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分析とは?|分析の意味と【分析力を鍛える】9個の方法を解説

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この記事に辿り着いたあなたなら「分析とは何か」あるいは「分析力を鍛える方法」に関心があることだろう。

このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ビジネスの「できない、わからない」を解決するブログだ。

インターネットが出現して以降、情報やデータは黙ってても手に入る時代となった。一説によれば、世界に流通するデータの量は、世界に存在する砂粒の数よりも多いそうだ。

しかし一方で、情報やデータが膨大になればなるほどそれらの取り扱いは難しくなり「分析」の重要性は日増しに高まっている。

ただし、一口に「分析」といっても「何をどうすることなのか?」が理解できていなければ、膨大な情報やデータを前に立ちすくんでしまったり、スコアの「高い」「低い」に終始してしまうのはよくあることだ。

また、何の視点もなく情報やデータを絨毯爆撃的に分析し「時間をかけた挙句に価値ある示唆が導き出せない」という状態も、分析経験者の「あるある」といえる。

今回はデータや情報が溢れるからこそ必須となる「分析」について解説する。その内容は以下の通りだ。

  • 分析とは何か?
  • 分析力とは何か?
  • 分析力を鍛える9個の方法とは?
  • 分析の方法と分析の手順とは?

もしあなたが分析とは何か?を理解した上で分析力を鍛えたいなら、今回の解説を最後までお読みいただきたい。

また、この記事の最後には、記事内で紹介した図版のスライド資料を用意しているので、ぜひ復習時に活用頂きたい。

分析のベースとなる「仮説力」を身につけたい方へ。このブログから書籍化した「推論の技術」

本論に入る前に、僭越ながら拙著を紹介させて頂こう。

こと分析において「仮説」は極めて重要だ。

なぜなら「仮説」がなければ分析視点を定めることができず、物事に白黒をつける明快な分析ができなくなってしまうからだ。つまり「仮説なき分析」は情報やデータの海に溺れてしまうことを意味する。

さらに言えば、あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

一方で本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は6版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴している。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

分析とは?

分析とは-1:分析とは何か?分析の意味を定義する

改めてあなたに質問だ。「分析とは何か?」と聞かれて、何と答えるだろうか?

情報やデータの増加に伴い「分析」もまた、様々な分析手法が乱立している。パッと思いつくだけでも、以下のような分析手法が存在する。

  • 定量分析(データ分析):数値で表されるデータを対象とした分析手法
  • 定性分析(情報分析):数値では表せない事象や現象を対象とした分析手法
  • 統計分析:相関分析や回帰分析など、統計的手法を用いた分析手法
  • 現状分析:定量データや定性情報を基に、現状を明らかにする分析手法
  • 課題分析:定量データや定性情報を基に、課題を明らかにする分析手法
  • 市場分析:PESTや3C、5フォースなどフレームワークを用いた分析手法
  • 経営分析:財務諸表等を用いて、経営上の課題を明らかにする分析手法

これだけ様々な分析手法が乱立すると、シンプルに「分析とは何か?」と聞かれても「一概には言えない」のが正直なところだろうか?

ちなみに、デジタル大辞泉による「分析の定義」は以下の通りだ。

「分析」の定義-デジタル大辞泉の定義

複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。

分析手法の種類はどうあれ、どの「分析」にも共通していえるのは、世の中に現れる多くの情報やデータは様々な要素が複雑に絡み合っており、ただ漠然と全体を捉えただけでは役立つ示唆は得られにくいことだ。

玉石混合の情報やデータを正確に理解するには、それらを全体として捉えるだけでは不十分で「個々の情報やデータを吟味し」さらに「それぞれの関係性がどうなっているのか?」まで深掘りしていく必要がある。

これらを踏まえ、このブログの筆者であるk_birdが考える「どの分析にも必ず当てはまる」分析の定義は以下の通りだ。

「分析」とは?-k_birdの定義

  • 情報やデータの1つ1つの要素を見分け「それぞれが何であるか?」を解明すること。
  • 「1つ1つの情報やデータが何であるか?」を解明した上で、それぞれの「関係性」を解明すること。

誤解を恐れずに言えば、あらゆる現象は「事実」と「その関係性」で成り立っている。それらの実態を論理やデータで解明していくのが「分析」の本質だ。

分析とは-2:分析の目的とは?現状分析やデータ分析の目的

更なる質問で恐縮だが、あなたは「分析の目的とは何か?」と聞かれて、何と答えるだろうか?

分析とは「情報やデータを見分けること」「それらの関係性を見抜くこと」と述べたが、分析作業を進めていくと「分析すること」自体が目的となってしまいがちになる。これは分析作業の「あるある」だ。

分析の目的とは、情報やデータを正しく理解することを通して「正しい意思決定」「正しいアクション」を促すことだ。なぜなら表面の現象だけを見ていたのでは判断を誤り、間違った意思決定やアクションに導く危険性があるからだ。

逆を言えば「意思決定」や「アクション」につながらない作業は「分析」とは言わない。よって分析をする際には「どのような判断に使うのか?」「どのようなアクションにつなげるのか?」など「分析をする意味」を常に念頭に置いておこう。

分析とは-3:分析と集計の違い

ここで「分析」と「集計」の違いについても触れておこう。

「集計」とは、文字通りデータを「集めて」「合計する」ことだ。つまり「足し上げたらどのくらいの規模になるのか?」を測るのが「集計」だ。

時々「グラフを作ること=分析」と勘違いする人がいるが、グラフは「集計」をビジュアライズしただけであり、これでは「分析」したことにはならない。

一方で「分析」とは前述の通り「事実の在り方」と「その関係性」を解明することだ。つまり、単に「データを集めて数え上げる」のではなく、それらをベースに「関係性を見抜き」「洞察する」スキルがなければならない。

分析とは-4:分析と解析の違い

さらに、よりクリアに「分析」の意味を理解するために、分析の類語である「解析」との違いについても解説しておこう。

結論から言えば「分析」も「解析」も、その意味は変わらない。なぜなら両者とも、英語では「analysis」となるからだ。

しかし日本では、

  • 数値であれ定性的な情報であれ、内容を吟味し調べること=分析
  • 専門的かつ数値的に内容を吟味し調べること=解析

という文脈で使われることが多い。

例えば「データ分析」は専門的かつ数値的であるため「データ解析」と呼ばれることがある。しかし「経営分析」や「課題分析」などは「定性的な情報」と「数値」の両方を扱う。そのため「経営解析」「課題解析」とは呼ばない。

つまり、日本においては「分析」は「解析」を包含する概念であり「分析>解析」であることを覚えておこう。

分析力とは?分析力の意味を定義する

続いては「分析力とは何か?」について解説を加えよう。

先ほど「分析」とは「事実と関係性を解明していくこと」だと解説した。そして、分析の目的とは「正しい意思決定やアクションを促すこと」だとも述べた。

だとすれば「分析力」とは「事実と関係性の実態を解明し、正しい意思決定やアクションに結びつける力」と定義できる。

「分析力」とは?

事実と関係性の実態を解明し、正しい意思決定やアクションに結びつける力

そして「分析力」は、以下の9個の要素に分類することが可能だ。

  1. 情報やデータの「大きさ」を正確に捉える力
  2. 情報やデータを適切な切り口でわけていく力
  3. わけた情報やデータを比較し、類似性や差異性を見抜く力
  4. 情報やデータ同士の「関係」を見抜く力
  5. 情報やデータのバラつきに気づき「例外」を見抜く力
  6. 情報やデータをプロセスで捉え、因果や連鎖を見抜く力
  7. 情報やデータを時系列で捉え「規則性」や「突出値」「変曲点」を捉える力
  8. データや情報同士を組み合わせて、新たな発見を見出す力
  9. データや情報を構造化して、全体から見た構図やメカニズムを把握する力

以下、一つずつ解説していこう。

分析力を鍛える:分析力を鍛える9個の方法と例

分析力を鍛える9個の方法と例-1:「大きさ」を捉える視点を持つ

分析の視点1:大きさ

情報やデータを分析する基礎は、まず何よりも「大きさ」に対する正しい認識を持つことだ。その理由は、大きく分けて2つある。

「大きさの程度」は意思決定に大きな影響を及ぼす

例えばあなたがマーケティング担当者だったとしよう。今目の前に、

  • 潜在市場規模が1億円の市場
  • 潜在市場規模が1,000億円の市場

の2つの市場が存在した場合、どちらの分析を優先するだろうか?恐らくは、後者の分析を優先するはずだ

このように「全体としての大きさの程度」は、それだけで「意思決定」や「アクション」に大きな影響を及ぼす。これが「大きさ」に対して正しい認識を持つべき1つ目の理由だ。

「全体」が「部分」の意味付けを決める

2つ目の理由は「全体の大きさ」が「部分の意味付け」に必要不可欠となるからだ。例えば、今あなたの目の前に2つの投資案件があったと仮定しよう。

  • 投資案件A:ROIが120%
  • 投資案件B:ROIが200%

ROIだけを比較すれば「投資案件Bのほうが圧倒的に有利」となる。しかし以下のように「大きさ」の概念を加えてみるとどうだろうか?

  • 投資案件A:100億円
  • 投資案件B:10億円

「大きさ」の概念を加えた場合、

  • 投資案件Aのリターン=120億円:投資額を差し引いたプロジェクト利益は20億円
  • 投資案件Bのリターン=20億円:投資額を差し引いたプロジェクト利益は10億円

となる。つまり「大きさ」という概念を加えると、先ほどとは投資判断が逆転し、有利なのは「投資案件A」となる。

このように、分析は時に「割合」や「%」を伴うが、それらを重視するがあまり「全体から見た部分の意味付け」を忘れてしまうことがある。

よって分析力を鍛える際には、まずは「全体としての大きさの程度」を捉えながら、優先順位や意味づけを考えていく習慣をつけよう。

分析力を鍛える9個の方法と例-2:わける視点を持つ

分析の視点2:わける

分析の「分」の字は、八と刀を組み合わせたもので、一つのものを二つ以上のものに分けることを表している。そして「析」の字は、木を斧で細かく切り離すことを表しているとされる。

情報やデータは、様々な要素が複雑に絡み合って成立しているため、全体を眺めているだけでは有効な打ち手は生まれにくい。しかし情報やデータを要素分解し、一つ一つを丁寧に吟味していくことができれば、より本質に迫り、適切な意思決定やアクションにつなげることが可能になる。

もし仮に、あなたが全社的なコスト削減を命じられた場合を考えてみよう。「コスト」を総体的に捉えただけでは「何をどうすればいいか」は皆目見当がつかないはずだ。しかし、以下のように「わけて」みるとどうだろうか?

  • 製造原価
  1. 材料費:製品を生産するために必要な材料を仕入れる費用
  2. 労務費:製品を生産するためにかかる人件費
  3. その他経費:工具の購入費や減価償却費など
  • 販売費
  1. 営業経費:営業担当者の人件費など営業活動にかかる費用
  2. マーケティング経費:広告宣伝費などマーケティング活動にかかる費用
  3. 会社維持費:経理・総務担当者の人件費や家賃、OA機器リース代など会社を維持するためにかかる費用
  • 金融費用
  1. 借入金利:有利子負債に対する金利費用

このように、総体的に捉えても糸口が見出しずらい「コスト削減」も「わける」ことができれば一つ一つを細かく検証することで「無駄」が見え「コスト削減の余地」を見出しやすくなる。

また、マーケティングの世界でも「わける」は非常に重要な考え方だ。

マーケティングの世界では、市場を捉える際にまず「市場を分けて分析する」ことから始める。これをマーケティングの専門用語で「市場セグメンテーション」という。

市場というものは、ただ漠然と全体を眺めていただけでは有効なアクションは生まれにくい。よって市場をいくつかの部分に分解し、その中から同質的なニーズや欲求を持った重要市場を選定し、その市場で優位を占めるようなポジショニング・マーケティングミックスを策定しようという視点がそこにはある。

重要なので繰り返すが「分けること」は分析力を鍛える上で必要不可欠な中核的作業だ。よって、ロジックツリーなどのフレームワークを活用しながら「物事をわける」「分解する」習慣を身につけよう。

分析力を鍛える9個の方法と例-3:比較する視点を持つ

分析の視点3:比べる

「比較する」ことは「分ける」とともに、最も基礎的な分析方法であり「分析力とは比較力である」といわれるくらいだ。

なぜなら、良し悪しが判断できない単一の情報やデータも、何かと「比較する」ことで相対的な特徴をあぶりだせるからだ。

そして「比較する」には、大きくわけて2つの視点が存在する。

「比較する」視点-1:「量」を比較する

最もオーソドックスな「比べる」視点は「量を比べる」ことだ。前述した通り「量の違い」は、時に物事の優先順位を決める際の「重要度」の目安となる。

「比較する」視点-2:「質」を比較する

「質を比べる」とは、2つ以上の異なる分析対象を比較し「差異性:違う部分」と「類似性:似ている部分」を見出して、それらを詳しく吟味することを指す。

分析の目的の一つが「要素を見分けること」であることはすでに述べたが、物事は「違う部分」こそが「オリジナリティ」であり「付加価値」となる。よって「要素を見分け」「オリジナリティや付加価値を見出す」ためには「そのものらしさ」が際立つ「違い」を認識することが必要不可欠だ。

一方で「類似性:似ている部分」は、異なる物事であるにも関わらず共通して内在している要素であることから、それらを成り立たせる上で必要不可欠な「本質的な価値」を見出せることが多い。

分析力を鍛える9個の方法と例-4:「関係」を分析する視点を持つ

分析の視点4:関係を分析する

「関係を分析する」とは、2つ以上の情報やデータの間にある「関係の在り方」を解明することを指す。

「独立」か?「相関」か?

複数の情報やデータが存在するとき、それらの物事の間にある関係は「独立」か「相関」かのいずれかとなる。

「独立」とは2つの物事が全く影響を及ぼし合うことのない関係であり、すなわち一方の物事が変化しても、もう一方の物事は何ら変化する必然性がない関係を表す。

一方の「相関」は、2つの物事が何らかの影響を及ぼしたり及ぼされたりする関係だ。

特に「相関」は、あなたが何かを推測したり、判断したりする際に多大な恩恵をもたらしてくれる。なぜなら、ある複数の物事が相関関係にあることを知っていれば、片方が変化した際には、もう片方も影響を受けて変化していくことが推測できるようになるからだ。

「単純相関」か?「因果関係」か?

さらに「相関」の中でも特別な相関関係である「因果関係」を見出すことができれば、より有益な推測を行うことが可能になる。

「因果関係」とは、片方の変化がもう片方の変化を引き起こす「原因と結果の関係」になっている状態を指す。もし因果関係が解明できれば、人為的に「原因」を発生させることで「結果」を生じさせることができる。逆に人為的に「原因」を消滅させることができれば「良くない結果」を発生させないように問題解決に活かすことも可能になる。

このように、もしあなたが情報やデータ間にある因果関係を発見する分析力を鍛えることができれば、その因果関係を様々な物事に適用することで、有効なアクションを取ることが可能になる。

分析力を鍛える9個の方法と例-5:「バラつき」を分析する視点を持つ

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世の中に存在する物事は「右か左か」あるいは「1か0か」のように、二分法で明確に区別できるとは限らない。

例えば「年齢」は区別の世界というよりは「どの程度、年を取っているのか?」という1本の軸の上に連続的に存在する「程度」の世界だ。

そして連続的に存在する「程度の世界」は、時にバラつきが存在する。あなたのビジネスも「品質のバラつき」「営業担当者の業績のバラつき」「店舗立地別の売上高のバラつき」などが存在しているはずだ。

こと「データ分析」となると「平均」を扱うことが多くなるが、同時に「バラつき」も捉える分析力を身につけることで「平均」の裏側に隠されていた真実を見極めることが可能になる。その例を示そう。

今、あなたは営業担当の責任者として、A事業所とB事業所の売上向上施策の立案を任されたとしよう。両事業所の「営業担当者1人当たりの平均売上高のデータ」は以下の通りだ。

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この数値を見る限り、両事業所とも営業担当者1人当たりの平均売上高は13,340千円と全く同じであり、その実力は拮抗しているように見える。

しかしA事業所、B事業所それぞれに対して、営業担当者の個人別に要素分解し、平均だけでなく「バラつき」についても検討したところ、以下の通りとなった。

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これらを「バラつき」という視点でグラフ化すると下記の通りとなる。

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こうしてみると、A事業所はバラつきが少なく、平均的な実力の営業担当者が多い一方で、B事業者はバラつきが多く、

  • 1人1,800万円以上を売り上げるハイパフォーマー:3名
  • 平均に近いミドルパフォーマー:6名
  • 平均から大きく劣り、300万円台しか売り上げていないローパフォーマー:1名

の3層に分かれていることがわかる。このことから、

  • B事業所は「ハイパフォーマー依存型」であり、ハイパフォーマーが1人でも退社してしまえば売上減のインパクトが大きい
  • ハイパフォーマーからミドルパフォーマー、ローパフォーマーに対して、スキルやノウハウの共有がなされていない可能性が高い

などの示唆が得られる。その結果「B事業所のハイパフォーマーのノウハウを、A&B両事業所の営業担当者に移転する」というアクションの方向性を見出すことができる。これは、各営業担当者の売上高の「バラつき」をデータ分析したからこそ得られた結論だ。

このように「バラつきを見抜く分析力」は、時に「例外」や「質が異なる層の存在」という発見をもたらし、アクションに向けた大きな示唆を与えてくれることがある。

分析力を鍛える9個の方法と例-6:「プロセス」を分析する視点を持つ

分析の視点6:プロセスを分析する

物事には、必ずそれらを成立させるための「プロセス」が存在する。そして目の前にある物事から「プロセス」を逆算して遡っていけば、必ずその原因となる事象に突き当たるはずだ。

さらには、物や作業、あるいはお金の流れを追って「原因と結果の関係(因果関係)」を把握することができれば、問題の所在や解決の方法を明確にすることができる。

「プロセスを追って考える」分析力を身につけることは、ビジネスの世界では非常に重要だ。なぜなら、顧客に価値を提供するには、必ず「業務のプロセス」が必要になるからだ。

しかし「組織の問題」を捉えようとする場合、 機能別に縦割で分化した企業組織は、プロセスで考えることに適していない。だからこそ、意識的・強制的に「物や作業、お金の流れを追って考える」分析の習慣が重要となる。

分析力を鍛える9個の方法と例-7:「時系列の傾向」を分析する視点を持つ

分析の視点7:時系列を分析する

今目の前で起きている物事は、いきなりそこに現れたものではない。「現状」とは「過去の経過」を経て生まれたものだからだ。

よって「現状」を正しく理解するためには、現状の情報やデータ「だけ」を詳しく分析しても不十分であり、なぜ「現状がそうなっているのか?」を過去との関連において見極める分析力が必要不可欠となる。

そしてもし「過去から現状に至る傾向」を分析することができれば、それらを手掛かりに大局を読み、将来の在り方を検討することが可能になる。

時系列データを分析する際には大きくわけて2つの視点が存在する。以下、簡単に解説しよう。

「時系列の傾向」を捉える分析視点-1:規則性を分析する

規則性とは「繰り返し現れる変化のパターン」のことを指す。例えば、以下のようなものが繰り返し現れる変化のパターンだ。

  • 長期トレンド:
    少子高齢化やデジタル化、気候変動など、長期に渡って一方向に変化していく傾向・トレンド
  • 周期的変動:
    景気循環や在庫循環による価格変動など、2-3年ごとに周期性・循環性がみられる変化
  • 短期的変動:
    季節変動や期末調整変動など、1年内で周期的に見られる変化
  • 不規則変動:
    突然のブームや突発的な社会的事件・事故などによるイレギュラーな変動

もし、時系列データの傾向分析を通して「繰り返し現れる変化のパターン」が発見できれば、事前に変化を予測することで、機会創出やリスク回避のアクションにつなげやすくなるはずだ。

「時系列の傾向」を捉える分析視点-2:突出値・変曲点を分析する

「突出値」とは、それまでの傾向から逸脱した突発的な事象を指す。そして「変曲点」とは、それまで一定の方向の傾向(右肩上がり/右肩下がりなど)があったにも関わらず、その傾向を変化させた転換点・ターニングポイントのことだ。

「突出値や変曲点が存在する」ということは「これまでとは異質の力学・メカニズム」が働き始め、過去の常識とは異なる構造的な変化が起きていることを示唆している。

「構造変化」は、時にあなたのビジネスの将来を左右しうる。

よって、時系列のデータ分析を通して何らかの「突出値」や「変曲点」に気づいた場合には「その時期に何が起きたのか?」「どのような力学が働いたのか?」「その力学に照らせば、今後はどうなりそうなのか?」などを分析・洞察する習慣をつけよう。

分析力を鍛える9個の方法と例-8:組み合わせる視点を持つ

分析の視点8:組み合わせて分析する

情報やデータは、いくつかの視点を組み合わせて分析することで、その様相を変えることがある。例えば以下の商品満足度調査の競合比較データをご覧いただきたい。

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上記のデータを素直に受け取れば、自社商品Aは10項目中8項目で競合商品Bの満足度スコアを上回っており「圧勝」と捉えることもできる。しかし、果たしてこれをもって「自社商品Aは、競合商品Bと比べて競争力がある」と判断しても良いだろうか?

続いて、下記のデータをご覧いただきたい。商品満足度のデータに「ターゲットから見た重要度」を「組み合わせた」データだ。

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上記のグラフをご覧になれば、自社商品Aは8つの満足度項目で競合商品Bを上回っているものの、ターゲットが最も重視している2大項目である「実用的な」と「役に立つ」で競合商品Bを下回っていることがわかる。つまり「ターゲットがあまり重視していない要素で勝っていて、ターゲットが重視する項目では負けている」状態だ。

これをご覧になれば、もはや「自社商品Aは、競合商品Bと比べて競争力がある」と言い切れないことがわかるはずだ。

このように、一面的なデータ分析は、時に結論や判断をミスリードする。よってデータ分析を行う際には、その目的に照らして「複数の要素を組み合わせる」習慣をつけよう。

分析力を鍛える9個の方法と例-9:構造化する視点を持つ

分析の視点9:構造化して分析する

構造化とは、ある物事を成り立たせる構成要素と、構成要素間の関係性を明らかにすることを指す。

冒頭で、分析とは「個々の要素を吟味し、それぞれの関係性がどうなっているのかを深掘りしていくこと」と述べたが、その集大成ともいえるのが「構造化」だ。

構造化は「原因究明ツリー」や「課題解決ツリー」など、ツリー状で整理することが多い。

自然の樹木は、1つの幹からいくつかの枝にわかれ、さらに枝の先に葉や花や実をつけることで、全体として1つの機能を果たしている。これと同じように、世の中の多くの問題は、枝葉となる小さな課題の組み合わせが、幹となる大きな問題を形成している場合が多い。

よって、複雑な物事を分析したり課題を解決する際には、全体をツリー状に捉え、分岐した枝のように要素にわけ、その要素ごとに意味を考えていく手法が有効な場合が多い。

そして構造化したツリーを分析するには、以下の2つの視点が有効となる。

構造化して分析する視点-1:ツリーを「構図」として捉える

物事の「全体と部分」を静的に捉え「全体と部分の包含関係」や「部分同士の規模の違い」を把握するのが「構図として捉える」視点だ。

例えば女性を「全体」と捉えた場合「部分」は、

  1. 乳幼児
  2. 学生
  3. 独身女性
  4. DINKS女性
  5. 専業主婦
  6. 兼業主婦
  7. シニア女性
  8. その他

などが含まれ「女性全体」から見た「包含関係」にある。別の言い方をすれば、上記の1-8の女性たちは、すべてを足し上げれば「女性全体」となる関係だ。

そして「女性全体」から見ると「部分」にあたる上記1-8の「規模」が把握できれば「どのセグメントに、どの程度売れそうか?」「そのために、どの程度のマーケティング投資が必要か?」などが考えやすくなり、マーケティング戦略を考える上での重要な示唆となる。

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構造化して分析する視点-2:ツリーを「メカニズム」として捉える

2番目は、ツリーを動的に捉え、メカニズムを把握する視点だ。相関関係や因果関係を構造化し、どの要素がどの要素の原因になっているか?を把握する視点ともいえる。

物事の構造化がきちんとできていれば、問題発生のメカニズムを解明し元栓を締めることで、そこから派生している課題を根こそぎ解決することができる。また、因果関係に立脚した有効な手段の立案を容易に行うこともできるようになるはずだ。

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分析方法と分析手順

続いて、基本的な分析方法と手順について解説していこう。

分析方法と分析手順-1:目的を把握する

分析とは、ある物事が発生している原因を突き止めたり、何らかの状況を望ましい方向へ変化させるための手段を見つけようとして行うものだ。よって、分析には何らかの原因の解明とか、何らかの手段の発見といった目的が存在する。

逆を言えば、例えどんなに画期的な法則を発見しても、それが分析の目的と関係ないものであれば、その発見には全く価値がない。

分析には、必ず何らかの原因の解明とか、何らかの手段の発見といった、次のアクションにつながる現実的な目的が存在し、その目的が分析作業の在り方を決定する。

よって、分析を行う際には「なぜ」「なんのために」分析をするのか?を入念に確認する習慣をつけよう。

分析方法と分析手順-2:枠組み(フレームワーク)を設定する

全体を漠然と捉えるだけではわかりにくいものを検討するには「どこまでの範囲を全体と捉えるか?」「部分に分けていく際の切り口を、どう設定するか?」など枠組みの工夫が必要だ。

枠組みの作り方自体に絶対の正解があるわけではないが、枠組みを考える上で有益なのが「多面的な視点」と「論理的な思考」だ。

下記の解説記事では「多面思考と論理的思考」の「頭の使い方」について詳細に解説しているので、時間があれば合わせてお読みいただければ、何らかのヒントになるはずだ。

またビジネスの世界では、時代を越えて使われている「思考の枠組み」であるビジネスフレームワークが存在する。これらを「枠組み」を使って分析作業を進めていくのも、一つの選択肢となるはずだ。

分析方法と分析手順-3:枠組み(フレームワーク)に沿って情報・データ収集を行う

当たり前のことだが、分析の「素材」となる情報やデータが存在しなければ、分析作業は行えない。しかしよくあるケースが、なんとなく曖昧に分析テーマを意識しながら、とにかく関連しそうな情報やデータを絨毯爆撃的に集めようとしてしまうケースだ。

冒頭でも触れたが、絨毯爆撃的な情報収集・データ収集は「時間切れ」のリスクを孕み、あまり時間をかけすぎると肝心の分析作業がおろそかになったり、分析の目的である意思決定のタイミングが遅延することになる。

ことビジネスにおいては、必要な情報やデータが100%確実に揃うことなどありえない。つい、情報やデータは「多ければ多いほど良い」という気持ちになるが、情報収集やデータ収集にも「生産性」の観点が必要であることから、必ず「仮説」を立て、仮説検証に必要な最低限の情報を収集する習慣をつけよう。

分析方法と分析手順-4:情報・データを分析し洞察する

情報収集やデータ収集を終えたら、続いては分析を行うステップだ。情報やデータを分析する視点はすでに解説済みなので、再度参照して欲しい。

また、分析には「視点」のほかに必要なものが2つある。それは「観察力」と「洞察力」だ。

そもそも「観察力」がなければ、情報やデータの規則性や突出値、変曲点を気づくことができない。さらに「洞察力」がなければ、それらの背景にある「原因」や「メカニズム」を見抜くことはできない。

下記の記事では「分析力の向上」に必須となる「観察力と洞察力の鍛え方」について解説しているので、ぜひご参照いただきたい。

分析方法と分析手順-5:結論を出し意思決定する

最後は、情報&データ分析に基づいて、分析目的に対する「結論」を出すステップだ。

しかしどんなに精緻に分析を行ったところで、物事は100%解明できることはない。日々変化する環境や競合企業の動きの中で「明らかにならないブラックボックス」は必ず存在する。そしてブラックボックスが存在する以上、分析で得た結論にも「そうとは言えない」リスクが必ず存在することになる。

しかし、分析の目的は意思決定やアクションにつなげることなのだから、明らかにならなかったブラックボックスを何で埋めて、そのリスクをどう評価し意思決定につなげるかもまた分析者の腕の見せ所だ。

その際は、分析力だけでなく以下の要素も取り入れた総合的な判断が必要となる。

分析と意思決定基準-1:法則

経済学や心理学、あるは経営学上の研究を通して、高い確率で再現性があると考えられる理論

分析と意思決定基準-2:経験則

理論的な裏付けは十分ではないが、過去の複数の経験からして「こうすればこうなる」ことがある程度の確度で予想できる知識

分析と意思決定基準-3:事例

個別のケースでしかないが、汎用化・一般化することで、その背景にある因果関係やメカニズムが共通であると認められるケース

分析と意思決定基準-4:推定

経験的な裏付けも十分ではないが、全体的なものの見方を総合的に考えて、妥当と思われる推論

分析と意思決定基準-5:見解

その分野に精通する専門家の意見・見解

分析力を鍛える本|おすすめ書籍3冊

締めくくりに、あなたにおすすめできる「分析力を身につける本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるデータ分析の本。
  • 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っているデータ分析関連書籍。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるデータ分析関連本。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

分析力を鍛える本おすすめ書籍-1:
意思決定のための「分析の技術」―最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法

「分析」は、ともすると「数値の集計」や「グラフ作成のこと」と勘違いしてしまう誤解も多い。

しかし、分析は問題解決と意思決定のためにある。そして問題解決や意思決定に資する分析を行うため重要となるのが、分析の「切り口」を見出す力だ。

本書は、元マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントが「分析のハウツー」はもちろん、分析を行う上で必要となる「切り口」の重要性を解説している名著だ。

本書の発刊は1998年に遡る。

変化の激しい時代を経て今なお読み継がれているのは、時代を越えて揺るがない本質が描かれているからだ。

分析の視点には、「大きさを考える」「比較して考える」「時系列で考える」「分解して考える」など、様々な切り口が存在する。

もし、あなたの分析が単なる「集計」や「グラフ作成」に留まっているのなら、目からウロコが落ちる一冊となるはずだ。

分析力を鍛える本おすすめ書籍-2:
武器としてのデータ分析力

本書の一番の特長は、ビジネスで多用する統計手法の大まかな意味を解説し、分析の流れを解説している点だ。

「統計」といえば「数学的で専門的な話」として敬遠するビジネスパーソンも多い。
しかし車の運転にクラッチの構造やエンジンの構造を知らなくてもいいように、統計もまた、数学的知識がなくても使いこなすことが可能だ。

本書は、問題解決で必須となる「事実の把握」にフォーカスし、数式ではなく「ロジック」を起点に統計を解説しながら、ビジネスへの応用を解説している書籍だ。

統計で重要なのは「数式を計算できる」ことではなく、背景にあるロジックを理解して「ビジネスに活かす」ことだ。

もしあなたが「統計は苦手だ」と感じているのなら、その苦手意識を払しょくしてくれる良書だ。

分析力を鍛える本おすすめ書籍-3:
「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本

本書は、統計的な物の見方を身に付けた人が、統計思考を実践に落とす際に有用な書籍だ。

本書は、はじめてデータ分析をする新人が、データを集めて分析を行い、プレゼン資料を作成するまでの過程をストーリーを交えて紹介している。

また、回帰分析などの分析手法について「Excelではどうすれば出来るのか」など、今日から使えるテクニックも満載だ。

本書が紹介している様々な局面でデータ&統計分析を活用してみることで、あなたはこれまでとは異なった、より付加価値の高い「予測」や「意志決定」ができるようになるはずだ。

このブログから書籍化した本4冊

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

冒頭で本書を紹介したが、再度ここでも紹介しておこう。

こと分析において「仮説」は必要不可欠だ。なぜなら「仮説」がなければ分析視点を定めることができず、物事に白黒をつける明快な分析ができなくなってしまうからだ。つまり「仮説なき分析」は情報やデータの海に溺れてしまうことを意味する。

さらに言えば、あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

一方で本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は6版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴している。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける

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どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、

  1. 時間管理術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術

など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。

しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。

さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。

おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。

Amazonレビューでも、

  • 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付

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人は誰しも「視点」を通してしか物事を考えることができない。

別の言い方をすれば「そもそも何を考えるべきか?」という論点(=イシュー)は、視点が決めてしまうともいえる。

また、どんなに適切な視点を置いたとしても「ああなれば→こうなるだろう」という「予測のパターン(=法則)」が頭の中になければ、確かな仮説を導き出すことはできない。

本書はビジネス書から「視点」と「法則」を発見し、思考の質とスピードを上げていく独学術を解説した書籍だ。

1つの「視点」しか持てない人は、1つの論点しか設定することができない。当然、導き出せる仮説も1つだけだ。

しかし5つの「視点」を持てれば、5つの論点を設定できるようになる。その結果、5つの仮説を導き出すことができるようになるはずだ。

もしあなたが自由自在に「視点」を操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「新たな可能性」を拓くことができるようになる。

また、数多くの「法則」をストックしていけば、様々な現象に「法則」を当てはめることで「筋の良い仮説」を瞬時に導き出すことが可能になるはずだ。

おかげさまで、本書はThe21や日経、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、

  • 視点力や仮説思考、抽象化スキルが身に付く良書
  • これまでの読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • まさに「モノの見方を変える方程式」

など、ありがたい言葉を頂戴している。

もしあなたが「フレームワーク」だけでは得られない「視点力」と「思考スピード」を身につけたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書

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本書は、筆者の専門であるブランディングについて解説した書籍だ。

ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー入りを果たし、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

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終わりに

今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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