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ブランド構築とは|ブランド価値の構成要素とブランド構築プロセス

なぜブランディングが必要なのか?ブランドの必要性と重要性を解説

このブログに辿り着いたあなたなら、漠然と「ブランド構築」の必要性を感じているはずだ。しかしあなたは「なぜブランド構築が必要なのか?」について、周囲に明確に説明できるだろうか?

当たり前のことだが、ブランド構築はあなた一人ではできない。商品開発部門、営業・販売部門・デジタル部門・顧客サービス部門など多くの部門との調整や連携を通して、初めてブランド構築の成果はもたらされる。

他の部門の人たちは、必ずしもブランド構築に精通している訳ではない。むしろ「もっと良い製品を作れば売れるはず」あるいは「もっと営業部門が頑張れば売れるはず」と考えている人の方が多数派だろう。

例えあなたが「ブランド構築の必要性」や「ブランド構築の重要性」を痛感していたとしても「なぜ今、ブランド構築が必要なのか」という重要性が理解されなければ、ブランド構築のプロセスは夢物語に終わってしまう。

よって、今回の記事ではあなたが周囲に説明しやすいように「なぜ今、ブランド構築が必要なのか?」について解説しよう。

 

ブランド構築とは何か?

ブランド構築は高度に曖昧で抽象的な概念であることから、誤解も多い。また、ブランディングの教科書や業界団体の定義は「誤解のないよう、正確に定義しなくてはならない」という立場上、極めて難解に定義されていることが多い。

あなたが学者であれば「正確無比なブランド構築の定義」は一定の価値を持つかもしれないが、今このブログを読んでいるあなたは実務家のはずだ。

ブランド構築には様々な定義が存在するが、このブログではあなたの実務に活かしやすいように、ブランド構築を以下のように定義している。

ブランド構築とは何か?

  • ブランドとは、生活者にとって「独自の役割」を持ち「感情移入」が伴ったモノやサービス。
  • ブランド構築とは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」独自性と感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  • その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

もし、あなたが「ブランド構築」に対してより理解を深めたいなら、他の解説を参考に欲しい。「ブランド構築」に関する様々な知識が、より腹落ちして理解できるはずだ。

ブランド構築の必要性

ここからは「なぜ今、ブランド構築が必要なのか?」について、5つの理由を解説していこう。

ブランド構築の必要性-1:生活者の志向の変化

マーケティングの世界では、最も重要なのが「生活者のニーズを満たすこと」だということに、あなたは異論はないだろう。しかし一方で、日本では多くの業界が市場成熟期を迎え「モノ余りの時代」を迎えていることもまた事実だ。

「モノの豊かさからココロの豊かさへ」と言われるようになって久しいが、人は「モノ」のニーズが満たされると、徐々に「ココロのニーズを満たしたい」という欲求が生じてくる。

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そして冒頭でも解説した通り「ブランド構築」とは「あなたの商品に対して生活者からの感情移入を形創ること」だ。そしてそのためにはモノやサービスの機能を越えて「ココロのニーズを満たす要素」を提供する必要がある。

ブランド構築の必要性-2:市場競争の激化

日本国内では、すでに多くの市場が成熟化している。これはつまり「全体のパイが広がらない」ことを意味いる。その結果必然的に生じてくるのが「シェア争い」つまり顧客の奪い合いだ。

シェア争いや市場競争を勝ち抜くには、大きくわけて2つの要素が必要となる。

  • 多くの生活者に感情移入されているかどうか?
  • 他では替えられない独自性を感じてくれるかどうか?

まず1つ目の「多くの生活者に感情移入されているかどうか?」について解説しよう。「多くの生活者に感情移入してもらう」ためには、先ほど解説したように「自分にとって実利がある」だけでなく「自分の感性にフィットする」「自分の気持ちにフィットする」「自分の価値観にフィットする」などが必要となる。

いわば、どのようにターゲットの気持ちの核心を突き、ブランドとの間に共感・共鳴点を創りだすかが問われることになる。

続いて2つ目は「他では替えられない独自性を感じてくれるかどうか?」だ。

単なる「モノやサービス」を越えて、生活者のココロの中に「際立った独自の役割(=ブランドポジショニング)や独自の個性(=ブランドパーソナリティ)」を築き上げれば、あなたのブランドならではの「独自性」を創ることが可能となる。

例を挙げれば、ハーレーダビッドソンは「値段が高い」「燃費が悪い」「うるさい」「場所を取る」など実利的には「良いとこ無し」に思えるが「自由と解放と無骨心」という独自のブランドパーソナリティで、日本のオートバイメーカーとは一線を画している。

「どのブランドよりも自分として感情移入してもらい」「他に替えられない独自性がある」という2つを高いレベルで両立できれば、その商品・サービスは激しい市場競争にも勝ち抜いていくことが可能となる。そのカギを握るのが「ブランド構築」だ。

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今後もシェア争いや市場競争はますます厳しくなることだろう。あなたのブランドも、待ったなしのはずだ。そのような厳しい状況の中で、ブランド構築は「指名買い」され続けるために極めて重要な戦略となるはずだ。

ブランド構築の必要性-3:価格競争の激化

インターネットの出現によって「あらゆるものが比較しやすくなった」ことは、すでにあなたも実感していることだろう。現在では様々な比較サイトが存在し人気を博しているのも、ご存じの通りだ。

生活者にとっては便利な時代だが、一方でマーケティング担当者にとっては苦難の時代でもある。なぜなら多くの生活者は、スペックによる比較を通して「底値の商品・サービス」を探すのが当たり前となったからだ。つまり、価格競争だ。

この価格競争から抜け出すための方法は一つしかない。「そもそも比較されない状態」を創り出すことだ。

適切なブランド構築のステップを踏めば、多くの生活者はあなたの商品・サービスに感情移入するようになる。そしてそのまま感情移入が進み「他に変えられない特別な存在」となれば、生活者はそもそも比較しなくなり、指名買いが進むようになる。

例えばiPhoneを思い浮かべて欲しい、iPhoneは国内の携帯端末メーカーと比べられているだろうか?

あなたの商品は、比較された上で「底値の商品」と見なされるべきか?それとも感情移入により「他に変えられない特別なブランド」となるべきか?その分岐点はブランディングの成否だ。

ブランド構築の必要性-4:国内人口の減少

あなたもご存じの通り、今後日本国内の人口は減少が見込まれている。

人口の減少は、多くの業界にとって市場の縮小を意味する。そして市場の縮小が進めば、新規顧客の獲得コストは跳ね上がり、相対的に既存顧客のからのリピート購入の重要性が増すことになる。

あなたのビジネスを成り立たせているのは「新規の顧客」と「リピート顧客」の2つのはずだ。そして新規顧客を獲得するために先行投資を行い、リピート顧客の収益によって成功投資を回収する、という収益構造になっているはずだ。

もし、あなたのブランドのリピート顧客があなたのブランドにブランドロイヤリティ(=ブランドへの愛着)を感じていなければ、あなたのブランドは常に競合ブランドへのブランドスイッチリスクに晒されていることになる。

そして現実に競合ブランドへのブランドスイッチが起きれば、あなたのブランドは収益が減少するだけでなく、先行投資を回収できずに赤字に陥るリスクすら孕む。

一方で、ブランド構築が効果的に進みブランドロイヤリティが向上すれば、あなたのビジネスの収益基盤は安定する。

ある研究結果によれば、ブランドロイヤリティが5%向上すると顧客1人当たりの生涯価値が95%高まると言われている。さらに顧客はブランドロイヤリティが高いブランドに対して最大25%の価格プレミアムを支払う、という研究結果もある。

ここまでお読みになれば、人口減少時代において、いかにブランド構築やブランドロイヤリティが重要性かは、ご理解いただけたはずだ。

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ブランド構築の必要性-5:人材難

国内人口の減少に伴って、今後は人材難が拡大していくはずだ。

しかしブランド構築により知名度や感情移入の度合いが高まれば、優秀な人材採用にも好影響を与える。

新卒の就職活動を見てもわかる通り、就活生は知名度の高い企業を優先的に応募する傾向は顕著だ。毎年雑誌の誌面を賑わす「就職したい企業ランキング」でも、知名度の高い企業が独占している状況だ。

また、近年の就職活動は「就活サイト」への登録が半ばスタンダードとなっているが、学生は知名度の高い企業を優先して探そうとする。さらにしばらくは売り手市場が続くこともあり、知名度の高い企業が有利となる構図に拍車をかける状況だ。

この解説の冒頭で、ブランド構築の目的は「感情移入による指名買い」であると解説したが、就職マーケットでもまた、ブランド構築は知名度の向上を通して「就活生からの指名買い」を増やす有力な手段となる。

また強いブランドを構築できれば、インナーブランディング効果により、組織文化面でも大きな競争力となる。その代表例が「スターバックス」や「東京ディズニーリゾート」だ。

この2つのブランドの共通点は、双方ともにアルバイトスタッフが優秀であり「そのブランドらしさ」を体現した働きを自主的に行うことだ。

スターバックスや東京ディズニーリゾートで働くアルバイトスタッフは、そもそもそのブランドのファンであることが多い。そして、ファンであるがゆえに「そのブランドらしさ」を誰よりも理解している。

その結果、たとえ柔軟な対応が必要な局面でも、自律的に「そのブランドらしく」行動し、顧客をもてなすことができる。さらに、そのブランドが好きで働いているため、ブランドに対する帰属心や貢献意欲も高い。

結果、企業の外側からの「見栄え」だけでなく、内側からもブランドを強くしていく「組織文化」が形成され「そのブランドらしい」均一したサービス品質を生み出していく。
さらに、ブランドに対して帰属意識の高い人材が優れたサービス品質を生み出し、そのサービス品質が感情移入を伴う強いブランドを創る。そしてそのブランドに惹かれた優秀な人材を集まり、優れたサービス品質を提供する、という好循環が創られていく。

サービスマーケティングの世界には「サービス・プロフィットチェーン」という考え方が存在する。

  1. 強いブランド構築により、人材のブランドロイヤリティが高まる
  2. 「そのブランドらしい」自発的な行動が促される
  3. 人材の自発的な行動によって、顧客へのサービス品質が向上する
  4. その結果、顧客のブランドロイヤリティが高まる
  5. ブランドロイヤリティが高まれば、ブランドの売り上げや利益が増加する
  6. その利益の人材に還元される
  7. 上記の「1」に戻る

「サービス・プロフィットチェーン」は、サービス業の収益の源泉を「従業員のブランドロイヤリティ」に置く考え方だ。特に「人材」が競争力のカギとなるりやすいサービス業や小売業の場合、ブランド構築によるサービス品質の向上効果は、極めて大きな競争力となるはずだ。

 

ブランド価値の構成要素

冒頭で「ブランドとは、生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」であると解説したが「感情移入」を創るためには、どのような要素が必要だろうか?

そもそも、ブランドに対して何の連想も働かなければ、ブランドに感情移入しようがない。よって、まず形創るべきは「ブランド連想」だ。

ただし、ブランド連想が生活者にとって何の価値(=喜び)もないものであれば、ブランド連想を形創る意味はない。よって、最終的には「ブランド連想」を通して「ブランドから得られる価値(=喜び)」が認識される必要がある。この「ブランド連想から一歩進んだ価値」を「ブランド提供価値」と呼ぶ。

「ブランド価値」は、大きく4つの要素に分類することができる。以下、簡単に解説しよう。

ブランド価値の構成要素-1:ブランドの実利的価値

生活者にとって最もベーシックな喜びは、そのブランドから「実利を得られる喜び」だ。具体的には「品質」や「機能」あるいは「利便性」や「用途」がもたらす喜びだ。

多くの企業は、ライバルよりもうまくこの喜びを提供するために、開発競争にしのぎを削っているはずだ。しかし市場が成熟化してくると生活者は「ココロの豊かさ」に関心が移るため、差別化要因にはなりにくくなる。

ブランド価値の構成要素-2:ブランドの感性価値

生活者にとって最も重要なのが「実利価値」であることは論をまたない。しかし一方で生活者は「左脳的」だけでなく「右脳的な感性」でもブランドの好き嫌いを判断している。
生活者が「感性」や「感覚」を持った人間である以上、自分の感性に合わないものよりも、自分の感性に合うものを選びたいと思うのは当然の心理だ。

特に近年では多くの市場が成熟化し「実利価値」での差別化は難しくなっている。

もしあなたの商品でも「実利価値」で差別化が難しくなっていると感じているのなら、「ブランドの感性的な価値」に着目してみよう。

ブランド価値の構成要素-3:ブランドの情緒的価値

人は誰でも「後ろ向きな気分」よりも「前向きな気分」でいたいと考えるのが自然だ。そして「前向きな気分」が得られたとき、人は喜びを感じる。

近年「ブランド体験価値」の重要性が叫ばれているが、この「ブランド体験価値」を考える上で重要なのが「情緒価値」だ。

ブランド価値の構成要素-4:ブランドの自己表現価値

あなたは一人の人間として、どのような価値観をお持ちだろうか?

もし、あなたが明確な価値観をお持ちなら、あなたの言葉や行動、あるいはモノの選び方は、その価値観に沿ったものになっているはずだ。
そしてその「価値観」がブランドが結び付いたとき、ブランド力はより強いものとなる。

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ブランド構築の方法とプロセス

ブランド構築の方法とプロセスは、おおまかには以下の通りとなる。

  1. ブランド構築の意味や目的を明確にする
  2. ブランドを取り巻く世の中の流れ・市場環境を分析する
  3. ブランドの独自性や個性・ブランド提供価値を定義する
  4. ブランド構築の目標(KPI/KGI)を定める
  5. STP戦略を策定する
  6. マーケティングミックスを策定し、ブランド体験をデザインする
  7. ブランドの価値を評価する
  8. 適切なブランドマネジメントを行う

以下の関連記事では、さらに詳細なブランド構築プロセスを21ステップに分けて紹介している。もし興味があればご覧いただきたい。

その他のブランド構築関連記事とおすすめ書籍

もしあなたが本解説以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深くブランディングやマーケティングを学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

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終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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