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ブランディングの戦略家が【ブランド戦略の全て】を解説するブログ

ブランディングとは|強いブランドを創る21のブランド戦略手法|事例有

ブランディングとは何か?ブランディングの意味や戦略手法の全てを、企業の成功事例付で解説

ブランディングの意味・ブランディングの手法・ブランディングの事例を徹底解説

「ブランディングとは何か?」と聞かれて、あなたはなんと答えるだろうか?

多くのマーケティング担当者が、口々に「これからはブランディングが重要だ」と言う。しかしあなたは「ブランディングの意味」や「ブランディングの手法」を正確に理解しないまま、ブランディング活動を展開しようとしていないだろうか?

「ブランディング」は日本語に訳しづらく抽象的な概念であるために「手法論」に偏りやすい。例えばあなたの周囲には以下のようにブランディングの意味を誤解をしている人も多いはずだ。

  • ブランディングとはロゴデザインのことだ。まずはデザイン会社に相談して、ロゴデザインを依頼しよう…。
  • ブランディングとは認知度のことだ。さっそく広告代理店を呼んで、広告プロモーションを提案してもらおう…。
  • ブランディングとはブランドイメージを向上させることだ。我々もこれからはブランド広告を露出し、ブランドイメージ向上に力を入れよう…。

特にデジタルマーケティングが隆盛な昨今、CVやCPA重視のマーケティング担当者が「効率至上主義」に限界を感じ、短絡的に「ブランディング=広告露出によるブランドイメージの刷り込み」という手法論に走ってしまう事例が目立つ。

確かに上記3つはブランディング手法の一部ではあるが、全てではない。

どのようなビジネスも、まずは「戦略」が方向性を決め「戦術」がその方向性を加速させる役割を担う。しかし上記のブランディングの意味はすべて「手法」という「戦術」部分しか見ていない。

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 一般論として「戦略」は一つだが、戦略を加速させるための「戦術」は複数の手段が存在する。

ブランディングは「戦略」という方向性を決める重要な考え方だ。しかし高度に抽象的な概念であるため、目に見えやすい戦術面だけで捉えてしまうという間違いが起きやすい。結果、上記のように人によって複数の「ブランディングの意味」が乱立してしまい、ブランディング活動が混乱をきたしてしまうのだ。

どれだけ「ブランディング」の必要性を痛感していたとしても、チームメンバーそれぞれの「ブランディングの意味」が異なれば「立脚点が揃わない」ままブランディング活動が展開されることになる。

そして、立脚点が揃わないままブランディング活動を展開してしまえば、それぞれのメンバーが統一感のない散発的な手法を繰り返すことになるのは自明の理だ。

よって、今回は「ブランディングとは?」について基本的な解説を行う。その内容は、以下の通りだ。

  • ブランディングの用語と種類
  • シンプルに理解できる「ブランディングとは何か?」
  • ブランディングの21の戦略手法と手順
  • ブランディングの事例

この解説を最後まで読んでいただければ、あなたは一通り「ブランディングの意味」や「ブランディングの戦略手法」を学べるはずだ。

結果、チームメンバー内で「ブランディングとは何か?」「どのような手法を取るべきなのか?」などの共通認識が持てるようになり、チーム全体でブランディング活動の実践に弾みがつくだろう。

 

ブランディングとは何か?ブランディングの種類と例

ブランディングとは-1:ブランディングの種類

この記事では、主にBtoCの商品/サービスブランディングを中心に解説を進めていく。

しかし一方で「ブランディング」には様々な種類が存在する。よって無用な混乱を避けるために、まずは「ブランディングの種類と意味」について解説しておこう。ブランディングは、大きく分けて3つの種類が存在する。

  1. 「何を」ブランディングするのか?を基準とした種類:
    「商品/サービスブランディング」と「企業ブランディング」
  2. 「誰に」ブランディングするのか?を基準とした種類:
    「アウターブランディング」と「インナーブランディング」
  3. 「誰が」ブランディングするのか?を基準とした種類:
    「BtoCブランディング」と「BtoBブランディング」

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以下、わかりやすく解説しよう。

何を:商品/サービスブランディングvs企業ブランディング

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商品/サービスブランディングとは、その名の通り商品/サービス単位でブランディング活動を展開することを指す。一般的には「ターゲット=商品/サービスの見込み客」であり、別名ブランドマーケティングとも言われる。

日本では「ブランディング」といえば「広告宣伝」という手法論に矮小化されがちだが、欧米ではブランディングはマーケティングの上位概念の戦略として位置付けられている。欧米企業がブランディングに長けており、マーケティングを「ブランドマーケティング」と呼ぶのはこのためだ。

一方で企業ブランディングとは、企業単位でブランディング活動を展開することを指す。企業ブランディングの対象は「社会」「従業員」「取引先」「株主・投資家」など「全ステークホルダー」となる。

企業ブランディングの推進タイミングは「中期経営計画策定時」「社長交代時」「企業合併時」「周年時」「上場時」などが多く、企業全体の取り組みとなることが多い。

近年の企業ブランディングの事例では、松下電器がパナソニックへ、 富士重工がスバルへと企業名を変更し、企業ブランディングを展開したのは記憶に新しいところだ。

誰に:アウターブランディングvsインナーブランディング

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アウターブランディングとは消費者や顧客など、自社の「外側」にいる人達に対してブランディング活動を展開することを指す。

一方でインナーブランディングとは、別名「インターナルブランディング」とも呼ばれ「従業員」を中心に、自社の「内側」にいる人たちに対してブランディング活動を展開することだ。

インナーブランディングの目的は、従業員に対してブランドのミッション(社会的使命)やブランドビジョン(在りたい姿)あるいはブランドバリュー(価値観・マインドセット)を従業員一人ひとりに理解してもらい、自分ごととして日々の業務を実践してもらうことだ。

スターバックスや東京ディズニーリゾートの事例を見ればわかるように、人を介してサービスを提供するサービス業では、接客スタッフ1人ひとりの接客態度や接客品質がブランドの評価に直結していく。

また、近年「ブランド体験」や「カスタマージャーニー」の重要性が叫ばれて久しいが、部門を越えて一貫したブランド体験やカスタマージャーニーを実現していく上でも、インナーブランディングはとりわけ重要な取り組みとなる。

誰が:BtoCブランディングvsBtoBブランディング

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消費財を提供しているBtoC企業がブランディング活動をすることを「BtoCブランディング」と呼ぶ一方で、ビジネス財を提供しているBtoB企業がブランディングを展開することを「BtoBブランディング」と呼ぶ。

グローバルなBtoB企業では、ブランディングに力を入れている企業は多い。事例を挙げれば、IBM/GE/インテル/シスコシステムズ/オラクル/SAP/JPモルガン/アクセンチュア/アドビシステムズ/キャタピラーなど、数え上げればきりがない。

これらのBtoB企業は、世界のブランド価値ランキングの常連企業だ。そして高い収益性を実現していることからも分かる通り、ブランディングはBtoB企業にとっても大きな競争力となる。

ブランディングとは-2:ブランディングの教科書的な意味

ブランディングの種類が理解できたら、続いては「ブランディングとは何か?」の解説に移ろう。

もしあなたがブランディングの本を読んだことがあるなら、ブランドの定義に関する以下の文章を目にしたことがあるはずだ。

 

ブランドの定義とは?:
「ブランド」とは、北欧の古い言語であるノルド語の「brander」に由来し、そもそも飼っている家畜に目印として焼き印をつけることを意味した。

日本語では「商標」などと訳される。

 

ブランディングの本であれば、ほぼ例外なく1ページ目に解説される「ブランドの定義」だ。そしてこれもまた例外なく、その後の文章でブランドの「差別化」や「独自性」の重要性が説かれる。

しかしあなたはこの文章を読んで「そもそもブランディングの戦略とはどうあるべきなのか?」という素朴な疑問の答えとして、腹落ちできただろうか?

ぜひ、あなたのチームメンバーの顔を思い浮かべてほしい。果たして彼ら彼女らは納得するだろうか?おそらく「ふ~ん…。」で終わるはずだ。

続いて、AMA(アメリカマーケティング協会)のブランドの定義を見てみよう。

 

アメリカマーケティング協会のブランドの定義:

個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。

 

あなたはこの文章を読んで、どう感じただろうか?

率直に言って「理解しずらい、小難しい定義だな」と感じたのではないだろうか?

上記の文章はアメリカマーケティング協会の「公式定義」という性格から「より正確な単語を、より誤解のないように」という意図はわかる。しかしそれが逆に「ブランドとは何か?」をわかりずらいものにしている。

さらに「差別化」「名称」「デザイン」などの言葉が出てくることから「結局、ブランディングとはロゴデザインやパッケージデザインを差別化することでは?」などの手法論に陥りがちだ。

しかし、ロゴデザインやパッケージデザインの差別化だけでブランディングが成功するとは、あなたも思っていないだろう。

「直感的にわかりずらい」。これが「教科書的なブランドの定義」の弱点だ。あなたが学者であれば「教科書的なブランドの定義」は一定の価値を持つだろうが、この解説をお読みいただいているあなたは実務家のはずだ。

残念ながら上記のブランドの定義は直感的にわかりずらいために、チーム内で共有しずらい。ただでさえ忙しく、時間に限りのある実務家に必要なのは、もっと直感的でわかりやすいブランドの定義だ。

ブランディングとは-3:シンプルに理解できる「ブランディングの意味」

それでは、私たち実務家にとって直感的にわかりやすい「ブランディングの意味」とは何だろうか?長年、広告代理店と外資系コンサルティングファームの両方で「ブランディングのリアルな現場」を体験してきたk_birdにとって「ブランドとは何か?」の答えは以下の通りシンプルだ。

ブランドとは何か

ブランドとは「生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」のこと。

強いブランド力を持つと評判のブランドを思い起こしてみて欲しい。

事例を挙げれば、アップル、グーグル、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラ…。どのブランドも、単なる「モノ」や「サービス」を越えて、生活者からの感情移入が伴っていないだろうか?

アップル、グーグル、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラのブランドロゴ

k_birdは、広告代理店と外資系コンサルティングファーム時代を合わせて、延べ200回以上のマーケティングリサーチ経験を有している。

その経験からしても、独自の感情移入が伴っているブランドとそうでないものとでは、指名購入意向率が5倍以上変わる事例はザラにある。一方で、逆の事例は1件も見たことがない。

どのようなモノやサービスも、人の感情が乗った時、その人にとっての「ブランド」に変わる。

もしあなたがこれからブランディング活動を始めるなら、ぜひ自社の製品・サービスを振り返ってみてほしい。多くの生活者は、自分達の製品やサービスにどれだけ感情移入しているだろうか、と。

ブランドとは「生活者からの感情移入」が伴ったモノやサービスのことだ。そしてブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく活動を指す。

どのような製品・サービスも、感情移入を創る取り組みを続けることによって、長く愛着を持たれ「このブランドだけは特別」と思ってもらえるようになる。つまり「ロングセラーブランド」に育てることができる。

これが、k_bird流の「ブランディングとは何か?」の定義だ。

ブランディングとは何か?

  • ブランドとは「生活者の感情移入」が伴ったモノやサービス。
  • ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  • その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

ここまで読んでみて、あなたは「ブランド」及び「ブランディング」の意味について「公式定義」を学ぶよりも、ぐっと直感的に理解できたはずだ。

しかし、ただ単にブランディングの意味を理解できたからといって、そのまま有効なブランディングが実現できる訳ではない。なぜならブランディングには、これまでの「マーケティング」を越えるための3つの発想転換が必要だからだ。

 

ブランディングの役割とメリット

あなたは「ブランディングの役割」や「ブランディングのメリット」を説明できるだろうか?

それらを理解するには、モノを「製品」「商品」「ブランド」にわけて考えてみるとわかりやすくなる。

ブランディングの役割とメリット-1:「製品」の意味とは

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「製品」とは、工場の倉庫にある出荷待ちのものを指す。

製品開発者が長年かけて開発し、工場担当者が丹精込めて生産する。

倉庫担当者が倉庫棚に整理し、出荷待ちの状態となる。しかしこの時点で生活者の関与はなく、企業側主導で事が進められる。

ブランディングの役割とメリット-2:「商品」の意味とは

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「商品」とは、お店の棚に並んだ販売待ちのものを指す。

商品開発担当者が「どう売るか?」を考えながらロゴやパッケージデザインを開発し、価格設定もなされている。

そして営業担当者もやはり「どうバイヤーに売るか?」を考え、知恵を搾る。そしてその努力が結実すれば、無事小売店の棚に並ぶことになる。

しかし、商品棚には様々な競合商品がひしめきあっている。

そしてたまたま偶然その棚を通りがかった生活者が、たまたま偶然あなたの商品を目にし、更にたまたま偶然その時のニーズにマッチすれば、買い物かごに放り込む。

「商品」の状態のままでは、数々の「たまたま偶然」をくぐり抜けた上での「衝動買い」に頼らざるを得ない状況だ。

結果「衝動買い」を創るために、販売促進担当者が「どう売るか?」を考え、値引き販売をしてみたり、ノベルティを付けてみたり、懸賞キャンペーンを展開するなど、やはり「製品」と同様、企業側主導で事が進められることが多いはずだ。

ブランディングの役割とメリット-3:「ブランド」の意味とは

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「ブランド」とは先に述べた通り「生活者からの感情移入」が伴った状態だ。

ここに、発想転換が必要となる。

「製品」や「商品」が、企業側の都合で「どう売るか?」に力点が置かれているのに対して「ブランド」は生活者のココロの中で「どのような認識を創れば、感情移入してもらえるか?」に力点が置かれる。

そして「感情移入」とは、生活者が想い抱く「ライフスタイル」や「願望」の内側で「役に立つもの」「かけがえのないもの」あるいは「思い入れがあるもの」としての認識を積み上げられたときに初めて生まれる。

一度ブランドを確立してしまえば、あなたは「販促による衝動買い頼み」から脱し「指名買い」という次のステージを切り拓くことができる。

これが、ブランディングの大きなメリットであり、成果だ。

ブランディング効果の概念図

ブランディングの役割とメリット-4:ブランディングに必要な発想転換

冒頭で「ブランドの定義」の話をしたことを、覚えておいでだろうか?

鋭い方ならすでにお気づきかもしれないが「ブランド=焼き印」の話は「製品」の話をしているにすぎない。「違いとなる目印」を創ったからといって、生活者が感情移入をし、継続的に指名買いをしてくれるわけではない。

一方で、アメリカマーケティング協会のブランドの定義は「商品」の話をしている。「差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン」などの話も、結局はそれを実現したからと言って「ブランド」が創れるとは限らない。

そしてどちらも共通しているのは「ブランド」を「企業側の目線」でしか語っていないことだ。

マーケティング担当者は、優秀な人であればあるほど、一日中「マーケティング」について熟考を重ねていく。

「どうすれば、この商品は売れるのか?」「どうすれば、このサービスは競合より優位に立てるのか?」。そして、熟考を重ねれば重ねるほど「企業都合」「モノ起点」「どう売るか?」に陥ってしまう。これが多くの企業で起きているマーケティングの実態だ。

しかし、一方の「生活者」の視点に立つとどうだろうか?

そのマーケティング担当者とは裏腹に、生活者はそのブランドについて、1日1分も考えていない。なぜなら、生活者の興味は「今よりも理想的なライフスタイルを実現すること」であり、ブランドは、彼ら彼女らにとってはその生活を実現するための「名脇役の一つ」でしかないからだ。

ともすればマーケティング担当者は「マーケティング」の名の元に「企業都合」で「商品=主役」と捉えてしまう。しかし、生活者からすれば、主役は「自分のライフスタイル」であって、商品は「脇役」にすぎない。

生活者はそれぞれ多様なライフスタイルや価値観を持っている。そしてそのコンテキスト(背景)に対する広範な理解を伴わない限り、生活者からの感情移入を勝ち取ることはできない。つまり、ブランディングは成功しないのだ。

大切なことなので繰り返すと「ブランド」及び「ブランディング」の意味とは以下の通りだ。

ブランディングとは何か?

  • ブランドとは「生活者の感情移入」が伴ったモノやサービス。
  • ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  • その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

 

ブランディングとは?ブランディングの概要説明

もしあなたのチームが「企業都合」「モノ起点」「どう売るか?」という従来のマーケティング発想を越えて「生活者都合」「顧客認識起点」「感情移入重視」という「ブランディング」への発想転換ができたなら、単なる「教科書的」ではない血肉の通ったブランディングが実践できるはずだ。

 

ブランディングの手法:強いブランドを創る21のブランド戦略手法

いよいよここからは、ブランディングの戦略手法について、そのポイントを解説する。より詳しくブランディング手法が知りたい方は、各リンク先ページをご覧いただきたい。ブランディングの成功事例も豊富に紹介しているので、あなたのブランド戦略のガイドラインになれば幸いだ。

ブランディング戦略手法【手順1】ブランディングする目的や方法を共有する

ブランディングを推進するにあたってまず重要となるのが「ブランディングの意味や目的」あるいは「ブランディングの方法論」をチームメンバーと共有することだ。

ブランディングは高度に抽象的であることから、人によって多様な解釈が存在することはすでに解説した通りだ。

例えあなたが「ブランディングとは何か」を理解していたとしても、ロジカルに説明できなければチームの解釈は乱れ、繰り出すブランディング施策は散発的なものとなり、ブランディング施策の効果はおぼつかなくなる。

以下の記事では、あなたが優れたブランドマネジメントを展開できるように「10個あるブランディング効果と成功事例」や「ブランドマネージャー制」について徹底解説している。

ブランドは、決して組織の能力を越えることはない。

ブランディングを「対:生活者」だけでなく「組織能力」として定着させたいなら、ぜひ下記の記事をお読みいただきたい。

ブランディング戦略手法【手順2】ブランドを取り巻く「世の中の流れ」を分析する

現状と向き合わないブランディング活動はあり得ない。

そのためにまず必要となるのが、PEST分析に代表される「マクロ環境分析」だ。

マクロ環境分析は、ブランディングの命運を左右する「最重要な」分析と言っても過言ではない。なぜならマクロ環境分析は、一企業の努力ではコントロールできない世の中の動向を扱うからだ。

「一企業の努力ではコントロールできない」ということは、マクロ環境分析で分析した数々の示唆は「前提」として扱わなければならないことを意味する。しかし、その「前提」が間違っていたとすれば、その「前提」に立って立案されたブランド戦略も的外れなものになる。

しかし、安易にマクロ環境分析を行おうとすると「どの範囲を」「どのレベルまで」分析すれば良いのかがわからず「絨毯爆撃的に」分析することになる。その結果、労力をかけた割には「時間切れで終わりました」という本末転倒な事態に陥ることになりかねない。

以下の記事ではマクロ環境分析のフレームワークである「PEST分析」のやり方と手順について、事例を交えながら解説している。

さらに、無料でダウンロードできる「PDFテンプレート」も配布している。もしあなたがPEST分析を「単なる穴埋め解答」にしたくないなら必見だ。

ブランディング戦略手法【手順3】ブランドを取り巻く業界構造を分析する

PEST分析でマクロ環境を分析したら、次に必要なのは「業界の構造」に対する分析だ。

あなたがマーケティング担当者なら、できるだけ売上を上げやすく、コストを下げやすい市場でマーケティングを展開したいと思うはずだ。あるいは利益を獲得する上で「何がボトルネックになっており、どの阻害要因を取り除けば成果に近づくのか?」についても把握しておきたいはずだ。

そこで必要となるのがファイブフォース分析だ。ファイブフォース分析は、業界に影響を与える5つの競争要因から、その業界の魅力度(=利益の上げやすさの度合い)を分析するためのフレームワークだ。

どんなに強いニーズがあり、どんなに魅力的なブランドを携えたとしても、そもそも利益が出にくい「何らかの力学」が業界全体に働いているとしたら、あなたのブランドの成功は保証されない。

以下の記事では「ファイブフォース分析のやり方と分析手順」を解説している。また、ファイブフォース分析は「戦略への活かし方」が難しいとされるが、こちらもハーゲンダッツの企業事例で解説している。

もちろん、PDFテンプレートのダウンロード付きだ。

ブランディング戦略手法【手順4】ブランドを取り巻く3Cを分析する

ビジネスの世界には多くのフレームワークが存在するが、マーケティング担当者にとって馴染みが深いのは「3C分析」だろう。

3C分析は、全てのマーケティング担当者にとって必須のスキルとなる。

なぜならマーケティングとは、突き詰めれば「自社の強みを活かして、競合企業より上手に生活者ニーズを満たすこと」だからだ。そして鋭いあなたならお気づきかもしれないが、この文章には以下の要素が含まれている。

  • 自社の強みを活かして=Company(自社)
  • 競合企業より上手に=Competitor(競合)
  • 生活者ニーズを満たすこと=Customer(市場・顧客

つまり3Cとは「マーケティングそのもの」といえる。

以下の記事では「3C分析」に必要不可欠な視点と分析手順を解説しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。

こちらも、PDFテンプレート付きだ。

ブランディング戦略手法【手順5】ブランドアイデンティティを構築する

「正しいマーケティングを愚直に続けていれば、ブランドは自然に形作られていくものだ」という誤解は多い。

しかしブランディングに長けている欧米の企業ではそう考えない。なぜなら欧米の企業では「ブランディング」はマーケティングの上位に位置付けられ、マーケティング活動そのものを規定するための「上位戦略」とされているからだ。

そしてその中核に位置づけられるのが「ブランドアイデンティティ」だ。ブランドアイデンティティの「教科書的な定義」は、以下の通りだ。

 

「ブランドアイデンティティ」とは、ブランド資産の構築と活用の戦略的主導要因であり、企業などの組織が創造し維持しようとするブランド連想の集合である。この連想は、ブランドが何を表しているかを示し、顧客に与える約束を意味する。

-D.A.アーカー

 

しかしブランドアイデンティティという考え方が登場したのは1990年の前半であり、まだインターネットが存在しなかった時代だ。

そして当たり前のことだが、1990年代前半と現在ではブランディングを取り巻く環境は大きく異なる。今やソーシャルメディアが旺盛を極め、多くのブランドは生活者や社会を味方につける必要に迫られている。

ソーシャル時代におけるブランドアイデンティティをk_birdなりに定義すると下記の通りとなる。

 

「ブランドアイデンティティ」とは、生活者とブランドの両方が望む「社会やライフスタイルの未来像」に向けて、そのブランドが守るべき一貫した姿勢のことを指す。

 

SDGs、CSV経営、ソーシャルグッド、ソーシャルイノベーションなど、今やブランドは「市場」だけでなく「社会」にも位置づけ、社会を味方につけることが必要な時代だ。

そしてソーシャル時代にふさわしいブランドアイデンティティを設定できれば、あなたのブランドは社会で果たすべき役割を持ち、生活者からの共鳴感情を引き出すことが可能になる。

更にブランドがどのように社会や生活を変え、優れた顧客体験を生み出すかについて、一貫したストーリーを語れるようになる。

以下の記事では「ソーシャル時代にふさわしいブランドアイデンティティの在り方」を解説している。さらには「力強いブランドアイデンティティの作り方」も、スターバックスの事例を交えながら解説しているので、ぜひお読みいただきたい。

 

ブランディング戦略手法【手順6】ブランドの提供価値を設定する

あなたがマーケティング担当者なら、ブランド力の向上は「悲願」のはずだ。

ブランド力の向上とは、ブランドへの感情移入によって生み出される「指名買いの力」を向上させていくことだ。

そして当たり前のことだが「ランド力の向上」は、顧客に価値を提供できて初めて実現できる。その価値とは、大きくわけると以下の4つだ。

  • ブランドの「実利」が提供する価値
  • ブランドの「感性」が提供する価値
  • ブランドの「情緒」が提供する価値
  • ブランドの「価値観」が提供する価値

以下の記事では、ブランド力の向上に必須となる4つの提供価値に対して、更に10個に分解した上で解説している。

以下の記事を「チェックリスト」としてお読みいただければ、あなたのブランドはどのようにブランディングし、どのようにブランド力を向上させていくべきか、次の打ち手につながる指針となるはずだ。

ブランディング戦略手法【手順7】ブランドのパーソナリティ(個性)を設定する

優れたブランドには、際立った個性が存在する。

ディズニー、スターバックス、ハーレーダビッドソン、コカ・コーラ…。ブランドパーソナリティは 、その「個性」を発揮していく上で必要不可欠な要素だ。

ブランドパーソナリティとは「そのブランド独自の個性を人間の人格に例えたもの」とされる。しかし一方で、ブランディングに長けた外資系企業のブランド担当者と話をすると、日本企業が最も軽視し、かつ苦手なのが「ブランドパーソナリティだ」と口を揃える。

製品機能が横並びになってしまった現在、ブランドの個性を際立たせ、感情移入を作っていくための「ブランドパーソナリティ」は必要不可欠だ。そしてブランドパーソナリティが明確に設定できれば、一貫性を持ったぶれないブランド戦略が実行できる

以下の記事では、様々な企業事例をまじえながら「なぜブランドパーソナリティが必要なのか?」「どうすれば強いブランドパーソナリティが創れるのか?」について解説している。

「製品の差別化が難しくなった」

あなたがそう感じているのなら、次の打ち手につながる貴重なヒントが得られるはずだ。

ブランディング戦略手法【手順8】ブランドの知覚品質を設定する

ブランディングを成功に導く上で、製品の品質が重要であることに、あなたも異論を挟まないはずだ。

しかし一方で「品質が良ければ、自然と製品は売れていくはず」と考えるのは完全な「メーカー目線」だ。もしあなたがブランディングを成功に導きたいなら「生活者が認識している品質」にも目を向けなければならない。

そして「生活者が認識している品質」のことを、ブランディングの世界では「知覚品質」と呼ぶ。

例えあなたのブランドの品質が高かったとしても、生活者がそう認識していなければ「生活者にとっての事実」とはならない。そして生活者は自分が認識していることだけを基準に購入判断をするのだから、例え「物理的な品質」が高くても、知覚品質が低ければあなたのブランドは購入されないことになる。

物理的な品質を高めるのは製品開発担当者の仕事だが「知覚品質」を高めるのはマーケティング担当者であるあなたの仕事だ。

もしあなたがこれまで「生活者側が認識している品質」に目配りができていなかったのなら、これを機会に「知覚品質創り」にチャレンジしよう。

以下の解説をお読みになれば「どうすれば、ブランドの知覚品質は向上するのか?」というブランドマネジメント上の疑問に対して、答えが見つかるはずだ。

ブランディング戦略手法【手順9】ブランド連想を設定する

あなたは「トヨタ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?

「トヨタ=人の名字のこと」

あなたは「そんなバカな…」と思うかもしれないが、文字通り解釈すると上記の答えは正解となる。しかし恐らくあなたは「トヨタ=人の名字」とは思わなかったはずだ。

更に別の質問だ。

アンケートを取った時に「テーマパークに行きたいと思っている人」と「東京ディズニーリゾートに行きたいと思っている人」の割合は、果たしてどちらが多いだろうか?

論理的には「テーマパーク>東京ディズニーリゾート」なのだから「テーマパークの方が多い」となるはずだ。しかし実際のアンケートでは「テーマパーク<東京ディズニーリゾート」となる。

なぜこれらのことが起きるのか?その答えは「ブランド連想」にある。「ブランド連想」とは、生活者がブランドについて「解釈」したり「想起」したりする一連の連想のことを指す。

ぜひ強いブランドを思い浮かべてみてほしい。

コカ・コーラ、スターバックス、ポカリスエット、ディズニーランドなど、強いブランドは特定の感情に通じるブランドの連想を作り出しているはずだ。

もし生活者があなたのブランドに対して何の連想も思い浮かばなければ、当然、感情移入をすることもなければ、価値を感じることもない。つまり、指名買いにつながらないまま、販促頼みが続くことになる。

ブランド連想に関しては、以下の記事で事例を含めて解説している。もしあなたのブランドが「販促頼み」に陥っているのなら必読だ。

ブランディング戦略手法【手順10】ブランドロイヤリティ指標を設定する

「ブランドロイヤリティ」とは、生活者がブランドに対して感じる「愛着の度合い」のことを指す。

あなたのブランドを含め、どのようなブランドも「トライアル顧客の獲得にコストをかけ、リピート顧客からの利益でコストを回収する」というビジネスモデルになっているはずだ。

仮にあなたのブランドのブランドロイヤリティが低ければ、常にライバルブランドへのブランドスイッチリスクに晒された状態となる。そして「リピート顧客からの利益でコストを回収する」というビジネスモデルそのものが崩れ落ちるリスクすらはらむ。

以下の記事では「ブランドロイヤリティを向上させるための8つの手法」について解説している。

更に「ブランドロイヤリティ=リピート率」「ブランドロイヤリティ=顧客満足度」など誤った認識をしている方のために「ブランドロイヤリティの測定にふさわしい指標」についても解説している。

より詳しく「ブランドロイヤリティ」を理解したい方は、参照して欲しい。

 

ブランディング戦略手法【手順11】ブランディングとマーケティングの違いを理解する

多くの企業のマーケティングは「標的であるターゲット」を攻略し「収益に変えるためのハンティング活動」という「企業目線の罠」に陥ってしまっている。

しかし、この解説で再三指摘している通り、ブランディングは「生活者中心」に立脚点が置かれなければならない。

以下の記事では、多くの企業が陥りがちな「企業中心のマーケティング」と「ブランディング」の7つの違いを対比しながら解説している。

ぜひ、あなたの企業は「企業中心のマーケティング」に陥っていないが、点検してもらいたい。

ブランディング戦略手法【手順12】市場&消費者をセグメンテーションする

 

実務の現場では、セグメンテーションは安易に「男女」で分類したり「年代」で分類したりされがちだ。

しかしセグメンテーションとは「STP戦略」を策定する際の初めに行う作業であり、その後の「ターゲティング」や「ポジショニング」を策定する上での「立脚点」となることに、あなたはお気づきだろうか?

もし「立脚点」が間違っていれば、ターゲット設定はずれ、ポジショニングはあらぬ方向を向き、STP戦略は機能しないどころか「大失敗」のリスクすらはらむ。

重要なことなので繰り返すが「セグメンテーション」とはSTP戦略が寄って立つ「立脚点」を作り上げる極めて重要なステップだ。

以下の記事では「3種類あるセグメンテーション」について豊富な成功事例を交えながら「徹底」解説している。

もし、あなたが単に「セグメンテーション=消費者を分類すること」としか捉えていないなら、ぜひ参照して欲しい。

ブランディング戦略手法【手順13】ターゲットをフォーカスする

ブランディングにおいて「ターゲット設定」が重要であることは、説明するまでもないはずだ。もし「ターゲット設定」を間違えれば、いわば「的外れ」という言葉に象徴されるように、その成果はおぼつかない。

しかし、多くの企業は「ターゲティング」が苦手だ。

なぜならターゲティングとは、限りある資源を誰に集中させるかの意思決定であり「絞ったターゲット以外は捨てる」という判断を迫られるためだ。

確かに「ターゲットを絞る」ことは「販売対象が減る」という恐怖感をもたらす。

例えあなたが「ターゲットを絞る重要性」を感覚的に理解していたとしても、他部署やマネジメント層がターゲットを絞ることを嫌い、釈然としないままブランディング活動が進んでしまっている、という方も多いはずだ。

以下の解説では「なぜ、ターゲットを絞るべきなのか?」「どうターゲットを選ぶべきか?」について論理的に解説している。

そしてもしあなたが「ターゲットを絞るべき理由」や「ターゲットの選び方」のロジックを理解できれば、他部署やマネジメント層にも、論理立てて説明できるようになる。

そうすれば、ブランディング活動はより焦点が絞られ、より実効性が高いものになっていくはずだ。

ブランディング戦略手法【手順14】ペルソナ設定を行う

STP戦略に従えば「セグメンテーション」や「ターゲティング」の次に来るステップは「ポジショニング」だ。しかしk_birdは「セグメンテーション」「ターゲティング」の後に「ペルソナをデザインする」ことを強くお勧めする。

「ペルソナデザイン」といえば、あなたは「コンテンツマーケティングやSEOに必要な考え方では?」と思うかもしれない。しかしブランディングにおいても、ペルソナデザインは必要不可欠だ。

多くのブランディングの現場を見てきた実感からすると、ほとんどの企業で「20代女性」などのターゲットは設定されている。しかし同じ「20代女性」でもブランドチームのメンバーがそれぞれ異なる「ターゲット像」をイメージしている場合がほとんどだ。

ぜひ、あなたのチームメンバーに「ターゲット“像”」を尋ねてみて欲しい。おそらくあなたは驚くことになるはずだ。

さらに「ペルソナデザイン」には、もう一つ重要な役割がある。

「STP戦略」の「S:セグメンテーション」「T:ターゲティング」は「生活者を分類し、その分類の中からターゲットを選択する」という、いわば「企業側の都合で一方的に決める」取り組みだ。

そしてそのまま「ポジショニング」の作業に移ってしまうと、いわば「企業都合を貫いた」ブランディングに陥ることになる

しかし「ペルソナデザイン」というステップを加えれば「S:セグメンテーション」「T:ターゲティング」の後に、半ば強制的に「ターゲットから逆算する視点」を加えることができる。

リアルな生活者を頭に浮かべてストーリーを構築することは、ブランディングをきれいごとで終わらせず、現実に向き合う最初の一歩だ。

以下の記事では「ブランディングを成功に導く」ために必須のペルソナ項目とペルソナ設定手法を、事例を交えながら解説している。ぜひご参照頂きたい。

ブランディング戦略手法【手順15】消費者インサイトを見出す

ペルソナをデザインしたら、次はペルソナが抱える「インサイト」を導き出すステップだ。

市場が成熟化した久しいと言われる現在、多くのマーケティング担当者に求められるのは「新しいニーズを創造した上で満たす」市場創造型のブランディングだ。

そのためには、顕在化したニーズを後追いするだけでなく、生活者本人すら自覚していない欲求や思考を深く洞察し、新たな市場を創り出すスキルが求められる。

「消費者インサイト」とは、生活者自身が気付いていない「動機に結び付く新たな視点」の事を指す。一般には「生活者の無意識の本音を発見すること」という誤解も多いが、本来はマーケティング担当者自身が洞察し、見抜くべきものだ。

もしあなたが「インサイト=発見するもの」と誤解していたのなら、ぜひ一読して欲しい。ちまたに流布する「消費者インサイト」にはない視点をふんだんに取り入れているため、あなたにとって「目からウロコ」のはずだ。

 

ブランディング戦略手法【手順16】ブランドのポジショニングを設定する

消費者インサイト導き出したら「ブランドポジショニング」を設定するステップだ。

ポジショニングとは「生活者がそのブランドに対して認識している独自の役割」を指し、ブランディングの成否を決定づける極めて重要な考え方だ。

なぜなら「生活者の日々の生活の中で独自の役割を持つ」ことができれば、いわばブランドが日常に組み込まれ、日常生活を送る上で手放せない存在となり得るからだ。

にもかかわらず、実務の現場では「ポジショニング=差別化」と曲解されているケースも多い。そして「ポジショニング」を「差別化」と曲解すると、本来の目的とは裏腹に、価格競争に巻き込まれてしまうことになる。

以下の記事では、その理由について徹底解説している。また、強いポジショニングを設定するために、

  • 強いポジショニングを設定するための「視点」とは何か?
  • 強いポジショニングの「選択基準」は何か?

についても豊富な成功事例を交えて解説しているので、ぜひ一読をお勧めする。

ブランディング戦略手法【手順17】ビジュアルアイデンティティを設定する

人間は外界から受け取る様々な感覚情報のうち、視覚による情報が80%以上を占めるといわれる。

人間にとって目は最大の入力装置であることから、ブランドアイデンティティを視覚的に表現する「ビジュアル・アイデンティティ」は、ブランディングにとって不可欠であり、成否を分ける鍵となる。

なぜなら、多くの生活者は、あなたのブランドを初めて目にする際に「デザイン」に触れるからだ。そしてデザインはすぐさま「直感的な好き嫌い」に影響を与えていく以上、トライアル購入に直結する重要な要素だ。

多くの日本企業は、相変わらず「安くて品質が良ければ生活者は買うはずだ」という素朴な実質主義のもとに「スペック中心」の製品開発が続けられている。そして差別化のためだけにデザインを使い捨てていくという戦略から抜け出せていない。

もし、あなたのブランドに「ビジュアルアイデンティティ」のガイドラインがないのなら、ぜひ導入を検討しよう。

以下の記事では「デザインが創り出す5つのブランディング効果」や「ビジュアルアイデンティティ」について成功事例を交えて解説している。ぜひご覧いただきたい。

ブランディング戦略手法【手順18】マーケティングミックスを策定する

「マーケティングミックス」と言えば、多くのマーケティング担当者が思い浮かべるのは「マーケティングの4P」だろう。

「マーケティングの4P」は、マーケティングの教科書では必ず出てくるフレームワークだ。しかし実務では「教科書上のきれいごと」では事が進まず、最も大きな壁となりやすいのが「4P」だ。

一般に、STP戦略はマーケティング部門が主導して進むことが多い。しかしマーケティングミックスに局面が移ると、多くの部門が関与し始めることになる。つまり、あなたには「考え方が異なる他部門を束ねる」という責任が生じてくる。

以下の記事では、理屈としてはシンプルだが実行が難しい「マーケティングミックス」について「商品戦略」「価格戦略」「流通戦略」「プロモーション戦略」に分けて徹底解説している。

更に「マーケティングの4P」だけでなく「サービスマーケティングの7P」「マーケティングの4C」についても、事例を交えながら勘所を解説している。

最後までお読みになれば、あなたは「マーケティングミックスとは何か?」「マーケティングミックスで押さえておくべき勘所は?」などを理解し、周囲を巻き込むことができるはずだ。

ブランディング戦略手法【手順19】ブランドエクスペリエンスをデザインする

あなたがマーケティング担当者なら「ブランド体験」や「カスタマージャーニー」という言葉はどこかで耳にしたことがあるはずだ。しかし一方で「なぜこれからはブランド体験やカスタマージャーニーが重要なのか?」について、あなたは社内に説明できるだろうか?

「ブランド体験」や「カスタマージャーニー」はこれまでの「4Pマーケティング」とは異なり大きな発想転換が必要となる。また、優れた「ブランド体験」や「カスタマージャーニー」を実現するには多くの関連部門を巻き込む必要があるため「なぜ、これからはブランド体験やカスタマージャーニーが必要なのか?」という関連部門からの質問に対して「ロジカルに納得させるレベルの」説明力が必要となる。

組織を大きく動かすことの難しさは、あなたも痛感しているはずだ。しかし「ブランド体験」や「カスタマージャーニー」は、これからの時代に強いブランドを形創っていく上で必要不可欠な考え方だ。

下記の記事では、優れた「ブランド体験」や「カスタマージャーニー」を形創る上で必要な視点とフレームワークについて解説している。最後までお読みになれば、あなたは「ブランド体験とは何か?」「カスタマージャーニーを形創る上でで押さえておくべき勘所は?」などが理解できるはずだ。

ブランディング戦略手法【手順20】ブランドの価値を評価する

このブログをお読みのあなたなら、どこかで「ブランドエクイティ」という言葉を耳にしたことがあるはずだ。

ブランドエクイティとは、目に見えない「ブランド」を、不動産や有価証券といった他の資産と同じように「企業が保有する資産」として評価しようという考え方だ。

だとすれば、他の資産と同様に「資産価値」を高めていくための育成と投資が必要となる。

あるブランディングに長けた外資系のグローバル企業では、ブランドマーケティング予算の15%を「売り上げではなく、ブランドエクイティのために使う」とルールを決めている。

それぐらい「ブランドエクイティ」は必要不可欠な考え方だ。

以下の記事では、ブランドエクイティを理解する上で欠かせない2つのフレームワークと構成要素、及びブランドエクイティの測定手法を解説している。また、企業の成功事例も紹介しているので、より詳しくブランドエクイティを理解したいなら、ぜひ参照して欲しい。

ブランディング戦略手法【手順21】適切にブランドマネジメントを行う

ビジネスの世界では「戦略2割・実行8割」と言われるように、ブランド戦略を「策定した」だけでは、ゴールではなくスタートにすぎない。

ブランディングを成果に結びつけるためには「優れたブランド戦略」が必要なのはもちろんだが「ブランド戦略を実現させる優れたブランドマネジメント」も求められる。

しかし「ブランドマネジメント」は極めて抽象度が高い概念であるため、明確な定義が存在しない。そのため「何を」「どうする」ことなのか、明確なイメージが湧きにくいのが現状だ。

人間は、イメージできないことは実行できない。特にブランドマネジメントは多くのチームメンバーを巻き込む取り組みとなるが、ブランドマネジメントとは「何を」「どうする」ことなのかという共通認識が持てなければ、ブランドマネジメントがワークしないのは自明の理だ。

下記の記事では、ブランドマネジメントとは「何を」「どうする」ことなのかについて解説している。ぜひ、ご覧いただければ幸いだ。

ブランディングの事例:7つのブランディング成功事例

ブランディングの戦略手法が理解できたら、ここからはk_birdが秀逸だと考えるブランディング成功企業の事例を7つ紹介しよう。

ここまで理解したことを念頭に成功企業の事例を読み進めれていただければ、ブランディングに対するあなたの理解は、グッと深まるはずだ。

また「ブランディングとは何か?」や「ブランディングの手法」をあなたのチームで共有する際にも、ブランディングの成功企業の事例を交えて説明したほうがわかりやすくなるはずだ。

以下のブランディング成功企業の事例をお読みになれば、どの企業も「生活者目線」「顧客認識からの逆算」「ブランドへの感情移入重視」であることがおわかりいただけると思う。

ブランディングの事例-1:商品ブランディングの事例

商品ブランディングの事例-1:ニベアの商品ブランディング事例

ニベアのブランディング戦略成功事例

 ニベアは、ドイツで1911年に発売されたスキンケアクリームのリーディングブランドだ。現在は世界187カ国で発売されている。

日本法人であるニベア花王は、ニベアの発売元である「バイヤスドルフ・ホールディング・ジャパン」と花王が合弁で設立した会社だ。スキンケアクリームを中心に、日焼け止め、リップクリーム、デオドラント剤などを発売している。

そしてニベアは、ブランドとしてのアイデンティティを明確に掲げているブランドだ。

ニベアのブランドアイデンティティとは「肌がふれあう。ただそれだけで、人は人をあたためることができる。まもることができる。一生の素肌に。」と謳われているように「肌同士が触れ合うような、深い愛情を守り続ける」ことだ。

ニベアのブランディング成功事例を見ると、主役は商品ではなく「人(=人の愛情)」であり、スキンケアクリームはその「愛情」を支えるための「脇役」として位置づけていることに気づく。

更に、ニベアには花王の会長をもうならせた有名な逸話がある。

花王の元会長が、提携先のバイヤドルフ社の会長にパーティで会ったとき、花王の会長は「あなたは誰のために働いているのですか?」と問い掛けたという。

ニベアの会長は「ニベアというブランドを守り、 育てていくために働いているのだ」という回答をしたといわれるが、その後、同じ質問をニベアの海外部長にもしたところ、全く同じ返事が返ってきて驚いたという。

花王はブランドマーケティングに長けた企業とされるが、その取り組みのきっかけとなったのがニベアだ。

このように「ブランドのために働いている」 という哲学は、ニベアのみならず他の欧米企業のブランドには少なからず存在する。

ニベアとは「信頼」や「愛情」あるいは「やさしさ」の象徴であり、時代は変わっても、多くの人々が幼い頃に母親の愛情と共に出会うブランドだ。そしてその母親の想いが「まもりたい」という言葉に込められている。

肌と肌がふれあうことで、人は人をあたためることができる。

そんなニベアのブランドアイデンティティが「母の深い愛情に守られていた」という記憶や経験と相まって、ニベアブランドに対する感情移入を形創っている。

商品ブランディングの事例-2:ダヴの商品ブランディング事例

ダブのブランディング戦略成功事例

ダヴは今から半世紀前、1957年にアメリカで発売された固形石鹸のブランドだ。

ダヴが発売した固形石鹸は、汚れを落とすだけだった石鹸に「うるおい」というブランド提供価値を提案し、今では世界80ヵ国以上で販売されている。

ダヴもまた、ニベアと同様にブランドアイデンティティを掲げている企業事例だ。

ダヴのブランドアイデンティティとは「美しさとはこうあるべき」という既成の価値観にとらわれ、自分の本当の美しさを見失っている女性たちに対して「本当の美しさ」を知ってもらうことだ。

ダヴもまた、ニベア同様に主役を「女性」に置いており、スキンケアは「本当の美しさを創るための名脇役」として位置付けているブランディングの成功事例だ。

ダヴは2013年のプレスリリースで、以下の数値を発表している。

女性は自分の美しさに対してとても厳しい目をもっており、自分を美しいと思う割合は、世界中でたったの4%である。
世界の半数以上の女性が(54%)が、自分の見た目に一番厳しいのは自分であることを認めており、これは実に6億7,200万人に上る。
その上で「ダヴの考える理想はこれとは異なる」とし「すべての女性が自分の美しさに気づき、自信に満ち溢れ、自分が美しいかどうかを悩まない世界であるべき」だとするライフビジョンを提唱している。

「美しさ」を表面的にとらえるこれまでの考え方を改め、すべての女性が持つ各自の美しさを発見していこうというブランドアイデンティティは、多くの女性から共鳴を受け、ダヴブランドに対する感情移入をもたらしている。

商品ブランディング事例-3:レッドブルの商品ブランディング事例

レッドブルのブランディング戦略成功事例

 「ニベアやダヴの成功事例は歴史の長いブランドだから成功したのであって、歴史の浅い自社ブランドには当てはまらない」あなたはそう考えてはいないだろうか?

そんなあなたに、比較的歴史の浅いブランドのブランディング成功事例を紹介しよう。

例え歴史が浅くても「感情移入」を形創ることができれば、強いブランドを築くのも夢ではない。それを体現したのがレッドブルだ。

レッドブルは、1978年にオーストリアで生まれたブランドだ。日本に参入したのは2005年のことだ。あなたが日々激務をこなしているのなら、一度はお世話になったことがあるだろう。

レッドブルもまた、商品を「主役」ではなく「脇役」としてとらえ、感情移入を促すことで大成功したブランドだ。

レッドブルもまた「冒険者を称え、翼をさずける」というブランドアイデンティティを掲げている。

事実、レッドブルの創業者は明確に「レッドブルは単なる飲料ではなくエキサイティングな体験であり、スリルや冒険である」と言い切っている。

つまりレッドブルもまた、ニベアやダヴと同様に「主役はエキサイティングな体験を求める冒険者」であり、レットブルはそんな価値観やライフスタイルを持つ冒険者を支援するための「名脇役」として位置づけられている。

そして上記のようなブランドアイデンティティは様々なブランディング施策にも反映されている。

例えばレッドブルのTVCMでは「タウリン 1000mg 配合」や「カフェインゼロ」などの製品特徴は一切うたわれない。うたわれているのは「レッドブル、翼を授ける(Red Bull Gives You Wings)」という、ターゲットを主役に置き、応援するブランドメッセージだ。

だらに、スポーツイベントの協賛でもレッドブルのやり方は一線を画する。

通常なら世界的に有名なスポーツイベントに協賛し、協賛広告枠を買い占めることで「ブランドが主役」になることを考えるが、レッドブルは「選手たちと共に、無名なスポーツや大会を世に広める」という「選手=主役」の姿勢を貫いている。

レッドブルが登場するまでのエナジードリンクといえば、どこか「おじさん臭い」イメージが強かったのはあなたもご存じの通りだ。

しかし今では多くの若者がレッドブルの「エキサイティングな毎日を過ごす冒険者」に「翼を授ける」というブランドアイデンティティに共鳴感情を抱いている。事実、リポビタンDが1本140円なのに対して、レッドブルは1本275円とかなり高価にもかかわらず、若者から指名買いされるブランドに成長している。

 

ブランディングの事例-2:サービスブランディングの事例

サービスブランディングの事例-1:スターバックスのサービスブランディング事例

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スターバックスのサービスブランディング成功事例から学べるのは「サービスブランディングは生活者を惹きつけるだけでなく、時に接客スタッフの誇りとなり、サービス品質も上げることができる」点だ。

スターバックスは、あなたがご存じの通りカフェでシアトルコーヒーと提供するブランドだ。しかし2011年、スターバックスのロゴから「Coffee」のロゴが消えたことを、あなたはご存じだっただろうか?

スターバックスはブランドアイデンティティとして「人々の心を豊かで活力のあるものにするためにーーひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」を掲げている。

このブランドアイデンティティからわかる通り、スターバックスもまた、主役は「人(=人の心の豊かさ)」であり「コーヒー」は心の豊かさを実現するための「脇役」に過ぎないと考えていることがわかる。スターバックスのロゴから「Coffee」が消えたのは「あくまでスターバックスは、コーヒービジネスではなく人間ビジネスである」ことを明確にするためだ。

そしてスターバックスは、最も重要な顧客接点である「バリスタ」の育成に力を入れて成功したブランディング事例でもある。一般的な飲食店の場合、研修期間は長くても2~3日とされるが、スターバックスの場合は例えアルバイトでも1人80時間の教育を施すという。

また、その教育にはコーヒーの知識・コーヒーの淹れ方・掃除の仕方だけでなく、スターバックスのブランドアイデンティティについても多くの時間が割かれている。

結果、顧客は店内の居心地のよさに癒やされ、お店のスタッフに心からの笑顔で迎えられる。そしてそのような経験が積み重なって、顧客はスターバックスに対して徐々に感情移入し、特別な存在になっていく。

更に、スターバックスは「広告宣伝を行わずに確立したサービスブランド」としても有名だ。

それは、アルバイトも含めたスタッフ一人ひとりが愚直にスターバックスのブランドアイデンティティを体現しようと努力しているからこそ、例え広告宣伝を行わなくても「快適なサードブレイス(=第三の場所:家と職場の中間の快適な空間)として、際立ったブランドポジションを確立できたブランディング成功事例と言えるだろう。

サービスブランディングの事例-2:東京ディズニーランドのサービスブランディング事例

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東京ディズニーランドは、アメリカのディズニー本社のライセンスを受けて、日本の株式会社オリエンタルランドが1983年より運営をしているテーマパークだ。あまり知られていないことだが、米国に次いで海外進出第一号だったという。

「東京ディズニーランドといえば、夢と魔法の国」。その認識に、あなたも異論はないはずだ。東京ディズニーランドは現実から離れた異空間であり、日常から離れた物語の場所だ。

東京ディズニーランドには、日本一の絶叫コースターもなければ、日本一の観覧車もない。しかしこれだけ多くの人が引き込まれるには、技術的に優れたアトラクションではなく、物語の力があるからだ。そこに物語があるからこそ印象に残り、引き込まれ、ブランドへの感情移入が促される。

さらに、東京ディズニーランドには、そのブランド力を物語る有名な逸話がある。

ある日、来場客がカストーディアルキャスト(掃除スタッフ)に「何を拾っているのですか?」と尋ねた際に、そのスタッフが「星のかけらを集めています」と答えたとされる逸話だ。

実はディズニーランドには「聞かれたらこう答えよう」といったマニュアルは存在しない。k_birdも試しに尋ねてみたことがあるが、全員が揃って決まった返答をすることはない。清掃キャスト一人一人が自分で考えたオリジナルだ。

東京ディズニーランドといえば「厳格なブランド管理」が語られがちだが、真の競争力は優秀な人材だ。パークで働いている9割のキャストは準社員(アルバイト)だと言われるが、上記の逸話の通りアルバイトスタッフが極めて優秀であり「そのブランドらしさ」を体現した働きを自発的にすることが強い競争力となっている。

東京ディズニーランドで働くアルバイトスタッフは、そもそも「ディズニーブランド」のファンであることが多い。そして、ファンであるがゆえに「そのディズニーらしさ」を誰よりも深く理解している。その結果、たとえマニュアルがない局面でも、自発的に「そのディズニーらしいふるまい」をし、顧客を喜ばすことができるのだ。

さらに、ディズニーが好きでアルバイトに応募し働いているため、アルバイトスタッフであるにもかかわらずパークに対する帰属心や貢献意欲が高く「ディズニーランドの役に立ちたい」というモチベーションが高い。

その結果、東京ディズニーランドの外側からの「見栄え」だけでなく、内側からもブランドを強くしていく「組織文化」が形成され、その組織文化が「そのブランドらしい」個性的なサービスや接客を生み出していく。

それを裏付けるかのように、ディズニーランドの創始者であるウォルト・ディズニーは以下のように語っている。


世界中でもっともすばらしい場所を夢見て、創造することはできる。設計し、建設することもできるだろう。しかしその夢を実現するには人々の力が必要だ。

-ウォルト・ディズニー

 

東京ディズニーランドは「物語による感情移入」を武器に、ブランドの外側(顧客)と内側(アルバイトスタッフ)の双方から競争力を築き上げていったサービスブランディング成功事例の代表格と言えるだろう。

ブランディングの事例-3:リブランディングの事例

企業のブランド戦略と、市場(生活者)との間でミスマッチが起こると、ブランドは危機に陥る。

「リブランディング」の意味とは、既存のブランドと顧客との関係性を再活性化させる取り組みを指す。

取り巻く環境が変化する以上、リブランディングは決して特別なことではない。ブランド戦略において常に選択肢の一つとなり得るものだ。

リブランディングの特質は、既に確立されたブランドが存在していることだ。通常ならブランディングには長い時間と労力・予算がかかるが、既に高い認知度を確立しているブランドが存在するなら、新規ブランドの立ち上げと比較してより低コストで効果的なブランディングも実現可能だ。

今回の解説では、マツダとハイチオールのリブランディング成功事例を紹介しよう。

リブランディングの事例-1:マツダのリブランディング事例

マツダのリブランディング戦略成功事例

あなたは「マツダ地獄」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?バブル経済後の不況期にささやかれた、マツダ車を揶揄する言葉だ。

当時マツダは販売不振を挽回しようと、新車販売時に大胆な値引きを行っていた。しかしその副作用として、マツダ車はブランド価値の低下を招き、下取り価格も大きく下がることになる。

結果「マツダ車を買った人は、買い替え時に再び(値引きが大きい)マツダ車を購入する以外に選択肢がなくなる」という状態となった。この負のスパイラル現象を揶揄した言葉が「マツダ地獄」だ。

 マツダは、トヨタ、日産、ホンダに次ぐ国内4位の自動車メーカーだ。それまで長らくシェアを伸ばすための拡大戦略を進めてきたが、上記の「マツダ地獄」の反省を経て、抜本的なリブランディングを検討することになる。

検討の結果、マツダが選んだ道は「ナンバーワンブランドではなく、オンリーワンブランドになる」ことだ。ターゲットを大胆に絞り込み、シェア競争を続ける他社とは差別化を図ることで強いブランドを確立する戦略だ。

当時のマツダの幹部は以下のように語っている。

 

「マツダの世界シェアは約2%。しかし100人のうちの2人が『絶対にマツダでなければ嫌だ』と思う車を作り続れば、世の中で必要とされる会社であり続けることができる」

 

 以降、マツダが打ち出したブランドアイデンティティが「Be a driver.」だ。

そのメッセージに込められた意味とは「既存のルールや常識に縛られない、人生のドライバーを応援する」ことであり、やはりマツダもまた、主役を「車」ではなく「生活者一人一人の生き方や価値観」に置いているブランドだ。

更に、マツダは「マツダデザイン」と称して「ブランドの感性価値」も明確に打ち出している。かつてトヨタ、日産、ホンダなど国産車メーカーの中で、これほど明確に「デザインによるブランド感性価値」を打ち出したメーカーが存在しただろうか?

加えて「SKYACTIV TECHNOLOGY」をはじめとする環境対応技術を通して、ブランドの実利価値も打ち出している。

数ある国産自動車メーカーの中でも、マツダは独自のブランドポジショニングを確立したリブランディング成功事例と言えるだろう。

リブランディングの事例-2:エスエス製薬「ハイチオールC」のリブランディング成功事例

ハイチオールCのリブランディング戦略成功事例

現在は「美白効果が高い医薬品」として多くの女性の支持を集める「ハイチオールC」だが、昔は「男性向けの2日酔いの改善薬」だったことをあなたはご存じだっただろうか?

そんなハイチオールCだが、1996年ごろに売り上げ低迷し、横ばいの状況に陥る。

そこでエスエス製薬は大英断ともいえるリブランディングを行った。1998年に、ブランドのポジショニングを従来の「男性の2日酔い対策」から、一気に「女性の美白対策(しみ・そばかす対策)」 に変更したのだ。

なぜならハイチオールCに含まれる成分である「Lシステイン」は、二日酔い予防だけでなく、肌の代謝を助け、過剰にできたメラニンを排出する効果も持っていたからだ。

エスエス製薬は、ターゲットとブランドポジショニングは変えたが、製品の成分は変更していない。しかし多くの女性誌が継続的に飲みやすいように1回あたりの服用量を4錠から2錠に変更し、1瓶あたりの錠数も変えている。

また、価格についても1瓶あたりの錠数を減らし、標準小売価格も3,800円から2,200円に引き下げている。

さらには、流通チャネルも若い女性が買いやすいドラッグチェーンの取り扱いを強化するため、営業活動の重点を街の薬局からドラッグストア変更。当時、マツモトキヨシなどのドラッグチェーンの増加も寄与し、売上高は飛躍的に拡大した。

ハイチオールCは、ターゲットとポジショニングの変更によってリブランディングを成功させた企業事例と言えるだろう。

 

その他のブランディング関連記事とおすすめ本について

もしあなたがこの解説記事以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深くブランディングやマーケティングを学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

ブランディング・マーケティング関連のおすすめ本紹介

マネジメント・問題解決関連のおすすめ本紹介

終わりに

今回は「ブランディングとは|強いブランドをつくる21のブランド戦略手法」と題して、ブランディングの意味やブランディングに必要な発想転換、戦略手法、企業のブランディング成功事例などについて解説した。

ブランディングとは何か?:PDF無料ダウンロード

「ブランディングに必要な3つの発想転換」を一枚に集約したのが以下の画像だ。

PCでご覧になっている方は、この画像をクリックするとPDFダウンロード、あるいはプリントアウトできるはずだ。ぜひあなたのチームで共有するなど、ブランディング実務に活用していただきたい。

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今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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