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思考力とは|論理的思考力と多面思考力を高める【頭の使い方】の手順

考える力をつけるには?思考力を高める10個の思考ステップ|あなたをブランドにする思考法

このページに辿り着いたあなたなら「思考力を高めたい」「考える力を身につけたい」と考えていることだろう。あるいは管理職として「部下の思考能力を鍛えたい」と考えているのかもしれない。

本ブログの執筆者であるk_birdは、外資系コンサルティングファームと広告代理店の両方を行き来したキャリアを持つ戦略プランナーだ。

コンサルティング業界や広告業界は「決まった売り物」が存在しない。そのため「思考力(考える力)」を総動員して論理やアイデアを導き出し、常に高い価値を提供し続けなければ報酬を得られない。つまり1人1人が「なるべく早く」「なるべく高いレベルで」思考力を身につけることが生命線となるビジネスだ。

こう書いてしまうと「思考力」を身につけるには「長時間労働」や「過酷な努力」が必要だと思われるかもしれない。しかし、両方の業界に身を置いた者として「実はそうではない」と断言できる。

なぜなら「思考力」とは「根性論」ではなく「方法論」で高めていくものからだ。

思考力が「方法論」で高めていける以上、そこには再現性が存在する。つまり「考える方法」や「考える手順」をつかんでしまえば「誰でも」「過酷な努力は必要なしに」高い思考力を身につけることが可能だ。

今回は外資系コンサルティングファームや広告代理店で得られた知見をまとめ、誰でも高い思考力が身につく「頭の使い方」と「思考手順」を解説しよう。

もしあなたが「自分は思考力がない」「自分は考える力が弱い」など悩んでいるなら、今回の解説を最後までお読みいただきたい。

「何を意識しながら」「どのような手順で」物事を考えれば高い思考力が身につくのか、理解できるようになるはずだ。

 

思考力とは何か?思考力を定義する

あなたは「思考力とは何か?」と聞かれて、どのように答えるだろうか?このブログの執筆者であるk_birdは、以下のように定義している。

「思考力」とは何か

「知識」を「知恵」に変換する能力

スキルアップのために、知識を取得しようとする人は多い。しかし「知識」は、ただそれだけでは「過去の先人からの借り物」に過ぎない。また、時間が経つにつれ流通し、古くなっていくものだ。

一方で「知恵」は「未来に向けて活かす」ものだ。あなたが生み出した「知恵」はあなたオリジナルのものとなる。そのため流通しにくく、簡単には古くならない。

そして「思考」とは、知識をインプットし「知恵」というアウトプットに変換するプロセスと捉えることができる。

だとすれば「思考力」とは「過去の先人からの借り物」である「知識」をインプットに「未来に使えるオリジナルの知恵」を生み出す能力といえる。

世の中には「何をやらせても優秀」な人たちが存在する。その人たちが優秀なのは、例え知識は一夜漬けでも、高い思考力を通して「優れた知恵」へ変換することができるからだ。

よって今回の解説では「思考力とは、知識を知恵に変換する能力」と定義して話を進めよう。

思考力の種類

思考力には、大きくわけて2つの種類が存在する。1つ目は「多面的に考える力」そして2つ目は「論理の筋道を考える力」だ。1つ目は「多面思考」2つ目は「論理的思考」と呼ばれる。

多面思考と論理的思考の関係は下記の図の通りだ。

多面思考と論理思考の関係

論理的思考力とは:適切な筋道を考える思考力

まずは、ビジネスの世界で一般的となった「論理的思考力」について解説しよう。

論理的思考とは、論理の筋道を考える力を指す。論理的思考は、いわば「推論」をもとに「結論」を導き出す思考法だ。k_birdの場合、主に外資系コンサルティングファームで培った思考力といえる。

論理的思考と言えば「推論の正しさ」や「結論の納得性」に目が行きがちだ。しかし論理の筋道を考える際には、必ず「前提」が必要となる。例えば「AだからB、BだからC、CだからE」という論理の筋道を辿る場合、そもそも「A」という前提がなければ論理の筋道はなりたたない。

だとすれば、適切な「前提(=A)」を置くには、物事を多様な視点で捉え、最も適切な視点を選び、固定する必要がある。その際に必要となる思考力が「多面思考力」だ。

多面思考力とは:物事を多面的な視点で考える思考力

多面思考とは「視点の置き方」や「視野の広さ」あるいは「視座の高低」など、物事を多面的な視点で捉え、思考を行き来させることによって人とは異なる概念や切り口を見出す思考法だ。

前述したように「物事をどの視点で切り取るか?」は論理的に物事を考える上での「前提」となる。逆を言えば、この「前提(=多面的な思考)」を自由自在に操る思考力が身につけば、常識(=多くの人たちが置いている前提)を覆すアイデアやイノベーションを生み出しやすくなる。k_birdの場合、主に広告代理店で培った思考力だ。

論理的思考と多面思考:2つの「考える力」を身につける

現在では「論理的思考」や「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれて久しい。

しかし上記の解説を踏まえれば「論理的思考」や「ロジカルシンキング」を身につけるだけでは「片手落ち」であることに気が付けるはずだ。

なぜなら「論理的思考」は、例え身につけたとしても「視点(=前提)の置き方」自体には示唆を与えてはくれないからだ。

もし、あなたが高い思考力を身につけたいなら「論理的思考」と「多面思考」の2つの「考える力」を向上させて欲しい。

思考力を高める-1:「論理的思考力」を高める5つの思考手順と例

まずは、多くのビジネスパーソンにとって身近な「論理的思考」を身につける思考手順について解説していこう。論理的思考を身につける思考手順は、下記の通りだ。

  1. 気づく
  2. 疑問を持つ
  3. 疑問を「適切な問い」へ展開する
  4. 「問い」の関係を整理する
  5. 仮説を持つ

以下、順を追って解説しよう。

論理的思考力を高める頭の使い方と思考手順-1:気づく

これだけ情報が溢れている現在では、テレビやインターネットなどを駆使すれば、情報は誰でも等しく手に入れることができる。そして、1日は等しく24時間が与えられている。

にもかかわらず、人によって思考力に何倍・何十倍もの差がつくのは、同じ情報や経験から何を気づき、学びに変えられるか?という「気づく力」に負うところが大きい。

ぜひ想像してみて欲しい。何も気づかないまま「ぼーっと過ごす365日」と、毎日のように何かに気づき、そこから「様々な物事を思考し続ける365日」では、どれだけ「思考力」に差がつくだろうか?

そもそも、物事に「気づく」ことができなければ「思考のきっかけ」を掴むことができない。そして「思考のきっかけ」が掴めなければ、あなたの思考はいつまでも起動しない。その結果「思考力が弱い」「思考が浅い」という悩みは改善されず、いつまでも続くことになる。

もしあなたが「思考力が弱い」「考える力が弱い」と悩んでいるなら、まずは思考のスタート地点となる「気づく力」を意識的に高めていくことが有効だ。

その際には、以下の7つを意識すると「気づく力」を身につけやすい。

「変化」に気づく力

以前と今では、一体何が変化しただろうか?社会は?技術は?市場は?競合は?あなたはどんな変化に気づいただろうか?

「差」に気づく力

自社と競合では、どの部分に、どのような差があるだろうか?ターゲットと非ターゲットでは、どのような差があるだろうか?

「関係」に気づく力

今、目の前で起きていることは、背後にどのような関係があるのか?因果関係か?補完関係か?それとも依存関係か?

「共通点」に気づく力

一見「全く関係がない」と思える物事に、意外な「共通点」はないか?

「矛盾」に気づく力

普段「当たりまえ」だと思っている物事も、つぶさに眺めてみることで「矛盾」を抱えていないか?

「例外」に気づく力

普段「当たりまえ」だと思っている物事も、つぶさに眺めてみることで「例外」となるケースが存在していないか?存在していたとしたら、なぜ「例外」が存在するのだろうか?

「プロセス」や「連鎖」に気づく力

今目の前にある物事は、どのようなプロセスを経て目の前に存在しているのか?プロセスを遡っていくことで、意外な何かとつながっていないか?

上記を意識しながら日々周囲を観察すれば、思考力の起点となる「気づく力」は飛躍的に高まるはずだ。

論理的思考力を高める頭の使い方と思考手順-2:疑問を持つ

例え「気づく力」が身についたとしても「常に疑問を持つ」習慣が持てなければ「思考力」は身につかない。なぜなら、人は何も疑問を感じないところでは、物事を深く考えたりしないからだ。

つまり「変化」や「差」に対して、受け身ではなく「なぜ?」「本当に?」などと能動的に疑いを持つことが、深く考える際の出発点となる。

特に気を付けたいのは、せっかくあなたが気づいた様々な物事を「思い込み」や「決めつけ」で処理し、思考を停止させてしまうことだ。「思い込み」や「決めつけ」は「疑問を持つ」ことを妨げて、考える力の上達を阻害してしまう。

逆に言えば「疑問を持つ」ことは物事を客観的に捉え、いろんな角度から物事を見ようとする思考のプロセスであり、あなたの思考領域を広げる重要なきっかけとなる。

日常的な業務や、業界の常識などに対して、いちいち「本当にそうなのか?」「なぜそうなのか?」と疑問を持つことは、一見、無駄で億劫に感じるかもしれない。

しかし「物事に気づけなくなっていないか?」あるいは「思い込みに陥って思考停止になっていないか?」を確認する意味でも「自分にとっての常識」「会社における常識」などについて「なぜ?」「本当に?」と考えてみる思考習慣を身につけよう。

「疑問を持つ」ことは思考の領域を広げ、課題や解決策を導き出すための第一歩だ。

論理的思考力を高める頭の使い方と思考手順-3:「疑問」を「適切な問い」へ展開する

「なぜ売り上げが下がっているのか?」

あなたがビジネスパーソンなら、上記の「疑問」を持つことは、日常茶飯事のはずだ。しかし一方で上記の疑問が持てたとしても、そこで「思考」が止まってしまい「その先の考え」が思い浮かばないという経験をした方も少なくないはずだ。

「素朴な疑問」は、確かに「深く考える」際の出発点となりうる。しかし「疑問を持つ」だけでは抽象的すぎて、そこから先の思考が止まってしまうことが多い。物事の変化や差に「気づき」「疑問を持った」後に必要な思考手順は「疑問」を「適切な問い」に展開していく力だ。

例えば「なぜ売り上げが下がっているのか?」という疑問は、以下のように展開できる。

  • 顧客数:顧客数が減っている?
  • 平均購入頻度:顧客の平均購入頻度が減っている?
  • 購入1回当たり平均客単価:平均客単価が下がっている?

「疑問」を「適切な問い」へ展開する

また「平均客単価」は、更に以下の「問い」に展開することが可能だ。

  • 平均商品単価:平均商品単価が下がっている?
  • 1回当たり平均購入点数:買い物1回当たりの平均購入点数が減っている?

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「適切な問いへ展開する力」を身につけるには「思い浮かんだ疑問」をいくつかの具体的な側面に分解し、関連する「問い」を新たに導きだしていく力が必要になる。

もしあなたが「思考が止まってしまう」という悩みをお持ちなら、

  • 「疑問」を多面的に捉える
  • 複数の解答可能な問いに分解し、展開する

という思考習慣をつけよう。そうすれば「思考が止まる」「その先を考えられない」という悩みは、ぐっと減らせるはずだ。

論理的思考力を高める頭の使い方と思考手順-4:「問い」の関係を整理する

「疑問」を「適切な問い」へ展開できたら、次は「問い同士の関係」を整理しよう。この思考プロセスを、一般には「構造化」と呼ぶ。

もしあなたが「論理的思考」や「ロジカルシンキング」の本を読んだことがあるなら「MECE」という言葉はご存知のはずだ。

「MECE」とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive(モレなくダブりなく)」の頭文字を取ったもので「問い」を構造化する上で重要な考え方だ。

もし構造化の際に「モレ」が生じると、重要な要素を見落としてしまうリスクが生じる。もし「見落とし」を他人から指摘されたら、あなたは窮を瀕する事態となってしまうだろう。一方で「ダブり」が生じれば重複作業が生じ、業務の生産性は著しく下がってしまう。いわば「二度手間」状態だ。

ぜひ、先ほどの「なぜ売り上げが下がっているのか?」の例を参照して欲しい。

「なぜ売り上げが下がっているのか?」という疑問に対する「問いの分解」は「モレがなく」「ダブりもない」構造化された状態となっているはずだ。

構造化

もしあなたが「素朴な疑問」を「適切な問い」へ展開する思考習慣が身についたら、次は「MECEに構造化できる」状態を目指そう。

そうすれば、あなたの思考力は、より隙のない強固なものになるはずだ。

論理的思考力を高める頭の使い方と思考手順-5:仮説を持つ

「素朴な疑問」を適切な「問い」に展開し「構造化」できたら、1つ1つの「問い」は、かなり具体的になっているはずだ。

例えば、先ほどの図の「一番右側」に注目してほしい。「なぜ売り上げが下がっているのか?」という漠然とした疑問と比べて「問い」は具体的になっていることがわかるはずだ。

どんどん「問い」を展開し具体的にしていったら、あなたは一番右側の問いに対して「きっとこうなんじゃないか?」という「予想」が立てられるようになるはずだ。そしてこの「予想」は、あなたが論理的に考えた上で至った「意見」であり、ビジネスの世界では「仮説」と呼ぶ。

ここまでくれば、あなたは「論理的に考え」「論理に裏付けられた意見を持ち」「仮説を導き出すための思考力」を身につけられたことになる。

 

思考力を高める-2:「多面的思考力」を高める5つの思考手順と例

続いては、物事を多面的に捉えることで、人とは異なる概念や切り口を見出す「多面的思考」の思考手順について解説しよう。多面的思考を身につける思考手順は、下記の通りだ。

  1. 物事を客観視する
  2. 物事を俯瞰で捉える
  3. 物事を概念レベルで捉える
  4. 概念レベルの共通性を探す
  5. 視点をストックする
  6. 具体に落とす

以下、順を追って解説しよう。

多面的思考力を高める頭の使い方と思考手順-1:物事を客観視する

「物事を客観視する」とは、簡単に言えば自分の先入観を排除し「自分と違う考え方もある」ことを受け入れて考えることを指す。

例を挙げて説明しよう。

例えば「女性は加齢をポジティブに捉えて楽しむべきだ」という価値観があるとしよう。仮にあなたが「女性は年齢を重ねるのはイヤに決まってる」という考えを持っていたとしても「自分とは違う考え方もある」といったんは受け入れることが「客観視」できている状態だ。

客観の反対は主観だが、主観はあなたの世界を狭くする。なぜなら主観的な「決めつけ」や「思い込み」は、新たな気づきや多面的に物事を考えるきっかけを妨げるからだ。

もしあなたが多面的思考を身につけたいなら、自分の経験や価値観、あるいは立場を忘れる努力をしてみよう。そして他人の考えを「いったんは受け入れてみる」という感覚が身につけば、あなたは自分になかった新しい視点を手に入れることができるはずだ。

多面的思考力を高める頭の使い方と思考手順-2:物事を俯瞰的に捉える

物事を客観視する思考力が身についたら、次は「物事を俯瞰的に捉える」思考力を身につけよう。

「物事を俯瞰的に捉える」とは、個別の物事を近視眼的に捉えるだけでなく、取り巻く環境や時代の流れ、進んでいる方向など、周辺まで含め「包括的」「大局的」に物事を見通すことを指す。

例えば、先ほどの例のように「女性は加齢をポジティブに捉えて楽しむべきだ」という価値観の場合、これを俯瞰で捉えると以下のようになる。

  • 物事を「全体の構図」として捉える:
    加齢に肯定的な女性も否定的な女性も、どちらも一定の割合で存在する。
  • 物事を「大局的な流れ」として捉える:
    最近は加齢をポジティブに捉え、楽しもうとする女性が増えつつある。

多面的思考力を高める頭の使い方と思考手順-3:物事を概念化して考える

物事を俯瞰で捉える習慣が身についたら、次は「物事を概念化して捉える」思考力を身につけるステップだ。

「物事を概念化して捉える」とは、目の前の具体的な物事を手掛かりにしながらも、それに囚われることなく、より一般的な形で理解していくことを指す。

「具体的な物事」は、そのまま具体的に考えようとすると個別に対応する必要が生じてしまい「もぐらたたき状態」となりがちだ。

一方で「物事を概念化して捉える」場合、個別の具体的な事情はいったんは棚上げして考えるため、見かけのものに惑わされずに「本質・原理レベルの視点」を獲得できるようになる。

別の言い方をすれば「概念化」というプロセスを踏めば、個々のケースにしか当てはまらない「狭い視点」を越えて、より「応用範囲の広い視点」を獲得できるということでもある。

例えば先ほどの例である、

  • 加齢に肯定的な女性も否定的な女性も、どちらも一定の割合で存在する。
  • 最近は加齢をポジティブに捉え、楽しもうとする女性が増えつつある。

という状態は「加齢に抗うことに疲れた女性たちが、少しずつ加齢をポジティブに捉えるようになってきたのでは?」と考えることができる。しかしこれはまだ具体的なケースなので「狭い視点」であり、この例でしか当てはまらない。

これを「概念レベル」で考えると、以下のようになる。

物事を概念化して考える

  • 加齢に抗おうとする機運:ある方向性を持った「作用」
  • 加齢をポジティブに捉える逆の機運:上記とは反対の「反作用」
  • 本質・原理レベルの視点:
    物事には「作用-反作用のメカニズム」が存在する。そして「作用」があるところには「反作用」が現れやすい。

このように、物事を概念化して考えれば「作用があるところには、反作用が生まれやすい」などの、より「本質・原理レベル」の視点を獲得できるようになる。これは、別の言い方をすれば「作用-反作用という概念を獲得し、以前より多面的な視点で物事を考えられるようになった」ことを意味する。

もしあなたが概念レベルで物事を考え「本質・原理レベル」の視点を獲得できれば、より多面的な視点を持てるようになる。

そうすれば、あなたが獲得した視点(=本質・原理)を様々な分野に当てはめることによって、より幅広い範囲で「優れた知恵」を生み出すことができるようになるはずだ。

多面的思考力を高める頭の使い方と思考手順-4:概念レベルの共通性を探す

物事を概念化して考える思考力が身についたら、次は「概念レベルの共通性を探す」ステップだ。

「概念レベルの共通性を探す」とは、これまでのステップで手に入れた「本質・原理レベルの視点」を全く違う分野に当てはめて考えることで「本質・原理レベルの視点」を検証し、強固にしていく思考手順を指す。

例えば、先ほどの例である「作用-反作用の視点」を食の分野に当てはめると、どんなことが言えるだろうか?

食の世界は簡便化が進んでいると言われる。つまり「作用-反作用の視点」に当てはめれば「作用=食の簡便化」となる。

では「反作用」は何だろうか?例を挙げれば、食の簡便化の反作用として「食育」が挙げられる。つまり食の簡便化が進めば進むほど、その危機感からくる「反作用」として「食育が重視されるようになる」と考えることができる。

それでは別の例として「作用=ビッグデータによる最適化」と考えた場合「反作用」は何だろうか?もしかしたら「ビッグデータによる最適化」の反作用として表れている機運が「人間中心設計によるイノベーション」なのかもしれない。

こうして様々な分野に当てはめてみると「作用-反作用」という視点は分野を越えて応用可能であることがわかる。

また「作用はあるのに反作用が現れてない」市場が存在する場合、これから「反作用側の市場が立ち上がってくるかもしれない」という仮説を導き出すことも可能になる。そしていち早く参入できれば、先行者利得が得られるかもしれない。

このように「分野を越えて応用可能な視点」を検証し一つずつ増やしていくことができれば、あなたは少しずつ多面思考力が身につき、人が見えていないものが見えるようになるはずだ。

多面的思考力を高める頭の使い方と思考手順-5:視点をストックする

概念レベルの共通性を探す習慣が身についたら、続いては「視点をストックする」ステップだ。

「多面思考を身につけるステップ1-4」を繰り返せば「物事を捉える視点」は徐々に増えてくるはずだ。もし「物事を捉える視点」が増えてきたら、それらを忘れずにストックしておこう。

このブログの執筆者であるk_birdも、様々な視点を獲得するごとに、エバーノートにストックしている。その一例を10個ほど紹介しよう。

1.目的と手段

あらゆる物事は「目的」に対して「手段」が存在する。「手段」だけが独立して存在することはありえない。

だとすれば、もし目の前にある物事が「手段」だとしたら「目的」は何か?手段が目的化していないか?

2.全体と部分

物事は、必ず「全体」と「部分」で構成されている。今目の前にある物事が「部分」だとすれば「全体」は何か?逆に目の前の物事が「全体」だとすれば、どのような「部分」に分解できるか?

3.共通と異質

複数の物事を見比べると「共通している部分」と「異質な部分」が存在する。「共通している部分」には、重要な本質が隠れているのではないか?「異質な部分」はなぜ、どういう意図で「異質」が生み出されているのか?

4.仕組みと演出

「仕組み」は継続性を担保する。「演出」は瞬間風速を生み出す。目の前にある物事は「仕組み」だけに偏ってないか?あるいは「演出」だけに偏ってないか?

5.物理と概念

物理は、概念の加え方で様相を変える。例えば「ガラスでできた円柱物」は「水を飲む」という概念を加えればコップになり「花を生ける」という概念を加えれば花瓶になる。

今目の前にある物事には、どんな概念を加えればよいか?あるいは別の概念に変えられないか?

6.固定と変動

物事には「固定すべき部分」と「変動させるべき部分」が存在する。例えば戦略は一貫性を保つために「固定」すべきだが、戦術はPDCAを回すために、臨機応変に「変動」させるべきだ。

いま目の前にある物事は「固定すべき」物事か?それとも「変動させるべき」物事か?

7.独立と関係

今目の前にある物事は、独立して存在しているのか?それとも、見えてないだけで他の要素となんらかの関係があるのか?関係があるとしたら「因果関係」か?「補完関係」か?それとも「対立関係」か?「依存関係」か?

8.フローとストック

今目の前にあるものごとは「流れ去る」性質を持つのか?それとも「積み重なる」性質を持つのか?

9.有限と無限

今目の前にある物事は、使えば使うほど減ったり、なくなったりする性質を持つのか?それとも、使えば使うほど価値が生まれる性質を持つのか?

10.論理とストーリー

今の局面は「論理」で納得感を創る局面なのか?それとも「ストーリー」で共感を生むべき局面なのか?

今回はランダムに10個ほど紹介したが、物事を捉える視点は上記以外にも無数に存在する。もしあなたが数多くの視点をストックできれば、人よりも広く、そして人とは異なる多面的な思考が身につくはずだ。

多面的思考力を高める頭の使い方と思考手順-6:具体に落とす

最後は「具体に落とす」ステップだ。

「具体に落とす」とは「ストックしておいた様々な視点を、自分の関心領域に当てはめ、具体化し、打ち手につなげる」ことを指す。

ここまでお読みになればあなたもお気づきかもしれないが、ここからは「論理的思考」のステップとなる。ぜひ先ほどお読みになった「論理的思考」を、再度読み返してほしい。

「論理的思考を身につける頭の使い方と思考手順」の1番目は「気づく力」だったはずだ。

もしあなたが日々「本質・原理」の視点をストックし、多面的に物事を考えられるようになっていれば、論理的思考のファーストステップである「気づく力」は格段に向上しているはずだ。

多面思考と論理思考の関係

思考力を高める本|考える力を身につけるおすすめ書籍5冊

締めくくりに、あなたにおすすめできる「思考力を高める本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思える思考力関連本。
  • 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っている思考力関連書籍。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せる思考力関連本。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

思考力を高める本おすすめ書籍-1:ロジカルシンキング

本書は、ロジカルシンキングを学ぼうと思ったら誰もが通るベストセラーであり「ロジカルシンキングの名著」だ。

著者である照屋氏はマッキンゼーのエディターとして活動した経験を持っており、マッキンゼーを一躍有名にした書籍としても知られる。

本書は「ピラミッドストラクチャー」や「MECE」「So What?/Why So?」など、今では当たり前のように使われるビジネスパーソンの「基本作法」を、日本に普及させた名著と言ってよい。

この書籍は多くのビジネスパーソンにとって「ロジカルシンキングの登竜門」的位置づけと言って良いだろう。もし、あなたが「理解」を越えて「ロジカルシンキングを使いこなしたい」なら、ぜひ一読を勧めたい必読書だ。

思考力を高める本おすすめ書籍-2:イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

間違った前提は、間違った結論を生む。

本書が主張しているのは、問題を解く前に、そもそも「何が問題なのか?」を見極めることの重要性だ。

このブログをお読みのあなたなら、ロジカルシンキングの重要性は理解しているはずだ。しかしどんなに優れた「論理」も、そもそもの「前提」が間違っていれば、間違った論理なる。

ロジカルシンキングの本は、どれも「既に正しい前提は見極められている」ことを想定してロジックツリーやピラミッドストラクチャーを解説しているものも多い。しかし重要なので繰り返すが、間違った前提は間違った答えしか生まない。

本書を読めば、正しい前提を見極め、その前提に対し、質の高い解を出していく方法論が得られるはずだ。

思考力を高める本おすすめ書籍-3:知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ

論理的思考には限界が存在する。それは推論を考える際の「切り口」の限界だ。

ロジカルシンキングを行う際には「ロジックツリー」というツールを多用する。

ロジックツリーは、目の前にある「問題現象」を要素分解することで根本課題を見抜いたり、あるいは「問題解決」の打ち手の選択肢を広げていくときに使われることが多い。

しかし「要素分解」も「選択肢の拡大」も、その「切り口」次第で結論は変わる。そうなると、いかに「筋のよい切り口」を見出せるかが重要なカギとなるが「筋のよい切り口」は論理では導き出せない。

本書は「多面的な視点」を持ち、複眼的に様々な切り口から物事を見る重要性を説いた書籍だ。

もしあなたがロジカルシンキングを越えて「多面的」「複眼的」に考える思考技術を手に入れたいなら、一読をおすすめする。

思考力を高める本おすすめ書籍-4:メタ思考トレーニング

例え同じ事実でも、視点の置き方によってその事実に対する解釈は変わる。

本書は、物事を「一つ上の視点」から客観的に考えるメタ思考の重要性と実践法を解説した良書だ。

これまで個別に見ていた問題も、一つ上の視点から眺めると実は「全体に対する部分」であったことに気付くことができる。

また、一見、規則性なく散らばった「バラバラの問題」も、一つ上から俯瞰的に眺めることで、その「意味」や「関係性」を読み解き、それらを引き起こす根本課題を特定して解決することができるようになる。

ビジネスの世界では「型の奴隷になるな。型の創造者たれ」という言葉がある。

もしあなたがメタ思考を身に付けることができれば、複数の問題に対する根本課題を読み解き、問題解決に活かすことが可能になるはずだ。

思考力を高める本おすすめ書籍-5:アナロジー思考

あなたは「イノベーションとは、すでにあるものの組み合わせから生まれる」という話を、どこかで聞いたことがないだろうか?

これはイノベーションの父と呼ばれるヨーゼフ・シュンペーターによるイノベーションの定義だ。日本では、当時「新結合」という訳で輸入されている。

アナロジー思考は、この「すでにあるものの組み合わせ」を活かして、類推の力によって問題解決策を生み出す思考法だ。

例えば「新しい金融機関のアイデアは?」というお題に対して、あなたはどのような金融機関が思い浮かぶだろうか?

うまくアナロジー思考を活用すれば「スターバックスのような金融機関」「ナイキのような金融機関」「ユニクロのような金融機関」など、アナロジー思考で「組み合わせ」を考えていくことで、これまでにあるようでなかったコンセプトの創出や、そのコンセプトの膨らましが可能となる。

本書は、このアナロジー思考を体系的に解説した上で、そのベースとなる「抽象化思考力の鍛え方」「身近なビジネスの世界への応用の仕方」「アナロジー思考の頭の使い方」等のノウハウを解説してくれている名著だ。

本書を手に取りアナロジー思考力を鍛えることができれば、アイデア創出の生産性は飛躍的に高まるはずだ。

その他の解説記事とおすすめ書籍

もしあなたが本解説以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深く学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

終わりに

今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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