このページに辿り着いたあなたなら「ブランドとは何か?」あるいは「ブランドの意味や定義」に関心をお持ちのことだろう。
このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ブランディングやマーケティングの「できない、わからない」を解決するブログだ。
ブランドとは「生活者から見て独自の役割を持ち」「生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」のことを指す。
一方で「ブランド」は抽象的な概念であるために、ややもすれば施策の話に偏りやすい。
特にデジタルマーケティングが隆盛な昨今、CVやCPA重視のマーケティング担当者が「効率至上主義」に限界を感じ「ブランディングとは、広告露出によるブランドイメージの刷り込みである」という「施策」の話に飛び付いてしまう例が目立つ。
しかし、どのようなビジネスも、まずは「戦略」が方向性を決め「戦術」がその方向性を加速させる役割を担う。
もし戦略(=向かうべき方向)を間違えれば、それに沿って展開される戦術(=施策)も間違うことになる。つまり、ビジネスを間違った方向に加速させてしまうことになるのだ。
ブランドは「ブランド戦略」という言葉があるように、ビジネスの方向性を決めるための「戦略」だ。
しかし抽象的な概念であるため、目に見えやすい「施策」だけで捉えてしまう間違いが起きやすい。また「戦略(=向かうべき方向)」は一つだが、戦略を加速させるための「戦術」は複数の施策が存在する。
その結果、人によって複数の「ブランドの意味」が乱立してしまい、ブランディングが一貫性のないものになってしまうのだ。
よって、今回は「ブランドとは何か?」についてわかりやすく解説を行う。その内容は以下の通りだ。
- 「ブランド」とは何か?
- 「ブランド力」の4つの構成要素とは?
- 「ブランディング」とは何か?
- ブランド力を高める7つのステップとは?
この解説を最後まで読んでいただければ、あなたは「ブランドとは何か?」が理解できるようになる。さらには「ブランディングの導入ステップ」も一通り学べるはずだ。
- ★このブログから書籍化したブランド戦略の本「ブランディングの教科書」
- ブランドとは何か?ブランドの意味を定義する
- ブランド力の4つの構成要素とは?
- ブランディングとは何か?
- ブランド力を高める7つのステップとは?
- このブログから書籍化した本4冊
- その他の解説記事とおすすめ書籍
- 終わりに
- ブランドとは|ブランドの意味と定義をわかりやすく解説|スライド資料
★このブログから書籍化したブランド戦略の本「ブランディングの教科書」
本論に入る前に、僭越ながら拙著を紹介させていただこう。
「ブランディング」は捉えどころがなく、なかなか一歩を踏み出せない。あなたはこのような状況に陥ってはいないだろうか?
本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、ある時は、外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、クライアントの実務担当者が悪戦苦闘する姿を見てきた。
「ブランディング」は、その本質を理解しないまま実行に移そうとすると、的を射ない小手先の手法を延々と繰り出すことになりがちだ。結果、やみくもに予算を消化したまま、成果が出ない事態に陥ってしまう…。
そのような事態を1件でも減らしたい。そう考えたのが本書を執筆した理由だ。
ブランディングの本は、どれも「ブランドのらしさ」「ブランドの世界観」など「ふわっと」した話になりがちだ。そして「ふわっ」とした話になればなるほど抽象的かつ曖昧な概念論になってしまい、企業組織の中で通すことが難しくなる。
本書は、外資系コンサルティングファームと広告会社で培った「生の知見」をふんだんに盛り込みつつ、つい「抽象論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。
本書のタイトルは「ブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践」だ。
「理論」が理解できなければ、ブランディングを体系化できず、ビジネスに再現性を生むことができない。そして「実践」が理解できなければ、ビジネスに成果をもたらすことができない。
本書は、ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」として、ブランド戦略の再現性と成果を目指した書籍だ。
おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、
- 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
- 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
- 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」
など、ありがたい言葉を頂いている。
- クッキー規制によりデジタルマーケティングでCTRやCVRが頭打ち。CPAは下がるどころか、少しずつ上昇傾向ですらある。
- 矢継ぎ早に新商品を繰り出してもすぐに競合に追い付かれ、差別化ができない。商品開発サイクルは更に早まり、自転車操業状態になっている。
- 「自社にはブランディングが必要だ」と理解はしているが、概念が抽象的過ぎて、どう周囲を巻き込んでいいかがわからない。
もし、あなたがこれらに当てはまるなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。つい感覚論になりがちな「ブランディング」に対して、
- なぜ、そうなのか?
- どう、ビジネスに役立つのか?
- 何をすればいいのか?
を徹底して解説しているので、あなたのお役に立てるはずだ。
kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。
ブランドとは何か?ブランドの意味を定義する
ブランドとは?-1:教科書的なブランドの意味
まずは「ブランド」について「教科書的な定義」を確認してみよう。
もしあなたがブランドの書籍を読んだことがあるなら、ブランドの元々の意味として、以下の文章を目にしたことがあるはずだ。
ブランドとは?:教科書的な意味
「ブランド」とは、北欧の古い言語であるノルド語の「brander」に由来し、そもそも飼っている家畜に目印として焼き印をつけることを意味した。日本語では「商標」などと訳される。
ブランドの専門書であれば、ほぼ例外なく1ページ目に解説される「ブランドの定義」だ。そしてこれもまた例外なく、その後の文章でブランドの「差別化」や「独自性」の重要性が説かれる。
しかしあなたはこの文章を読んで「ブランドとは何か?」という素朴な疑問の答えとして、腹落ちできただろうか?
ブランドとは?-2:アメリカマーケティング協会による意味
続いて、こちらもよく引用されるAMA(アメリカマーケティング協会)のブランドの定義を見てみよう。
ブランドとは?アメリカマーケティング協会の意味
個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。
さて、あなたはこの定義を読んでどう感じただろうか?率直に言って「理解しずらい、小難しい定義だな」と感じたのではないだろうか?
上記の文章はアメリカマーケティング協会の「公式定義」という性格から「より正確な単語を、より誤解のないように」という意図はわかる。しかしそれが逆に「ブランドとは何か?」をわかりずらいものにしている。
- 「直感的にわかりずらい」
これが「教科書的なブランドの定義」の弱点だ。あなたが学者であれば「教科書的なブランドの定義」は一定の価値を持つだろうが、この解説をお読みいただいているあなたは実務家のはずだ。
ただでさえ忙しく、時間に限りのある実務家に必要なのは「もっと直感的で」「もっとわかりやすく」「実務がイメージしやすい」ブランドの定義だ。
ブランドとは?-3:シンプルで実務的な意味
それでは、私たち実務家にとって直感的でわかりやすい「ブランド」とは何だろうか?
ブランドの意味を直感的に理解するには、モノを「製品」「商品」「ブランド」にわけて考えてみるとわかりやすくなる。
製品とは何か?
「製品」とは、工場の倉庫にある出荷待ちのものを指す。
製品開発者が長年かけて開発し、工場担当者が丹精込めて生産する。
倉庫担当者が倉庫棚に整理し、出荷待ちの状態となる。しかしこの時点で生活者の関与はなく、企業側主導で事が進められる。
商品とは何か?
「商品」とは、お店の棚に並んだ販売待ちのものを指す。
商品開発担当者が「どう売るか?」を考えながらロゴやパッケージデザインを開発し、価格設定もなされている。
そして営業担当者もやはり「どうバイヤーに売るか?」を考え、知恵を搾る。そしてその努力が結実すれば、無事小売店の棚に並ぶことになる。
しかし、商品棚には様々な競合商品がひしめきあっている。
そしてたまたま偶然その棚を通りがかった生活者が、たまたま偶然あなたの商品を目にし、更にたまたま偶然その時のニーズにマッチすれば、買い物かごに放り込む。
「商品」の状態のままでは、数々の「たまたま偶然」をくぐり抜けた上での「衝動買い」に頼らざるを得ない状況だ。
結果「衝動買い」を創るために、販売促進担当者が「どう売るか?」を考え、値引き販売をしてみたり、ノベルティを付けてみたり、懸賞キャンペーンを展開するなど、やはり「製品」と同様、企業側主導で事が進められることが多いはずだ。
ブランドとは何か?
「ブランド」とは、生活者1人1人の心の中にある。
長年、広告代理店と外資系コンサルティングファームの両方で「ブランディングのリアル」を体験してきたk_birdにとって、実務に直結しやすい「ブランドの定義」は以下の通りシンプルだ。
「生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」のこと。
強いブランド力を持つと評判のブランドを思い起こしてみて欲しい。
例を挙げれば、アップル、グーグル、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラ…。
どのブランドも、生活者のライフスタイルの中で独自の役割を持ち、単なる「モノ」や「サービス」を越えて、生活者からの感情移入が伴っていないだろうか?
これが、ブランドの世界で良く言われる「ブランドとはお客様の中にある」の真意だ。
k_birdは、広告代理店と外資系コンサルティングファーム時代を合わせて、延べ300回以上のマーケティングリサーチ経験を有している。
その経験からしても、独自の役割を持ち、感情移入が伴っているブランドとそうでないものとでは、指名購入意向率が5倍以上変わる例はザラにある。一方で、逆の例は1件も見たことがない。
どのようなモノやサービスも、人の感情が乗った時、その人にとっての「ブランド」に変わる。
もしあなたがこれからブランディング活動を始めるなら、ぜひ自社の製品・サービスを振り返ってみてほしい。自分達の製品やサービスはどれだけ「独自の役割」を持ち「生活者から感情移入されているだろうか?」と。
ブランド力の4つの構成要素とは?
先ほど、ブランドとは「生活者から見て独自の役割を持ち、生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」であると解説したが「感情移入」を創るためには、どのような要素が必要だろうか?
そもそも、ブランドに対して何の連想も働かなければ、ブランドに感情移入しようがない。よって、まず形創るべきは「ブランド連想」だ。
さらに、ブランドから得られる連想には「価値(=喜び)」が伴っていなければならない。なぜなら、ブランドから得られる「価値」が連想されて初めて、ブランドに対する感情移入が生まれるからだ。
これを、ブランドの世界では「ブランド提供価値」と呼ぶ。
「ブランド提供価値」は、大きく4つの構成要素に分類することができる。以下、簡単に解説しよう。
ブランド力の構成要素-1:ブランドの実利的価値
生活者にとって最もベーシックな喜びは、そのブランドから「実利を得られる喜び」だ。具体的には「品質」や「機能」あるいは「利便性」がもたらす喜びといえる。
多くの企業は、この喜び(=ブランドの実利的価値)を提供するために、開発競争にしのぎを削っているはずだ。しかし市場が成熟化してくると生活者は「ココロの豊かさ」に関心が移るため、差別化要因にはなりにくくなる。
ブランドの力構成要素-2:ブランドの感性価値
生活者にとって最も重要なのが「実利価値」であることは論をまたない。しかし一方で生活者は「左脳」だけでなく「右脳的な感性」でもブランドの好き嫌いを判断している。
生活者が「感性」や「感覚」を持った人間である以上、自分の感性に合わないものよりも、自分の感性に合うものを選びたいと思うのは当然の心理だ。
例えばあなたが車を買おうと思ったとき、まずは何をするだろうか?現在、国内で売られている車の車種は150種類を越える。あなたはその150種類すべてをくまなく調べるだろうか?
おそらくあなたは、自分にとって好ましい印象を持っている車種から優先的に調べていくはずだ。そしてままいくつかの車種を絞り込み、その後、スペックや価格など「実利価値」の部分を比較検討した上で最終購入に至る。
鋭いあなたならお気づきかもしれないが、このプロセスは「まずは直感的な印象やイメージで絞り込んで」「絞り込んだ中から実利価値で比較検討する」という2段階のステップを辿っている。
特に近年では多くの市場が成熟化し「実利価値」での差別化は難しくなっている。
もしあなたの商品でも「実利価値」で差別化が難しくなっていると感じているのなら、「ブランドの感性的な価値」に着目してみよう。
ブランド力の構成要素-3:ブランドの情緒的価値
人は誰でも「後ろ向きな気分」でいるよりも「前向きな気分」でいたいと考えるのが自然だ。そして「前向きな気分」が得られたとき、人は喜びを感じる。
近年「ブランド体験価値」の重要性が叫ばれて久しいが、この「ブランド体験価値」を考える上で重要なのが「ブランドの情緒価値」だ。
例えばある高級車メーカーが、あえてドアを閉める際に「ドスン」と低い音がするように、何回もテストを繰り返しているのは有名な話だ。これは、あえて「ドスン」という低い音をさせることによって「自分は高級車のオーナーである」という情緒的価値を提供するためだ。
ブランド力の構成要素-4:ブランドの共鳴価値
あなたは一人の人間として、どのような価値観をお持ちだろうか?
もし、あなたが明確な価値観をお持ちなら、あなたの言葉や行動、あるいはモノの選び方は、その価値観に沿ったものになっているはずだ。
そしてあなたの価値観と似たような価値観を掲げたブランドが存在していたとしたら、あなたは「自分の価値観を表現するにふさわしいもの」として、そのブランドを認識することになる。
そしてあなたがそのブランドを手に入れた際には、単なる「実利」や「利便性」を越えて「自分の価値観を表現できる喜び」を得ることができるはずだ。
生活者からすれば、商品を使うということは「自身のライフスタイル」の一要素を構成する存在ということであり、そこには「自身の価値観・信条」と折り合っているかどうかを吟味するプロセスが存在する。
先ほど「ブランドとは、生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」と解説したが「価値観」は感情移入を形創る上で最も根底をなすものと言っていい。
そうである以上、いったん「価値観レベル」で感情移入がなされると、あなたはそのブランドを通して自尊心が満たされ、ほかに替えがたいブランドとして評価するようになる。
ブランディングとは何か?
ブランディングとは?
ブランドとは「生活者にとって独自の役割を持ち」「生活者から感情移入されている」モノやサービスのことだ。そしてブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ際立った」独自性と感情移入を形創っていく活動を指す。
どのような製品・サービスも、独自の役割を築き、感情移入を促す取り組みを続けることによって、長く愛されるようになる。つまり「ロングセラーブランド」に育てることができる。
これが、k_bird流の「ブランディングとは何か?」の定義だ。
- ブランドとは、生活者から見て「独自の役割」を持ち「生活者の感情移入」が伴ったモノやサービス。
- ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ際立った」独自性と感情移入を促していく取り組みを指す。
- その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。
ブランディングに必要な発想転換
冒頭で「ブランドの定義」の話をしたことを、覚えておいでだろうか?
鋭いあなたならすでにお気づきかもしれないが「ブランド=焼き印」の話は「製品」の話をしているにすぎない。「違いとなる目印」を創ったからといって、生活者が感情移入をし、継続的に指名買いをしてくれるわけではない。
一方で、アメリカマーケティング協会のブランドの定義は「商品」の話をしている。「差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン」などの話も、結局はそれを実現したからと言って「強いブランド」が創れるとは限らない。
そしてどちらも共通しているのは「ブランド」が「企業側の目線」でしか語られていないことだ。
マーケティング担当者は、優秀な人であればあるほど、一日中「マーケティング」について熟考を重ねていく。
「どうすれば、このブランドは売れるのか?」「どうすれば、このサービスは競合より優位に立てるのか?」。そして、熟考を重ねれば重ねるほど「企業都合」「モノ起点」「どう売るか?」という発想に陥ってしまう。これが多くの組織で起きているマーケティングの実態だ。
しかし、一方の「生活者」の視点に立つとどうだろうか?
そのマーケティング担当者とは裏腹に、生活者はそのブランドについて、1日1分も考えていない。なぜなら、生活者の興味は「今よりも理想的なライフスタイルを実現すること」であり、ブランドは、彼ら彼女らにとってはその生活を実現するための「名脇役の一つ」でしかないからだ。
ともすればマーケティング担当者は「マーケティング」の名の元に「企業都合」で「ブランド=主役」と捉えてしまう。しかし、生活者からすれば、主役は「自分のライフスタイル」であって、ブランドは「脇役」にすぎない。
生活者はそれぞれ多様なライフスタイルや価値観を持っている。そしてそのコンテキスト(背景)に対する広範な理解を伴わない限り、生活者からの感情移入を勝ち取ることはできない。つまり、ブランディングは成功しないのだ。
「ブランド」とは先に述べた通り「独自の役割を持ち、生活者からの感情移入が伴った商品・サービス」だ。
そして、一度ブランドを確立してしまえば、あなたは「販促による衝動買い頼み」から脱し「指名買い」という次のステージを切り拓くことができる。
もしあなたのチームが「企業都合」「モノ起点」「どう売るか?」という従来のマーケティング発想を越えて「生活者都合」「顧客認識起点」「感情移入重視」というマインドセットの転換ができたなら、単なる「教科書的」ではない血肉の通ったブランディングが実践できるはずだ。
ブランド力を高める7つのステップとは?
続いて、ブランディングを実践する上でのステップついて解説しよう。ブランディングのステップは、おおまかには7つのステップとなる。
もし、各ステップごとの詳細が知りたければ、各リンク先で詳しく解説しているので、ぜひ参照いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-1:ブランディングの立脚点を揃える
ブランディングを進めるにあたって、まず重要なのが「ブランディングの意味」を組織メンバーと共有することだ。
ブランディングは高度に抽象的であることから、人によって多様な解釈が存在する。また、ブランディングによってもたらされる「組織横断的な」メリットを充分に理解してもらえなければ、それぞれの部門は個別の事情で一貫性のない施策を繰り出してしまうことにもなりかねない。
以下の記事では、ぜひ組織メンバーと共有しておきたい内容を解説している。ぜひ、ご覧いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-2:ブランドを取り巻く環境変化を捉える
環境変化と向き合わないブランディングはあり得ない。そのために必要となるのが、外部環境分析のステップだ。
- 世の中の流れを味方につけるための「PEST分析」
- 業界構造を味方につけるための「ファイブフォース分析」
- 市場の変化を味方につけるための「3C分析」
以下の記事では「PEST分析」「3C分析」に必要不可欠な視点と分析手順を解説しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-3:ブランド戦略を策定する
ブランディングは「独自性を際立たせ」「感情移入を形創る」ために、以下の項目を策定する必要がある。
- ブランドが創り上げる「より良い社会の姿」を定義する
- ブランドが提供する価値(=喜び)を定義する
- ブランドが際立つための個性を定義する
- 上記をビジュアルで表現するデザインポリシー・ガイドラインを策定する
以下の記事では、それぞれに必要不可欠な視点を詳細に解説しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-4:ブランディングの評価指標を設定する
見えないものは、管理できない。そして管理できないものには、再現性がない。
ブランド戦略を策定したら、次は「ブランディングの評価指標」を設定しよう。
以下の記事では「ブランディングの評価指標」や「KPIの設定方法・手順」について解説しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-5:STP戦略を策定する
STP戦略とは「生活者を分類し(=S:セグメンテーション)」「その分類の中からターゲットを選択し(=T:ターゲティング)」「そのターゲットにとって独自の役割を創っていく(=P:ポジショニング)取り組みを指す。
しかしSTPというフレームワークは、扱い方を間違えれば「企業側の都合で一方的に決める」取り組みとなりがちだ。
このため、このブログの筆者であるk_birdはターゲティングとポジショニングの間に「ペルソナ設定」と「消費者インサイト」を加えることを推奨している。
以下の記事では上記の「STP」に加え「ペルソナ設定の方法・手順」「消費者インサイトの見出し方」についても解説しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-6:実行戦略を策定する
マーケティングの実行戦略は「教科書上のきれいごと」では事が進まず、最も大きな壁となりやすい。
一般に、STP戦略はマーケティング部門が主導して進むことが多い。しかしマーケティングの実行戦略に局面が移ると、多くの部門が関与し始めることになる。つまり、あなたには「考え方が異なる他部門を束ねる」という責任が生じてくる。
また、優れた「ブランドエクスペリエンス」を実現するにも多くの関連部門を巻き込む必要があるため「なぜ、これからはブランドエクスペリエンスが必要なのか?」という関連部門からの質問に対して「ロジカルに納得させるレベルの」説明力が必要となる。
以下の記事では「マーケティングミックス」に加え「ブランドエクスペリエンス」についても解説しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。
ブランド力を高める7つのステップ-7:適切にブランドマネジメントを行う
ビジネスの世界では「戦略2割・実行8割」と言われるように、ブランド戦略を「策定した」だけでは、ゴールではなくスタートにすぎない。
ブランディングを成果に結びつけるためには「優れたブランド戦略」が必要なのはもちろんだが「ブランド戦略を実現させる優れたブランドマネジメント」も求められる。
下記の記事では、ブランドマネジメントとは「何を」「どうする」ことなのかについて解説している。ぜひ、ご覧いただければ幸いだ。
このブログから書籍化した本4冊
★ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」
冒頭でも紹介したが、再度ここでも紹介させていただこう。
ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。
しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。
本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。
「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。
そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。
本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。
おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、
- 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
- 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
- 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」
など、ありがたい言葉を頂いている。
もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。
kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。
★「シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説
あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。
なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。
しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、
- 「センスが必要」
- 「経験の積み重ねが物を言う」
など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。
一方で本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。
おかげさまで本書は6版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。
さらにAmazonレビューでも、
- 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
- 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
- 「一生もののスキルになるのは間違いない」
など有難い言葉を頂戴しており、6刷を重ねている。
もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。
★ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付
例え同じ本を読んだとしても、そこから得られる「学びの量」は、人によって何倍も変わる。そして、人は学びを通してしか成長できない以上、その差はやがて、あなたの職業人生すら大きく変えてしまうことになる。
同じ本を読んでいるはずなのに、人によって「得られる学びの量」が何倍も変わってしまう。この差は、いったい何から生まれるのだろうか?
それは、1冊の本から「知識」を得ようとするか「知識の"運用能力"」を得ようとするかの差だ。
多くの読書術の本は「多読」「速読」など「いかに効率的に知識を得るか?」をテーマにしている。しかし、どんなに効率的に知識を得たとしても、ただそれだけでは「知識の暗記」止まりになる。得られる学びはごくわずかだ。
一方で、読書を通して「知識の"運用能力"」を身につけることができれば「たった1つの知識」を複数の分野に応用し、何倍もの成果を生み出すことが可能になる。
本書「読書の方程式」は、ビジネス書を通して「どう知識の"運用能力"を身につけるか?」を解説した書籍だ。そのポイントは、ビジネス書から学び取る「視点」「法則」そして「抽象化」にある。
おかげさまで、本書は日経やThe21、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、
- 「こんな風に自分を成長させる読み方があったのか!」
- 「読書術の本では、これまでで最も良い本」
- 「読書の概念が変わった」
など、ありがたい言葉を頂戴している。
もしあなたが「知識の"運用能力"」を身につけ、1つの事実から得られる「学びの量」を何倍にもしたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。
※無料のオーディオブック特典付
★8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける
どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、
- 時間管理術
- 段取り術
- コミュニケーション術
- 資料作成術
- 会議術
- 学び術
- 思考術
- 発想術
など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ
しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。
さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。
おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。
Amazonレビューでも、
- 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
- 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
- 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」
など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。
もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。
その他の解説記事とおすすめ書籍
おすすめ記事
★ブランディング・マーケティングの知識が身につくおすすめ記事
★思考力が身につくおすすめ記事
★ビジネススキルが身につくおすすめ記事
おすすめ書籍
★17のビジネス分野別おすすめ書籍
★ブランディング・マーケティングの知識が身につくおすすめ書籍
★思考力が身につくおすすめ書籍
★ビジネススキルが身につくおすすめ書籍
終わりに
今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかる解説」を続けていくつもりだ。
しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。
それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録やTwitter、facebook登録をしてほしい。
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