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PEST分析とは|PEST分析の例と戦略に活かす全手順【テンプレート有】

PEST分析とは|PEST分析を戦略に活かす実例と全手順【テンプレート有】

この記事に辿り着いたあなたなら「PEST分析とは何か?」あるいは「PEST分析を戦略に活かす方法」に関心があることだろう。

このブログ「Mission Driven Brand」は、外資系コンサルティングと広告代理店のキャリアを持つ筆者が、ブランディングやマーケティングの「できない、わからない」を解決するブログだ。

PEST分析は、施策立案とは異なり直接売り上げや利益に貢献する業務ではないため、ついおろそかにされがちだ。しかし、そこから得られる示唆は大局的な意思決定を大きく左右するため、決して軽視できない。

今回の記事では「世の中の流れ」を味方につけるために必要不可欠なPEST分析について完全解説する。その内容は以下の通りだ。

  • PEST分析とは何か?
  • PEST分析はなぜ重要なのか?
  • PEST分析の項目とは
  • PEST分析の具体手順

フレームワークは、使い方を誤れば「単なる穴埋め問題」になりがちだ。そして単なる穴埋め問題であれば「作業」に過ぎないが、その背景にあるロジックまで理解できれば、それはあなたにとって一生ものの「スキル」となる。

もしあなたが「PEST分析について理解したい」「PEST分析を知ってはいるものの方法がわからない」という状態なら、ぜひこの解説を最後までお読みいただきたい。

ふんだんに図解を盛り込んだ上に、記事の後半にはダウンロード可能な9枚の無料テンプレートも用意している。必ず「PEST分析を思考ツールとして使い倒す方法」がマスターできるはずだ。 

ブランドマーケティングを学びたい方へ。このブログから書籍化した「ブランディングの教科書」。

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本論に入る前に、まずは僭越ながら拙著を紹介させていただこう。

「ブランディング」は捉えどころがなく、なかなか一歩を踏み出せない。あなたはこのような状況に陥ってはいないだろうか?

本書の執筆陣は、ある時は広告代理店のストラテジックプランナーとして、ある時は、外資系コンサルティングファームのコンサルタントとして、クライアントの実務担当者が悪戦苦闘する姿を見てきた。

「ブランディング」は、その本質を理解しないまま実行に移そうとすると、的を射ない小手先の手法を延々と繰り出すことになりがちだ。結果、やみくもに予算を消化したまま、成果が出ない事態に陥ってしまう…。

そのような事態を1件でも減らしたい。そう考えたのが本書を執筆した理由だ。

ブランディングの本は、どれも「ブランドのらしさ」「ブランドの世界観」など「ふわっと」した話になりがちだ。そして「ふわっ」とした話になればなるほど抽象的かつ曖昧な概念論になってしまい、企業組織の中で通すことが難しくなる。

本書は、外資系コンサルティングファームと広告会社で培った「生の知見」をふんだんに盛り込みつつ、つい「抽象論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

もちろん、PEST分析や3C分析、STP戦略などについても徹底解説している。

「理論」が理解できなければ、ブランディングを体系化できず、ビジネスに再現性を生むことができない。そして「実践」が理解できなければ、ビジネスに成果をもたらすことができない。

本書は、ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」として、ブランド戦略の再現性と成果を目指した書籍だ。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

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など、ありがたい言葉を頂いている。

  • クッキー規制によりデジタルマーケティングでCTRやCVRが頭打ち。CPAは下がるどころか、少しずつ上昇傾向ですらある。
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  • 「自社にはブランディングが必要だ」と理解はしているが、概念が抽象的過ぎて、どう周囲を巻き込んでいいかがわからない。

もし、あなたがこれらに当てはまるなら、ぜひAmazonのページで本書の目次をチェックしていただきたい。つい感覚論になりがちな「ブランディング」に対して、

  • なぜ、そうなのか?
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  • 具体的な日本のブランドの事例は?

を徹底して解説しているので、あなたのお役に立てるはずだ。

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PEST分析とは

PEST分析とは-1:PESTの意味

「PEST分析」とは、世の中の流れ(=マクロ環境)が自社にどのような影響を与えるかを分析するフレームワークだ。読み方は「ペスト分析」と読む。

PEST分析の「PEST」とは、Politics、Economy、Society、Technologyそれぞれの頭文字を取ったものだ。

  • Politics(政治的要因)
  • Economy(経済的要因)
  • Society(社会的要因)
  • Technology(技術的要因)

PEST分析とは、世の中の流れを4つの切り口に分け、事業戦略やマーケティング戦略上の機会と課題を分析することだ。

「PEST分析」とは

世の中の流れを、政治的要因・経済的要因・社会的要因・技術的要」の4つの切り口に分け、事業戦略やマーケティング戦略上の機会と課題を発見する分析手法。

また、上記のPESTに、

  • E: Environmental factors(環境的要因)
  • L: Legal factors(法律的要因)

を加え「PESTEL分析」と称されることもある。しかし通常「環境的要因」はPESTの「S:社会的要因」に含め、法律的要因は「P:政治的要因」に含むことが一般的なことから、本記事ではPEST分析のやり方を中心に解説する。

PEST分析とは何か?PEST分析の意味

PEST分析とは-2:PEST分析の目的

PEST分析は、マーケティングの父と言われるフィリップ・コトラー教授が、世の中の流れを分析し味方につける手法として提唱したフレームワークだ。

当たり前のことながら、マーケティングは政治・経済・社会・テクノロジーといった世の中の流れに影響を受ける。

こうした「世の中の流れ」のことをビジネスの世界では「マクロ環境」と呼ぶが、PEST分析の目的は、中長期的なマクロ環境を分析し、どのような変化がどのくらい自社のマーケティングに影響を与えるか分析し、STP戦略やマーケティングミックス(4P)戦略に活かしていくことだ。

コトラー教授が「調査をせずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場参入をしようとするようなものだ」と述べているように、PEST分析はあらゆるマーケティングの意思決定のインプットとなるため、非常に重要な分析だ。

PEST分析で留意しておきたいのは、冒頭でも述べた通り、情報収集や情報整理に終わることなく様々な「思考」を巡らし「機会や課題の仮説を立てる」ところまで辿り着くことだ。

PEST分析とは-3:PEST分析の重要性

あなたは「グレシャムの法則」をご存じだろうか?一般的には「悪貨は良貨を駆逐する」という経済学の法則として有名だが、ビジネスの世界にも「意思決定のグレシャムの法則」が存在する。

「意思決定のグレシャムの法則」とは、日々ルーチンな仕事に追われている人が、長期的な視点や革新的な解決策を考えられなくなってしまう現象を指す。

冒頭でも述べたように、PEST分析は、目先の売り上げや利益につながりにくいため、ついおろそかにされがちだ。しかし目先のルーチン業務にとらわれてしまい長期的な視野を持てなくなれば、いつの間にか大きな時流の変化に飲み込まれ、取り返しのつかないことになる。

PEST分析の重要性-1:PESTはマーケティングに大きなインパクトを与える

PEST分析の分析項目であるPESTは、それぞれ以下のような性質を持っている。

  1. P(政治的要因):
    市場競争の前提となる「市場競争のルール」そのものを変化させる。
  2. E(経済的要因):
    売上やコストなど利益に直結する「価値連鎖」に影響を与える。
  3. S(社会的要因):
    売上の元となる生活者の需要構造に影響を与える
  4. T(技術的要因):
    市場競争のKSFを変えてしまう。

これらを見ると、PESTはあなたのビジネスの「根底」に影響を与えかねないインパクトを持った要素ばかりであり、決しておろそかにすべきでないということがご理解いただけるだろう。

PEST分析の重要性-2:PESTは一企業の努力では変えられない

マーケティングには、大きくわけて

  • 「市場環境の変化に合わせる」という適応型の戦略
  • 「市場環境を成り立たせているそもそもの前提(条件)を変えてしまう」

という創造型の戦略の2つが存在する。

しかしPESTは「世の中全体の大きな潮流」であるために、一企業の努力だけで「前提を変える」ことは難しい。よってPEST分析においては、いかに世の中の流れを正確に捉え「世の中の流れを味方につけるか?」という視点が重要になる。

ここまでお読みになれば、PEST分析をおろそかにし、自覚がないままPESTと逆行するような戦略を描いても、成果が出ないことにお気づきのはずだ。

PEST分析の重要性-3:PESTは、あらゆる戦略・施策の前提となる

あなたがマーケティング担当者なら、様々なマーケティング施策を思い描いているはずだ。

しかしもし仮に、あなたの上司やチームメンバーから「なぜその施策をやる必要があるのか?」と問われたとき、あなたはどう答えるだろうか?

おそらくあなたは「自社のマーケティング戦略に沿った施策だから」と答えるははずだ。あらゆる施策は戦略に沿ってなされる以上「戦略に沿っている」ことは正解だ。

それでは次に「なぜその戦略をとるべきなのか?」と問われたとき、今あなたはどう答えるだろうか?

あらゆる戦略は「機会をとらえる」か「脅威を避ける」ために行われる。そして「機会をとらえる」にせよ「脅威を避ける」にせよ、なぜそれらを「機会(あるいは脅威)だと見なすのか?」が説明できなければ、戦略の必要性自体を説明できなくなる。

上記からわかる通り、PEST分析がない限り、そこから生じる機会や脅威を説明することはできない。そして機会や脅威を説明できなければ、戦略を説明することはできない。さらに戦略を説明できなければ、あなたが実行しようと思っている施策の正当性を説明することもまた、できない。

ここまでお読みになって、勘のいいあなたならお気づきのはずだ。

もしあなたがPEST分析をおろそかにしてしまったら、あなたが考える様々な施策は、根拠がないため社内を通らない。あるいは通ったとしても、全く的外れな施策になってしまうリスクが生じる。

どんなに優れた戦略や施策も、それらを成り立たせる前提が間違っていれば的外れなものになる。「PEST」は、あらゆる戦略・施策の前提となるために、決しておろそかにしてはならない。

PEST分析の重要性:PEST分析が重要な3つの理由

 

PEST分析の項目と例

ここからは、PEST分析の基本である4つの項目について、事例を交えながら解説していこう。

PEST分析の項目と例-1:政治的要因

PEST分析の項目と例-1:政治的要因

PEST分析のP(Politics:政治的要因)とは、法律や条例、あるいは規制、補助金制度など、行政レベルのルールの変化のことを指す。重要なのは、自社のマーケティングに及ぼす影響を見抜くことだ。

「政治的要因」の項目の具体例

政治的要因がマーケティングに影響を与える主な項目を示すと、下記の通りだ。

  • 法改正・判例・規制緩和
  • 税制の変化
  • 政治動向
  • 政治思想の潮流、変化
  • 補助金制度・交付金制度・特区制度の変化
「政治的要因」の事例

冒頭で、フレームワークは情報を収集・整理するだけでなく「思考を巡らし、示唆を導きだすことが重要だ」と解説した。

よってPEST分析をする際には「なぜ」政治的要因を分析することが重要なのか?も念頭に置きながら分析を進めてほしい。

例えば食品業界では2015年に、機能性表示食品制度が解禁された。

それまでは個別認可が必要だった「特定保健用食品(トクホ)」や自己認証が必要だった「栄養機能食品」とは異なり「機能性表示食品」は規制緩和により事前届出のみで機能性表示が可能となった。2020年の現在では、数多くの機能性表示食品が発売されている状況だ。

このような規制の緩和により、早めに対応に着手したブランドにとっては「機会」となり、対応の検討が遅れたブランドにとっては「脅威」となる。

それまでは法律によって「食品の機能性表示の有無」は明確に区別され市場も分かれていたが、この機能性表示食品制度の解禁により、事実上、市場間をまたいだ競争に変化している。

「政治的要因」の重要性

ここまでお読みになれば「政治的要因」が重要な理由は、もうお分かりのはずだ。

政治的要因は、時にマーケティングの前提となる「市場競争のルール」そのものを変化させてしまうからだ。

例えば、2020年には個人情報保護法の改正が予定されており、クッキーが個人情報と見なされるようになれば、アドテクノロジー企業は抜本的な改革を迫られる。更に、自動車業界の例では、ヨーロッパを中心に環境規制が強まり、ディーゼル車市場は消滅の危機にさらされている。

このように、政治的要因がもたらす変化によって、市場自体が消失してしまうことも有り得るのだ。

PEST分析の項目と例-2:経済的要因

PEST分析の項目と例-2:経済的要因

PEST分析のE(Economy:経済的要因)とは、経済成長や景気、物価や為替動向など、経済の動向変化のことを指す。こちらも重要なのは、自社のマーケティングに及ぼす影響を見抜くことだ。

「経済的要因」の項目の具体例

経済的要因がマーケティングに影響を与える主な項目を示すと、次の通りとなる。

  • 景気動向の変化
  • 賃金動向の変化
  • 物価・消費動向の変化
  • 為替の変化
  • 金利の変化
  • 株価の変化
「経済的要因」の重要性

もしあなたがどこかで経済学を学んだことがあるなら「需要と供給のバランスが価格に影響を与える」とされる経済理論はご存じのことだろう。一般的には「価格均衡理論」と呼ばれる。

PEST分析の項目の一つである「経済的要因」は、時に「売上」や「投資・コスト」に対して大きな影響を与える。

あらゆるビジネスは、人や原材料を仕入れることからはじまる。まずはこの仕入れ局面で「人や原材料の需給バランス」という経済的要因が働く。

もし為替変動があれば、例えば食品業界では原材料の輸入コストが変動する。また、近年の労働力不足が続けば人件費は上がり続ける。もしあなたのブランドが「価格競争力」を強みにしているブランドなら、これらの変動はコスト面や投資面で捨て置けない経済的要因となる。

さらに、多くのブランドは仕入れをもとに付加価値をつけ、顧客に販売する。しかしこの販売局面でも経済的要因は働く。

例えば、もしあなたが自動車業界のマーケティング担当者だったと仮定しよう。あなたが高級自動車のマーケティング担当者なら、賃金動向や、富裕層の消費を左右する株価動向は、あなたの自動車ブランドの売り上げを大きく決定づけるだろう。

このように「経済的要因」が重要な理由とは、時にあなたのブランドの「価値連鎖」に影響を与えるからだ。

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PEST分析の項目と例-3:社会的要因

PEST分析の項目と例-3:社会的要因

PEST分析のS(Society:社会的要因)とは、生活者のライフスタイルや意識の変化などを指す。社会的要因は、多くのマーケティング担当者にとって、最も身近な要素のはずだ。

「社会的要因」の項目の具体例

社会的要因がブランディングに影響を与える主な項目を示すと下記の通りとなる。

  • 人口動態の変化
  • 社会インフラの変化
  • ライフスタイルの変化
  • 社会事件
  • 流行
「社会的要因」の重要性

近年の「社会的要因の変化」の代表例は「単身世帯の増加」だ。2020年の現在においては、

  • 未婚者の増加
  • 離婚者の増加
  • 単身高齢者の増加

の3つの要因によって単身世帯が急増している。

この変化を受けて、食品業界では単身者にも受け入れられやすいように「小容量化」「個分け包装化」が進んでいる。

また、女性の社会進出により「買い物や家事に時間をかけたくない」というニーズが生まれ、ネットスーパーや時短商品の成長が加速しているのもご存じの通りだ。

また、社会的要因は突発的な社会的事件大きく影響を受けることもある。

例えば2016年から2017年にかけて次々に明るみになった大手企業の過労死事件などは、それまで「時間外労働=美徳」という価値観から「時間外労働=悪」という価値観に一変させ、現在も「働き方改革」として様々な企業や消費に影響を与えている。

社会的要因が重要な理由とは、生活者の「需要構造」に大きな影響を与えるからだ。

PEST分析の項目と例-4:技術的要因

PEST分析の項目と例-4:技術的要因

PEST分析のT(Technology:技術的要因)とは、商品開発技術や生産技術、あるいはマーケティング技術の変化などを指す。

「技術的要因」の項目の具体例

技術的要因がブランディングに影響を与える主な項目を示すと下記の通りとなる。

  • ビッグデータ
  • IT・デジタル技術
  • 設計技術
  • 研究開発技術
  • 生産技術
「技術的要因」の重要性

例えば自動車業界では、ハイブリッド車や電気自動車など次世代車へのシフトが進んでいる。

次世代車へのシフトが進むということは、動力がエンジンからモーターに切り替わり、アプリケーションが車を制御する、いわば「スマートフォンのような車」になることを意味する。

また、多くのマーケティング担当者にとって「技術的要因」の中でも最も身近で、かつインパクトが大きいのが「IT・デジタルテクノロジー」であることは、あなたも異論がないはずだ。

近年、IT・デジタルテクノロジーの進化によって、ブランディングやマーケティングは大きな変化に晒されている。

2020年現在、IT・デジタルテクノロジーによって生じたマーケティング手法の変化は、ざっと思いつくだけでも以下のような事例が挙げられる。

  • スモールスタート:
    グーグルやフェースブックなどのプラットフォーマーの登場により安価に広告やWEBサイトのA/Bテストが行えるようになり、これまでと比べて「小さく初めて大きく育てる」ことが可能になった。
  • リアルタイム:
    マーケティングのデジタル化によって、生活者の動きがデータとしてリアルタイムに可視化され、リアルタイムでPDCA改善を行えるようになった。
  • ロングテール:
    デジタルテクノロジーの普及によって顧客獲得の変動費が下がり、ロングテールでも利益化が可能になった。
  • マイクロセグメント:
    デジタルテクノロジーとビッグデータを掛け合わせることにより「個客」を捉えることが可能となった。
  • フラット化:
    デジタルテクノロジーによって、ビジネスのKSFが「規模の論理」から「質の論理」にシフトした(例えば検索結果の上位表示やソーシャル拡散などは「量」より「質」が重視される)。その結果、インターネット上ではフラット化が起き、小資本のプレイヤーにも逆転のチャンスが生まれた。
  • オールウェイズ・オン:
    スマートフォンの浸透により、生活者はいつでもどこでもブランドと接点が持てるようになった。

しかしこれらもGoogle Chromeのクッキー規制などにより、現在進行形で変化が迫られている領域だ。

ここまでお読みになれば 技術的要因が重要な理由は、もはや説明するまでもないはずだ。「技術的要因」は、競争のKSFを変えてしまうのだ。

PEST分析の手順と実例

実務でPEST分析を行っては見たものの、なかなか有益な示唆が導き出せない。あなたはそのような経験をしたことがないだろうか?

PEST分析には陥りがちな罠が存在する。その「罠」の典型は、いきなりPESTにそって絨毯爆撃的な情報収集に着手してしまうことだ。その結果、ひたすら情報収集に時間がとられ「思考」や「解釈」あるいは「示唆」まで行き着かないまま時間切れ、というパターンに陥りやすい。

PEST分析が扱う「政治的要因」「経済的要因」「社会的要因」「技術的要因」は、一見世の中を分析するフレームワークとして、その範囲が絞られているように見える。しかし、極論すればPEST分析は「世の中全体を4つに分類して分析しましょう」と言っているのと同じだ。

そして「世の中」を「絨毯爆撃的に」情報収集し分析しようとすれば、あなたの業務はどうなってしまうか?はおおよそ想像できるはずだ。

だとすれば、より生産性の高いPEST分析を行うには「PEST分析の4つの項目」を「どのような視点で」収集し、分析するか?という「視点」が必要だ。なんらかの「視点」を持ち込み、情報収集や分析の範囲を絞り込むことで、PEST分析の生産性を高める必要がある。

これ以降は、上記を踏まえた上で「思考ツールとしてのPEST分析の方法」と「手順」について、図解を交えて解説していこう。

PEST分析の手順と実例-1:「ブランド提供価値」という視点で「PESTの変化」を情報収集する

このブログを執筆しているk_birdは、PEST分析を行う前に必ず「ブランド提供価値」を再確認している。それもかなり念入りにだ。その理由は以下の2点だ。

  • ブランドの根幹を揺るがしかねない「世の中の変化」を見抜くため
  • 潜在的な「世の中の変化」を見抜くため

以下、解説しよう。

ブランド提供価値を再確認すべき理由-1:ブランドの根幹を揺るがしかねない「PESTの変化」を見抜く

あなたが担当するブランドには「品質」や「機能」「価格」など様々な側面があるはずだ。しかしそれらの中で「ブランド提供価値」だけが、唯一「あなたのブランド」の存在理由であり「生活者」と「あなたのブランド」をつなぐ要素となる。

ブランド提供価値とは「生活者があなたのブランドから受け取る喜びの大きさ」のことを指す。そして生活者は「あなたのブランドから得られる喜び」に対してお金を払ってくれている。そうである以上、ブランド提供価値に変化を迫る世の中の変化は、そのままあなたのブランドの存在理由を揺さぶる変化となる。

このように「何が一番重要なのか?」という本質を突き詰めて考えていくと、PEST分析を行う際に念頭に置くべき視点は以下の通りとなる。

PEST分析を行う際の視点

様々な変化の中でも「ブランド提供価値(=生活者が受け取る喜びの大きさ)」に影響を与えうるPESTとは何か?

もしあなたがいち早く自社ブランドの存在理由を揺るがしかねない変化に気付きたいのなら「ブランド提供価値に影響を与えうるPESTとは何か?」という視点を持とう。

「ブランディング」や「ブランド提供価値」について詳しく理解したければ以下の記事で解説しているので、まだご覧になっていない方は参照していただきたい。

ブランド提供価値を再確認すべき理由-2:潜在的な変化を見抜くため

PEST分析の視点を「ブランド提供価値」に置くと、これまで気付きにくかった潜在的な変化に気付けるようになる。

例えば航空業界(国内線)を例にとって解説しよう。もしあなたが航空会社のマーケティング担当者だったとしたら、自社ブランドの「脅威」として、何が思いつくだろうか?

多くの場合「競合航空会社の動向」だろう。

  • 「JALの動きはどうか?」
  • 「ANAの動きはどうか?」
  • 「格安航空会社の動きはどうか?」
  • 「外資系航空会社の動きはどうか?」…。

しかしブランド提供価値の一つである「実利価値」を基準に置いた場合、あなたのブランドに脅威をもたらすのは競合の航空会社だけではないことに気付くことができる。

仮に、航空会社の実利価値が「遠い場所に短時間でたどり着けること」だった場合、その価値に影響を与えるのは競合航空会社だけではない。

例えばJRでは、

  • 2011年:九州新幹線
  • 2015年:北陸新幹線
  • 2016年:北海道新幹線

など、全国各所で新幹線が続々と開通し、これからも高速鉄道網の整備・開通が予定されている。さらに鉄道だけでなく全国の高速道路でも、新たな高速道路の開通が予定されている。

これらは、航空会社にとっては直接的な競合ではないものの、潜在的な脅威となる。

このように、PEST分析の前に「ブランド提供価値」を再確認しておけば、単に「競合企業の動向」だけでなく「ブランド提供価値に影響を与える変化すべて」という視点が持てるようになる。

さらに思考を巡らせてみよう。

今度は航空会社のブランド提供価値を「遠い場所にいる人に短時間で会えること」とした場合に、どのような脅威が想定できるだろうか?

上記の実利価値も、潜在的な脅威が存在している。その「潜在的な脅威」とは「Technology:技術的要因」の変化である「TV会議システム」の普及だ。

あなたもご存じの通り、多くの航空会社にとって「ビジネス出張」はドル箱のビジネスだ。しかし多くの企業でTV会議システムが普及すれば、飛行機を伴う出張のニーズは大きく減少する。

こちらも「航空業界のブランド提供価値」を「遠い場所にいる人に短時間で会えること」として事前に再確認しておかない限り、潜在的な脅威に気付きにくい。

PEST分析を行う前には、ぜひ「ブランド提供価値」を再確認しておこう。そうすれば上記の航空会社の例のように、PESTに関わる潜在的な変化にも気付けるようになるはずだ。

PEST分析の手順と実例-1:ブランド提供価値を再確認し「PESTの変化」を情報収集する

PEST分析の手順と実例-2:「PESTの変化」を機会と脅威に分類する

単に「PESTのフレームワークに基づいて情報を集めました」だけでは有益な示唆は得られない。

ブランド提供価値に沿ってPESTの変化を収集した後は、それらの変化が自社のブランドにとって「機会」となりえる変化なのか?それとも「脅威」となりえる変化なのか?を検討し分類しよう。

PEST分析の手順と実例-2:「PESTの変化」を機会と脅威に分類する

ここで気を付けたいのは、視点を変えることで一見「脅威」と思えるものが「機会」となったり、あるいはその逆もあり得る点だ。

例えば多くのリアル店舗を持つ小売業にとって「Technology:技術的要因」から派生した「インターネット通販の台頭」は脅威に映る。しかし近年のO2Oやオムニチャネルに見られるように「インターネットとリアル店舗のシームレスなブランド体験の提供」と視点を変えればTechnology:技術的要因」の変化は大きな機会と解釈することもできる。

現実に、ある小売業ではリアル店舗で「試着」のみを体験してもらい、買うと決めたらタブレットで注文し、送料無料で宅配してもらうという「在庫レス」店舗を実現している。これなどはTechnology:技術的要因」の変化をうまく味方につけている事例だ。

このように、PESTの変化はモノの見方や解釈の仕方によって「機会」にも「脅威」になりえる。よって情報収集によって明らかになったPESTの変化を解釈する際には、受け身的に「機会」「脅威」に分類するのではなく

  • 脅威を機会に変えられないか?
  • どのような条件を揃えれば、脅威を機会に変えられるのか?

など「PESTの変化を味方につける視点」を持とう。

PEST分析の手順と実例-2:視点を変えることで「脅威を機会に変えられないか?」を考える

PEST分析の手順と実例-3:「PESTの変化」の蓋然性を検討する

どのような分析も、過去に対してではなく、未来に向けてなされる。しかしあなたは神様でないのだから「未来に何が起こるかは、その時になってみないとわからない」というのが正直な気持ちのはずだ。

しかし、あらゆるビジネスが未来に向けてなされる以上「未来のことはわからない」と言ってはいられない。その時に重要になってくるのが「PESTの変化」に対する蓋然性の高さだ。

ここでいう蓋然性の高さとは「PESTの変化」が将来起こりうるか否か、確実性の度合いのことを指す。もちろん未来を正確に予測することは難しいが「どのくらい蓋然性が高いか?」を予見することは可能だ。

蓋然性の高さを検証する際には、以下の2つの視点が有効だ。

  • 「将来起こりうる変化」を示す証拠の多さ
  • 人間本来の根源的な性質に則しているかどうか

以下、解説しよう。

PEST分析の蓋然性-1:「将来起こりうる変化」を示す証拠の多さ

先ほどの「航空業界とTV会議システム」の事例で解説しよう。

話を単純化するために、TV会議システムが航空業界にとって脅威となりうるか?という蓋然性の高さは「今後、TV会議システムが浸透しうるかどうか?」で決まると仮定しよう。

よって、ここではTV会議システムの提供価値を「遠い場所にいる人に瞬時で会えること」と捉え、PEST分析のフレームワークを使って「TV会議システムが普及することを指し示す証拠が多いかどうか」を検討する。

  1. 政治的要因:
    政府が「世界最先端IT国家創造宣言」の中で、在宅勤務の導入などワークスタイル改革を推進している
  2. 経済的要因:
    働き方改革や生産性向上の気運が高まり、企業の間で通勤や出張などの時間短縮ニーズが拡大している。
  3. 社会的要因:
    コロナウイルスの騒動によって、リモートワークの重要性が再認識されている。
  4. 技術的要因:
    IT業界が開発したMicrosoft Office 365 や Google Apps for work など、グループウェアにWEB会議システムが標準で搭載されてきている

これらを踏まえると、政治的要因・経済的要因・社会的要因・技術的要因というすべての要因が「TV会議システムが普及する方向」を指し示していることがわかる。このように「複数のPESTの要因が」「同じ方向の変化を指し示している」場合、将来「PESTの変化」が起こりうる蓋然性は高くなる。

PEST分析の手順と実例-3:「PESTの変化」の蓋然性を検討する

PEST分析の蓋然性-2:人間本来の根源的な性質に則しているかどうか

「人間本来の根源的な性質」とは、以下のようなものを指す。

  • 生活者がより得する方向の変化
  • 生活者がより便利になる方向の変化
  • 生活者がより直感的にわかりやすくなる方向の変化
  • 生活者がより幸福になる方向の変化

これらを複数満たす場合、その変化の蓋然性は高くなる。

PEST分析の手順と実例-4:「PESTの変化」を短期と長期にわける

あなたは会議やディスカッションの際に「なかなか議論がかみ合わない」という局面に出くわしたことがないだろうか?

その原因の中でとりわけ多いのが「参加メンバーが念頭に置いている時間軸がバラバラ」であることだ。あるメンバーは長期的な課題について問題提起をしているものの、あるメンバーは直近の現場課題の発言に終始する、などが典型だ。

これは当たり前のことだが、短期的な課題は施策の変更で解決できるものの、長期的な課題は構造的な問題であることが多く、中長期的かつ組織的な取り組みが必要になることが多い。

それらの「短期的な課題」と「長期的な課題」を混在させたまま議論をしてしまっては、目線が嚙み合わないまま時間が過ぎ、会議の生産性を落とすのは当然だ。とりわけ「PEST分析」は「世の中の流れ」を扱うだけに、短期的な課題と長期的な課題が混在しがちだ。

よって「PESTの変化」のうち「蓋然性の高いもの」に絞ることができたら、今度はそれらを「短期的な変化」と「長期的な変化」わけた上で優先順位をつけ、それぞれの対応策を検討するようにしよう。そうすればメンバー全員の目線が揃いやすく、より生産性の高い議論ができるはずだ。

PEST分析の手順と実例-4:「PESTの変化」を短期と長期にわける

PEST分析の手順と実例:無料PDFテンプレートのダウンロード

PEST分析は「世の中の流れ」を扱うだけに幅が広い。さらに「視点の切り替え」や「蓋然性の検討」など、うまく使いこなそうとすると「多様な視点で変化の本質をとらえる」必要がある。よってPEST分析を行う際には1人でうんうん頭をうならせるよりは、チームメンバーが参加するワークショップ形式のほうが生産性が高まりやすい。

今回の解説では、PEST分析を「思考ツール」として使いこなすためのテンプレートを用意している。以下の画像をクリックしてもらえれば、ダウンロードできるようになっている。

ぜひ、あなたはもちろん、チームメンバーで使いこなしていただければ幸いだ。

PEST分析とは?使えるPEST分析のやり方を徹底解説【無料テンプレート付】

最後に:PEST分析・3C分析・SWOT分析などのフレームワークが学べるおすすめ本2冊

締めくくりに、マーケティング・ブランディング担当者へのお薦めのビジネスフレームワーク関連書籍を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  1.  k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるビジネスフレームワーク関連書籍。
  2. 実際に実務に役立っているビジネスフレームワーク関連書籍。
  3. 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるビジネスフレームワーク関連書籍。

ぜひ、用途に応じて読み分けていただきたい。

グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50

フレームワークを知っているのと知らないのとでは、ビジネスの「質」も「スピード」も格段の差がでてきてしまう。

フレームワークの利点は、これまでのビジネスの歴史の中で鍛えられてきた「有用な視点・枠組み」をシンプルに提供してくれることだ。

優れたフレームワークは、すでにその有用性が担保されていることから、うまくビジネスに応用することでアウトプットの質は劇的に高まる。

また、暗中模索でスタートするよりも思考のスピードが劇的に高まることも利点だ。

フレームワークは「使えてなんぼ」である以上、数が多いから良いというものではない。

その点、本書はMBAスクールであるグロービスが厳選した50のフレームワークを紹介されている。もし、仕事の「質」や「スピード」を劇的に高めたいなら、ぜひ、デスクの上に置いておきたい一冊だ。

戦略フレームワークの思考法

あなたは、様々なビジネスフレームワークを使いこなせているだろうか?

とりあえず情報をフレームワークに当てはめてみたものの、そこから先が使いこなせずにいるビジネスパーソンは多い。

また、ただ単に情報を整理するだけでは、価値ある示唆を導き出すことはできない。

本書の特筆すべき点は、単なるフレームワークの紹介にとどまらず、その使い方の解説が充実している点だ。

もしあなたが「多くのフレームワークを知ってはいるものの使いこなせない」「示唆を導き出せない」という状態なら、本書はあなたにとって価値ある書籍となるだろう。あなたを「フレームワークが使える」状態に導いてくれるはずだ。

このブログから書籍化した本4冊

ブランディングの理論と実践をつなぐ「ブランディングの教科書」

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冒頭でも紹介したが、再度ここでも紹介させていただこう。

ブランディングは、ややもすれば「デザインの話」「広告の話」「世界観の話」など、掴みどころのない抽象論に陥りがちだ。

しかしブランディングは「ブランド戦略」という言葉があるように、企業の成否を大きく左右する戦略のひとつだ。そして投資が伴う以上、一定の合理性と説明責任が求められる。決して、売上や利益から逃げてはならない。

本書は、つい「感覚論」に陥りがちな「ブランディング」に対して「論理的な納得性」と「直感的な腹落ち感」の両面を追求した書籍だ。

「論理」が理解できなければ、ブランディングを体系的に理解することできず、再現性を生むことができない。

そして「直感的な腹落ち感」がなければ、ブランディングを実務に落とせず、成果をもたらすことができない。

本書は、広告代理店&外資系コンサルティングファームで培った「生の知見」と「体系的な解説」を通して、ブランディングの理論を実践へとつなげて解説している。

おかげさまで、本書はAmazon kindle売れ筋ランキング「消費者主義」ジャンルでベストセラー1位を獲得し、Amazonレビューでも、

  • 「ふわっとしたブランディングの本が多い中で、異彩を放っている」
  • 「事例も多いので実践のイメージが湧きやすい」
  • 「海外企業の事例ばかりが紹介されている輸入本だとピンとこない、という方にお薦め」

など、ありがたい言葉を頂いている。

もし本書を手にとって頂ければ、ブランディングの専門用語はもちろん、実践の手順や実務の勘所が、一通り学べるはずだ。

シャープな仮説を生み出す頭の使い方」を徹底解説

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あらゆるビジネスは「仮説」こそが成否を握る。

なぜなら、仮説を生み出せなければ次の一手を見出しようがなく、検証のしようもなくなるからだ。つまり、ビジネスの成長は止まってしまうことになる。

しかし仮説思考の書籍の多くは、仮説思考のメリットは説くものの、肝心の「仮説思考のマスターの仕方」になると、

  • 「センスが必要」
  • 「経験の積み重ねが物を言う」

など「それを言ったらお終いよ」という結論で終わらせているものが多い。

しかし本書は「仮説思考に必要な推論の手順」を、豊富な事例とともに解説している。よって、その手順通りに推論を重ねれば「センス」や「長年の経験」に頼ることなく、誰でも優れた仮説を導き出せるようになる。

おかげさまで本書は5版を重ね「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にノミネートいただいた。NewsPicksやNIKKEI STYLE、lifehackerなど多くのメディアで取り上げていただき、中国や台湾、香港でも出版が決定している。

さらにAmazonレビューでも、

  • 「ここ数年の仮説思考系の書籍で久々のヒット」
  • 「自分オリジナルの武器にしていけそうな良書」
  • 「一生もののスキルになるのは間違いない」

など有難い言葉を頂戴しており、5刷を重ねている。

もしあなたがシャープな仮説を導き出せるようになりたいなら、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。

ロジカルシンキングでは学べない「視点力」と「法則力」を身につける※無料のオーディオブック特典付

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人は誰しも「視点」を通してしか物事を考えることができない。

別の言い方をすれば「そもそも何を考えるべきか?」という論点(=イシュー)は、視点が決めてしまうともいえる。

また、どんなに適切な視点を置いたとしても「ああなれば→こうなるだろう」という「予測のパターン(=法則)」が頭の中になければ、確かな仮説を導き出すことはできない。

本書はビジネス書から「視点」と「法則」を発見し、思考の質とスピードを上げていく独学術を解説した書籍だ。

1つの「視点」しか持てない人は、1つの論点しか設定することができない。当然、導き出せる仮説も1つだけだ。

しかし5つの「視点」を持てれば、5つの論点を設定できるようになる。その結果、5つの仮説を導き出すことができるようになるはずだ。

もしあなたが自由自在に「視点」を操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「新たな可能性」を拓くことができるようになる。

また、数多くの「法則」をストックしていけば、様々な現象に「法則」を当てはめることで「筋の良い仮説」を瞬時に導き出すことが可能になるはずだ。

おかげさまで、本書はThe21や日経、STUDY HACKERなど多くのメディアに取り上げていただき、発売3か月で海外の翻訳出版も決定した。Amazonレビューでも、

  • 視点力や仮説思考、抽象化スキルが身に付く良書
  • これまでの読書術の常識を次々と塗り替えている目からウロコの本
  • まさに「モノの見方を変える方程式」

など、ありがたい言葉を頂戴している。

もしあなたが「フレームワーク」だけでは得られない「視点力」と「思考スピード」を身につけたいなら、ぜひ本書で紹介する読書法を実践して欲しい。

※無料のオーディオブック特典付

8ジャンル57個の仕事術で「実践力」を身につける

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どのようなビジネスも、実践が伴わなければ成果は出ない。しかし、いざ「実践力」を身につけようとしても、その分野は、

  1. 時間管理術
  2. 段取り術
  3. コミュニケーション術
  4. 資料作成術
  5. 会議術
  6. 学び術
  7. 思考術
  8. 発想術

など多分野に渡り、最低8冊分の読書時間と書籍代がかかってしまうのが難点だ。

しかし、本書「超効率ハック」は、8つの分野の仕事術の「重要ポイントだけ」を抜き出し、ギュッと1冊に凝縮した書籍だ。

さらに、本書は「訓練や習慣化が必要な作業テクニック」ではなく「行動を変えるための頭の使い方」の解説に力を入れているため「頭のスイッチを切り替える」だけですぐに実践できるのも特色だ。

おかげさまで、本書を題材にしたSchooのオンライン授業では「思考法ジャンル」で人気ランキング1位を頂いた(139講座中)。また、lifehackerやOggiなど数多くのメディアで取り上げていただき、Kindleでは「オペレーションズ部門」でベストセラー1位を獲得している。

Amazonレビューでも、

  • 「思考と行動の質を上げるヒントが盛りだくさん」
  • 「読んでみると、頑張りどころを間違えてたことに気付かされる」
  • 「仕事が速い人はこれをやってたんだな、ということがよくわかった」

など、ありがたい言葉を頂戴しており嬉しい限りだ。

もしあなたが「短時間で網羅的に仕事術を学びたい」「根本から仕事の生産性を高めたい」と感じているのなら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

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終わりに

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかる解説」を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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