Mission Driven Brand

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ブランディングの戦略家が【ブランド戦略の全て】を解説するブログ

ブランドマネジメントとは|ブランドマネジメントに必須の9つの要素

ブランディングの解体新書の文字

このブログに辿り着いたあなたなら、何らかの理由で「ブランドマネジメント」や「ブランド管理」の必要性を感じているはずだ。

本ブログMission Driven Brandは、ブランディングやブランド戦略の策定・ビジネススキルについて解説しているブログだ。

しかしビジネスの世界では「戦略2割・実行8割」と言われるように、ブランド戦略を「策定した」だけでは、ゴールではなくスタートにすぎない。

ブランディングを成果に結びつけるためには「優れたブランド戦略」が必要なのはもちろんだが「ブランド戦略を実現させる優れたブランドマネジメント」も求められる。

しかし「ブランドマネジメント」は極めて抽象度が高い概念であるため、明確な定義が存在しない。そして明確な定義が存在していない以上「何を」「どうする」ことがブランドマネジメントなのか?の共通認識を作りずらいのが現状だ。

よって、今回の記事では、ブランド戦略を成果に導く上で欠かすことのできない「ブランドマネジメント」について解説しよう。

 

ブランドマネジメントとは何か?ブランドマネジメントの意味

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「ブランドマネジメント」は、Googleで検索すると以下のように定義されていることが多い。

  • ブランドマネジメントとは、ブランド・エクイティを高めるための継続的活動のこと。
  • ブランドマネジメントとは、企業自らが保有するブランドの価値、さらには企業総体としての価値を高めるため、不断に改善のサイクルを回していく活動のこと
  • ブランドマネジメントとは、ブランドを企業にとって好ましい状態に総合的に管理する経営手法

しかしあなたはこれらの定義をご覧になって、ブランドマネジメントとは「何を」「どうする」ことなのか、明確なイメージが湧くだろうか?

人間は、イメージできないことは実行できない。特にブランドマネジメントは多くのチームメンバーを巻き込む取り組みとなるが、ブランドマネジメントとは「何を」「どうする」ことなのかという共通認識が持てなければ、ブランドマネジメントがワークしないのは自明の理だ。

このブログの筆者であるk_birdは、実務に活かしやすいように「ブランディング」を以下のように定義している。

ブランディングとは何か?

  • ブランドとは、生活者にとって「独自の役割」を持ち「感情移入」が伴ったモノやサービス。
  • ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」独自性と感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  • そのメリットは「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

そして上記の「ブランディングの定義」を踏まえれば「ブランドマネジメントの定義」は以下の通りとなる。

ブランドマネジメントとは?

  • 何を:ブランドに対して感情移入を創り出すビジネス活動を
  • どうする:その効果が最大化するように適切に管理すること

そしてこの定義を実務に落としやすくするために、以下の9つの要素に整理している。

  1. コーポレートブランドを適切に管理すること
  2. 複数のブランドのポートフォリオを適切に管理すること
  3. ブランドマネジメントを遂行する組織・人材を適切に管理すること
  4. ブランドのデザインポリシーを適切に管理すること
  5. ブランディングの進め方(プロセス)と成果を適切に管理すること
  6. 市場変化への対応を適切に管理すること
  7. ブランドの市場価格を適切に管理すること
  8. ブランドのエクイティ(資産)を適切に活かすこと
  9. ブランドの知的財産権を適切に管理すること

以下、順番に解説していこう。より詳しいブランドマネジメント手法が知りたい方は、各リンク先ページをご覧いただきたい。

ブランドマネジメントの要素-1:コーポレートブランドのマネジメント

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ブランドマネジメントの根本指針となるのがコーポレートブランドだ。

しかしあなたは「コーポレートブランディングは抽象的」あるいは「何から手を付けていいかわからない」とも感じてはいないだろうか?

コーポレートブランディングはブランドマーケティングと異なり、商品やサービスなど「具体的な売り物」が存在しない。さらにブランドマーケティングが「マーケティング関連部門の」「日々の業務」の話であるのに対し、コーポレートブランディングは「企業全体を巻き込んだ」「5年先あるいは10年先を見越した」話であるため、より複雑さが増す。

そして当たり前のことだが、コーポレートブランディングを成功させるには、あなたはもちろん、コーポレートブランディングを推進するプロジェクトメンバー全員が「コーポレートブランディングとは何か?」を理解していなければ、一枚岩になれない。

そして一枚岩になれないままコーポレートブランディングを進めてしまえば「企業のロゴデザインを変える」「企業のスローガンを変える」など表層的な結果で終わってしまい、その成果はおぼつかない。

よって下記の記事では、コーポレートブランディングについての進め方や事例をわかりやすく解説している。

もしあなたが「コーポレートブランディング」に興味を持ち、自社のコーポレートブランディングを成功に導きたいと考えているのなら、下記の記事がその一助になれば幸いだ。

ブランドマネジメントの要素-2:ブランドポートフォリオのマネジメント

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高度経済成長期のように市場そのものが右肩上がりに成長していれば、商品のラインナップを広げるメリットはあまりない。なぜなら限られた資源の中で無理な多角化を進めれば、1つ1つの商品のスケールが失われてしまうリスクを伴うからだ。

しかし市場が成熟してくるに従い、生活者の価値観は多様化し移ろいやすくなる。

株式相場の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があるが、マーケティングの世界でも、商品を取り巻く環境が急速に変化する状況では、単一商品しか持たないことは、大きなリスクとなる。

あなたの企業を含め多くの企業では、次の成長に向けて新たな商品を開発する必要に迫られているはずだ。しかし一方でブランド間の整合性やシナジーが考慮されていない商品の乱発は、いたずらに経営資源を浪費するだけだ。

商品のラインナップが増えてくれば、それらは適切に管理されなければならない。

その際に有用となるのが「ブランド体系戦略」及び「ブランドポートフォリオ戦略」という考え方だ。「ブランド体系」や「ブランドポートフォリオ」を正しく理解しておけば、単なる単一ブランドの管理にとどまらず、ブランド間のシナジーを発揮することが可能になる。

ブランド体系とは、ある企業が複数のブランドを持つ場合、各ブランドの役割と関係性を整理し構造化することを指す。その目的は、自社ブランド同士のカニバリ(=食い合い)を防ぎながら「複数ブランド間のシナジー」が発揮できるように、各ブランドを体系立てて整理することだ。

適切なブランド体系を構築できれば、単一ブランド単体の時よりも強く「ブランドアイデンティティ」を訴求することが可能になる。

また、それぞれのブランドの役割を体系的に位置づけることで、今後最も注力すべきブランドは何かを見極め、ブランド構築の資源配分を最適化することができる。

さらには、企業全体のブランド体系を俯瞰して、モレの有無や新ブランドの可能性を検証し、現在の強みを生かした有望な市場を発見することも可能になるはずだ。

以下の記事では、ブランド間のシナジーを生み出す上で必須の「ブランド体系戦略」及び「ブランドポートフォリオマネジメント」について、事例付きで解説している。

ブランド体系及びブランドポートフォリオは、ブランドマネジメントを始める上で欠かすことのできない「基盤」となるものだ。

ぜひ、あなたの企業のブランドマネジメントの一助になれば幸いだ。

ブランドマネジメントの要素-3:ブランドマネジメント組織・人材のマネジメント

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どのようなビジネスも、単純化すれば「戦略」と「組織」という2つの要素で成り立っている。

しかし、こと「ブランディング」においては「戦略」をテーマにした書籍は豊富に揃っているのに対して「組織」の側面から真正面からとらえている書籍は驚くほど少ない。

そこで下記の記事では、優れたブランディングを展開する上で有効な選択肢の1つとなる「ブランドマネージャー制」を取り上げて解説している。

ブランドマネージャー制とは、1人の担当者が、新商品開発から損益責任、ブランドエクイティの構築までを一貫して担う、ブランドマネジメントの組織形態のことを指す。主に外資系企業で採用されているブランドマネジメント組織の形態であり、その成功事例はP&Gであるとされる。

つい「P&G」あるいは「外資系企業のブランド戦略」などのキーワードが出てくると「ブランドマネージャー制度=先進的」という誤解を招きがちだが、ブランドマネージャー制にはメリットだけでなく大きなデメリットも存在するのが実情だ。

もし下記の解説をお読みいただければ、ブランドマネージャー制のメリット、デメリットはもちろん「ブランドマネージャー制を機能させるための勘所」もわかるようになるはずだ。

ブランドマネジメントの要素-4:ブランドのデザインポリシーのマネジメント

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多くの生活者が初めてブランドに接するときに、まず目にするのは「ブランドのデザイン」だ。つまり、ブランドのデザインは、生活者の第一印象を創り、トライアル購入に影響を与える、非常に重要な要素となる。

あなたがブランドを市場投入する際には、ブランドデザインは「パッケージデザイン」「コマーシャル」「グラフィックデザイン」「WEBデザイン」「店頭POPデザイン」などに形を変えていくことだろう。

そして、ブランドのデザインを扱う部門も、あなたが所属するマーケティング部門だけでなく、デジタル部門・営業企画部門・本社営業・支社営業など多岐に渡るようになっていく。

せっかくあなたとデザイナーが丹精込めて創り上げたブランドのデザインも、各部門ごとに微妙に改変されていけば「バラバラで散発的な見え方」となり、強いブランドを創り出すことはできなくなる。

デザインは、創ったその瞬間から壊れ始めると言われる。

ブランドデザインの統一感と一貫性を保ち、運用をマネジメントしていくためには、ブランドのデザインポリシー(ビジュアルアイデンティティ)の適切な管理は必要不可欠だ。

以下の記事では「ブランドデザインがもたらす効果」及び「ビジュアルアイデンティティを適切に管理する方法」を事例付きで解説している。もし興味があればご覧いただきたい。

ブランドマネジメントの要素-5:ブランディングの進め方と成果のマネジメント

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適切なプロセスを踏まなければ、適切な成果は生まれない。

また「ブランディング」は、目に見える「モノ」である「製品スペック」や「性能」とは異なり、極めて抽象性が高い概念だ。そのため、ともすれば可視化が伴わないまま「なんとなく」の感覚論に陥りがちだ。

しかし、見えないものは管理できない。そして管理できないものは、改善することもできない。

ブランディングはもちろん、あらゆるビジネス活動は投資を伴う以上、より少ないリソースで、より高い成果を達成する必要に迫られる。そしてそのためには、例え抽象度の高い「ブランディング」であったとしても、何らかの形で「目標の設定」や「戦略の実行と達成水準の評価」「次のステップに向けた改善活動」は必要不可欠な要素となる。そこで必要となるのがブランドのKPIマネジメントだ。

KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字を取った略語であり、日本語に訳すと「重要業績評価指標」となる。その意味は「目標を達成するためにプロセスが適切に実行されているかを計測・評価する指標」であり、ブランディングの文脈でいえば「ブランドの現状を把握するための道具」だ。

下記の記事ではブランディングを題材に「KPIとは」あるいは「ビジネスを成果に導くためのKPI設定の方法」について、例を交えながら解説している。

もし、下記の解説を最後までお読みになれば、これまで「なんとなく」という感覚論でしかなかったあなたのブランドマネジメントは、より合理的で説得力の高いものに変わるはずだ。

ブランドマネジメントの要素-6:市場変化対応のマネジメント

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ブランディングやマーケティングには、必ず「その時々の局面」が存在する。そして「局面」が変化すれば、局面の背景で働く「市場力学」も変化する。

ブランディングやマーケティングの世界では、このような「局面の変化」を「プロダクトライフサイクル」と呼ぶ。そして「プロダクトライフサイクルマネジメント」とは、それぞれの市場局面で適切な打ち手を見出していくためのフレームワークだ。

もし「局面」ごとに「市場の背景で働く力学」を見抜くことができれば、あなたは局面ごとに適切なブランドマネジメントを行うことができる。

また、プロダクトライフサイクルは「時系列で捉える」という性質上、早い段階で「市場力学の変化」を予見し「先手を打って対策を練っておく」ことを可能するメリットもある。

もし、この下記の解説を最後までお読みになれば、あなたは「局面ごとの市場力学」を味方につけ「先手を打った」ブランドマネジメントが展開できるようになるはずだ。

ブランドマネジメントの要素-7:ブランドの市場価格のマネジメント

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あなたがマーケティング担当者なら、ブランドマネジメントの過程で「値引きの誘惑」にかられたことがあるはずだ。

特に市場成熟期になると、営業部門や上層部から「競合ブランドが○○円まで値下げしてきた以上、当社も価格も同等がそれ以下にするしかない」などの圧力がかかり、ブランド毀損リスクにおびえながらも値引き判断に傾いたマーケティング担当者も多いはずだ。

特に日本の企業においては伝統的に営業部門の発言権が大きいことから「売上目標達成のためなら、多少値引きをしても構わない」という風潮が目立つ。結果、価格マネジメントに冷静なロジックを欠いたまま、非常に受け身的な価格管理に陥っているのが現状だ。

しかし、ことブランドマネジメントにおいて「値引き」は致命傷になりうる。

なぜなら値崩れは、ブランド力の低下に直結する。さらに、値引きをしてなお利益を確保するためには、費用のどこか、たとえば人件費などを削らなくてはならず、会社全体にとってあまり有益な方向に向かわないことが多い。

もし、あなたの企業がロジックのない価格マネジメントを続けていけば、適正な利益が得られないまま価格下落が進んでいき、その恐怖感に苛まれながらも、ただ手をこまねいているだけになってしまう。

下記の記事ではブランドマネジメントにおける価格マネジメントの重要性と、その落とし穴について解説している。

残念ながら「値引き圧力」に対してすぐに効く特効薬は存在しない。しかしそうであるからこそ、事前の準備を含め、日々の地道な努力が必要だ。

もし、下記の解説を最後まで読んでいただければ「値引き圧力」や「価格マネジメント」に対して、どのような視点を持てば良いかがわかるようになる。そしてそれらをあなたのチームで共有することができれば、これまでよりもはるかに値引きに抗えるようになるはずだ。

ブランドマネジメントの要素-8:ブランドエクイティのマネジメント

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「ブランドエクイティ」とは無形で目に見えない「ブランド」を、不動産や有価証券といった他の資産と同じように「企業が保有する資産」として評価しようという考え方だ。

既存のブランドエクイティを適切に活かし管理するには、大きくわけて2つの方法が存在する。

  1. ブランド拡張
  2. リブランディング

以下、簡単に解説しよう。

ブランドエクイティを適切に活かす方法-1:ブランド拡張

現在、日本国内では多くの市場が成熟化しているといわれる。

プロダクトライフサイクルが成熟期や衰退期に至った現在においては、多くの企業で新たな事業や新ブランドの立ち上げが必要な局面となっているはずだ。

しかし新事業や新ブランドの立ち上げには、大きなリスクを伴う。そのリスクを軽減するために有力な選択肢となるのが、既存のブランドエクイティを適切に管理し活かす「ブランド拡張」という考え方だ。

ブランド拡張は、新事業や新商品を検討する際に頻繁に用いられる手法の1つだが、一方で拡張ブランドの売れ行きが伸びず、一年も経たないうちに姿を消すケースも多い。

さらに悪いことに、築き上げたブランドの資産を活かすどころか、拡張ブランドがマスターブランドに悪影響を及ぼし「共倒れ」してしまうことすらありうる。

しかし以下の解説をお読みになれば「ブランド拡張とは何か?」だけでなく「ブランド拡張の成功例と失敗例」あるいは「ブランド拡張を成功に導く視点」もご理解いただけるはずだ。

ブランドエクイティを適切に活かす方法-2:リブランディング

「最も強い者が生き残るのではなく、変化に対応できるものが生き残る」

これは、何も生物に限ったことではなく、企業もまた「最も強い者」が生き残るとは限らない。「イノベーションのジレンマ」という言葉もあるように、時に「最も強い」と賞賛された企業が環境変化に足元をすくわれ、衰退の道を辿った例は枚挙にいとまがない。

当たり前のことだが、ブランディングは一度確立したからといって、未来永劫に渡って成功が保証されるとは限らない。どの市場もいつか必ず成熟する。予期せぬ競合が現れる。企業は決して環境変化から逃れることはできない。

リブランディングとは、利益の最大化を目的に、行き詰ったブランドを再生させるための問題解決策を指す。その最大の利点は、全くゼロから立ち上げる「新ブランドの立ち上げ」と異なり、現在のブランドエクイティを活かせることだ。その結果、やり方次第では少ない費用と労力で強いブランドを再構築できる。

以下の記事では、そんなリブランディングの手順と成功事例を詳細に解説している。ぜひ、あなたのリブランディング戦略の参考になれば幸いだ。

ブランドマネジメントの要素-9:ブランドの知的財産権のマネジメント

ブランドは「人」「モノ」「カネ」「情報」に続く第5の経営資源といわれる。層である以上、欠かすことができないのがブランドの法的保護、つまり知的財産権のマネジメントだ。

知的財産権は、大きく分けると以下の5種類が存在する。

  1. 商標権
  2. 意匠権
  3. 著作権
  4. 特許権
  5. 実用新案権

上記の中でも、ブランドマネジメントの文脈で特に重要となるのが「商標権」について解説しよう。

ブランドマネジメントにおける商標権の役割

商標権とは、わかりやすく言えば「商品やサービスを認識するための目印」を守り、独占的に使用できる権利だ。

「商標」というと、つい「商品名」や「サービス名」を思い浮かべがちだが、例えば「不二家のペコちゃん」や「ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダース」も「商品やサービスを認識する目印」となる。そのため「立体商標物」として商標登録されている。

また、漢方薬メーカーのツムラは、企業ブランドのタグラインである「自然と健康を科学する」を商標登録している。このように、一定の条件を満たせばキャッチフレーズも商標登録が可能だ。

商標は「商品やサービスを認識するための目印」を独占的に使用できる強い権利だ。しかし、軽く考えてしまうと大きな法的リスクを抱え込むことになる。

例えば、芸人であるピコ太郎の大ヒットソングである「PREP」は、大阪府の無関係な企業が先に商標登録してしまったため、大きなトラブルとなったことを記憶に残っていることだろう。

このように、世の中には自社で使用しない言葉を先に商標登録して、他者に対してライセンス料の支払いや権利売買を持ちかける「商標ブローカー」が存在する。

また、大手ビールメーカーの「キリンビール」と、即席めんブランドである「キリンラーメン」が商標上の係争に発展し、キリンラーメンが改名を余儀なくされる事態を起きている。

これらのように、いったん係争や裁判に負けてしまえば、これまで積み上げてきたブランド資産は一気にゼロになり、ブランドに関わる全ての表現物を差し替えなければならず、その被害は甚大となる。

ブランドマネジメントの実務では、つい「戦略」や「施策」が優先され「商標出願」は後回しにされやすい。

しかし商標権は「先に商標登録したほうが権利を持つ」という先願主義を採用している。そのため、商標登録を先延ばしにすると不必要にリーガルリスクを抱え込むことになるので注意してほしい。

 

最後に:ブランドマネジメント本おすすめ書籍2冊

締めくくりに、マーケティング・ブランディング担当者へのお薦めのブランドマネジメント関連書籍を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  1.  k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるブランドマネジメント関連書籍。
  2. 実際に実務に役立っているブランドマネジメント関連書籍。
  3. 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるブランドマネジメント関連書籍。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

ブランドマネジメント本おすすめ書籍-1:戦略的ブランド経営

本書は、国際的なブランドコンサルティングファームである「インターブランド社」の元コンサルタントが書き上げた「経営としてのブランド戦略論」だ。

ブランド戦略やブランドマネジメントは、ともすれば「マーケティングの世界のこと」として矮小化して理解されがちだ。しかし本書では「ブランド戦略とは経営戦略そのもの」と位置づけ「経営戦略」あるいは「競争戦略」の観点からブランドマネジメントのありようを解説している。

その中身は、

  1. ブランドの基本的機能と役割
  2. ブランド戦略と企業戦略との関係
  3. ブランドマーケティング
  4. ブランド体系
  5. ブランドポートフォリオ
  6. ブランド拡張
  7. ブランドマネジメント
  8. ブランド戦略策定の作業フロー

などが一通り網羅されている。また、実務家が書いた本だけあって、様々なフレームワークはもちろん、紹介されているケースも「トヨタ」「日産」「ユニクロ」「カゴメ」など20ケースに渡る。

もし実務家が「ブランドマネジメント」の全容を理解したければ、本書に勝る参考書はないだろう。

ブランドマネジメント本おすすめ書籍-2:エッセンシャル戦略的ブランド・マネジメント第4版(ケビン.L.ケラー)

こちらは「ブランドエクイティピラミッド」を開発したケビン.L.ケラーによる書籍のエッセンシャル版だ。

正規版は8,000円を越える高価で分厚い書籍だが、こちらは日本の読者にとってより重要度の高い内容が抜粋されており、価格も半分以下だ。さらに事例もアップデートされている。

アーカーが「経営」という観点からブランド戦略にアプローチしているのに対して、ケラーはより「マーケティングマネジメント」の観点からブランド戦略にアプローチしてい。

もしあなたが「ブランドマネジメントの実務的な視点」を重視したいなら、こちらもお勧めの参考書だ。

その他のブランディング関連記事とおすすめ本の紹介

もしあなたが本解説以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深くブランディングやマーケティングを学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

ブランディング・マーケティング関連のおすすめ書籍紹介

ビジネススキル・マネジメント関連のおすすめ書籍紹介

終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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