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PDCAとは|PDCAサイクルが回らない理由とPDCAを回す手順|図解解説

PDCAとは|PDCAサイクルが回らない理由とPDCAを回す手順|図解解説

このページに辿り着いたあなたなら「PDCAとは」「PDCAサイクルを回す手法」に関心があることだろう。あるいは、あなたの関心は「PDCAサイクルの問題点」だろうか?

PDCAは、KPIと並びビジネスの世界に定着して久しい。

一方でPDCAの使い方を間違ったり、あるいは使いどころを間違うと「PDCAが回らない」「PDCA地獄で現場が疲弊」などの症状が現れる。その結果「PDCAは古い」「PDCAは意味がない」などの批判が噴出するのは「あるある」だ。

しかしPDCAは「使いどころ」や「使い方」を間違わなければ、あなたのビジネスだけでなく、あなたの働き方そのものにもポジティブな影響を与える非常に重要な考え方だ。

もしあなたが「PDCAとは何か?を知りたい」あるいは「PDCAに疑いを持っている」のなら、この解説を最後までお読みいただきたい。

また、以下の記事では「ビジネスに必須の様々な思考法」や「発想の幅を広げる方法」を紹介しているので、合わせてお読みいただければ幸いだ。

PDCAとは?

PDCAとは?-1:PDCAの意味と定義

あなたは「PDCAとは何か?」と聞かれて、何と答えるだろうか?このブログの筆者であるk_birdは、PDCAの意味を以下のように定義している。

「PDCA」とは

目標達成に向けた、仮説検証の学習サイクル

PDCAサイクルの「PDCA」とは、Plan、Do、Check、Actionsそれぞれの頭文字を取ったものだ。PDCAサイクルは業務の流れを、

  • Plan:仮説立案
    目的とゴールを設定し、そのために何をするのか仮説を立て、施策を考えること。
  • Do:実行
    進捗を確認しながら施策を実行し、問題が発生したら対応すること。
  • Check:学習
    仮説に沿った施策の検証・評価・学習を行い、仮説通りに進めるべきかどうかを判断すること。
  • Action:軌道修正
    学習を元に課題を改善しながら軌道修正をしていくこと。

の4つにプロセス分解し「成果に向けた学習と行動のサイクル」を回すことで、ビジネス進化させてくことだ。

PDCAとは?-1:PDCAの意味と定義

PDCAとは?-2:PDCAの起源と影響

PDCAは、アメリカの統計学者であるウィリアム・エドワーズ・デミング博士によって提唱されたフレームワークだ。PDCAの歴史は古く、その起源は、デミング博士が1947年にGHQから日本に派遣された時とされる。

その後、PDCAは日本においてQCサークルとして花開き「トヨタ生産方式」を生み出すなど日本の製造業の発展に大きく寄与したことは広く知られている話だ。

また、海外でもTQM(Total Quality Management)として採用され、1990年代のアメリカの国際競争力の回復に貢献したとされる。

さらにその後、PDCAは品質管理だけでなく開発領域にも広がり、アジャイルやリーンの考え方にも影響を与えている。

PDCAとは?-3:PDCAの本質

PDCAは「PDCA管理」という言葉があるように、ともすれば「行動を管理するもの」と考えがちだ。

確かに「行動管理」は重要だが、PDCAサイクルの本質は「学習のサイクル」にある。ここに誤解があると、PDCAサイクルを回す現場は単なる「PDCAマシーン」と化し、疲弊を招くだけでなく「次の仮説を立てる」という仮説検証サイクルが回らなくなる。

事実、PDCAサイクルの提唱者であるデミング博士も、後年になってPDCAの「C」を「S:Study」に置き換え「PDSAサイクル」として「学習の重要性」を指摘している。

PDCAが回らない理由

ビジネスの世界ではすでに一般的になったPDCAだが、それでも「PDCAが回らない」と嘆く企業は多い。巷でも「PDCAは古い」「PDCAは意味がない」「PDCAはオワコン」などの意見がちらつく。

しかし、PDCAが回らないのは原因がある。

k_birdはこれまで数多くのクライアントの現場を見てきたが「PDCAが回らない」場合、その理由は以下の3つのパターンに集約されることが多い。

ぜひ、あなたの会社に当てはまらないかどうかを、チェックしてみて欲しい。

PDCAが回らない理由-1:PDCAがPPPPになってしまっている

比較的大企業に多いのが「PDCA」が「PPPP」になってしまっているパターンだ。つまり「Plan:計画」を時間をかけて精緻に作り上げるあまり「Do」「Check」「Action」に至るまでに時間がかかり、結果PDCAのサイクルが間延びし、やがて廃れていくケースだ。

PDCAが回らない理由-1:PDCAがPPPPになってしまっている

この場合、PDCAは「時間がかかりすぎて使えない」という評価になりやすく「今の時代はOODAループだ」「いやいやSTPDだ」など、流行りの考え方に飛び移っていく現象が起きる。

このケースの場合、PDCAが回らない真因は「計画=完璧でなければいけないもの」と捉え、仮説思考のマインドセットを持てていないことだ。

どのようなビジネスも未来に向けてなされる以上「100%完璧な答え」など存在しない。

変化が激しい昨今のビジネス環境においては「徹底的に」「綿密に」「時間をかけて」完璧を期したとしても、計画が完成したころには市場環境が大きく変わっており「完璧にしたはずの計画」は役に立たなくなる。

また、ビジネスは「自社が動けば競合が動き、競合が動けば自社も動く」という動的なものであり、事前に「完璧な答えがわかる」という性質のものでもない。

よって、PDCAのPは「計画」と捉えるよりも「P:仮説立案」と捉えたほうが実用的であり、環境変化に合わせてビジネスを柔軟に加速させやすくなるはずだ。

また、近年ではインターネットが浸透し「小さく始めて大きく育てる」方法論がやり易くなっていることも追い風だ。

もしあなたの企業がPPPP状態で悩んでいるのなら「P:計画」ではなく「P:仮説立案」と捉え「初めに時間をかけて完璧を期そう」とするのではなく「やりながら仮説検証を繰り返して、成果を最大化していこう」というマインドセットを持つようにしよう。

PDCAが回らない理由-2:PDCAがPDPDになってしまっている

数多くの企業に当てはまるのが「PDCA」が「PDPD」になってしまっているパターンだ。つまり「Plan:仮説立案」と「Do:実行」はできるが「Check:学習」に至らないまま「やりっぱなし」となり、何の学びもないまま別の新しいことを初めてしまうケースだ。

PDCAが回らない理由-2:PDCAがPDPDになってしまっている

どのようなビジネスも「やりっぱなし」ではその善し悪しがわからない。そして善し悪しがわからないということは「得られる学び」もわからないため、次のビジネスも「経験と勘」に頼ることになる。

そして「経験と勘」に頼ったビジネスは目的も達成水準も不明瞭となるため、再び「やりっぱなし」となってしまう悪循環に陥ってしまう。

「PDCA」が「CA」まで至らない本当の怖さは「経験と勘」や「なんとなく」が放置されたまま長期に渡って悪循環に陥ることにある。

もしあなたの会社が「PDPD病」にかかってしまっているのなら、常に「Check:学習」する習慣を組織の中に埋め込もう。

経済全体が伸びている時代には人手と時間を投入すれば成果を出せたが、低成長時代には「人手を時間をかけなくても成果を出す工夫」が求められる。そのためには「Check:学習」によるビジネスの進化は、欠かせないステップだ。

PDCAが回らない理由-3:PDCAがCACAになってしまっている

PDCAが回らない理由の最後は「PDCA」が「CACA」になってしまっているパターンだ。つまり「Plan:仮説立案」や「Do:実行」がないまま、細かい施策の「Check:検証・評価」と「Action:軌道修正」に終始してしまい、いつまでも、思い切った改革(イノベーション)が起こせないケースだ。

PDCAが回らない理由-3:PDCAがCACAになってしまっている

「Check」「Action」とは「施策の結果の良し悪しによって、短期的に、かつ柔軟に次の施策を変える」ことだが、この繰り返しはチームの視野が「短期的に、かつ柔軟に変えることができる施策のみ」に限定されてしまうリスクをはらむ。

結果、PDCAサイクルの範囲外で起きる構造変化や不連続な未来を見通すことができないまま、ひたすら過去の反省・検証・改善を繰り返すことになる。

「Check」「Action」を繰り返し「足元の小さな問題を一つ一つ解決していけば、いつかは完璧な理想像が実現するはず」というのは幻想だ。「Check」「Action」で扱う足元の課題と「Plan」「Do」で扱う戦略上の課題は、その性質が大きく異なる以上、わけて考えるべきだ。

もしあなたの会社が「CACA」に陥っているのなら、ダブルループ学習を回してみよう。

ダブルループ学習とは、既存の枠組みを越えた新しい枠組みを取り込む学習スタイルのことを指す。

PDCA×ダブルループ学習

「CACA」だけでは、得られる学びが日々の業務の「内側」に留まってしまうため、過去の固定観念を打破することは難しい。しかしダブルループ学習を回し、PDCAサイクルの範囲を越えてビジネスを俯瞰視することができれば、ビジネスの背景にある構造変化や不連続な未来を見通すことができるようになり、これまでとは全く異なる「Plan:仮説立案」を策定することが可能になるはずだ。

PDCAを回す方法と手順

いよいよここからは、PDCAを回す方法と手順について解説していこう。

PDCAを回す方法と手順-1:Plan(仮説立案)

PDCAの「Plan」とは、目的とゴールを設定し、そのために何をするのか仮説を立て、施策を考えることを指す。

PDCAの「Plan」とは

目的とゴールを設定し、
そのために何をするのか仮説を立て、施策を考えること

あらゆるビジネスは「Plan」がなければ行き当たりばったりになる。PlanはPDCA全体の基盤を支える重要な要素であり、Planがあるからこそ、チームは足並みを揃えることができるようになる。また、事前に「Plan」を立てておけば「Check」時に「Planと実行の乖離」を分析することも可能になる。

Planを考える上で必要な方法と手順は下記の通りだ。

  • 目的と目標を設定する
  • 課題を明確にする
  • 戦略を考える
  • 計画を立てる

以下、簡単に解説していこう。

PDCAを回す方法と手順-1:Plan(仮説立案)

Plan(仮説立案)-1:目的と目標を設定する

あなたはなぜ「目的」や「目標」が必要なのか?と聞かれて、何と答えるだろうか?

目的とは「成し遂げたい内容」のことであり、目標とは「目的(=成し遂げたい内容)の達成水準」のことを指す。

どのようなビジネスも、投入できるリソース(ヒト・モノ・カネ)には限りがある。そして限りあるリソースで効果の最大化を図るには「目的」を設定し、目的に対して最も効果が見込める分野を「選択」し「集中」させる必要がある。

更に「目標(=目的の達成水準)」を設定できれば「成し遂げるべきこと」を「どこまで」やるべきかが見えてくる。

そして「どこまで」やるべきか?が設定できなければ「そこに辿り着くまでに必要なリソースの規模感」を見積もることも可能になる。

これが「目的」と「目標」が必要な理由だ。

そして、目的・目標を設定する際に意識しておきたいのは、目的・目標に「ストーリーを乗せる」ことだ。

イソップ寓話にレンガ職人の話があるが、人はいきなり「100万個のレンガを積み上げよう(=目標)」と言われても、その意味や意義を理解できず、意欲やモチベーションにつながらない。

しかし「多くの人々を救う大聖堂を創ろう」という「目的」を理解した上で「100万個のレンガを積み上げよう」という目標が示されれば、気が遠くなるような単調な仕事も「意義がある仕事」に変わる。

PDCAはKPIとセットになって語られることが多いため、ともすれば「数値管理」の色彩を帯び、現場の仕事は「数値を追いかけるだけのPDCAマシーン」になりがちだ。

しかし数値目標だけでなく

  • PDCAの先にあるのはどんな景色なのか?
  • 社会やビジネスがどう変わるのか?

などのストーリーを示すことができれば「目的」は「ワクワクして思わず実現したくなる未来」に変わり「目標」は単なる数値を越えて意味や意義があるものに変わる。

重要なので繰り返すが、PDCAは「数値だけの世界」にしてはならない。必ず「学習」「成長」「社会の未来」の視点でPDCAのストーリーを語ろう。

Plan(仮説立案)-2:課題を明確化する

目的と目標が設定できたら、次は課題を明確化しよう。「課題」を明確にするには、

  • 目的と目標
  • 今の状態
  • そのギャップ

の3つが正確に認識できている必要がある。

こと「課題」となると、人はつい「今、生じている困りごと」だけに着目しがちだ。しかしそもそも「理想の状態」に無関心であれば、人は「課題」を感じることはなく「どう解決するか?」にも思いが至らなくなる。

そう考えれば「課題」の立脚点は「今の困りごと」ではなく「目的・目標」の方であり「目的・目標」と「今の現実」のギャップを見極めることで初めて「課題」は浮き彫りになる。

Plan(仮説立案)-3:戦略を考える

どのようなビジネスも、投入できるリソース(ヒト・モノ・カネ)には限りがある。そして限りあるリソースで効果の最大化を図るには、最も効果が見込める分野を「選択」し「集中」させる必要がある。このように「どのような分野にリソースを集中させれば勝てるのか?」を考えるのが戦略だ。

別の言い方をすれば、戦略とは「この戦略通りに愚直に実行すれば必ず勝てる」という「実行の方向性を決めること」でもある。優れた戦略を策定できれば、その通りに実行すれば勝てるのだから、PDCAの「D:実行」を楽にしてくれるはずだ。

PDCAは、ともすれば「実行施策の改善」「現場の努力」というニュアンスで語られがちだが、戦略が「実行の方向性」「現場の動き方」そのものを決めてしまう以上、決して欠かせないステップだ。

Plan(仮説立案)-4:計画を考える

「この戦略通りに愚直に実行すれば必ず勝てる」という戦略が策定できたら、続いては計画に落とすステップだ。計画策定に必要な要素は下記の通りだ。

  • 何を実行するか:実行施策
  • どのような期間で実行するか:スケジュール
  • 検証のタイミングをいつにするか:マイルストーン
  • どのような指標で検証するか:KPI
  • どのようなリソースがどのくらい必要か:リソースプラン
  • どのような役割分担で実行するか:体制

計画は、ともすれば「細かく」「綿密に」「網羅的に」となりがちだ。しかし先ほども指摘した通りビジネス環境の変化が激しい現在においては、どんなに綿密な計画も「実行からの学び」にはかなわない。

むしろ「Plan=可能性の一つ」と捉え、行動を起こして、失敗して学び、改善を繰り返した方が成果は出やすくなる。

また、PlanはDoにつなげる重要なステップであり「Planはあくまで実行者のもの」という認識の共有が欠かせない。そうでなければ「ボク、Planを作る人」「あなた、実行する人」となり、現場は徐々に「やらされ仕事」になってくる。

そして「やらされ仕事」になってしまえば、PDCAサイクルの本質である「学習のサイクル」は回らなくなり、やがてPDCAは形骸化していくので注意が必要だ。

PDCAを回す方法と手順-2:Do(実行)

PDCAの「Do」とは、進捗を確認しながら施策を実行し、問題が発生したら対応することを指す。

PDCAの「Do」とは

進捗を確認しながら施策を実行し、
問題が発生したら対応すること

どんなに優れたプランも「Do:実行」に移さない限り成果は得られない。DoはPDCAの成果に直結するため、実行力が試されるステップだ。

Doを考える上で必要な方法と手順は下記の通りだ。

  • タスクとスケジュールを細分化する
  • 実行する
  • 発生した問題に対応する

以下、簡単に解説していこう。

PDCAを回す方法と手順-2:Do(実行)

Do(実行)-1:タスクとスケジュールを細分化する

Doのステップまで来たら「Plan」で描いた施策をタスクに分解し、個人レベルの役割に落とした上で行動スケジュールを引いていこう。

1つ1つの施策をタスク・行動スケジュールに落としていけば、進捗確認がしやすくなる上「Doの推進力」を作りやすくなる。

なぜなら、常に「直近のゴール」を明確にイメージできれば、そのゴールに向けた行動を起こしやすくなるからだ。また、そのゴールを達成するたびに「ゴールに近づいている実感」や「成長している実感」も認識しやすくなるはずだ。

Do(実行)-2:実行する

実行局面で重要なのは「盲目的に実行しない・させない」ことだ。

PDCAのDoの局面では計画が詳細に決まっていることが多いため、実行現場はつい「計画を守ること」自体が目的になりがちだ。そして計画通りにいかない場合、なんとか帳尻を合わせようとする。

しかし重要なのはPDCAを通して創り上げるべき景色(=目的)や目標であり、計画そのものにこだわってはいけない。

こだわるべきは目的や目標であり、常に「今実行していることは目的や目標に対して効果的か?」と疑う問題意識を持とう。その問題意識が「Check:学習」のタイミングで「学び」となって効いてくるはずだ。

また「Do:実行」を支援するリーダーも、常に「実行」に対して意味や意義を与え続けなければならない。

実行メンバーは、リーダーが先頭に立つから付いてくるのではない。リーダーが配り続ける意味や意義に共鳴し、実行メンバーが動いてくれるから、リーダーは先頭に立てるのだ。

Do(実行)-3:発生した問題に対応する

もし、実行段階で何らかの問題が発生したら「計画を守ること」よりも「発生した問題の共有」を優先しよう。なぜなら、あなたに起きた問題は、他の誰かにも起きている可能性があるからだ。

もし発生した問題を共有できれば、組織的に問題を解決し、実行メンバーに共有することができるようになる。そうすれば、実行ステップが少しずつ進化し、生産性も高まっていくはずだ。

PDCAは「Do:実行」の内側でも小さく回していくことで、実行のボトルネックを解消し、進化させていくことができる。

PDCAを回す方法と手順-3:Check(学習)

PDCAの「Check」とは、仮説に沿った施策の検証・評価・学習を行い、仮説通りに進めるべきかどうかを判断することを指す。

PDCAの「Check」とは

仮説に沿った施策の検証・評価・学習を行い、
仮説通りに進めるべきかどうかを判断すること。

Checkのステップは「学習する組織」として常に振り返りと学びを実践し、現場主導でオペレーション競争力を進化させていく極めて重要なステップだ。

そうであるにもかかわらず「Check」や「Action」まで至らない企業が後を絶たたない。先ほど紹介した「PDPD病」だ。

「Checkはきちんとやってます」という企業でもありがちなのは、現場では「良かった」「ダメだった」など「結果の感想レベル」に留まり、上層部では「ダメだった」に対して責任追及が始まるパターンだ。

しかしPDCAのCheckで行うべきは「結果の感想」や「責任追及」ではなく、検証から得られる「学び」を共有し「Check:学習」そのものを「習慣化」していくことだ。

そのために必要なのは「失敗」に対する捉え方を大きく変えることだ。「失敗」を「ダメなこと」と捉えてしまうと「Check=犯人探し」の色彩を帯び、同僚や部下、あるいは上司への配慮から「Check」はどうしても甘くなる。

しかし「失敗=未来に向けた学び」と捉え、失敗を受け入れて喜ぶという心構えを持てれば、後に続く人たちに向けた大きな財産となる。

PDCA×失敗の捉え方を変える

チームの生産性を高めるには「心理的安全性が必要だ」と言われるが、PDCAの「Check:学習」を効果的に機能させる上でも、心理的安全性は必要不可欠な考え方であることを強く認識しておこう。

Checkを考える上で必要な方法と手順は下記の通りだ。

  • 問題を特定する
  • 問題の解決策を立案する

以下、簡単に解説していこう。

PDCAを回す方法と手順-3:Check(学習)

Check(学習)-1:問題を特定する

Checkの際に「白黒つけるべき問題」を間違えれば、解いた答えは当然間違うことになる。だとすれば、Checkのステップで最も重要なのは「問題を正しく解くこと」ではなく「白黒つける問題を正しく見極めること」だ。これをビジネスの世界では「イシュー」と呼ぶ。

問題を正しく見極めるためには「何が問題なのか?」という目に見える問題だけでなく「どのレベルの問題なのか?」という目に見えない問題を見極めることが有効だ。

例えば「何が問題なのか?」については「期限内に目標を達成できなかった」「タスクに無駄があった」「体制を間違った」「コストがかかりすぎた」など「目に見える問題」として認識しやすい。

しかしその問題が「戦略レベルの問題なのか?」「計画レベルの問題なのか?」「実行レベルの問題なのか?」などのように「どのレベルの問題なのか?」は目に見えないために見落としやすくなる。

PDCA×イシューを正しく見極める

その結果、PDCAの「Check」が「現場レベルの改善」に留まり、より根本的な問題解決に至らない「CACA病」になってしまうので注意が必要だ。

Check(学習)-2:問題の解決策を立案する

「白黒つけるべき問題」を見極めることができたら、問題の解決策を立案するステップに移ろう。

問題解決策を立案する際には「問題解決の方向性の視点」を念頭に置いておけばスムーズだ。「問題解決の方向性の視点」とは以下の通りだ。

  • 修正すべきか?:「変えるべきこと」と「変えるべきでないこと」を考える視点
  • 追加すべきか?:「追加すべきこと」を考える視点
  • 中止すべきか?:効果が乏しい施策を中止する視点
  • チャレンジすべきか?:上方修正し挑戦的、野心的なActionを考える視点
  • ピボットすべきか?:大きな「方向転換」や「路線変更」をすべきか?

Check(学習)-2:問題の解決策を立案する

特に「ピボットすべきか?」という視点はリーダーの胆力が試される。

どれだけPDCAを回しても成果が出なくなったとき、求められるのは大きな戦略転換でありピボットだ。PDCAサイクルで解決できない非連続な局面に立たされた時、最後は自分自身の人間力や胆力を総動員した上で、大きな「方向転換」を決断することになる。

リーダーにとってみれば非常に怖いことだが、それを乗り越えない限り、効果が乏しい不毛なPDCAサイクルをひたすら繰り返すだけになる。結果、現場が良かれと思って必死に回しているPDCAが、労力の割にほとんど効果のない活動になる可能性もあるので注意が必要だ。

PDCAを回す方法と手順-4:Action(軌道修正)

PDCAの「Action」とは、学習を元に課題を改善しながら軌道修正をしていくことを指す。

PDCAの「Action」とは

学習を元に課題を改善しながら軌道修正をしていくこと。

Actionのステップは「Check:学習」で得られた学びを元に、軌道修正したActionを起こしていくことになる。

その際に重要なのは「できない理由よりやれる方法」を考え「頭を使って手段を考え抜く」ことだ。PDCAは「行動のマネジメント」と言われるが、真に重要なのは思考と行動を繰り返しながら教訓を文化に変え、終わることのない改善を習慣にしていくことだ。

PDCAは、改善がゴールではない。常に洞察と思考を繰り返し、サイクルを回し続けることがゴールだ。

PDCAを回す方法と手順-4:Action(軌道修正)

PDCAの本|おすすめ書籍3冊

締めくくりに、あなたにおすすめできる「PDCAの本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるPDCAの本。
  • 実際に実務に役立っているPDCA関連の書籍。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるPDCA関連の名著。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

PDCAの本おすすめ書籍-1:まんがで身につくPDCA

タイトルの通り、本書はマンガ形式でPDCAを解説している書籍だ。

本書が優れている点は、マンガでストーリーが進んでいくためPDCA初心者にとっては極めてわかりやすい点だ。

また「マンガでわかる●●」という類の書籍となると、つい「内容が浅いのでは?」と思いがちだが、本書の著者はトヨタの現場でいろんな人と接してきた経験があるため「Planをどの程度立てれば良いのか?」「Checkの仕方が間違っていないか?」など、要所要所で細かい手法が解説されている。そのため、PDCAを「へぇー」で終わらない工夫がなされているのが秀逸だ。

もしあなたが「これからPDDCAを始めたい」と考えているなら、本書はその入り口としてふさわしい書籍だ。

PDCAの本おすすめ書籍-2:一生食えるプロのPDCA

職場でPDCAを回すには、あなた自身が「PDCAを回すスキル」を身につけている必要がある。

本書は、元外資系のコンサルタントがまとめた「一生使えるスキルとしてのPDCA」を解説した書籍だ。

先ほどの「まんがで身につくPDCA」が「職場での実践」にフォーカスした書籍だとしたら、本書は「スキルとしてのPDCA」にフォーカスした書籍だと言える。

本書の最大の特徴は、PDCAのそれぞれのステップで欠かせない重要なポイントを解説しつつも「営業職のPDCA」「マネージャーのPDCA」「プロジェクトのPDCA」「スキルアップのPDCA」など12の具体例を、その運用方法まで含めて解説している点だ。

本来、PDCAは使える範囲が広く、学びや成果につながりやすい考え方だ。

もしあなたがPDCAを様々な分野に応用し、自分を飛躍的に成長させたいなら、本書は一読に値する書籍だ。

PDCAの本おすすめ書籍-2:xDrive 質問でPDCAは加速する

これは当たり前のことだが、チームのPDCAは、自分一人だけでは回せない。

あなたがどんなにPDCAの知識やスキルを身につけても、他のチームメンバーに主体性や当事者意識がなければ、チーム全体でのPDCAは回らない。

本書は、そんなチームメンバー達に「質問」を通して思考を促しながら、当事者意識を作ることでPDCAを回す方法を解説した書籍だ。

本書が秀逸なのは、単なる「考え方」にとどまらず、チームメンバーのPDCAを回すための120個もの「質問集」が用意されており、極めて実践的なのもありがたい。

もし、チームメンバーの当事者意識がPDCAのボトルネックになっているなら、本書はその解決策になる書籍だ。

その他の解説記事とおすすめ書籍

もしあなたが本解説以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深く学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

終わりに

今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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