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ポジショニング戦略とは|強いブランドポジショニングの作り方|事例有

ポジショニングとは?ポジショニング戦略の意味とポジショニング手法|事例有

この記事に辿り着いたあなたなら「ポジショニング戦略とは何か?」あるいは「強いブランドポジショニングの作り方」に関心があることだろう。

このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ブランディングやマーケティングの「できない、わからない」を解決するブログだ。

ポジショニングとは、生活者にとってほかに替えられない独自の役割を築き「比較されずに指名買いし続けてもらえる状況」を創り出すことを指す。

ポジショニング戦略は、マーケティングの成否を決定づける極めて重要な戦略だ。にもかかわらず、ポジショニングが正確に理解されないままマーケティング活動を展開している実務現場が後を絶たない。

よって今回はマーケティングを成功に導く上で「最も」重要だと断言していい「ポジショニング戦略」について、具体例を交えて解説する。その内容は以下の通りだ。

  • ポジショニングとは何か?
  • ポジショニングと差別化は「何が」「どう」違うのか?
  • なぜポジショニングは重要なのか?
  • 優れたブランドポジショニングのつくり方
  • ポジショニングの11個の具体事例

もしこの解説を最後までお読みいただければ、あなたは「ポジショニング戦略とは何か?」はもちろん「ポジショニングの軸の取り方」などが体系的に理解できるようなる。また、ポジショニングマップを安易に使うことの弊害も理解できるようになるはずだ。

ブランド戦略を学びたい方へ。このブログから書籍化した「ブランディングの教科書」。

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本論に入る前に、まずは僭越ながら拙著を紹介させていただこう。

「ブランディング」は捉えどころがなく、なかなか一歩を踏み出せない。あなたはこのような状況に陥ってはいないだろうか?

本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、ある時は、外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、クライアントの実務担当者が悪戦苦闘する姿を見てきた。

「ブランディング」は、その本質を理解しないまま実行に移そうとすると、的を射ない小手先の手法を延々と繰り出すことになりがちだ。結果、やみくもに予算を消化したまま、成果が出ない事態に陥ってしまう…。

そのような事態を1件でも減らしたい。そう考えたのが本書を執筆した理由だ。

ブランディングの本は、どれも「ブランドのらしさ」「ブランドの世界観」など「ふわっと」した話になりがちだ。そして「ふわっ」とした話になればなるほど抽象的かつ曖昧な概念論になってしまい、企業組織の中で通すことが難しくなる。

本書は、外資系コンサルティングファームと広告会社で培った「生の知見」をふんだんに盛り込みつつ、つい「抽象論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

もちろん、セグメンテーションやターゲティング、ポジショニング等に関しても、事例を交えながら徹底解説している。

「理論」が理解できなければ、ブランディングを体系化できず、ビジネスに再現性を生むことができない。そして「実践」が理解できなければ、ビジネスに成果をもたらすことができない。

本書は、ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」として、ブランド戦略の再現性と成果を目指した書籍だ。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

  • クッキー規制によりデジタルマーケティングでCTRやCVRが頭打ち。CPAは下がるどころか、少しずつ上昇傾向ですらある。
  • 矢継ぎ早に新商品を繰り出してもすぐに競合に追い付かれ、差別化ができない。商品開発サイクルは更に早まり、自転車操業状態になっている。
  • 「自社にはブランディングが必要だ」と理解はしているが、概念が抽象的過ぎて、どう周囲を巻き込んでいいかがわからない。

もし、あなたがこれらに当てはまるなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。つい感覚論になりがちな「ブランディング」に対して、

  • なぜ、そうなのか?
  • どう、ビジネスに役立つのか?
  • 何をすればいいのか?
  • 具体的な日本のブランドの事例は?

を徹底して解説しているので、あなたのお役に立てるはずだ。

kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。

ポジショニング戦略とは?ブランドポジショニングの意味と定義

ポジショニング戦略の意味

あなたは「ポジショニング」に対して、どのような認識をお持ちだろうか?このブログの筆者であるk_bird流は、ポジショニングを以下の通り定義している。

「ポジショニング」とは

生活者にとってほかに替えられない独自の役割を築き、
比較されずに「指名買いし続けてもらえる状況」を創り出すこと。

上記の「ポジショニングの意味」の背景は、以下の通りだ。

  • ポジショニングの目的は、競合ブランドと比較して優位に立つことではなく、生活者から見て「ほかに替えられない」独自の存在になることだ。
  • ビジネスにおける賢い勝ち方は「競争に勝つ」ことではなく「競争をしないで勝つ」ことだ。
  • 「実体としての商品」は企業が創るものだが「ブランド」は生活者の「認識」の内側で作られるものだ。

つまり、ポジショニング戦略とは、自社ブランドに対する感情移入を形創り、ほかに替えられない独自の存在として「指名買いし続けてもらえる状況」を創り出すことだ。

これらを踏まえれば、ポジショニングは本来「比較」という考え方自体がそぐわないことがわかる。なぜならポジショニングの目的とは「そもそも比較しないで選んでもらうこと」だからだ。

「競争をする」ということは、既存の競争ルールの中で、常に比較をされながら体力勝負の消耗戦に挑むことを指す。しかし「ポジショニング」には「競争をしないでも勝てる領域」を見つけたり、あるいは「生活者ニーズを先回りして捉え、市場創造型のブランド価値を提供する」という戦略が背景にある。

ブランドポジショニングの例

続いて、ポジショニングをよりわかりやすく理解するために、ポジショニング戦略の事例について解説しよう。

多少乱暴に言ってしまえば、ポジショニングは「物質的な機能競争」だけでなく「顧客の認識の奪い合い」という側面がある。

例えば、スマートフォン業界のマーケティングがよい事例だ。

「機能」や「スペック」だけで言えば、iPhoneより国産スマートフォンの方が上であることは、多くの識者が指摘している。つまり「スペック的な差別化競争」で言えば、国産スマートフォンが優れているということになる。

しかし「イノベーティブでユーザーフレンドリーなスマートフォン」という「認識」ではiPhoneの独り勝ちだ。どんなに国産スマートフォンメーカーが「うちの製品の方がイノベーティブ!」「これは事実だ!」と叫んでみたところで、生活者から見れば実体的な事実はどうあれ「iPhone=イノベーティブ&ユーザーフレンドリー」という認識がすべてだ。そしてそれが生活者がiPhoneを選ぶ基準となる。

これらを踏まえると、ポジショニング戦略の本質は「差別化」ではなく「独自の役割化」だ。つまり「他に替えられない独自の役割」を決め、それにふさわしい「認識」を創り上げることができて初めて「強いポジショニング」は確立する。

ブランドポジショニングと差別化の違い

マーケティング実務の現場では「ポジショニングとは差別化のことである」という文脈で語られることが多く「競合ブランドとの違い」に力点が置かれていることが多い。

事実、k_birdの外資系コンサルティングファームでの経験及び広告代理店での戦略プランナーでの経験と照らしても、マーケティング実務者の間では「ポジショニング戦略=競合ブランドとの差別化」という意味合いで扱われることがほとんどだ。

しかし「ポジショニング=差別化」と短絡的に捉えたままでは、マーケティングの成果はおぼつかないどころか、時に弊害さえ引き起こす。

この記事をご覧になっているあなたなら、どこかで「ポジショニングマップ」というツールをご覧になったことがあるはずだ。

一般にポジショニングマップとは「市場における自社ブランドの位置づけを2つの軸で視覚化するマーケティングツール」とされる。以下がポジショニングマップの典型事例だ。

ポジショニングとは?-3:ポジショニングと差別化の違い

このポジショニングマップをご覧になって鋭いあなたならお気づきだと思うが、ポジショニングマップは、単に「競合ブランドとの違い」を2つの軸で視覚化しているに過ぎない。つまり「競合ブランドとの差別化」に力点が置かれるがあまり、本来マーケティングにとって最も重要なはずの「生活者」が置き去りになっている。

さらに、過度な「差別化の追求」は悲惨な結果を生む。なぜなら、差別化は以下のような前提の上に成り立っているからだ。

差別化とは?

  • 競合ブランドとの「比較」が前提
  • 比較した上で「競争優位」を築くことが前提

差別化とは「競合ブランドと比較」し「競争優位に立つ」ことが前提になっている。その観点から見れば、実務の現場でよく使われるポジショニングマップはわかりやすく、非常に有用なツールだ。

しかし「ポジショニング=差別化の追求」と曲解してしまうと、本来付加価値を生み出すためのマーケティングが、逆に価格競争を助長する弊害を生む。そのメカニズムは以下の通りだ。

  1. 競合ブランドとの差別化に邁進した結果、どんどん素材が高価になったり、機能が追加されたり、品質レベルが向上していく。
  2. そしてこれらが「競合ブランドとの比較」の中で繰り返されるため、競合ブランドとの間で「ラットレース状態」となる。
  3. その結果、機能や性能の向上が、生活者が必要としている臨界点を超え始める。
  4. この時、差別化競争によってもたらされた機能や性能は「過剰価値」となり、生活者から見たら「どうでもよい違い」として差別性は持たなくなる。
  5. 結果「多機能で高品質なのに」価格競争に陥ってしまう。

上記のことからもわかるように「生活者を置き去りにした差別化の追求」と短絡的に考えるのは、とても危険であることがおわかりいただけたはずだ。

STP戦略におけるポジショニングの位置づけ

このブログをお読みのあなたなら、どこかで「STP戦略」という考え方を目にしたことがあるはずだ。

STP戦略の「S」とは「セグメンテーション」のことだ。セグメンテーションには「区分けする」や「区分する」などの意味があり、ブランディングやマーケティングの世界では何らかの切り口によって市場を細分化することを指す。

そしてSTP戦略の「T」とは「ターゲティング」のことを指す。つまり「S:セグメンテーション」で細分化したセグメントのうちのどれかを「ターゲット」として設定することだ。
そしてポジショニングとは、設定したターゲットにとって「ほかに替えられない独自の役割を築き、比較されずに「指名買いし続けてもらえる状況」を創り出すことだ。

ブランドポジショニングの重要性

ポジショニング戦略の目的とは、自社ブランドの役割を明確にし、他社ブランドとは異なる「独自の役割」を確立することだ。

そしてポジショニング戦略は商品戦略・価格戦略・流通戦略・プロモーション戦略などマーケティングミックス(4P)の方針を最終的に決定づける重要な役割を果たす。

時々「製品が完成してからポジショニングを考える」というプロセスを踏む企業も散見されるが、本来ポジショニングは、製品開発の前に決めておく必要がある。

なぜなら、企業の中で製品開発が進むと、様々な部門がプロジェクトに関与してくるため、それらを統率していく方針が必要となるからだ。

ブランドマーケティングに長けた外資系のグローバル企業では、ポジショニングはすべての役員が出席する会議で合意されることが多い。

もし様々な理由でポジショニングの変更が生じた際には、再び全役員の合意が求められる。これは製品開発にかかわるすべての部門へ方針変更を指示し直さなければならないからだ。

このように、ポジショニング戦略は、その後のマーケティングミックス(4P)の有りようを決定づける、極めて重要な意思決定であることがご理解いただけたはずだ。

強いブランドポジショニングの作り方と例

続いて、ポジショニングを成功に導く「ポジショニング戦略の手法」について解説しよう。優れたポジショニングを設定し築き上げていくためには、大きく分けて2つの要素が必要となる。

  • ポジショニングの軸の取り方

いわゆる「ポジショニングの切り口」だ。実務の現場では「ポジショニングの軸」などと呼ばれる。ポジショニングマップ上の2軸の取り方をイメージしてもらうとわかりやすい。

  • ポジショニングの軸の決め方

ポジショニングは「生活者の認識の内側」で築かれる以上、その切り口は無数に存在する。それらのどの切り口がポジショニングとして上有効なのかを選び取るには、選び取る際の選択基準が必要となる

以下、事例を交えながら解説していこう。

強いブランドポジショニングの作り方-1:ポジショニングの軸の取り方

ポジショニングを考えるに当たっては、ブランドを「どのような視点でポジショニングするのか?」という「軸の設定」が必要不可欠だ。

重要なことなので繰り返すが、ポジショニングマップの軸を設定する際には「競合ブランドとの違い」だけでなく「生活者から見た役割」を強く意識することが求められる。

以下、11個の「ポジショニングの軸の取り方」を事例付きで簡単に紹介していこう。ざっとお読みいただければ、あなたは「ポジショニングの勘所」が身に付くはずだ。

ポジショニングの軸の取り方-1:ブランドの属性に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の1つ目は「ブランドの属性」に基づいたポジショニングだ。「属性」とは、そのブランドが持っている性質や特徴を指す。

例えばホテルチェーン業界の場合、リッツカールトンホテルは「大都市圏にある優雅なホテル」というポジショニングを築いている。一方で「東横イン」は「中規模都市圏」で「リーズナブルに泊まれるホテル」というポジショニングを取っている事例だ。

この2社は、同じ「ホテルチェーン業界」に存在するブランドだが、互いにすみ分けたポジショニングがなされていることがお分かりいただけるはずだ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-1:ブランドの属性に基づいたポジショニングマップ事例

ポジショニングの軸の取り方-2:ブランド提供価値に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の2つ目は「ブランド提供価値」に基づいたポジショニングだ。「ブランド提供価値」とは、ブランドが生活者に提供できる「喜びの度合い」を指す。

例えばカフェチェーン業界でいえば、スターバックスは「おしゃれでくつろぎのある場所」というブランド提供価値で独自のポジショニングを築いている。これに対しドトールコーヒーは「気軽に立ち寄れる一時のオアシス」というブランド提供価値でポジショニングしている事例だ。

この2ブランドはよく「満足度順位」などで比較されがちだが「ポジショニング」という視点で見た場合「それぞれが別のポジションのブランド」であることから、比較すること自体が間違っていることに気が付けるはずだ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-2:ブランド提供価値に基づいたポジショニングマップ事例

ポジショニングの軸の取り方-3:ブランドパーソナリティに基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の3つ目は「ブランドパーソナリティ」に基づいたポジショニングだ。「ブランドパーソナリティ」とは、そのブランドならでは際立った「個性」を指す。

例えば二輪車業界でいえば、ホンダやスズキ、カワサキなど日本勢は「高品質でリーズナブルな中型バイク」というポジショニングだ。それに対しハーレーダビッドソンは「自由で解放の象徴となる大型バイク」というブランドパーソナリティでポジショニングを確立している事例だ。

品質や機能での差別化が難しくなった現在では、戦略的にブランドパーソナリティを創り上げることによって「強いポジショニング」を築くことが可能だ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-3:ブランドパーソナリティに基づいたポジショニングマップ事例

ポジショニングの軸の取り方-4:ブランドアイデンティティに基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の4つ目は「ブランドアイデンティティ」に基づいたポジショニングだ。「ブランドアイデンティティ」とは「そのブランドならではの一貫した姿勢」を指す。

例えばスマートフォン業界でいえば、国産スマホは「多機能&高品質を追求する」というブランドアイデンティティでポジショニングしているのに対し、アップルのiPhoneは「ユーザーフレンドリーとデザイン性を追求する」というブランドアイデンティティでポジショニングしている事例だ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-4:ブランドアイデンティティに基づいたポジショニングマップ事例

ポジショニングの軸の取り方-5:ブランドの「用途」に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の5つ目は「用途」に基づいたポジショニングだ。

例えば家庭用コーヒー業界でいえば「ネスカフェエクセラ」や「ネスカフェゴールドブレンド」は「家庭で気軽に飲める」という用途でポジショニングを築き上げている。

一方でAGFは「コーヒーギフト」という用途で定番化している事例だ。あなたも「コーヒーギフトはAGF♪」というサウンドロゴは、どこかで耳にしたことがあるはずだ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-5:ブランドの「用途」に基づいたポジショニング事例

ポジショニングの軸の取り方-6:ブランドが使用される「時間」に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の6つ目は「ブランドが使用される時間」に基づいたポジショニングだ。

マーケティングに詳しい方ならご存じかもしれないが「ブランドが使用される時間」に基づいてポジショニングを確立したのが、アサヒ飲料の缶コーヒーブランドである「ワンダモーニングショット」だ。

「ワンダモーニングショット」は明確に「朝専用」という役割でポジショニングすることで「目覚めの一杯」「仕事の始業前の気合い入れ」などのニーズに応え、当時缶コーヒー市場で5位に甘んじていた「ワンダ」を業界3位に押し上げている。

まさに、ポジショニング戦略の威力を物語る事例だ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-6:ブランドが使用される「時間」に基づいたポジショニング事例

ポジショニングの軸の取り方-7:ブランドが使用される「空間」に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の7つ目は「ブランドが使用される空間」に基づいたポジショニングだ。

缶コーヒーのジョージアやBOSSは「屋外で気軽に飲めるコーヒー」というポジショニングを築き上げている。それに対し森永乳業の「マウントレーニア・カフェラッテ」は「オフィス内で気軽に飲めるカップコーヒー」という役割でポジショニングを確立している事例だ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-7:ブランドが使用される「空間」に基づいたポジショニングの事例

ポジショニングの軸の取り方-8:ブランドが選択される「プロセス」に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの8つ目の軸は、少し変わり種だが「ブランドが選択されるプロセス」に基づいたポジショニングの視点だ。

例えば、かつて生命保険業界では系列の保険代理店が保険商品を販売するのが主流だった。しかしそこに現れたのが「各生命保険会社の保険を横断して選べる窓口」というポジショニングを確立した「保険の窓口」だ。

「保険の窓口」は、生命保険の検討プロセスに着目し「異なる会社の生命保険を横断して比較できる」という考え方を持ち込み、その「窓口」というポジションを確立することで急成長を遂げた事例だ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-8:ブランドが選択される「プロセス」に基づいたポジショニングの事例

ポジショニングの軸の取り方-9:競合ブランドの「逆張り」を行くポジショニングと例

ポジショニングの9つ目の軸は「競合ブランドの逆張りを行く」ポジショニングだ。

例えば、インターネット検索では「高度な検索技術と徹底的にシンプルなUI」で目的の情報に辿り着かせようとするGoogleと「多くの情報を集約して、情報ポータルの利便性を武器に自社に囲い込もうとする」Yahoo!は、完全に逆張りの戦略をとっている事例といえる。

また「リベラルを追求する」朝日新聞と「保守を追求する」読売新聞も、互いに逆張りを行くポジショニング戦略の典型事例だ。

また「売れ筋商品の陳列」と「整理された売り場作り」を追求する多くの量販店に対して逆張りを行っているのが「奇妙なモノが並んでるからこそ、時間を忘れて探す楽しさがある」ドン・キホーテだ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-8:ブランドが選択される「プロセス」に基づいたポジショニングの事例

ポジショニングの軸の取り方-10:オケージョン別のマルチポジショニングと例

ポジショニングの10個目の軸は「オケージョン別のマルチポジショニング」だ。

例えばお菓子ブランドである「ポッキー」のポジショニングは「子供が喜ぶおやつ」だ。

しかしオフィスというオケージョンでは「手を汚さずに食べられるチョコレートビスケット」としてポジショニングされている。また、二次会バーというオケージョンでは「おつまみにもなるマドラー」というポジショニングだ。

市場が成熟し、新たな市場を開拓していく必要がある局面では、メイン市場以外のサブ市場を発見した上で「マルチポジショニング」戦略をとることが有効だ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-10:オケージョン別のマルチポジショニング事例

ポジショニングの軸の取り方-11:ブランドの「ターゲット」に基づいたポジショニングと例

ポジショニングの軸の取り方の最後は「ターゲット」に基づいた軸だ。

例えばプレミアムアイスクリームブランドである「ハーゲンダッツ」は、それまで「子供のおやつ用」とされていたアイスクリームに「大人の贅沢用」という役割を持ち込み、強いポジショニングを築いた事例だ。

また「レッドブル」も「滋養強壮剤といえは中年のおじさん用」が定番だった市場に「冒険好きな若者用」という役割を持ち込み、強いポジショニングを確立しているのは、あなたもご存じの通りだ。

ポジショニングの軸の取り方と事例-11:ブランドの「ターゲット」に基づいたポジショニング事例

強いブランドポジショニングの作り方-2:ポジショニングの軸の決め方と例

続いて、優れたポジショニング軸を決める選択基準を解説しよう。

これまで解説したように、優れたポジショニングを実現するための軸の取り方は様々ある。その中からより戦略的に軸を選び取るためには、優れたポジショニングを実現するための「選択基準」が必要だ。

以下、ポジショニング戦略の成功確率を劇的に高めるための「4つの選択基準」について解説しよう。

ポジショニングの軸の決め方と例-1:細分化された市場でNo.1になれるか

ポジショニング軸の1つ目の選択基準は「細分化された市場でNo.1になれるかどうか」だ。

市場細分化と言えば、STP戦略の中の「S:セグメンテーション」のことでは?と思ったかもしれないが、その通りだ。ポジショニングとセグメンテーションは、実は密接な関係がある。

「ポジショニング=生活者から見た独自の役割」であることはすでに述べたが「独自の役割」という認識を創る上で重要となるのが市場細分化だ。

例えば、あなたは「新聞」と聞いて、何新聞を思い浮かべるだろうか?恐らく大都市にお住いの方なら「朝日新聞」や「読売新聞」と答える方が多いだろう。地方の方なら地方紙だろうか?

では「ビジネスシーンで役に立つ新聞は?」と細分化してみよう。あなたはどのように答えるだろうか?恐らくあなたの答えは変わり「日経新聞」と答えるはずだ。

これは「新聞を活用するシーン」の中でも、細分化された「ビジネスシーン」の中で、日経新聞は「他にない独自の役割」を担っていることを意味する。その結果「ビジネスシーンに新聞を役立てたい」と思うビジネスパーソンは、朝日新聞や読売新聞と比較することなく、日経新聞を選ぶ。これが「細分化された市場でNo.1になる」ポジショニング戦略の事例だ。

更に別の事例を紹介しよう。

あなたは「家庭用コーヒー」と聞いて、どのようなブランドを思い浮かべるだろうか?恐らくは「ネスカフェ」ではないだろうか?

では「家庭用ボトルコーヒーでは?」と細分化してみよう。あなたはどのように答えるだろうか?恐らくは「ブレンディ(味の素ゼネラルフーズ)」と答えるはずだ。

これは「家庭用コーヒー市場」の中でも細分化された「ボトルで飲むアイスコーヒー」というシーンで、ブレンディが「ほかにない独自の役割」を担っていることを意味する。そして恐らくあなたは「家庭用ボトルコーヒー」と聞いて「ブレンディ」以外のブランド名を思い浮かべることはできないはずだ。

結果「ブレンディ」は他のブランドとは比較されずに選ばれることになる。こちらもまた「細分化された市場でNo.1になる」ポジショニング戦略の事例だ。

ポジショニングの軸の決め方と事例-1:細分化された市場でNo.1になれるか

米国の事例になるが、ある調査では1923年当時に25の異なる商品カテゴリーの中でリーダーだった25ブランドのうち、20ブランドが今日なおリーダーであり続けているという。数十年間のうちにリーダーの位置を失ったのはわずかに5ブランドにすぎない。

それぐらい「カテゴリーリーダー(=ある役割のトップブランド)」という地位は、ブランドの生存率を劇的に高める。

強いポジショニングを創るためには、まずは徹底的に「細分化された市場でNo.1になりえるか?」を検討しよう。そして「差別化」ではなく「独自の役割化」を意識しながらそのカテゴリーでトップブランドを目指そう。

ポジショニングの軸の決め方と例-2:新しいカテゴリーが創造できるか?

ポジショニング軸の2つ目の選択基準は「新しいカテゴリーを創造できるか?」という視点だ。

新しいカテゴリーを創造し、いち早く生活者の認識の内側に入り込めれば、あなたのブランドは「そのカテゴリーを牽引するリーダーブランド」として認識されやすくなる。

どのようなカテゴリーであれ、市場をリードするブランドはほとんどと言っていいくらい、生活者の認識の内側に最初に入り込んだブランドだ。

例えば、かつて世界の自動車業界では「車と言えばGM&フォード」という時代があった。しかしそこに「高級」というカテゴリーを創造し、強いポジショニングを築き上げたのがメルセデスだ。

そして今度は「高級」というカテゴリーの中に「スポーティ」というカテゴリーを創造し、そのカテゴリーで強いポジショニングを築き上げたのがBMWだ。

f:iポジショニングの軸の決め方と事例-2:新しいカテゴリーが創造できるか?

また、眼鏡業界でも「目が悪くない人のPC作業用」というカテゴリーを創造し躍進したのがJINSだ。

「新たなカテゴリーが創造できるポジショニング軸か?」という基準は、優れたポジショニングを実現する上で重要な基準となる。

ポジショニングの軸の決め方と例-3:競合ブランドをジレンマに追いやれるか?

あなたのブランドは、業界のリーダーブランドだろうか?

恐らくそうではないだろう。なぜなら業界リーダーのブランドは各業界ごとに1つしかなく、その他はすべて2番手以下のブランドだからだ。

もし、あなたのブランドが業界の2番手以下のブランドなら、リーダーブランドをジレンマに追いやるポジショニング戦略が有効だ。

ジレンマに追いやるポジショニング戦略とは、リーダーブランドにジレンマを引き起こすようなポジショニング軸を取ることで、リーダーブランドがあなたのブランドと競合できない状況を作り出すことだ。

例えば、アメリカにおけるコカ・コーラとペプシの事例が有名だ。

コカ・コーラは、長年の伝統と歴史を誇るリーダーブランドだ。世界中の隅々にブランドが浸透し、熱狂的なファンも多い。しかし歴史と伝統があるがゆえに、熱狂的なファンは齢を重ね、年配者になりがちだ。

そこに目をつけたのがペプシだ。ペプシは若い世代にターゲットを絞り「若々しさ」や「新しい世代のコーラ」を打ち出すことによって「コカ・コーラ=古臭い世代のコーラ」というポジションに追いやること成功した。

コカ・コーラ側としては、わかってはいるものの今のファン層を形創っているのは年配の世代のため、新しい世代に特化できない。結果「ニューコーク」という若い世代向けのブランドを発売してはみたもののそれまでのコカ・コーラファンから猛批判を浴び、わずか数か月で撤退した歴史がある。

結果、その間にペプシは躍進。今ではコカ・コーラを脅かす2番手ブランドに成長し、「若い世代向けの新しいコーラ」という独自の役割を担っている。

ポジショニングの軸の決め方と事例-3:競合ブランドをジレンマに追いやれるか?

さらに別の事例では、インターネット自動車保険も、リーダーブランドをジレンマに追いやるポジショニング戦略を推進している。

インターネット自動車保険の中には「保険料は走った分だけ」と謳っている企業が存在し、インターネット自動車保険のNo.1企業として躍進している。

一方の国内自動車損保大手からすれば「保険料を走った分だけ」にしてしまうと、現在の契約者にも適用せざるを得なくなる。結果、あまり自動車に乗らない人たちの保険料も安くせざるを得なくなり、既存契約者の売上が大きく落ち込むことになる。

このジレンマにより国内自動車損保大手は簡単に追随できないまま時間だけが過ぎ、子会社を作って参入したのはずっと後のことだ。しかし残念ながら「役割の奪い合い」で後れを取ってしまったために、未だに強いポジショニングを確立するにはいたっていない。

ポジショニングの軸の決め方と事例-3:競合ブランドをジレンマに追いやれるか?②

これらのように、もしあなたが2番手以降のブランドを扱っているのなら、リーダーブランドをジレンマに追いやるポジショニング軸を取ることで、リーダーブランドに追随されない独自の役割を築くことができる。

その際に重要な視点は「リーダーブランドの強みの中に、弱みを見出す」ことだ。

リーダーブランドの強みを「弱みに変えられないか?」を考え、逆に自社ブランドの弱みを「強みに変えられないか?」という視点が持てれば、リーダーブランドをジレンマに追いやるポジショニング軸を見出せる可能性がある。

ポジショニングの軸の決め方と例-4:生活者との関係性が明確か?

4つ目の選択基準は「生活者との関係性が明確か?」という評価基準だ。

冒頭でも説明した通り、ポジショニングとは「生活者にとって、ほかに替えられない独自の存在として、役割を築くこと」だ。

ポジショニングといえば、つい「差別化」を思い浮べがちだが、一方で「役割」という「生活者との関係性」の概念は極めて重要だ。

なぜならどれだけ差別性の高いものだったとしても、生活者から見た役割が明確でなければ、強いポジショニングとは言えないからだ。

ポジショニングマップとブランドポジショニングステートメント

ポジショニングを考える際に、実務上多く使われるのは「ポジショニングマップ」だ。

ポジショニングマップを描く際の注意点は以下の通りとなる。

  • 縦軸と横軸は、互いに独立性の高い軸を設定する
  • 企業目線ではなく、生活者目線から見た「役割」を意識して軸を設定する

しかし冒頭で解説した通り、ポジショニングマップは「2つの軸上で、自社ブランドと競合ブランドの立場の違いを表現する」という性質上「差別化」の視点しか提供してくれない。

よってブランディングの実務では「ポジショニングマップ」と並行して「ブランドポジショニング・ステートメント」というツールを活用することが有効だ。

ポジショニングマップとポジショニングステートメント

「ブランドポジショニングステートメント」とは、ターゲットに対するブランドの役割を文章で記述した記述書のことを指す。

ポジショニングマップでは「どう独自化するのか?」という「独自性」を明確にする。一方でブランドポジショニングステートメントでは「ターゲットから見たブランドの役割」を文章化して明確化する。

以下、簡単な「ブランドポジショニングステートメント」の例を記載しておこう。

ブランドポジショニングステートメントの例

(--ペルソナ--)は建前ではともかく本音では
(--インサイト--)という気持ちを抱えています。

よって(--あなたのブランド--)は
他にない(--独自の特徴--)という強みを生かして
(--ポジショニングの軸--)という役割を担い
(--ブランド提供価値--)という喜びを提供します。

その結果(--ペルソナ--)は(--あなたのブランド--)を通して、
(--ブランドライフビジョン--)を実現するという
ユニークな体験ができます。
これは、ほかのブランドでは体験できません。

ポジショニングマップと並行して、こちらの文章がすらすらと記述できるようであれば、あなたが描くポジショニング戦略は「より独自で」「生活者からの役割が伴った」ブランドへと成長していく可能性を秘めている。

ぜひポジショニングの軸を評価する際には、整合性を持った形で「ブランドポジショニングステートメントを描き切れるか」をチェックしてみよう。

またブランドポジショニングステートメントの中で出てくる「インサイト」「ブランド提供価値」「ブランドライフビジョン」などの意味については、下記の解説を参照いただきたい。

ブランドポジショニングは、検討すべきポジショニングの軸が多く試行錯誤を伴う。

よって1人でうんうん頭をうならせるよりは、チームメンバーが参加するワークショップ形式のほうが生産性が高まりやすい。

今回の解説では、ポジショニングマップ「思考ツール」として使いこなすためのテンプレートを用意している。以下の画像をクリックしてもらえれば、ダウンロードできるようになっている。

このテンプレートを貼り出してチームでポストイットワークを行えば、多様な視点で様々なポジショニングが検討できるはずだ。ぜひ、あなたはもちろん、チームメンバーで使いこなしていただければ幸いだ。

ポジショニング戦略の本:おすすめ書籍3冊

締めくくりに、マーケティング・ブランディング担当者へのお薦めのポジショニング本を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるポジショニング関連本。
  • 実際に「ポジショニングの手法」あるいは「ポジショニングの切り口を見出す上で視点を広げる」ことに役立っているポジショニング関連本。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるインサイト関連本。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

ポジショニング戦略[新版]

k_birdがマーケティング理論の中で最も重要な理論を上げるとすれば、それは「ポジショニング」だ。

低成長で競争が激しくなっている現在、居並ぶ競合ブランドの中で際立ったポジショニングを築くことは、ブランドの生死すら左右しかねない重要なミッションとなる。

本書は、既に発売から30年以上経った今でも売れ続けている稀有な書籍だ。

長年売れ続けているのは、時代を越えても揺るがない「ポジショニングの本質」を余すところなく解説してくれているからだろう。

もしあなたがマーケティング担当者なら、絶対に読み逃してはならない一冊となるはずだ。

競争しない競争戦略

市場競争において最も賢い「勝ち方」は「競争に勝つ」ことでhない。「競争しないで勝つ」ことだ。

マーケティング担当者は、つい競争戦略の一つとして「差別化」を追いかけたくなるが、差別化は「競合ブランドと比較し、競争優位に立つ」ことが前提になっているため、いずれ競合ブランドとの「ラットレース状態」となり、消耗戦に陥ることになる。

本書は、このような戦略に警鐘を鳴らし「競争しない状態を作ることによって利益を高める」手法を解説した書籍だ。

本書の特筆すべき点は、なんと50社以上の企業事例をもとに「競争しない競争戦略」の方法論を体系的に解説してくれている点だ。

もしあなたが「不毛な消耗戦」からの脱却を目指したいなら、ぜひ一読をおすすめしたい名著だ。

コトラーのマーケティングコンセプト

マーケティングには「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」「ブランド」など、様々な専門用語が居並ぶ。

本書は、現代マーケティングの父と言われるフィリップ・コトラーが、今日のマーケティングにおいて必要だと思われる80の基本用語・概念について、実例を交えながら解説したベストセラー書籍だ。

書いてある内容はマーケティングの初心者が読むべき基礎項目ばかりだが、特筆すべき点は、ABC順にマーケティングコンセプト・用語が解説されていることだ。

フィリップ・コトラーの代表的著書である「マーケティング・マネジメント」あるいは「マーケティング原理」は、MBA学生の必読書ともいわれているが、2冊とも日本語訳で1000ページ前後もあり、マーケティング初心者が気軽に手に取れる書籍とはいえなかった。

しかし本書はマーケティング戦略について、キーワードを数多く網羅したリファレンス的な書籍となっている。そのため、マーケティングを勉強したい初心者にとっては、実践の中でわからない用語が出てきた際に、辞書的に引ける点が魅力だ。

もしあなたがマーケティング担当者として着任した際には、必読の参考書だ。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

このブログから書籍化した本4冊

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」

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冒頭でも紹介したが、再度ここでも紹介させていただこう。

ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

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あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

しかし本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付

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人は誰しも「視点」を通してしか物事を考えることができない。

別の言い方をすれば「そもそも何を考えるべきか?」という論点(=イシュー)は、視点が決めてしまうともいえる。

また、どんなに適切な視点を置いたとしても「ああなれば→こうなるだろう」という「予測のパターン(=法則)」が頭の中になければ、確かな仮説を導き出すことはできない。

本書はビジネス書から「視点」と「法則」を発見し、思考の質とスピードを上げていく独学術を解説した書籍だ。

1つの「視点」しか持てない人は、1つの論点しか設定することができない。当然、導き出せる仮説も1つだけだ。

しかし5つの「視点」を持てれば、5つの論点を設定できるようになる。その結果、5つの仮説を導き出すことができるようになるはずだ。

もしあなたが自由自在に「視点」を操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「新たな可能性」を拓くことができるようになる。

また、数多くの「法則」をストックしていけば、様々な現象に「法則」を当てはめることで「筋の良い仮説」を瞬時に導き出すことが可能になるはずだ。

おかげさまで、本書はThe21や日経、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、

  • 視点力や仮説思考、抽象化スキルが身に付く良書
  • これまでの読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • まさに「モノの見方を変える方程式」

など、ありがたい言葉を頂戴している。

もしあなたが「フレームワーク」だけでは得られない「視点力」と「思考スピード」を身につけたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。

※無料のオーディオブック特典付

8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける

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どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、

  1. 時間管理術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術

など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。

しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。

さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。

おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。

Amazonレビューでも、

  • 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

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終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかる解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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