このページに辿り着いたあなたなら「ピラミッドストラクチャーとは何か?」あるいは「ピラミッド構造の作り方を身に付けたい」と感じていることだろう。
このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ビジネスの「できない、わからない」を解決するブログだ。
もしあなたがビジネスパーソンなら、1度や2度は以下のような指摘を受けたことがあると思う。
- 「で?結局のところ、君はどうしたいの?」
- 「話が長い…。もう少しポイントを絞って説明してくれないか?」
- 「なぜそう思ったの?それはあなたの単なる思い付きでは?」
そこで今回は、物事を論理的に整理し、シンプルに提案・報告ができるようになる「ピラミッドストラクチャー」について解説する。その内容は以下の通りだ。
- ピラミッドストラクチャーとは何か?
- ピラミッドストラクチャーがもたらす4つのメリットとは?
- ピラミッドストラクチャーを作る6つの手順と具体例とは?
もしこの記事を最後までご覧になれば「何がいいたいの?」「ポイントは何?」「なぜ?」と返り討ちにあうことも大きく減るはずだ。
また、この記事の最後には、記事内で紹介した図版のスライド資料を用意しているので、ぜひ復習時に活用頂きたい。
- ★このブログから書籍化!可視化依存社会に「本質を見抜く力」を手に入れる
- ピラミッドストラクチャーとは?
- ピラミッドストラクチャーのメリット
- ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例
- ピラミッドストラクチャー関連の本|おすすめ書籍3冊
- このブログから書籍化した本4冊
- その他の解説記事とおすすめ書籍
- 終わりに
- ピラミッドストラクチャーとは|ピラミッド構造の作り方を図解解説|スライド資料
★このブログから書籍化!可視化依存社会に「本質を見抜く力」を手に入れる

インターネットの普及は、情報の流れを根本的に変え、変化のスピードを加速させた。
さらに生成AIの出現により大量のコンテンツが吐き出され、情報濁流はより速く、大きく、圧倒的になっていくはずだ。その先にあるのは、可視化された情報に振り回され「目に見えない本質」や「長期的な視点」が見逃されていく「可視化依存社会」だ。
KPIや数値データなどの「目に見える」情報に注意が奪われ「目に見えない」質的な側面や、背景にあるストーリーは軽視されていく。
コスパ意識を重視する風潮が一層強まる中で「考える」「暗中模索する」「試行錯誤する」といったプロセスは「無駄なもの」として煙たがられ、本質を探る姿勢は薄れていく。
短期的な結果を求めるあまり、問題の本質に向き合う時間を確保できず、解決策は表面的なものになる。短期目標が優先され、長期的な戦略は後回しにされる。
「可視化依存社会」とは、表面的な情報や短期的な指標ばかりに目が行き、深い洞察を見逃してしまう社会だ。
そんな可視化依存社会に突入するからこそ、必須となるスキルが「本質を見抜く力」だ。別の言い方をすれば、見えないものを見抜き、物事の核心に辿り着くスキルともいえる。
「本質を見抜く力」を身に付けることができれば、表面的なものに振り回されず、その本質を捉え、シンプルに捉えることができるようになる。迷いやリスクに悩まされる時間が減り、決断に自信を持てるようにもなるはずだ。
「真の価値」は、見えないものにこそ宿る。それを見抜く力こそが「本質を見抜く力」だ。
本書では「可視化依存社会」を生き抜くために、本質を見抜く力を磨く具体的なアプローチを紹介する。
ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドストラクチャーとは?-1:ピラミッドストラクチャーの意味を定義する
まずは「ピラミッドストラクチャーとは何か?」について解説しよう。
ピラミッドストラクチャーとは、あなた自身が伝えたい「結論」と「その根拠」をピラミッド状に図式化するフレームワークだ。別名「ピラミッド構造」あるいは「ピラミッド原則」とも呼ばれる。
ピラミッドストラクチャーは、 コンサルタントの育成や報告・文章能力の向上を目的に、マッキンゼーによって開発されたものだ。今では世界中のコンサルティングファームや企業、大学などに採用され、論理的に提案や報告をする際の基本スキルとして普及している。
ある結論が「論理的に正しい」ことを説明するためには、それを証明する複数の根拠が必要になる。これを図で表現すると、結論を頂点として複数の根拠が下部に配置されることになるため、必然的にピラミッド構造になる。これが「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれるゆえんだ。

ピラミッドストラクチャーとは?-2:ピラミッドストラクチャーとロジックツリーとの違い
ここで、よく混同しやすい「ピラミッドストラクチャー」と「ロジックツリー」の違いに触れておこう。
すでに解説した通り、ピラミッドストラクチャーは何らかの結論を主張したい時に、その結論の正しさを証明する根拠を並べていくフレームワークだ。よって「説明・説得」のために用いられることが多い。
一方で、ロジックツリーは物事を構成要素に分解し、問題の原因や解決策を導く際に使われるフレームワークだ。よって「検討・思考」の際に使われることが多い。
また、ピラミッドストラクチャーの場合、図の上下関係は「主張と根拠の関係」になる。一方でロジックツリーの場合、左右でつながれた関係は「グループと構成要素の関係」になるのが大きな違いだ。

ピラミッドストラクチャーのメリット
ピラミッドストラクチャーの意味が理解できたら、より直感的にピラミッドストラクチャーのメリットを理解するために、事例を交えて解説しよう。

ピラミッドストラクチャーのメリット-1:あなたの提案や報告が相手に伝わりやすくなる
ピラミッドストラクチャーのメリットの1つ目は、あなたの提案や報告が相手に伝わりやすくなることだ。
もしあなたがピラミッドストラクチャーを元に自分の主張を整理できていれば、まずは結論を説明し、徐々にピラミッドストラクチャーの下に移るように根拠を説明していくだけで済むようになる。別の言い方をすれば、シンプルかつロジカルに説明できるようになるということだ。
これは聞く側にとっても「結論」に対して「なぜ、そう言えるのか?」というロジックが明確になるため、あなたの主張を体系的に理解しやすくなる。
ピラミッドストラクチャーのメリット-2:あなたの主張の説得力が増す
ピラミッドストラクチャーをマスターすれば、あなたは自分の考えを体系的に整理できるようになる。そして体系的に整理できるようになれば「結論とその根拠」を明確にすることができるようになるため、必然的にあなたの主張は説得力を持つことになる。
例えば、以下の図をご覧いただきたい。

このピラミッドストラクチャーをご覧になれば「自社はカジュアルギフト市場に参入すべきだ」という「結論」に対して、
- 事業機会の視点から見て、カジュアルギフト市場は魅力的な市場だから
- 財務の視点から見て、カジュアルギフト市場は自社の投資判断基準を越えるから
という「根拠」が明確になっている。さらにこの根拠に対しても帰納法的な論理展開で裏付けが示されているため、より説得力が増していることがおわかりいただけるはずだ。
ピラミッドストラクチャーのメリット-3:会議がスムーズに進む
あなたは何らかの会議に参加した際に「なかなか結論が出ない」「議論がまとまらない」という経験をしたことがないだろうか?
ここまでお読みになってお気づきかもしれないが、ピラミッドストラクチャーの頂点にある「結論」のみをぶつけ合うだけでは、会議は不毛に終わる。なぜなら「結論」のみを取り出して議論をしても、それは個人個人の「思う」「感じる」の世界であり「思い」や「感覚」をぶつけ合っているにすぎないからだ。
しかし、もしあなたがピラミッドストラクチャーをマスターすれば、議論すべきは「結論」ではなく「結論を支える根拠」だとわかるようになる。そうすれば、
- それぞれの主張に、根拠はあるのか?ないのか?
- それらの根拠は、正しいのか?間違っているのか?
- 主張と根拠の因果関係は適切なのか?
を中心に議論ができるようになる。そうすれば「思う」「感じる」の水掛け論を排除し、会議をスムーズに進めることができるようになる。
ピラミッドストラクチャーのメリット-4:物事を本質的に考えられるようになる
ピラミッドストラクチャーのメリットの最後は、物事を本質的に考えられるようになることだ。もしあなたがピラミッドストラクチャーをマスターすれば、
- 結論は何か?
- その根拠は何か?
という「本質的なイシュー(=論点)のみにフォーカスする思考」が身につき「報告」「提案」「資料作り」「ディスカッション」などあらゆる局面において「ムダな論点の排除」「仕事のスピード化」を実現することができるようになる。
実は「本質的なイシュー(=論点)が見抜けるようになる」というメリットこそが、あなたにとって最も重要で、かつ財産になるメリットだ。
ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例
いよいよここからは、ピラミッドストラクチャーの作り方について具体例を交えて解説していこう。ピラミッドストラクチャーの作成手順は、大きくわけて6つのステップにわけることができる。
- イシューを正確に見極める
- イシューに対する仮説を立てる
- 仮説に対するサブイシューを導き出す
- サブイシューを事実と突き合わせて検証する
- 全体のロジックと整合性を確認する
- 提案・報告する
以下、一つひとつ解説していこう。

ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例-1:イシューを正確に見極める
ピラミッドストラクチャーの作り方の第1ステップは、イシューを正確に見極めることだ。
「イシュー」とは「結論を出すべき論点」のことであり「結論を出すべき論点の設定」を間違うと、その後のプロセスはすべて間違ったものになる。その結果、いくら正しく物事を考えたとしても、そもそもの論点がずれているのだから、結論もずれたものになる。
例えば先ほどの「カジュアルギフト市場の事例」でいえば、結論を出すべきイシューは「自社はカジュアルギフト市場に参入すべきか?」だ。
しかし、もしあなたがイシューの見極めを間違い「カジュアルシフト市場は自社にとって有望市場か?」と設定してしまうと、経営層のイシューとあなたのイシューはずれてしまい、結論も的外れなものとなってしまう。例えば以下の通りだ。
- 経営層のイシュー:「自社はカジュアルギフト市場に参入すべきか?」
- あなたの結論:「カジュアルギフト市場は有望な市場です」
このように「イシューの見極め」は、物事を考える上での「前提」となる。そして「イシュー」がずれればその後の検討プロセスはすべてずれてしまうことになり、後々膨大な手戻りを発生させることになる。
もしあなたがピラミッドストラクチャーを駆使して説得力のある提案や報告をしたいなら、まずは「結論を出すべき論点(=イシュー)」を正しく見極める習慣をつけよう。

ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例-2:イシューに対する仮説を立てる
ピラミッドストラクチャーの作り方の第2ステップは、イシューに対する仮説を立てることだ。先ほどの「カジュアルギフト市場の事例」でいえば「自社はカジュアルギフト市場に参入すべきだ」が仮説となる。

ここで、仮説とはいえいきなり結論を出してしまうことに、あなたはいぶかしく思うかもしれない。できるだけ多くの情報を集めて課題を徹底的に分析し、精緻に計画を立てる方が正しいスタンスのように思える。しかしその背景には、
- 情報さえ集まれば
- 徹底的に分析さえすれば
- 綿密に計画さえ立てれば
100%完璧な結論が出せるはず、という「完璧主義」の思考態度がある。
しかし変化が激しいビジネス環境においては「100%完璧な結論」など存在しない。もし存在したとしても日進月歩で変わってしまうため「徹底的に」「綿密に」「時間をかけて」詰めたとしても、完成したころには市場環境が大きく変わっており「完璧にしたはずの答え」は役に立たなくなる。
一方で、早い段階で仮説を立てることができれば「粗いストーリーを最初に組み立て、それが正しいかどうかをスピーディーに仮説検証し、間違いに気づいたらすぐに軌道修正し、改めて別のストーリーを組み立てる」ことが可能になる。
また、もしあなたが「完璧思考」の習慣を持っていたら、何らかのテーマで情報収集を行う際に「どの範囲の情報を」「どのレベルの深さまで」集めてよいかが皆目見当がつかないはずだ。その結果、情報収集は絨毯爆撃的となり、多大な時間を消費してしまうことになりかねない。
一方で、まずはじめに仮説を立てることができれば「今ある仮説が正しいか?正しくないか」に絞った情報を、その判断に資するレベルまで集めればよいため、情報収集の焦点を絞りこむことができ、時間は大幅を短縮することが可能になる。
ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例-3:仮説に対するサブイシューを導き出す
ピラミッドストラクチャーの作り方の第3ステップは、仮説に対するサブイシューを導き出すことだ。いわば「仮説が妥当かどうかを証明するために必要な論点」を導き出すステップともいえる。
先ほどの「カジュアルギフト市場の事例」でいえば、
- 自社はカジュアルギフト市場に参入すべきだ
という仮説に対して、
- 事業機会はあるか?
- 財務ハードルを越えるか?
という2つのサブイシュー(仮説を証明するための論点)を設定している。

あらゆるビジネスは
- 事業の視点:顧客へ価値を提供すること
- 財務の視点:資金を投じて、それを上回る利益を上げること
という2つの側面に分解することができる。上記の場合、バランスシートのフレームワーク(バランスシートの左側と右側)を使って、事業サイドと財務サイドの両面を検討することを想定している。
更に「事業機会はあるか?」という事業上のイシューについては、3Cのフレームワークを使って以下のように分解している。
- 市場:カジュアルギフト市場は拡大しているか?
- 競合:カジュアルギフト市場に強い競合が存在しないか?
- 自社:カジュアルギフト市場は自社の強みが生かせるか?

また「財務ハードルは越えるか?」という財務上のイシューについては、資本コストやIRRの観点から、
- カジュアルギフト事業に参入した場合、投資収益率は何%が見込まれるか?
- 自社の投資判断基準(自社の資本コストやIRR)は何%か?
に分解している。もし自社の投資判断基準を越える収益率が見込めれば、財務上はGOという判断となる。

このように、イシューを分解し構造化していければ「カジュアルギフト市場に参入すべきだ」という仮説に対して「どのような情報を」「どのレベルまで」収集すべきかが明確になる。
ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例-4:サブイシューを事実と突き合わせて検証する
ピラミッドストラクチャーの作り方の第4ステップは、サブイシューを事実と突き合わせて検証することだ。
例えば「カジュアルギフト市場の事例」でいえば、事業上のサブイシューに対して、
- 市場:カジュアルギフト市場は拡大しているか?
⇒カジュアルギフト市場関連のデータや情報を収集する - 競合:カジュアルギフト市場に強い競合が存在しないか?
⇒主要な競合企業をリストアップし、強みやリソースを整理する - 自社:カジュアルギフト市場は自社の強みが生かせるか?
⇒カジュアルギフト事業に活かせそうな自社の強みやリソースを整理する
などが挙げられるだろう。また、財務上のサブイシューに対しては、
- カジュアルギフト事業に参入した場合、投資収益率は何%が見込まれるか?
⇒カジュアルギフト市場の市場成長率と自社の競争力を掛け合わせて、投資収益率や予測損益計算書を作成する - 自社の投資判断基準(自社の資本コストやIRR)は何%か?
⇒財務部門や経営企画部門に対して、自社が設定している資本コストやIRRを確認する
などが挙げられるはずだ。

ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例-5:全体のロジックと整合性を確認する
ピラミッドストラクチャーの作り方の5番目のステップは、全体のロジックの整合性を確認することだ。全体の整合性を確認する上で必要な視点は、大きくわけて以下の2つだ。
- Why So?(なぜそう言える?)/So What?(だからなに?)の関係が成立しているか?
- MECE(もれなくダブリなく)が成立しているか?
Why So?(なぜそう言える?)/So What?(だからなに?)の関係が成立しているか?
冒頭でも述べた通り、ピラミッドストラクチャーは「伝えたい結論と根拠の関係をピラミッド状に図式化するフレームワーク」だ。そして「結論と根拠の関係」が論理で結ばれている以上、
- 結論に対して:なぜそう言えるのか?(Why So?)
- 根拠に対して:だからなに?(So What?)
という関係が成立していなければならない。例えば先ほどの「カジュアルギフト市場の事例」にWhy So?を当てはめてみると、
- 結論:
「自社はカジュアルギフト市場に参入すべきだ」 - Why So?(なぜそう言えるのか?)
「(なぜなら)自社にとってカジュアルギフト市場は魅力的な市場だからだ」
「(なぜなら)カジュアルギフト市場は自社の投資判断基準を越えるからだ」
という関係になる。また、逆方向からSo What?で検証してみると、
- 根拠:
「自社にとってカジュアルギフト市場は魅力的な市場だ」
「カジュアルギフト市場は自社の投資判断基準を越える」 - So What?(だからなに?)
「(よって)自社はカジュアルギフト市場に参入すべきだ」
となり「Why So?/So What?」の関係が成立していることが確認できる。

また「サブイシュー①事業機会の視点」でも、Why So?で検証してみると、
- 結論:
「自社にとってカジュアルギフト市場は魅力的な市場だ」 - Why So?(なぜそう言えるのか?)
「(なぜなら)カジュアルギフト市場は拡大しているから」
「(なぜなら)カジュアルギフト市場に強い競合は存在しないから」
「(なぜなら)カジュアルギフト市場は自社の強みが生かせるから」
となる。逆にSo What?で検証した場合、
- 根拠:
「カジュアルギフト市場は拡大している」
「カジュアルギフト市場に強い競合は存在しない」
「カジュアルギフト市場は自社の強みが生かせる」 - So What?(だからなに?)
「(よって)自社にとってカジュアルギフト市場は魅力的な市場だといえる」
となり「Why So?/So What?」の関係が成立していることがわかる。

さらに「サブイシュー②財務の視点」でも、Why So?で検証すると、
- 結論:
「カジュアルギフト市場は自社の投資判断基準を越える」 - Why So?(なぜそう言えるのか?)
「(なぜなら)自社の投資判断基準である投資収益率5%以上に対して、カジュアルギフト市場に参入した場合、投資収益率は8%が見込まれるからだ」
となり、So What?で検証した場合は、
- 根拠:
「自社の投資判断基準である投資収益率5%以上に対して、カジュアルギフト市場に参入した場合、投資収益率は8%が見込まれる」 - So What?(だからなに?)
「(よって)カジュアルギフト市場は自社の投資判断基準を越える」
となる。やはり「Why So?/So What?」の関係が成立していることがおわかりいただけるだろう。

このように、適切な論理構成を伴ったピラミッドストラクチャーは、かならず「Why So?/So What?」の関係が成立するようになっている。もし「Why So?/So What?」で検証した際に違和感を感じたら、それは仮説が間違っているか、演繹法・帰納法の論理展開のどこかに矛盾がある可能性が高いので注意が必要だ。
MECE(もれなくダブリなく)が成立しているか?
全体の整合性を確認する上で必要な視点の2つめはMECEだ。
MECEとは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取ったもので「お互いに重複せず、全体に漏れがない」という訳になる。世界的なコンサルティングファームであるマッキンゼーが世に広めたロジカルシンキングの考え方の一つだ。
このMECEは、ピラミッドストラクチャーを構成する上で非常に重要な考え方となる。
なぜならピラミッドストラクチャーに重複が存在すると、提案や報告の際に「無駄な説明」が混じりこむからだ。よく説明の際に「繰り返しになりますが…」という言葉を聞くが、これは論理構成に重複があるために生じることが多い。
一方で「漏れがある」ということは、論理構成に「見落としがある」ことを意味する。もしこの「見落とし」が致命的なものであれば、あなたの提案・報告は「検討が浅い」という烙印を押されることになる。
現実的にはあらゆるものごとをMECEに整理するのは難しいが、ビジネスの世界には優秀な先人たちが残してくれた様々なフレームワークが存在する。先ほどの「カジュアルギフト市場の事例」でいえば、
- 事業と財務の視点:バランスシート(貸借対照表)のフレームワーク
- 市場・競合・自社の視点:3C分析のフレームワーク
を活用している。


もしあなたがピラミッドストラクチャーを使って説得力のある提案・報告がしたいなら、ピラミッドストラクチャーの作成手順と並行して、様々な「ビジネスフレームワーク」や「MECE的な視点」をマスターしておこう。
ピラミッドストラクチャーの作り方と具体例-6:提案・報告する
ピラミッドストラクチャーの作り方の最後は、提案・報告だ。
ここまでくれば、あなたが出した結論に対する根拠は明確で、論理構成に矛盾はなく、ピラミッドストラクチャーは説得力のあるものになっているはずだ。
しかしここで間違えて欲しくないのは、ピラミッドストラクチャーはあくまで論理を構成するためのフレームワークであって、提案や報告の際には「コミュニケーション能力」という別の能力が必要であるということだ。
ピラミッドストラクチャーはあなたの頭の中で考えた論理構成だが、提案や報告の際には相手が存在する。よって、提案・報告の際には論理構成だけでなく、
- 相手のリテラシーレベルを把握しておく
- 相手にとってわかりやすいストーリーラインを描く(結論が先か?根拠が先か?など)
- 専門用語の本質を理解した上でわかりやすい言葉に置き換える
- 論理だけでなく「期待」も作る
ことを意識しておこう。
ピラミッドストラクチャー関連の本|おすすめ書籍3冊
締めくくりに、あなたにおすすめできる「ピラミッドストラクチャー関連の本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。
- k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるピラミッドストラクチャー関連本。
- 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っているピラミッドストラクチャー関連書籍。
- 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるピラミッドストラクチャー関連本。
もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。
ピラミッドストラクチャー関連本おすすめ書籍-1:ロジカルシンキング
本書は、ロジカルシンキングを学ぼうと思ったら誰もが通るベストセラーであり「ロジカルシンキングの名著」だ。
著者である照屋氏はマッキンゼーのエディターとして活動した経験を持っており、マッキンゼーを一躍有名にした書籍としても知られる。
本書は「ピラミッドストラクチャー」や「MECE」「So What?/Why So?」など、今では当たり前のように使われるビジネスパーソンの「基本作法」を、日本に普及させた名著と言ってよい。
この書籍は多くのビジネスパーソンにとって「ロジカルシンキングの登竜門」的位置づけと言って良いだろう。もし、あなたが「理解」を越えて「ロジカルシンキングを使いこなしたい」なら、ぜひ一読を勧めたい必読書だ。
ピラミッドストラクチャー関連本おすすめ書籍-2:入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法
ロジカルシンキングは、あなたの頭の中にあるだけでは意味がない。
ビジネスの現場では、レポーティングや業務メール、あるいは提案書など「自分の考え」を文章に落とす局面は多い。
本書は、ベストセラーとなったバーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」の翻訳者が著した、日本人向けのロジカルライティングの書籍だ。
ロジカルライティングは、ロジカルシンキングと異なり、常に「相手」を想定しなければならない。
本書の特筆すべき点は、ロジカルシンキングを「相手に合わせて」「文章に落とす」実行可能な方法論を、徹底的にわかりやすく解説してくれていることだ。
ビジネスとは、突き詰めれば人と人との間にある営みだ。
しかし「自分が伝えたいことをロジカルに伝える」ことはできても「相手が知りたいことロジカルに伝える」ことができる人は、そう多くない。
もし本書を手に取れば、あなたは「ロジカルシンキングを相手に伝わる形に変換する」スキルを身に付けることができるはずだ。
ピラミッドストラクチャー関連本おすすめ書籍-3:1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
あなたは業務報告やミーティングの際に「手短に話せ」「何が言いたいのかわからない」と指摘されたことはないだろうか?
本書は、ロジカルシンキングを身につけ「1分で伝え、1分でその気にさせて、1分で動いてもらう」方法を解説した書籍だ。
「話が長い」「話がまとまらない」は「話の整理の仕方」に問題があるが、本書はロジックツリーやピラミッドストラクチャーを使った「話の整理の仕方」や「伝え方」を解説してくれているため、かなり実践的だ。
また、単に「ロジカルな説明」だけでなく「聞き手の頭にイメージを描いてもらう方法」も解説されているため「論理と直感」双方に訴える説明の仕方が身につくはずだ。
説明が長くなりがちで、端的に自分の考えを相手に伝えることに苦戦してる方に、おすすめの書籍だ。
このブログから書籍化した本4冊
★このブログから書籍化!「シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。
なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。
しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考の重要性は説くものの、肝心の「仮説思考の身につけ方」になると、
- 「センスが必要」
- 「経験の積み重ねが物を言う」
など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせている書籍が多い。
しかし本書は「仮説思考に必要な頭の使い方の手順」を、豊富な事例とともに徹底解説している。よって、その手順通りに頭を使えば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。
おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。
さらにAmazonレビューでも、
- 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
- 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
- 「一生もののスキルになるのは間違いない」
など有難い言葉を頂戴している。
もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。
★このブログから書籍化!ロジックツリーに必要な「視点力」と「論理力」を手に入れる

外資系コンサルティングファームにいた経験から、ロジックツリーはコンサルティング実務で最もよく使うフレームワークだと断言できる。
一方で、ロジックツリーは他のフレームワークと比べてケタ違いに使いこなすのが難しいフレームワークでもある。
PEST分析や3C分析などのフレームワークはあらかじめ「〇〇について考える」という「視点」が提供されているが、ロジックツリーの場合、目の前にあるのは「ツリー状の空欄」だけ。「何について考えるのか?」という視点自体を、自分の頭の中で生み出さなければならない。
このように、ロジックツリーが難易度の高いフレームワークであるにも関わらず、多くのロジカルシンキング本やフレームワーク本では「数あるフレームワークの1つ」として片手間に紹介されているだけで、豆知識として身についても、実践で使いこなせるようにはならない。
ロジックツリーは「ロジック」という言葉が含まれていることから「論理的思考」の文脈で語られがちだ。しかし、ロジックツリーをうまく使いこなす上で最も重要なポイントは、
- そもそも、何について考えるべきなのか?
- どのような「視点(切り口)」でツリー状に分解していくべきなのか?
などの「視点」のほうであり「視点力」を身に付けなければ、ロジックツリーを自由自在に扱えるようにならない。
本書はロジックツリーに特化した書籍として「視点力+論理力」の使いこなし方も含めて徹底解説している。
本書を手に取っていただければ、あなたは「論理力」だけでなく「視点力」を活かして「次々に創造的な仮説を生み出す力」を手に入れることができるようになるはずだ。
★このブログから書籍化!人材難を突破する「パーパスブランディングの教科書」

「求人広告を出しても、年々応募者が減っている」「 内定を出しても、条件面で大手や競合に競り負け、辞退が相次ぐ」「従業員のエンゲージメントが上がず、離職が相次ぐ」…。
あなたの会社も、このような状況に陥ってはいないだろうか?
人材難の時代に突入したいま、採用難や組織の停滞は一時的な問題ではない。日本の労働人口は減少し続けており、先送りすれば状況は悪化する一方だ。待遇改善や制度改革といった「小手先の対策」だけでは、もはや限界に達している。
本書は、こうした課題に対する根本的な解決策として、「パーパスブランディング」を解説した書籍だ。パーパスブランディングは「自社の社会的存在価値」や「創り上げたい社会像」を明確にし、それを社内外に伝えることで、指名で選ばれる存在にしていく取り組みを指す。
本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、またある時は外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、数多くの企業が採用・組織・ブランディングの現場で苦しむ姿を見てきた。
そこで痛感したのは、「パーパス」や「ブランディング」という言葉が、ふわっとした理念や耳当たりの良いスローガンにとどまり、実効性を伴わないケースがあまりにも多いという現実だ。
「理論」がなければ、パーパスブランディングは体系化できず再現性を生まない。「実践」がなければ、企業に成果をもたらすことはできない。
本書は、その両者をつなぐ“教科書”として、採用・組織・経営・マーケティングに横断的な効果をもたらすパーパスブランディングの実行手順を示している。その内容は以下の通りだ。
- パーパスブランディングとは何か?
- 今なぜパーパスブランディングなのか?
- Brand PRISM ― パーパス策定・再解釈のフレームワーク
- ビジュアルアイデンティティ
- インナーブランディング
- パーパス採用ブランディング
- ESG・サステナビリティ統合
- アウターブランディング
もし、あなたがこれらに課題を感じているなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。
また、kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。
★このブログから書籍化!ブランディングを学びたい方へ「ブランディングの教科書」

「ブランディング」は捉えどころがなく、なかなか一歩を踏み出せない。あなたはこのような状況に陥ってはいないだろうか?
本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、ある時は、外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、クライアントの実務担当者が悪戦苦闘する姿を見てきた。
「ブランディング」は、その本質を理解しないまま実行に移そうとすると、的を射ない小手先の手法を延々と繰り出すことになりがちだ。結果、やみくもに予算を消化したまま、成果が出ない事態に陥ってしまう…。
そのような事態を1件でも減らしたい。そう考えたのが本書を執筆した理由だ。
ブランディングの本は、どれも「ブランドのらしさ」「ブランドの世界観」など「ふわっと」した話になりがちだ。そして「ふわっ」とした話になればなるほど抽象的かつ曖昧な概念論になってしまい、企業組織の中で通すことが難しくなる。
本書は、外資系コンサルティングファームと広告会社で培った「生の知見」をふんだんに盛り込みつつ、つい「抽象論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。
本書のタイトルは「ブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践」だ。
「理論」が理解できなければ、ブランディングを体系化できず、ビジネスに再現性を生むことができない。そして「実践」が理解できなければ、ビジネスに成果をもたらすことができない。
本書は、ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」として、ブランド戦略の再現性と成果を目指した書籍だ。
おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、
- 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
- 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
- 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」
など、ありがたい言葉を頂いている。
- クッキー規制によりデジタルマーケティングでCTRやCVRが頭打ち。CPAは下がるどころか、少しずつ上昇傾向ですらある。
- 矢継ぎ早に新商品を繰り出してもすぐに競合に追い付かれ、差別化ができない。商品開発サイクルは更に早まり、自転車操業状態になっている。
- 「自社にはブランディングが必要だ」と理解はしているが、概念が抽象的過ぎて、どう周囲を巻き込んでいいかがわからない。
もし、あなたがこれらに当てはまるなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。つい感覚論になりがちな「ブランディング」に対して、
- なぜ、そうなのか?
- どう、ビジネスに役立つのか?
- 何をすればいいのか?
を徹底して解説しているので、あなたのお役に立てるはずだ。
また、kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。
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終わりに
今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。
しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。
それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録やTwitter、facebook登録をしてほしい。
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