Mission Driven Brand

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ブランディングの戦略家が【ブランド戦略の全て】を解説するブログ

ブランドアイデンティティとは|強いブランドを創るBI構築法|事例有

ブランドアイデンティティとは|強いブランドを創るBI構築法|事例有

このページに辿り着いたあなたなら「ブランドアイデンティティとは何か?」あるいは「強いブランドアイデンティティを構築する方法」に関心があることだろう。

このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ブランディングやマーケティングの「できない、わからない」を解決するブログだ。

ブランド理論には「ブランドアイデンティティ「ブランドパーソナリティ」「ブランド知覚品質」「ブランドロイヤリティ」など、抽象的な横文字用語が居並ぶ。

今回の解説では、ブランド理論の中でも「最も重要」であるにも関わらず、最も難解である「ブランドアイデンティティ」について分かりやすく解説する。その内容は以下の通りだ。

  • ブランドアイデンティティとは何か?
  • ブランドアイデンティティの4つの構成要素とは?
  • ソーシャル時代に必要なブランドアイデンティティとは?
  • ブランドアイデンティティのフレームワーク「ブランドアイデンティティプリズム」とその事例

重要なので繰り返すが「ブランドアイデンティティ」はブランド構築を行う上で「最も」重要な考え方だ。

もしこの解説を最後までお読みになれば、あなたは「ブランドアイデンティティ」について「周囲に説明できるレベル」で理解できるようになる。

その結果「ブランドアイデンティティ」をビジネスに組み込むことで、成り行き任せではない「戦略的な」ブランドマネジメントが実現できるようになるだろう。

 ブランド戦略を学びたい方に。このブログから書籍化した「ブランディングの教科書」。

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まずは冒頭に、僭越ながら拙著を紹介させていただこう。

「ブランディング」は捉えどころがなく、なかなか一歩を踏み出せない。あなたはこのような状況に陥ってはいないだろうか?

本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、ある時は、外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、クライアントの実務担当者が悪戦苦闘する姿を見てきた。

「ブランディング」は、その本質を理解しないまま実行に移そうとすると、的を射ない小手先の手法を延々と繰り出すことになりがちだ。結果、やみくもに予算を消化したまま、成果が出ない事態に陥ってしまう…。

そのような事態を1件でも減らしたい。そう考えたのが本書を執筆した理由だ。

ブランディングの本は、どれも「ブランドのらしさ」「ブランドの世界観」など「ふわっと」した話になりがちだ。そして「ふわっ」とした話になればなるほど抽象的かつ曖昧な概念論になってしまい、企業組織の中で通すことが難しくなる。

本書は、外資系コンサルティングファームと広告会社で培った「生の知見」をふんだんに盛り込みつつ、つい「抽象論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

もちろん、ブランドアイデンティティやブランドエクイティ、ブランドロイヤリティなどについても徹底解説している。

「理論」が理解できなければ、ブランディングを体系化できず、ビジネスに再現性を生むことができない。そして「実践」が理解できなければ、ビジネスに成果をもたらすことができない。

本書は、ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」として、ブランド戦略の再現性と成果を目指した書籍だ。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

  • クッキー規制によりデジタルマーケティングでCTRやCVRが頭打ち。CPAは下がるどころか、少しずつ上昇傾向ですらある。
  • 矢継ぎ早に新商品を繰り出してもすぐに競合に追い付かれ、差別化ができない。商品開発サイクルは更に早まり、自転車操業状態になっている。
  • 「自社にはブランディングが必要だ」と理解はしているが、概念が抽象的過ぎて、どう周囲を巻き込んでいいかがわからない。

もし、あなたがこれらに当てはまるなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。つい感覚論になりがちな「ブランディング」に対して、

  • なぜ、そうなのか?
  • どう、ビジネスに役立つのか?
  • 何をすればいいのか?
  • 具体的な日本のブランドの事例は?

を徹底して解説しているので、あなたのお役に立てるはずだ。

kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。

ブランドアイデンティティ(BI)とは?ブランドアイデンティティの意味

ブランド構築の第一歩は、ブランド戦略の根本に位置付けられる「ブランドアイデンティティ」を規定することだ。

しかしブランドアイデンティティは、ブランディングの理論の中でも最も抽象的で捉えずらい概念の一つだ。その結果、いまだ多くの企業で浸透しているとはいいがたい状況だ。

よって、まずはブランドアイデンティティを理解するために「ブランドアイデンティティの教科書的な意味と定義」について解説しよう。

アーカー教授によるブランドアイデンティティ(BI)の定義とは?

以下は、ブランディングの理論の大御所と言われるD.A.アーカー教授によるブランドアイデンティティの定義だ。

 

「ブランドアイデンティティ」とは、ブランド資産の構築と活用の戦略的主導要因であり、企業などの組織が創造し維持しようとするブランド連想の集合である。この連想は、ブランドが何を表しているかを示し、顧客に与える約束を意味する。

-D.A.アーカー

 

さて、あなたは上記を読んで「ブランドアイデンティティ」を理解し「実務に落とせそうだ」と感じただろうか?

残念ながら、当初k_birdも「さっぱり」だった。しかし深く読み解くうちに、

  • 戦略的主導要因
  • 企業が創造し維持しようとする…
  • 連想

などの言葉から「企業側の意思で創り上げるもの」や「顧客にとって価値ある連想」であることは理解できた。

さらに「約束」という言葉から「企業側が一貫して守るべきもの」だということもわかる。しかし、いまいち「ピンとこない」というのが偽らざる実感だ。

実は、ブランドアイデンティティの解説にはさらに続きがある。さっそく見てみよう。

 

「ブランドアイデンティティ」は、送り手である企業側の意図であり、企業側がそのブランドから連想して欲しい願うものであるのに対して、ブランドイメージは受け手である消費者側の認識である。

-D.A.アーカー

 

上記の意味はわかりやすい。ブランドアイデンティティはブランドイメージとは異なり「企業側の意図する連想」であることが説明されている。

しかし、多くの実務家にとっての最大の関心は「どのようなブランド連想なら、優れたブランドが構築できるのか?」ではないだろうか?

ブランドアイデンティティの構成要素:ブランドアイデンティティシステムの4つの構成要素と企業事例

D.A.アーカーは、著書の中でブランドアイデンティティの構成要素である「ブランドアイデンティティシステム」というブランディング理論を解説している。その構成要素をk_birdなりに解説すると、以下の通りだ。

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-1:製品としてのブランド

1つ目は、ブランドアイデンティティの源泉を「製品分野、製品属性、品質/価値、用途、ユーザー、原産国」などの連想に置いているブランドだ。

事例で言えば「ダイソン」が挙げられる。ダイソンは「サイクロンテクノロジー」に代表される「先進的なテクノロジー」という「製品属性」をブランドアイデンティティの源泉としている。

また、高級車メーカーのメルセデス・ベンツは「ドイツのこだわりと伝統」という「原産国」をブランドアイデンティティの源泉としたブランドマネジメントで成功している事例だ。

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-1:製品としてのブランド

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-2:組織としてのブランド

2つ目は「組織属性」をブランドアイデンティティの源泉としているブランドだ。

事例で言えば、リクルートは「自由闊達な起業家精神」という組織文化をブランドアイデンティティの源泉としているブランドだ。

また、検索エンジンのグーグルは「優秀な頭脳と革新性」という組織文化や人材イメージをブランドアイデンティティの源泉として成功しているブランドマネジメントの事例だ。

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-2:組織としてのブランド

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-3:人としてのブランド

3つ目は「ブランド利用者のパーソナリティや、ブランドと顧客との関係」をブランドアイデンティティの源泉としているブランドのことを指す。

事例で言えば、ハーレーダビッドソンは「一匹狼の生き様に憧れる人」というオーナーのパーソナリティをブランドアイデンティティの源泉としているブランドマネジメントの成功例だ。

ブランドパーソナリティに関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は参照して欲しい。

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-3:人としてのブランド

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-4:シンボルとしてのブランド

最後の4つ目は「なんらかのビジュアル・イメージやメタファー、あるいはブランドの伝統」などをブランドアイデンティティの源泉としているブランドだ。

事例で言えば、コカ・コーラは「アメリカ文化の象徴」というメタファーをブランドアイデンティティの源泉としている。また、ディズニーも「魔法の国」というメタファーをブランドアイデンティティの源泉としたブランドマネジメントの成功例といえるだろう。

ブランドアイデンティティ(BI)の4つの構成要素-4:シンボルとしてのブランド

しかし読み進めていくと

さらにD.A.アーカー教授による解説を読み進めてみよう。D.A.アーカーは最終的に、ブランドアイデンティティに対して以下のように綴っている。

 

ブランドは、製品としての物理的属性や機能だけでなく、ブランドパーソナリティ、組織連想、シンボル、原産国、ユーザーイメージ、情緒的価値、自己表現価値、顧客との関係性などの多様な意味や価値を含んでいる。

 

-D.A.アーカー

 

k_birdがD.A.アーカー教授の書籍を読んだのは、もうかれこれ15年以上前になる。

今でも鮮明に覚えているが「ブランドは多様な意味や価値を含んでいる」という最後のくだりを読んで、ずいぶんがっかりしたものだ。なぜなら、これまでの文章を要約すると、ブランドアイデンティティの定義とは、以下のようなものになってしまうからだ。

 

ブランドアイデンティティとは、企業側の意図により戦略的に創り上げるブランド連想の集合だ。しかし創り上げるべきブランド連想とは、製品や組織・人・シンボルなどがあるが、結局は「何でもあり」である。

-ブランドアイデンティティに対するk_birdの解釈

 

数々のお叱りを承知の上で曲解したが、このブログをお読みになっているあなたは研究者ではなく実務家のはずだ。そしてマーケティングの実務家であれば、上記の「ブランドアイデンティティの定義」は曖昧でわかりずらく、かつ、ほとんど役に立たないことがわかるはずだ。

抽象的でわかりずらい概念であるにも関わらず、それに輪をかけて「結局は何でもあり」となってしまえば「ブランド構築はマーケティング活動の結果論にすぎないのでは?」という誤解につながってしまうのも無理はない。

D.A.アーカーの「ブランドアイデンティティの定義」は、残念ながら多くの欠点が残されている。実務家であるk_birdが感じた問題意識を整理すると以下の通りだ。

  • ブランドアイデンティティが「企業側の意図した連想」だとしたら、企業側はどのような「意図した連想」を持つべきなのか?
  • ブランドアイデンティティは、本当に「企業側の意図」という一方通行で良いのか?
  • ブランドアイデンティティは、結局のところビジネスの成果にどう直結するのか?

もしあなたが実務家なら、ここまでお読みになって同じような疑問を抱いたはずだ。これらの問題が解けない限り「ブランド構築は、しょせんはマーケティングの結果論」という誤解はいつまでも付きまとう。

これらを踏まえて、以降では「ソーシャル時代に求められるブランドアイデンティティの進化版」について解説していこう。

ソーシャル時代に必要なブランドアイデンティティ(BI)と事例

ブランド構築を取り巻く環境の変化

あなたもご存じの通り、ブランド構築を取り巻く環境は大きく変化している。まずはk_birdが認識している環境変化について解説しよう。

行き過ぎた利益主義への反省

リーマンショックを機に、持続可能性を無視した市場競争や、株価至上主義を引き起こした資本主義の限界が明らかとなった。

金融危機以降、資本主義の暴走を止められなかったことへの社会的な反省が巻き起こり、今では多くの生活者が「行き過ぎた自由の弊害」を認識し、市場が万能でないことも理解している。

欧米では「経済的利得」より「社会的幸福」を重視する機運が巻き起こり、イギリスではEU離脱、米国ではトランプ大統領の誕生という形で大きな社会変化をもたらした。

日本国内でも、ソーシャルメディア上では「営利企業は悪」といった極端な風潮が広がり「利益一辺倒」が透けて見えるブランドは一気に叩かれ、窮地に追い込まれる時代だ。

ブランドは、もはや市場に位置付けるだけでなく、社会にも位置付けることが求められる時代だ。

ソーシャルグッド意識の高まり

近年、SDGsやパーパス経営、あるいはマーケティング4.0など「政治・経済・社会の分野を越えて、社会をより良く変える」という考え方が浸透しつつある。

足元を見ても、企業から市民へパワーシフトが起きた結果、持続可能な経済や社会、人間性の尊重が重視され「社会をより良く変える」ためのソーシャルイノベーションの取り組みが活発化している。

これからのブランド構築は、社会課題を見据えて、その解決に最大限の知恵を絞らなければならなくなる。

ソーシャルイノベーションが求められる今日では、顧客志向マーケティングよりもさらに踏み込んだ「社会との共創によるブランド構築」が求められている。

イノベーションの民主化

現在は、モノや情報、知識は瞬時にシェアされ、次々と新たな消費の形が生まれている。これまでとは異なり、これからは個人がイノベーションを生み出し、新しい価値を生み出していく時代だ。

メディア環境を見ても、マス広告のカバー範囲は狭くなり、ブランド側は情報をコントロールできなくなっている。その一方で、ボタンひとつで手の平のおしゃべりがソーシャルメディアに溢れ出し、一夜にして大きな世論を作り出す時代だ。

個人がイノベーションを生み出し、クチコミが重要なブランド接点となりつつある現在では、ブランドは心理的共感や共鳴によって、生活者を味方につけることが重要となる。

これまでのブランドアイデンティティ(BI)の限界

ここまで「行き過ぎた利益主義への反省」「ソーシャルグッド意識の高まり」「イノベーションの民主化」を解説してきた。

そして賢明なあなたなら、ここまでお読みになって「従来型のブランドアイデンティティ」が限界に来ていることは、お気づきになったのではないだろうか?

ブランドアイデンティティとは「企業側の意図により、戦略的に創り上げるブランド連想の集合」だ。しかし今日では「企業側の意図」でブランドアイデンティティを規定し、一方的に生活者側の「連想」を創り上げる手法は、もはやブランド構築の手法として機能しないばかりか、時に「炎上」という反発すら招く。

2010年のGAPのロゴ変更撤回の事例は、その象徴的な事例だ。

TwitterやFacebookを通じたネット上のクチコミで顧客からの抗議が殺到したために、新ロゴ発表のわずか一週間後に変更を撤回し、元のロゴマークに戻した。

GAPの事例は、ソーシャルメディアの時代では社会や生活者の想いを無視した「一方的なブランド構築」がもはや通用しなくなっていることを示唆している。

ブランドアイデンティティとは?ソーシャル時代のBIと具体例を解説

ブランド論の世界では、ブランド構築をする上で最も重要なのは「ブランドアイデンティティ」だとされる。しかしこれまでのブランドアイデンティティの定義は「企業側の意図により戦略的に創り上げるブランド連想の集合」という、いわば「ブランド側=一方的に決める君主」という思想の上に成り立っていた。

企業側から見れば「どのようなブランド連想を創るか?」は重要な関心事ではあるが、生活者側の関心事は「そのブランドは、自分や社会をどうより良く変えてくれるのか?」であり「君主型のブランドアイデンティティ」では、生活者は置き去りになる。

残念ながらこれまでの「君主型のブランドアイデンティティ」は「企業側が目指したい、企業都合のゴール」を示していただけで「生活者や社会が目指すゴール」を示していない。

これからの時代、ブランドアイデンティティは「君主型」から「生活者主導型」へシフトしていくべきだ。

社会が変化し、生活者との向き合い方も大きく変化している以上「企業側の都合」しか示せなかったこれまでの「君主型ブランドアイデンティティ」を越えて「生活者主導型のブランドアイデンティティ」が必要だ。

ソーシャル時代に求められるブランドアイデンティティ(BI)と具体例

ソーシャル時代に必要なブランドアイデンティティとは、企業側が一方的に放つ「君主型のブランドアイデンティティ」ではなく、ブランド・生活者・そして社会が同じゴールを共有できる「生活者主導型のブランドアイデンティティ」だ。

それでは「生活者主導型のブランドアイデンティティ」とは、いったいどのようなものだろうか?まずは理解の助けとして、以下の有名な文章をお読みいただきたい。


私の夢。それはいつの日か国民が立ち上がり「すべての人間は、平等に生まれている。この真実は自明のことだ」と、信念を真に貫くことである。

私の夢。それは、いつかジョージアの赤土の丘で、かつて奴隷と主人の関係にあった者たちの子孫が、互いに同胞として同じ食卓につくことである。

私の夢。それは不正と抑圧という熱にあえぐ不毛の州、ミシシッピーさえも、いつか自由と正義のオアシスに変えることである。

私の夢。それは私の四人の子供たちが暮らすこの国を、将来、肌の色でなく、個性で判断されるような国にすることである。私は今日も夢を抱く…。

-キング牧師

 

ご存知の通り上記の文章は、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であるキング牧師の有名なスピーチの一節だ。

この一節を読むだけでも、感覚的につかめ、感情に働きかけるものであることに気づく。さらにここで強調しておきたいのは、キング牧師は「自分達はどうなりたいか?」という「自分達都合」を語っているわけではなく「実現すべき社会の姿・イメージ」を示している点だ。

ブランドと生活者、そして社会を結びつけるのは「我々のブランドはこうなりたい」という企業都合のブランドアイデンティティではなく「我々は何を実現していくべきか?」という「社会視点」や「生活者視点」を内包した「生活者主導型のブランドアイデンティティ」だ。

そして、社会や生活者に示した「生活者主導型のブランドアイデンティティ」が共感・共鳴されれば、多くの人たちから感情移入が促され、商品や企業はブランドに変わる。

目指すべき将来像を「企業・ブランド側」に置くのではなく「ブランドを通した、より良い社会・ライフスタイル」に置くことができれば、ブランドが示したゴールは生活者に限らず、多くのステークホルダーとの共有・共創が可能になる。

k_birdは、このような考え方を「ブランドライフビジョン」と呼んでいる。その定義は以下の通りだ。

「ブランドライフビジョン」とは何か

「生活者とブランドの両方が望む、社会やライフスタイルの未来像」

「ブランドライフビジョン」という考え方の元では、ブランドは市場に位置付けるだけではなく「社会」にも位置付けることになる。

そうすれば、ブランドと生活者、そして社会が同じゴールを共有することが可能になる。ひいては「ブランドが示した、より良い社会・ライフスタイルの実現」に向けて、ブランド・生活者・その他の多くのステークホルダーと共有・共創が可能になる。

以下「ブランドライフビジョン」がもたらす変化について、簡単に示そう。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-1:ブランドの在り方の変化

ブランド構築は、単なる「企業都合の目標」ではなく、多くのステークホルダーと共有する「社会目的」になる。そしてこれは、ブランドの存在理由そのものになる。

あなたのブランドが「ライフビジョン」を掲げれば「ブランドの中核をなす価値観や信念」は、生活者はもちろん、その企業で働く一人ひとりの大切な価値観となる。その結果、ブランドの本当の存在目的が明確になる。

例えば、食品メーカーのブランドライフビジョンは「世界で一番たくさん食品を売ること」ではない。

食品メーカーのライフビジョンは「わが子の健康で幸せな成長を望む母親たちが、何の不満もなく、何の不自由もなく子供に食事をさせられる社会の実現」だ。そしてそんな母親に対して、商品やサービスを通して力を与え続けることこそが、ブランドの存在理由だ。

「ブランドライフビジョン」を広く社会で共有できれば、そのブランドは商品と生活者の壁を越え、社会において果たすべき役割を持ち、生活者からの共鳴感情を引き出すことが可能になる。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-1:ブランドの在り方の変化

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-2:ブランドストーリーの変化

「ブランドライフビジョン」は、突き詰めて考えることで生活者とブランドの両方をより深く理解する助けとなる。

ブランドライフビジョンを突き詰めれば「どういう生活者を最良の見込み客と位置づけるのか?」や「その見込み客との間で、どのような価値観を共有するのか?」などの問いに対して、競合ブランドとは異なる独自の答えを導き出せるようになる。

さらに「ブランドライフビジョン」がどのように社会や市場を変革し、どのような顧客体験を生み出すかについて、一貫したストーリーが描けるようになる。

結果、ブランドの未来にとって最も重要な人たちを味方につけ、応援されるブランドに変わる。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-2:ブランドストーリーの変化

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-3:ブランドチームの変化

人は誰でも、自分のためだけに生きるのではなく、もっと大きなものの一部でありたいと思うものだ。

「ブランドライフビジョン」を掲げたブランドに携わる社員達は、生活者や社会とともに、ライフビジョンを実現するという使命に意義と誇りを感じるようになる。

そして、売り上げや利益のためだけでなく「人々の生活をより良く変えるために働いているのだ」と思えれば、仕事は今よりも意義あるものに変わり、もっと多くの知恵を生み出せるようになる。

社員それぞれが互いに勇気づけ、励まし合いながら自ら変革を起こし、自分達の成長を実感できるようになる。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-3:ブランドチームの変化

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-4:ブランドと生活者の関係性の変化

ブランドライフビジョンは、その企業で働く社員はもちろん生活者に至るまで、そのブランドに関わるすべての人々を味方につけ、時に社内外の壁を越えた連帯を生みだす。

更には、ブランドに関わる多くの人々に自信を持たせ、自己表現や自己実現を後押しし「ブランドライフビジョン」の実現に向けた情熱を呼び覚ます。

企業は「ブランドライフビジョン」の実現に向けて後押しとなる商品や場を提供し、生活者自身が社会やライフスタイルを変革できるよう背中を押す。

そしていつしかブランドに関わる多くの人々は、ブランドライフビジョンを共創していく自分達(=コミュニティ)に対して、誇りと連帯を抱くようになる。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-4:ブランドと生活者の関係性の変化

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-5:ブランドとステークホルダーの関係性の変化

ブランドを社会に位置づければ、働く従業員や生活者だけでなく、投資家や行政など、そのブランドに関わるすべてのステークホルダーを味方につけることができる。

近年では、機関投資家の間ではESG投資が活発化している。行政は、積極的にSDGsに取り組み始めている。

ブランドを通して社会をより良い場所に変えることは、投資家や行政ともゴールを共有できることを意味する。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-5:ブランドとステークホルダーの関係性の変化

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-6:ビジネス成果の変化

一般に、ブランドと生活者の関係は「ブランドリレーションシップ」「ブランドロイヤルティ」あるいは「ブランドコミットメント」といった概念を用いて説明される。

しかし「ブランドライフビジョン」の下では、生活者やステークホルダーの積極的な参加を伴う「ブランドエンゲージメント」という関係性が重要となる。

生活者は、その組織が掲げる「ブランドライフビジョン」に共鳴感情を抱き、いつかそのブランドが実現するであろうライフビジョンと自分のライフイメージを重ねながら、そのブランドに期待を抱くようになる。

結果、そのブランドは「世界をよりよい場所に変えようとしている」応援できるブランドとみなされるようになり、生活者にとってかけがえのない存在になっていく。

その成果は、多くの生活者やステークホルダーが「このブランドだけは特別」と感じる感情移入だ。そしてその感情移入は、指名買いされ続けるロングセラーブランドを形創る。

ブランド・ライフビジョンがもたらす変化-6:ビジネス成果の変化

ブランド戦略によるその他のビジネスメリットについては、以下の解説を参照して欲しい。より理解が深まるはずだ。

ライフビジョン×ブランドアイデンティティ(BI)の具体例

ここからはk_bird流の「ブランドアイデンティティの進化版」の定義を紹介し、それに近いと判断した企業事例をピックアップして紹介しよう。

「ブランドアイデンティティ(BI)」とは何か

「ブランドライフビジョンの実現に向けて、そのブランドが守るべき一貫した姿勢」
ライフビジョン×ブランドアイデンティティの具体例①グーグル
グーグル

世界中のあらゆる情報を整理し、アクセス可能な社会を実現する。
ライフビジョン×ブランドアイデンティティの具体例②アップル
アップル

異端な人たちが、自由に創造性を発揮できる世の中に変える。
ライフビジョン×ブランドアイデンティティの具体例③コカコーラ
コカ・コーラ

世界中どこにいても、人々が体と心、そして精神をリフレッシュできる
社会を実現する。
 ライフビジョン×ブランドアイデンティティの具体例④ユニクロ
ユニクロ

服を変え、常識を変え、貧富の差なく誰もが気軽にカジュアルウェアを
楽しめる世界を創る。
ライフビジョン×ブランドアイデンティティの具体例⑤Dove
Dove

外見に悩むことなく「飾らない素の自分」を誇りに思える社会を創る。

いかがだっただろうか?

紹介した4つのブランドの「ライフビジョン」は、どれも「社会や生活者が望むゴール」であり、オリジナリティ溢れるものであることが、ご理解いただけたはずだ。

ブランドアイデンティティ(BI)の構築フレームワーク:ブランドアイデンティティプリズムとは

いよいよここからは、ブランドアイデンティティの構築方法の解説に移ろう。

ブランドアイデンティティを構築する際には「ブランドアイデンティティプリズム」というフレームワークが有用だ。「ブランドアイデンティティプリズム」は、フランスのビジネススクールHEC経営大学院の教授であるジャン・ノエル・カプフェレが提供したフレームワークだ。ちなみに、カプフェレ教授は「ブランド論の3大聖人の一人」としても知られている。

この「ブランドアイデンティティプリズム」を、ソーシャル時代に即した形でk_birdが改良を加えたのが以下のフレームワークだ。

ブランドアイデンティティ(BI)の構築フレームワーク:ブランドアイデンティティプリズムとは


以下、直感的な理解を促すために、スターバックスを例にとって解説しよう。

ブランドアイデンティティプリズムの事例:スターバックス

ブランドアイデンティティプリズムは、以下の6つの要素で構成される。

  1. ブランドの特徴
  2. ブランドの役割
  3. ターゲットペルソナ
  4. ブランドLife-Vision
  5. ブランドパーソナリティ
  6. ブランド提供価値

先ほどの「ブランドアイデンティティプリズム」のフレームワークをご覧になればわかる通り、「上:企業側」「下:生活者側」そして「左:ハード的要素」「右:ソフト的要素」というフレームワークになっている。そしてその中心に位置するのが「ブランドシンボル」だ。

以下、スターバックスを事例に、ブランドアイデンティティプリズムの解説を進めよう。

ブランドアイデンティティプリズムの事例:スターバックス

スターバックスのブランドアイデンティティプリズム事例-1:ブランドの特徴

そのブランドの製品面やサービス面での特徴、あるいは機能・品質を指す。サービスブランドであれば、人(スタッフ)やプロセス、あるいは空間的特徴も含まれる。

スターバックスの事例では、以下の要素が該当する。

  • シアトル発のコーヒーカフェ
  • コーヒー豆へのこだわり
  • 落ち着きのある空間
  • フレンドリーなバリスタ
スターバックスのブランドアイデンティティプリズム事例-2:ブランドの役割(ポジショニング)

生活者から見たブランドの役割を指す。いわゆるブランドのポジショニングだ。

どのようなブランドも「自分(=生活者)の日常生活にとって必要不可欠な役割」を持つブランドとして認識されない限り、ロングセラーのブランドにはならない。

より詳しく「ポジショニング」を理解したい方は、以下の解説を参考にされたい。

スターバックスの事例では、以下の要素が該当する。

  • 家でも職場でもない快適な「サードプレイス空間」
スターバックスのブランドアイデンティティプリズム事例-3:ターゲットペルソナ

ターゲットのペルソナを指す。

鋭いあなたならもうお気づきかもしれないが、ブランドアイデンティティプリズムの左側は「ブランドの特徴」と「ターゲットペルソナ」の間に「ブランドの役割(ポジショニング)」がある、という構図になっていることがわかる。

より詳しく「ペルソナ」を理解したい方は、以下の解説がお勧めだ。

スターバックスの事例では、以下の要素が該当する。

  • 忙しい日常を過ごす都会的な男女
  • 知的でお洒落
  • 非喫煙者
スターバックスのブランドアイデンティティプリズム事例-4:ブランドLife-Vision

本記事で中心的に解説した「ブランドライフビジョン」を指す。

おさらいとなるが、ブランドライフビジョンとは「生活者とブランドの両方が望む、社会やライフスタイルの未来像」のことだ。

ブランドライフビジョンを作る際には、ぜひ「企業都合」だけでなく「社会や生活者から望まれている未来像かどうか?」を重視して欲しい。

スターバックスの事例では、以下の要素が該当する。

  • 世界中の人々の心に活力と栄養を与え、世界をより良い場所に変える
スターバックスのブランドアイデンティティプリズム事例-5:ブランドパーソナリティ

「ブランドパーソナリティ」とは、そのブランドを人に例えた場合の「個性」を指す

ブランドパーソナリティが明確であれば、一貫性を持ったぶれないブランド戦略が実行できるようになる。

多くのブランド論者が指摘していることだが、日本企業は伝統的に「ブランドパーソナリティ」を軽視しがちだとされる。もしあなたが「ブランドパーソナリティ」に関する理解が浅いなら、以下の解説の一読をお勧めする。

スターバックスの事例では、以下の要素が該当する。

  • 上質
  • 洗練
  • 誠実
  • フレンドリー
  • 正統的
スターバックスのブランドアイデンティティプリズム事例-6:ブランド提供価値

「ブランド提供価値」とは、そのブランドが生活者に提供できる「喜びの度合い」を指す。

ブランド提供価値は、ブランドと生活者をつなぎ、製品やサービスを購入する際の「理由」となる。

「ブランド提供価値」に関しては、以下の記事で徹底解説しているので、ぜひ合わせてご覧いただきたい。

スターバックスの事例では、以下の要素が該当する。

  • 最高のコーヒー体験
  • 心身ともに落ち着いたリラックス体験
  • 「都会的で洗練された自分」としての自己表現

ブランドアイデンティティプリズムをチェックする

ブランドアイデンティティプリズムの全ての要素の検討が終わったら、全体を俯瞰で見ながら、以下の6つの項目をチェックしよう。

  • 全体の整合性が取れているか?
  • 全体の相乗効果が発揮できるか?
  • 生活者のニーズや願望に即しているか?
  • 競合ブランドと比べて独自性があるか?
  • 社会的に見て価値があるか?

しかし一方で、守れない信念で作ったブランドアイデンティティは、いつか現場はその本音を見抜き、形骸化することになる。

また、企業は営利団体である以上、利益を出し続けない限り存続することはできない

利益とトレードオフに捉えられたブランドアイデンティティは、会社が苦しくなったり利益確保の誘惑にかられた際に、あっさり破られることになる。

だとすれば、最後に最も重要なチェックポイントは、以下の通りだ。

  • そのブランドアイデンティティは、あなたやチームメンバー、ひいてはステークホルダー全体の信念・価値観となりうるか?

このブログから書籍化した本4冊

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」

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冒頭でも紹介したが、再度ここでも紹介させていただこう。

ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。

 

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

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あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

一方で、本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付

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人は誰しも「視点」を通してしか物事を考えることができない。別の言い方をすれば、「何を考えるか?」は視点が支配してしまうともいえる。

 人の思考は必ず、

  1. 視点:まずは何らかの「視点」を置き
  2. 法則:その「視点」を元に「ああなれば→こうなるだろう」という「法則性」に当てはめ
  3. 結論:結論を出す

というステップを辿る。

つまり、どんなにロジカルシンキングに長けていても、論理の前提となる「視点を置き方」を間違えれば結論は間違ったものになる。

また、どんなに適切な視点を置いたとしても「ああなれば→こうなるだろう」という「法則」のストックがなければ、再現性の高い仮説を導き出すことはできない。

本書はビジネス書から「隠れた視点」と「隠れた法則」を発見し、思考の質とスピードを上げていく方法を解説した書籍だ。

もしあなたが自由自在に「視点」を操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「別の選択肢」「別の可能性」を生み出すことができるようになる。

さらに、数多くの「法則」をストックしていけば、様々な現象に「法則」を当てはめることで「的を射た」仮説を瞬時に導き出すことが可能になるはずだ。

おかげさまで、本書はThe21やNIKKEI STYLE、STUDY HACKERなど多くのメディアで取り上げていただいた。Amazonレビューでも、

  • これまでの読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • 読書を通して、視点力や仮説思考、抽象化スキルが身に付く良書
  • まさに「モノの見方を変える方程式」

など、ありがたい言葉を頂戴している。

数多くの視点を持っている人は、たとえ同じ状況を見ていても「気づくこと」や「気づきの量」が格段に違う。

数多くの法則を持っている人は「ああなれば→こうなりやすい」という「法則」に当てはめて考えることで、精度の高い未来を予測している。

もしあなたが「ロジカルシンキング本」では学べない「視点力」や「法則力」を身につけたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。

※無料のオーディオブック特典付

8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける

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どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、

  1. 時間管理術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術

など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。

しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。

さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。

おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。

Amazonレビューでも、

  • 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

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終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかる解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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