだ。

今あるコンテクストを味方につける

下記の記事では、これ以外にも「コンテキスト思考をブランドマーケティングに活かす方法」「コンテキスト思考をプロジェクトマネジメントに活かす方法」など、様々な事例を交えながら「コンテキスト思考を鍛える頭の使い方」について解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

思考法-7:アナロジー思考

ビジネスの世界では「何をやらせても優秀な人」が存在する。

「何をやらせても優秀な人」の共通点は、すでに経験のある分野だけでなく未経験の分野に対しても飲み込みが早く、1を聞いて10を知る能力を身につけていることだ。

例えば優秀なコンサルタントは、未経験の問題に直面しても「1を聞く」ことで「残りの9」に対する適切なイシューや仮説を立てることができる。いわゆる「論点思考」「仮説思考」だ。

また、業界にまったく経験のない起業家が斬新なコンセプトを打ち立てて事業を成功させるのも、未経験の分野に対して「1を聞いて10を知る」能力を身につけているため、学習能力や成長速度が速いからだ。

このように、未経験の分野であっても「飲み込みが早く(=論点思考)」「1を聞いて10を知る(=仮説思考)」能力を身につけるためにカギを握るのが「アナロジー思考」だ。

アナロジー思考とは、すでに経験のある分野から見出した「法則」を未経験の分野に当てはめることで、例え未経験の分野であっても「1を聞いて10を知る」ことを可能にする思考法だ。「アナロジー的思考」あるいは「アナロジカルシンキング」とも呼ばれる。

このブログの筆者であるk_birdなりにアナロジー思考を定義すると以下の通りとなる。

「アナロジー思考」とは?
これまでの情報や経験から得た学びを法則化し、異なる分野に応用する思考法

例えば、あなたが「RPGゲーム好き」だと仮定しよう。RPGゲームには、総じて以下のような要素が存在するはずだ。

  1. ただ漫然とプレイしているだけではすぐに死んでしまい、攻略できない。
  2. ゲームキャラクターは、敵のモンスターを倒すことで経験値がUPしていく。
  3. ゲームキャラクターは、様々な道具を手に入れることで強くなっていく。

しかし、上記だけでは単に「PRGゲームの特徴の羅列」でしかない。しかしあなたはRPGゲームの経験を通して以下のような学びを得たとしよう。

  1. PRGゲームは、個々のダンジョンの配置や難易度をあらかじめ知っていれば、攻略しやすくなる。
  2. 経験値UPのスピードを上げるには、たくさんの経験値を与えてくれるモンスターを優先的に倒していくのが効率的だ。
  3. ゲームキャラクターにも資質や性格があり、それぞれの資質や性格にあった道具を見つけないと強くならない。

そしてこれらの学びから「法則」を見出すと、例えば以下の通りとなる。

  1. 物事を攻略するには、まずは「全体像」知り、それぞれの部分の「難易度」を把握ことが重要だ。
  2. 成長のスピードを上げるには、優先順位を考える必要がある。
  3. スキルアップの方法には、それぞれの資質や性格にあった方法を見つける必要がある。

そして、上記で見出した「法則」を、異なる分野に当てはめて応用すると下記の通りとなる。ここでは「マーケティング」に応用してみよう。

  1. マーケティングスキルを身につけるには、まずは「マーケティングの全体像」と「個別分野の難易度」を把握することが重要だ。
  2. マーケティングスキル向上のスピードを上げるには、優先順位を考える必要がある。
  3. マーケティングスキルを向上させる方法に一般解はなく、自分の資質や性格にあった方法を見つける必要がある。

ここまでお読みになって、あなたは「RPGゲームをマーケティングスキルに応用するなんて、発想が飛躍しすぎでは?」と感じたかもしれない。

しかしアナロジー思考力が高く「1を聞いて10を知る人」は、何をやっていてもそこから「法則」を見出し、全く別の分野に応用する「アナロジー感覚」を持っている。

こういう人は「遊ぶことで仕事のヒントが得られる」「遊んでいる時に新しいビジネスの発想が思いつく」などと語ることが多いが、これなどは「遊び」から得た法則を「仕事」という異なる分野に当てはめて応用できる、という意味だ。

また、経営者が好んで「戦国武将の本」や「スポーツ監督の本」を読むのも、異なる分野から得た法則を自社のビジネスに応用して活かしたいと考えているからだ。

アナロジー思考はあなたの学びを飛躍的に加速させる。なぜならアナロジー思考は「インプットからの学び」と「アウトプットからの学び」の両方を通して、あなたの中に溜まる「法則」を累乗的に増やしてくれるからだ。

アナロジー思考の本質は「応用」だが、アナロジー思考が習慣化できれば、あなたは「自分の守備領域」だけでなく「それ以外の領域」からも気づきを得て法則化し「自分の仕事」に引き込んで応用することができる。

更に、あなたがアナロジー思考を鍛えることができれば、アウトプットから得られる学びの量も飛躍的に増大する。なぜならアナロジー思考の本質である「応用する力」とは、裏を返せば「一つの目的に囚われない力」ともいえるからだ。

もしあなたが一つのアウトプットから得た「法則」を異なる分野に応用できれば、アウトプットの価値は二倍にも三倍にも高まる。いわゆる「一石二鳥」の状態だ。

このように、アナロジー思考をアウトプットに活かすことができれば、あなたは「一つのアウトプット」を複数の分野に応用することができるようになり「横展開の力」を手に入れることができる。

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逆を言えば、アナロジー思考が苦手な人は、見たり聞いたりしたことから「法則を導き出す習慣」や「異なる分野に応用する習慣」がないため「これはこれ、あれはあれ」と別々に考えてしまう。そのため、発想が狭く応用が利かなくなる。

そして応用が利かないと「目の前の業務の学びを、他の分野の業務に応用できない」「過去の業務の学びを、将来の業務に応用できない」状態となるため「1を聞いて1しかわからない人材」となり、成長速度に大きな差が出てしまうのだ。

もし、あなたがアナロジー思考を鍛えたいなら、ぜひ下記の解説をご覧いただきたい。「アナロジー思考の重要性」や「アナロジー思考の鍛え方」などを解説しており、あなたのお役に立てるはずだ。

思考法の種類-3:数ある仮説の中から筋の良い仮説を見出し検証する思考法

思考法-8:論理的思考(ロジカルシンキング)

物事を論理的に考える思考スキルは、今や多くのビジネスパーソンにとって必須のビジネススキルだ。

現に書店では論理的思考の書籍が溢れ、ほとんどのビジネススクールでは論理的思考に関連いた講座が用意されている。また、巷で開催されているロジカルシンキング研修も、活況を呈しているようだ。

「論理的思考」はその名の通り「論理的に(ロジカルに)」「考える(シンキング)」ことを指す。

「論理的」とは「物事が体系的に整理されており、話の筋道に矛盾がないこと」であり「考える」とは「方法」であることから、論理的思考とは「物事を体系的に整理し、筋道立てて矛盾なく考える思考法」と定義できる。

「論理的思考」とは

物事を体系的に整理し、筋道たてて矛盾なく考える思考法のこと。

そして、上記の「論理的思考の定義」をご覧になれば、ロジカルシンキングの意味は大きく2つの要素が存在することに気が付けるはずだ。

  • 「物事を体系的に整理し」→「全体と部分の包含関係」を整理する
  • 「筋道たてて矛盾なく考える」→「部分と部分の因果関係」を整理する

ロジカルシンキングとは:ロジカルシンキングの2つの意味

例を挙げれば「売上高」は「購入客数×客単価×購入頻度」に分解できる。これは売上高が「全体」であるのに対して「購入客数」「客単価」「購入頻度」は「部分」に当たるため、包含関係となる。

ロジカルシンキングとは:ロジカルシンキングの包含関係

また「広告宣伝をすれば、ブランドの認知度は上がる」という例では「広告宣伝をする→ブランド認知度が上がる」という因果関係に当たる。

ロジカルシンキングとは:ロジカルシンキングの因果関係

このように、論理的思考は「全体」と「部分」そして「関係」を用いて、物事を筋道立てて考える思考法といえる。

そしてあなたが論理的思考を身につけることができれば、様々なメリットを得ることが可能になる。

その1つ目は、あなたの分析力が向上することだ。

世の中に現れる現象の多くは様々な要素が混然一体としており、ただ漠然と全体を捉えただけでは有用な示唆は得られにくい。

世の中の現象を正確に分析するには、それらを総体として捉えるだけでは不十分で「個々の要素を吟味し」さらに「それぞれの関係性がどうなっているのか?」まで深掘りしていく必要がある。

もしあなたが論理的思考を鍛えることができれば、様々な現象や問題に対して、

  • 適切に要素を分解し
  • 要素間の相関関係や因果関係を見極め
  • 適切な判断や対応策を導き出す

ことが可能になる。

続いて2つ目のメリットは、あなたの問題解決力が向上することだ。

「問題」は、発生源を特定できなければ焦点が絞り込めず、無数の解決策のすべてを試さなくてはいけなくなる。このような「絨毯爆撃」ではいつ成果が出るかがわからず、リソースも大きく消費してしまう。

また「問題」には、かならずそれを生じさせている原因が存在する。そして原因に対して解決策を講じない限り、すべての施策は対処療法止まりとなる。その結果、施策の成果は限定的となり、いずれ同じ問題が再燃してしまう。

これらを踏まえれば「問題解決」には、

  • 問題の発生箇所の特定
  • 問題の発生原因の特定

の2つが必要不可欠になることはご理解いただけるはずだ。

もし、あなたが論理的思考を鍛えることができれば「ロジックツリー」や「MECE」などの「論理的思考のフレームワーク」を用いて、ロジカルに問題の発生個所を特定し、発生原因を突き止めることができるようになるはずだ。

さらに、論理的思考のメリットの3つ目は、提案力が向上することだ。

提案力のある人は自分の意見をスムーズに通しやすく、思い通りに物事を進めやすい。一方で提案力のない人は周囲に押し切られてしまい、損をすることが少なくない。

ビジネスの世界では、あなたが思っている以上に企業や部門、立場によって人の考え方は大きく異なる。

このような状況の中であなたの提案を通すためには、それぞれの人たちの立場や考え方に左右されない「論理」を駆使して、提案内容を筋道立てて説明することが必要不可欠となる。

あなたの提案を「好き嫌いの世界」ではなく「良し悪しの世界」に持ち込みたいなら、論理的思考のトレーニングは必須だ。

更に続いて論理的思考のメリットの4つ目は、あなたのコミュニケーション能力が向上することだ。

コミュニケーション能力は「相手の主張を正確に理解する能力」と「あなたの主張を正確に伝える能力」の2つで成り立っている。もしあなたがロジカルシンキングを鍛えることができれば、

  • 全体の中で、相手はどの部分のことを伝えようとしているのか?
  • 何を根拠に、どのような主張をしているのか?

を正確に見抜けるようになる。そのため、相手の主張を理解する際に「論点のズレ」や「事実と主張の混同」が起きにくくなる。また、あなたの主張を伝える際にも、

  • 全体の中で、今はどの部分のことを伝えるべきか?
  • 自分の主張を、どのような筋道で伝えるべきか?

がわかるようになり、コミュニケーション能力が飛躍的に向上するはずだ。

そして論理的思考のメリットの最後は、仕事の生産性が向上することだ。

間違った課題設定は、間違った仮説を生む。そしてもし業務がかなり進んだ段階で間違いに気づけば、課題設定に遡って再検討する必要が生じてしまう。これがいわゆる「手戻り」といわれる現象だ。

論理的思考には「イシューツリー」というフレームワークがあるが、もしあなたが論理的思考を身につければ、仮説を立てる前にイシューツリーを使い「そもそも本質的な課題は何か?」を見極めることができる。

そうすれば、その後の思考のプロセスに無駄がなくなり、あなたの生産性は大きく向上するはずだ。

もし、あなたが論理的思考を鍛えたいなら、ぜひ下記の解説をご覧いただきたい。論理的思考はもちろんだが、それ以外にも「ロジックツリー」や「ピラミッドストラクチャー」など、論理的思考で多用する様々なフレームワークも紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

思考法-9:分析思考

インターネットが出現して以降、情報やデータは黙ってても手に入る時代となった。一説によれば、世界に流通するデータの量は、世界に存在する砂粒の数よりも多いそうだ。

しかし一方で、情報やデータが膨大になればなるほどそれらの取り扱いは難しくなり「分析思考」の重要性は日増しに高まっている。

ただし、一口に「分析」といっても「何をどうすることなのか?」が理解できていなければ、膨大な情報やデータを前に立ちすくんでしまうのはよくあることだ。そして最悪なのは、何の視点もなく情報やデータを絨毯爆撃的に分析し、時間をかけた挙句に価値ある示唆が導き出せない、という状態だ。

ここであなたに質問だ。「分析とは何か?」と聞かれて、あなたは何と答えるだろうか?

分析手法の種類はどうあれ、どの「分析」にも共通していえるのは、世の中に現れる多くの情報やデータは様々な要素が複雑に絡み合っており、ただ漠然と全体を捉えただけでは有用な示唆は得られにくいという問題意識だ。

玉石混合の情報やデータを正確に理解するには、それらを全体として捉えるだけでは不十分で「個々の情報やデータを吟味し」さらに「それぞれの関係性がどうなっているのか?」まで深掘りしていく必要がある。

だとすれば「分析」とは以下の2つの要素を満たすものと言ってよいだろう。

  1. 分析とは、情報やデータの1つ1つの要素を見分け「それぞれが何であるか?」を解明すること。
  2. 分析とは「1つ1つの情報やデータが何であるか?」を解明した上で、それぞれの「関係性」を解明すること。

そして「分析思考」の意味とは以下の通りだ。

「分析思考」とは?

事実と関係性の実態を解明し、正しい意思決定やアクションに結びつける思考法

誤解を恐れずに言えば、あらゆる現象は「事実」と「その関係性」で成り立っている。それらの実態を解明していく思考法が「分析思考」だ。

以下の記事では、分析思考のベースとなる「分析力」に必要な9個の要素ついて解説している。もしあなたが「分析思考」を身につけたいなら、一読をお勧めする。

思考法の種類-4:上記の思考法を応用して問題を解決する思考法

思考法-10:問題解決思考

昨今では様々な「問題解決の本」が溢れ、その多くは第一線で活躍するコンサルタントが執筆している。それ自体は素晴らしいことだが、その副作用として「問題思考」はコンサルタントや経営企画部門など「頭の良い人たちが身につけるもの」と誤解している人も多い。

しかし問題解決思考は「頭の使い方」という「技術」の問題であり、頭の良し悪しは関係ない。技法として整理し習得すれば、誰もが自覚して仕事で使いこなせるようになれるものだ。

また、あらゆる仕事が不確実な未来に向かってなされる以上「問題が発生しない」ことはあり得えない。問題解決思考は「特別な仕事」ではなく、日々の業務にこそ生かせる技法だ。

しかし、問題解決思考を「頭の良い人たちが持つ」「特別な能力」と捉えて「誰かが解決してくれるだろう」と考えてしまうと、すべては他人任せとなる。その結果、あなたは いずれ「事なかれ主義」や「単なる評論家」に陥ってしまうことになる。

一方で、どれだけあなたからは遠い問題に思えても、いったんは自分に責任を置き「自分が何をすれば問題の解決に近づくだろうか?」と考える当事者意識を持てれば、これまでは「どうせ無理」と諦めがちだった問題に対して、自分が貢献できる部分がわずかながらでも見えてくるはずだ。

「問題」とは「理想の状態と現実の状態とのギャップ」のことだ。だとすれば「問題」を発見するには、

  • 理想の状態
  • 現実の状態
  • そのギャップ

の3つが正確に認識できていなければならないことになる。

こと「問題」となると、人はつい「今、生じている困りごと」だけに着目しがちだ。しかしそもそも「理想の状態」に無関心であれば、人は「問題」を感じることはなく「問題解決」にも思いが至らなくなる。

そう考えれば「問題」の立脚点は「今の困りごと」ではなく「理想の状態」の方であり、

  • 「理想の状態」が明確にイメージできるか?
  • 「理想の状態」に対して当事者意識が持てるか?

の2つが揃って初めて「現実とのギャップ」に思いが至るようになり、問題解決思考のスタートラインに立てることになる。

これらを踏まえれば「問題解決思考」の本質は「今ある問題の解決」ではなく「理想の姿の実現」であることがお分かりいただけるはずだ。

問題解決思考とは?

「理想の姿」を実現するために「現実とのギャップ」を埋める思考プロセス。

問題解決思考のプロセスは、大きく8つのプロセスに分けることができる。

  1. 問題を発見する
  2. 真の問題を見極める
  3. 問題の発生源を特定する
  4. 問題の原因を特定する
  5. 原因に対する解決策を立案する
  6. 解決策を実行する
  7. 解決策を評価する
  8. 新たな問題を発見する

問題解決の方法と問題解決プロセス

問題解決思考といえば、精緻な分析や特殊なロジックなど専門的な能力を思い浮かべるかもしれない。しかし冒頭でも解説した通り、正しいプロセスを踏めば、誰でも使いこなせるようになれる「技法」だ。

問題解決の「技法」を身につけるには、正しい問題解決手法を学んで繰り返し練習することが近道となる。もし、下記の解説をお読みになれば、あなたは「問題解決思考の8つのプロセス」が理解でき、実践に結びつけることができるようになるはずだ。

このブログから書籍化した本4冊

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

冒頭でも紹介したが、再度紹介させていただこう。

あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考の重要性は説くものの、肝心の「仮説思考の身につけ方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせている書籍が多い。

しかし本書は「仮説思考に必要な頭の使い方の手順」を、豊富な事例とともに徹底解説している。よって、その手順通りに頭を使えば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付

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人は誰しも「視点」を通してしか物事を考えることができない。

別の言い方をすれば「そもそも何を考えるべきか?」という論点(=イシュー)は、視点が決めてしまうともいえる。

また、どんなに適切な視点を置いたとしても「ああなれば→こうなるだろう」という「予測のパターン(=法則)」が頭の中になければ、確かな仮説を導き出すことはできない。

本書はビジネス書から「視点」と「法則」を発見し、思考の質とスピードを上げていく独学術を解説した書籍だ。

1つの「視点」しか持てない人は、1つの論点しか設定することができない。当然、導き出せる仮説も1つだけだ。

しかし5つの「視点」を持てれば、5つの論点を設定できるようになる。その結果、5つの仮説を導き出すことができるようになるはずだ。

もしあなたが自由自在に「視点」を操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「新たな可能性」を拓くことができるようになる。

また、数多くの「法則」をストックしていけば、様々な現象に「法則」を当てはめることで「筋の良い仮説」を瞬時に導き出すことが可能になるはずだ。

おかげさまで、本書はThe21や日経、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、

  • 視点力や仮説思考、抽象化スキルが身に付く良書
  • これまでの読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • まさに「モノの見方を変える方程式」

など、ありがたい言葉を頂戴している。

もしあなたが「フレームワーク」だけでは得られない「視点力」と「思考スピード」を身につけたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。

8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける

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どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、

  1. 時間管理術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術
など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。

しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。もちろん、思考法に関しても重要ポイントを解説している。

さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。

おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。

Amazonレビューでも、

  • 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書

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本書は、筆者の専門である「ブランディング」に関する書籍だ。

ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー入りを果たし、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉をちょうだいしている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

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終わりに

今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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