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ブランディングの戦略家が【ブランド戦略の全て】を解説するブログ

サービスマーケティングの7Pとは|7Pの要素と戦略ポイント|具体事例有

マーケティングミックスとは|マーケティングの4P・7P・4Cの手法と事例

このページに辿り着いたあなたなら「サービスマーケティングの7P」に関心があることだろう。

このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ブランディングやマーケティングの「できない、わからない」を解決するブログだ。

マーケティングの中で、最もなじみの深いフレームワークと挙げるとすれば「マーケティングの4P」だろう。「マーケティングの4P」はマーケティングの書籍をひも解けば必ずと言ってよいほど登場するフレームワークだ。

しかし近年ではビジネスのサービス化が進み、サービスマーケティングの戦略フレームワークである「マーケティングの7P」を使うことも少なくない。

よって、今回は「マーケティングの7P」について事例を交えながら解説する。その内容は以下の通りだ。

  • マーケティングミックスとは何か?
  • マーケティングの7Pの要素とは?
  • マーケティングの7Pの戦略ポイントとは何か?

今回の解説を最後までお読みになれば、あなたは「マーケティングの7Pとは何か?」はもちろん「サービスマーケティングの勘所」も掴めるはずだ。

ブランド戦略を学びたい方へ。このブログから書籍化した「ブランディングの教科書」

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本論に入る前に、僭越ながら拙著を紹介させていただこう。

「ブランディング」は捉えどころがなく、なかなか一歩を踏み出せない。あなたはこのような状況に陥ってはいないだろうか?

本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、ある時は、外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、クライアントの実務担当者が悪戦苦闘する姿を見てきた。

「ブランディング」は、その本質を理解しないまま実行に移そうとすると、的を射ない小手先の手法を延々と繰り出すことになりがちだ。結果、やみくもに予算を消化したまま、成果が出ない事態に陥ってしまう…。

そのような事態を1件でも減らしたい。そう考えたのが本書を執筆した理由だ。

ブランディングの本は、どれも「ブランドのらしさ」「ブランドの世界観」など「ふわっと」した話になりがちだ。そして「ふわっ」とした話になればなるほど抽象的かつ曖昧な概念論になってしまい、企業組織の中で通すことが難しくなる。

本書は、外資系コンサルティングファームと広告会社で培った「生の知見」をふんだんに盛り込みつつ、つい「抽象論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

本書のタイトルは「ブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践」だ。

「理論」が理解できなければ、ブランディングを体系化できず、ビジネスに再現性を生むことができない。そして「実践」が理解できなければ、ビジネスに成果をもたらすことができない。

本書は、ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」として、ブランド戦略の再現性と成果を目指した書籍だ。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

  • クッキー規制によりデジタルマーケティングでCTRやCVRが頭打ち。CPAは下がるどころか、少しずつ上昇傾向ですらある。
  • 矢継ぎ早に新商品を繰り出してもすぐに競合に追い付かれ、差別化ができない。商品開発サイクルは更に早まり、自転車操業状態になっている。
  • 「自社にはブランディングが必要だ」と理解はしているが、概念が抽象的過ぎて、どう周囲を巻き込んでいいかがわからない。

もし、あなたがこれらに当てはまるなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。つい感覚論になりがちな「ブランディング」に対して、

  • なぜ、そうなのか?
  • どう、ビジネスに役立つのか?
  • 何をすればいいのか?
  • 具体的な日本のブランドの事例は?

を徹底して解説しているので、あなたのお役に立てるはずだ。

kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。

マーケティングミックスとは何か?

マーケティングミックスとは?

まずは「マーケティングミックスとは何か?」について解説しよう。

マーケティングミックスとは、ブランド戦略やSTP戦略を有効に機能させるための「実行戦略」のことを指す。別の言い方をすれば、ブランド戦略やSTP戦略に基づいた「打ち手の組み合わせ」のことだ。

「マーケティングミックス」とは

ブランド戦略やSTP戦略を機能させるための「実行戦略」

 

マーケティングミックスのフレームワークには複数あるが、最も有名なフレームワークは前述した「マーケティングの4P」だ。しかしそれ以外にもサービスマーケティングの実行戦略策定に使われる「サービスマーケティングの7P」や、より顧客志向に立ってマーケティングミックスを考える「マーケティングの4C」などが存在する。

マーケティングミックスの位置づけ

どのマーケティングミックスにも共通するのは、ブランド戦略やSTP戦略を具現化するための「実行戦略」である点だ。

つまりマーケティングミックスには前提として必ず「ブランド戦略」や「STP戦略」が存在し、そこで明確に定義された「ブランドアイデンティティ」や「ターゲット設定」あるいは「ポジショニング設定」がインプットとなって、マーケティングミックスに展開されていく。

マーケティングの7Pとは?

マーケティングの4Pとは

まずはマーケティングの7Pの要素の一部である「マーケティングの4P」について、簡単に解説しよう。

「マーケティングの4P」とは、STP戦略で決めたターゲットやポジショニングを実行に移すために必要な4つの要素のことを指す。その要素とは以下の通りだ。

  • 商品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • プロモーション(Promotion)

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「マーケティングの4P」は、1960年代前半にアメリカの経済学者であるジェローム・マッカーシーが提唱したマーケティングミックスフレームワークだ。「マーケティングの4P」の意味合いをひも解くと、

  • 商品戦略(Product):
    ターゲットのニーズに対応した「商品」を開発し
  • 価格戦略(Price):
    ターゲットに最適な「価格」を設定し
  • 流通戦略(Place):
    ターゲットに届けるために最も効率的な「流通網」を構築し
  • プロモーション戦略(Promotion):
    ターゲットに対して最も効果的な「プロモーション」を展開する

となる。極めてシンプルでわかりやすいが、一つ一つの要素を深掘りしていくと奥が深いフレームワークでもある。

サービスマーケティングの7Pとは?

先ほど解説した通り「マーケティングの4P」は、1960年代前半に提唱されたフレームワークだ。しかし1970年代になると産業のサービス化が進み「サービス」にも当てはまるフレームワークの必要性が生じることとなる。そのニーズを受け、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーが提唱したフレームワークが「サービスマーケティングの7P」だ。

現在、日本では経済価値の約7割がサービス業から生み出されているといわれ「モノのサービス化」の重要性は日に日に増している。

しかし「商品のマーケティング」とは異なり「サービスマーケティング」には以下のような難しさが存在する。

  1. サービスは形がない:無形性
    サービスはモノと異なり形がないために、見込み客は購入前にイメージが湧きづらい。
  2. サービスは、生産と消費が同時に起こる:同時性
    サービスでは、生産と同時に消費が起きる。つまり、常に「その場対応」となるため、サービス提供者からすればやり直しがきかない。
  3. サービスは残せない:消滅性
    サービスはモノとして形に残せないため、在庫による需給調整ができず、需給調整が難しい。
  4. サービスは品質にムラが出やすい:変動性
    サービスは、誰が提供するか、いつ提供するか等で品質にムラが出やすい

こうしてみると、サービスマーケティングは商品マーケティングと比べて、極めて高度なマーケティングマネジメントが要求されることがお分かりいただけるはずだ。

これらを受けフィリップコトラーが「マーケティングの4P」に加えたのが以下の3つのPだ。一般に「サービスマーケティングの7P」と呼ばれる。

  • 人(People)
  • プロセス(Process)
  • フィジカルエビデンス(Physical Evidence)

マーケティングミックスの手法と事例-2:サービスマーケティングの7Pとは

以下、簡単に解説していこう。

サービスマーケティングの7Pの要素-1:ピープル戦略(People)と事例

マーケティングミックスの7P(サービスマーケティングの7P)の手法と事例-1:ピープル戦略

人(People)とは、サービスを提供するスタッフ全般のことを指す。

あなたにとって顧客は不特定多数かもしれないが、顧客にとっては「一人の接客スタッフ」の印象が、あなたのブランドの印象を致命的に決定づける。

近年、ソーシャルメディア上ではたびたび「炎上事件」が勃発するが、そのほとんどは「サービスの中身そのものの批判」というよりも「誠実に対応してもらえなかった」という「人対応」に起因しているものだ。逆に「神対応」もまた、その大元は「人」となる。

特に「接客」が必要とされるサービス業では「スタッフの瞬時の判断(=同時性への対応)」や「繁閑に関わらず質の高い接客(=変動性への対応)」が必要となる。

しかし「人」は根源的に「個性」や「能力差」が存在するため、サービスの品質を一定に保つのは難しい。そのような状況の中で「人材」を起点にサービスの競争力を発揮していくために重要なのが「強いブランド構築」だ。

あなたは「なぜ、サービス品質にブランド構築?」といぶかしく思うかしれないが、例えば「スターバックス」や「東京ディズニーリゾート」などの企業事例を思い浮かべてほしい。

この2つのブランドの共通点は、双方ともに正社員ではないアルバイトスタッフが極めて優秀であり「そのブランドらしさ」を体現した働きを自発的にすることだ。スターバックスや東京ディズニーリゾートで働くアルバイトスタッフは、そもそもそのブランドのファンであることが多い。そして、ファンであるがゆえに「そのブランドらしさ」を誰よりも深く理解している。

その結果、たとえマニュアルがない局面でも、自発的に「そのブランドらしいふるまい」をし、顧客を喜ばすことができる。さらに、そのブランドが好きでアルバイトに応募し働いているため、アルバイトスタッフであるにもかかわらずブランドに対する帰属心や貢献意欲が高く「そのブランドの役に立ちたい」というモチベーションも高い。

結果、企業の外側からの「見栄え」だけでなく、内側からもブランドを強くしていく「組織文化」が形成・強化され、その組織文化が「そのブランドらしい」均一したサービス品質を生み出していく。

そしてそのサービス品質が、感情移入を伴う強いブランドを創り、そのブランドに惹かれた優秀な人材を集めるという好循環が創られていく。スターバックスや東京ディズニーリゾートは、このような好循環が回っている企業事例だ。

サービスマーケティングの世界には「サービス・プロフィットチェーン」という考え方がある。

  1. ブランド構築により、スタッフのブランドロイヤリティが高まる
  2. スタッフの自発的な行動が促される
  3. 自発的な行動によって、顧客へのサービス品質が向上する
  4. その結果、顧客のブランドロイヤリティが高まる
  5. ブランドロイヤリティが高まれば、ブランドの売り上げや利益が増加する
  6. その利益の一部がスタッフに還元される
  7. 上記の「1」に戻る

「サービス・プロフィットチェーン」は、サービス業の収益の源泉を「従業員のブランドロイヤリティ」に置く考え方だ。特に「人」が競争力のカギとなる企業の場合、ブランド構築によるサービス品質の向上効果は、極めて大きな競争力となる。

そしてもちろん「人材開発に対する投資」も重要だ。事実「スターバックス」はアルバイトの研修にも丸3日間を費やすといわれる。また、毎年18,000人ものアルバイトを採用する「東京ディズニーリゾート」がスタッフ研修に力を入れているのも、有名な話だ。

サービスマーケティングの7Pの要素-2:プロセス戦略(Process)と事例

マーケティングミックスの7P(サービスマーケティングの7P)の手法と事例-2:プロセス戦略

プロセス(Process)とは、サービスを提供する際のプロセスや体験のことを指す。そして「プロセス」に着目する場合には、大きくわけて2つの考え方が存在する。

1つ目は「効率の向上」だ。

企業事例でいえば、例えばマクドナルドは「注文の場所」と「商品受け取りの場所」が分かれた新型カウンターの導入を進めている。この新型カウンターを導入すると、商品提供時間が平均して10秒程度圧縮されるため、レジ前の人の流れがスムーズになり、混雑時の売り上げが伸びるという。

一方で、レジを担当するスタッフからすれば、どんどん注文をさばくことができるようになり、注文待ちのお客さんを待たせずに済む。これが「効率の向上」のわかりやすい事例だ。

そして2つ目は「ブランド体験の向上」だ。

こちらも企業事例を挙げれば、東京ディズニーランドでは「いかに待ち時間を楽しい時間に変えるか?」という様々な工夫が凝らされている。例えば、待っているゲストのためにユーモアを交えた放送を流し楽しんでもらう、などが典型だ。

こと「プロセス」となると、つい「どう効率化するか?」に目が向きがちだ。しかし、東京ディズニーリゾートの事例のように「いかに楽しい時間を創るか?」というブランド体験の視点も持っておこう。

サービスマーケティングの7Pの要素-3フィジカルエビデンス戦略(Physical Evidence)と事例

マーケティングミックスの7P(サービスマーケティングの7P)の手法と事例-3:フィジカルエビデンス戦略

フィジカルエビデンス(Physical Evidence)の意味とは、サービスを提供する際の演出物となるツール・装飾などを指す。

先ほど解説した通り、サービスには「無形性(形がない)」「消滅性(後に残せない)」などが存在するため、顧客に残るのは「ブランド体験の記憶」のみとなる。

その「ブランド体験の記憶」を残す際に重要な要素が「フィジカルエビデンス」だ。企業事例でいえば、東京ディズニーリゾートの場合「優れたブランド体験の記憶」を残すために、以下のような「フィジカルエビデンス」の工夫をしている。

  1. ミッキーマウスは、ゲストが見える範囲内では同時に2体は現れない
  2. パーク内からは外の環境が見えないようにして「非日常」を演出する
  3. キャスト(スタッフ)身だしなみを「ディズニールック」として細かくルールを作り、厳格に守っている
  4. ゲスト(顧客)の弁当の持ち込みはNG(日常を持ち込むことで夢の世界から醒めてしまうため)
  5. 全てのゲストをVIPとして対応するため、パークの入口の床は赤い絨毯で演出する

フィジカルエビデンスに一貫性と統一性を持たせることができれば、ブランドの体験は、より記憶に残りやすくなる。以下の記事では、ブランドデザインが創る5つの効果とVI(ビジュアルアイデンティティ)について詳しく解説しているので、ご興味のある方はぜひご覧いただきたい。

マーケティングの7Pの戦略ポイント

最後に、マーケティングの7Pを機能させるためのポイントを解説しよう。

マーケティングの7Pの戦略ポイント-1:ブランド戦略との一貫性があるか?

1つ目は、ブランディングとの一貫性だ。本ブログでいう「ブランディング」の定義は以下の通りだ。

ブランディングとは何か?

  1. ブランドとは「生活者の感情移入」が伴ったモノやサービス。
  2. ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  3. その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

詳しくは「ブランディングとは|10のメリットと21の戦略手法|全手順 」で解説しているが、その中核をなすのが「ブランドアイデンティティ」だ。ブランドアイデンティティとは「そのブランドが守るべき、一貫した姿勢」のことを指す。 

心理学の世界では、人間は「予測可能性が高い」物事には安心感を感じ、逆に「予測可能性が低い」物事には不安を感じるとされる。

これをブランディングやマーケティングに応用すれば「ブランドアイデンティティ(そのブランドが守るべき姿勢)が一貫している」ということは、そのブランドに対する「予測可能性」が高くなることを意味する。結果、そのブランドに対して安心感や信頼感が生まれやすくなる。

一方で「ブランドアイデンティティ」が一貫せずバラバラであれば、そのブランドに対する「予測可能性」は低くなる。そのため、逆に不安感や不信感が生まれやすくなる。

ブランドアイデンティティに一貫性があれば「予測可能性」と高めることでブランドに対する信頼感を形創ることができる。そして「ブランドに対する信頼」が「理屈抜きにそのブランドを信じる」という状態であることを鑑みれば、ブランドにとって最も重要な「感情移入」の一つとなる。

これらのことを踏まえれば、マーケティングの7Pはブランドマネジメントの一貫であることは、おわかりいただけるはずだ。

マーケティングの7Pの戦略ポイント-2:STP戦略との一貫性があるか?

例えば「富裕層に対して、贅沢で特別な体験を提供する」というSTP戦略を掲げたジュエリーブランドが、ドン・キホーテで販売を始めたら、あなたはどう感じるだろうか?

「そんなバカな…」とあなたは笑うかもしれないが、他人事ではない。程度の差はあれ、このような事態は必ず起こる。

なぜなら、マーケティング基本戦略であるSTP戦略はマーケティング部門主導で進むことが多いが、マーケティングミックス戦略に局面が移ると多くの部門が絡むことになるからだ。

結果、戦略立案したあなたの手から離れ、各部門の思惑や利害が複雑に絡み合いながら遠心力が働いていく。気が付いてみたら、現場では「STP戦略の方針」とは一貫性のない施策が乱発されていた、などはマーケティングの世界では「あるある」だ。

マーケティングミックスの難しさは、それぞれの事情や思惑を抱える関連部門の微妙なバランスを解きほぐしながら、いかに正しい判断を進めていくか?という点に尽きる。

そのために必要なのは、社内の関連部門を動かしうる事実やロジック、洞察力だ。そして、時にあなた自身の「情熱」や「志」あるいは「覚悟」など、青臭い人間力も必要となる。

人を動かすということは、本質的には権限で行うことではない。ブランディングやマーケティングを志す者として、ぜひ「単なる理屈の正しさ」以上の情熱を加えて、STP戦略とマーケティングミックス戦略の一貫性を守り切ってほしい。

STP戦略を学ぶには

STP戦略が学べる解説記事一覧

マーケティングの7Pの戦略ポイント-3:相乗効果はあるか?

最後は、マーケティングの7Pの相乗効果だ。

マーケティングミックスがマーケティング「ミックス」である所以は、ただ7Pを使えばいいというのではなく、7Pの組み合わせによる相乗効果を目指しているからだ。

マーケティングの7Pをうまく「ミックス」すれば、先ほど事例で取り上げた化粧品企業のように、互いの要素の利点を組み合わせて、優れた顧客体験を形創ることができる。ぜひ、マーケティングミックス戦略を立案する際には、7Pの相乗効果を検討しよう。 

マーケティングミックスを理解する:おすすめ書籍3冊

最後にマーケティングミックスを理解する上でお薦めのマーケティング書籍を紹介しておこう。

選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるマーケティング書籍
  • 実際にマーケティングの実務で役立っているマーケティング書籍
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるマーケティング書籍。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

コトラーのマーケティングコンセプト

マーケティングには「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」「ブランド」など、様々な専門用語が居並ぶ。

本書は、現代マーケティングの父と言われるフィリップ・コトラーが、今日のマーケティングにおいて必要だと思われる80の基本用語・概念について、実例を交えながら解説したベストセラー書籍だ。

書いてある内容はマーケティングの初心者が読むべき基礎項目ばかりだが、特筆すべき点は、ABC順にマーケティングコンセプト・用語が解説されていることだ。

フィリップ・コトラーの代表的著書である「マーケティング・マネジメント」あるいは「マーケティング原理」は、MBA学生の必読書ともいわれているが、2冊とも日本語訳で1000ページ前後もあり、マーケティング初心者が気軽に手に取れる書籍とはいえなかった。

しかし本書はマーケティング戦略について、キーワードを数多く網羅したリファレンス的な書籍となっている。そのため、マーケティングを勉強したい初心者にとっては、実践の中でわからない用語が出てきた際に、辞書的に引ける点が魅力だ。

もしあなたがマーケティング担当者として着任した際には、必読の参考書だ。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

本書は、P&G、ロート製薬、ロクシタン、スマートニュースで一貫してマーケティング畑を歩いてきた「マーケティングの実務家」が著した書籍だ。

いわゆる「事業会社側」で活躍する現役のマーケッターが、これだけのノウハウとフレームワークを惜しみなく紹介するのは、かなり珍しいことだと言える。

本書の特筆すべき点は、描かれている内容がマーケティングの実務経験に裏付けられているため、極めてリアリティがあり、かつ実践的である点だ。

かと言って、単なる「How To本」ではなく、本書の根底にはマーケティングそのものを成り立たせている本質や哲学が流れている。

もし、本ブログの筆者であるk_birdが「マーケティングとは何か?」と聞かれたら、自信をもって「この本を読め!」と挙げられる書籍であり、素直に「もっと多くのマーケッターに売れて(読んで)欲しい」と思える書籍でもある。

本書は「考え方」の面でも「実務」の面でも「マーケティングの真ん中」を行く書籍だ。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

本書の執筆者である森岡 毅氏は、P&Gジャパンでヴィダル・サスーンのブランドマネージャーを勤めた後、P&G世界本社でパンテーンのブランドマネージャーを歴任した凄腕のマーケッターだ。

また、森岡氏は経営難に陥っていたUSJのCMOとして乗り込み、劇的にV字回復差せたことで知られる。そんな森岡氏が、USJのV字回復の軌跡を「マーケティング理論に当てはめて」執筆したのが本書だ。

アマゾンのレビューを見れば納得頂けると思うが、本書は単なるUSJのマーケティング事例本ではない。STPやマーケティングミックスなどのフレームワークを「そもそも論」から解説した上で、更にそれらを「実践に活かす方法」にまで落とし込んで解説しているマーケティングの名著であり、人気のベストセラー書籍だ。

「成功を引き寄せるマーケティング入門」というサブタイトルにもある通り実務上の示唆も多く、あらゆるマーケティング担当者が読むべき必読の入門書と言えるだろう。

このブログから書籍化した本4冊

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」

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ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならないのだ。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

kindle Unlimitedを契約されている方は無償で手に入れることができるので、気軽に手に取っていただきたい。

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

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あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

一方で、本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付

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例え同じ本を読んだとしても、そこから得られる「学びの量」は、人によって何倍も変わる。そして、人は学びを通してしか成長できない以上、その差はやがて、あなたの職業人生すら大きく変えてしまうことになる。

同じ本を読んでいるはずなのに、人によって「得られる学びの量」が何倍も変わってしまう。この差は、いったい何から生まれるのだろうか?

それは、1冊の本から「知識」を得ようとするか「知識の"運用能力"」を得ようとするかの差だ。

多くの読書術の本は「多読」「速読」など「いかに効率的に知識を得るか?」をテーマにしている。しかし、どんなに効率的に知識を得たとしても、ただそれだけでは「知識の暗記」止まりになる。得られる学びはごくわずかだ。

一方で、読書を通して「知識の"運用能力"」を身につけることができれば「たった1つの知識」を複数の分野に応用し、何倍もの成果を生み出すことが可能になる。

本書「読書の方程式」は、ビジネス書を通して「どう知識の"運用能力"を身につけるか?」を解説した書籍だ。そのポイントは、ビジネス書から学び取る「視点」「法則」そして「抽象化」にある。

おかげさまで、本書は日経やThe21、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、

  • 「こんな風に自分を成長させる読み方があったのか!」
  • 「読書術の本では、これまでで最も良い本」
  • 「読書の概念が変わった」

など、ありがたい言葉を頂戴している。

もしあなたが「知識の"運用能力"」を身につけ、1つの事実から得られる「学びの量」を何倍にもしたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。

※無料のオーディオブック特典付

8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける

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どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、

  1. 時間管理術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術

など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。

しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。

さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。

おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。

Amazonレビューでも、

  • 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

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終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかる解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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