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視座・視野・視点とは|思考の範囲を広げる39の二項対立思考リスト

視野・視座・視点を広げる|新たな側面に気づく二項対立思考術

この記事に辿り着いたあなたなら、何らかの理由で「視座を高め」「視野を広げ」「自由自在に視点を変える」力を身につけたいと考えていることだろう。

巷には「ロジカルシンキング」の本が溢れ、ロジカルシンキング研修も活況を呈しているようだ。

一般に、ロジカルシンキングは「前提を置き」→「推論を働かせ」→「結論に至る」という筋道を辿るが、ロジカルシンキングは「推論の働かせ方」は教えてくれても「前提の置き方」は教えてくれない。

逆を言えば「前提の置き方」次第で「推論の働かせ方」が変わり、結果「結論」も変わってしまうのがロジカルシンキングだ。

これをデメリットとして捉えれば「ロジカルシンキングなんて、所詮は前提の置き方次第でいかようにでもなる」と揶揄することもできるが、逆を言えば「前提の置き方次第で、別の可能性を切り拓くことができる」ともいえる。

そして「別の可能性を切り拓く」上で欠かすことができないのが「高い視座を持ち」「視野を広げ」「視点を自由に切り替える」能力だ。なぜなら「モノの見方、捉え方」は、時に「常識的なロジカルシンキング」が置く「前提」を覆し、あなたの視界を広げてくれるからだ。

よく「イノベーションとは、常識を覆し、新たな常識を創り出すことである」といわれるが「視座・視野・視点を広げる力」はあなたの「常識(=置いている前提)」を覆し、新たなアイデアやイノベーションの源になるはずだ。

今回は「視座・視野・視点」それぞれの意味を解説しつつ「視座・視野・視点」を広げる上で有効な39個の「着眼点」を二項対立形式で紹介する。その内訳は以下の通りだ。

  • 視座を広げる5個の二項対立思考リスト
  • 視野を広げる12個の二項対立思考リスト
  • 視点を変える22個の二項対立思考リスト

「視座の多さ」「視野の広さ」「視点の多さ」は、あなたが見ている世界の広さとイコールだ。そして人は、自分が見えている範囲でしか、考え、行動することができない。

もしあなたが「視座を高めたい」「視野を広げたい」「多くの視点を持ちたい」と考えているのなら、今回の記事を「チェックリスト」として活用いただきたい。そうすれば「あなたが見る景色」は格段に広がるはずだ。

 

視座・視野・視点とは?それぞれの意味を定義する

視座とは?

視座とは-1:視座とは何か?視座の意味を定義する

あなたは、周囲や上司から、

  • 相手の立場に立って物事を考えろ
  • もっと大局的に物事を考えろ

と言われたことはないだろうか?もしあるとすれば、それは物事を見る上での「視座の違い」に考えが及んでいないからだ。別の言い方をすれば「自分の都合」でしか考えていないともいえる。

「視座」とは「物事をどの位置から捉えるか?」という「物事を見る上での立場」のことを指す。

「視座」とは何か

「物事をどの位置から捉えるか?」という「物事を見る上での立場」

例え同じ事実でも、事実を眺める「立場」によって、その解釈は大きく変わることがある。その際に、ぜひ意識しておきたいのが「視座の高さ」と「視座の違い」だ。

視座とは-2:視座の高さ

「視座の高さ」によって、思考の範囲は大きく変わる。

例えば、より高い視座から物事を見る「経営の視座」と、目の前の具体的な業務を見る「現場の視座」では「見える範囲(=視野)」が大きく変わる。

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視座とは-3:視座の違い

また「視座の違い」によっても、思考の範囲は大きく変わってくる。

例えば「データドリブンなマーケティングを実現する」という事実も「マーケティング部門の視座」「情報システム部門の視座」など立場の違いによって「見えるポイント(=視点)」が変わってくる。

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視座とは-4:視座を広げるメリット

もしあなたが「視座の違い」を理解できていなければ、あなたは単に「自分の立場から主張を押し付けるだけの、個別最適の人」になりがちだ。

しかしもしあなたが「視座を転換する力」を身につけることができれば、相手の視座に立って物事を考えることができるようになる。そうすれば多様な視座やその背景に想いを馳せることが可能になり「全体最適」を意識した考えを持つことができるようになる。

視野とは?

視野とは-1:視野とは何か?視野の意味を定義する

あなたは、周囲や上司から、

  • 長期的な観点で物事を考えろ
  • 全体を押さえてから物事を考えろ

と諭されたことはないだろうか?もしあるとすれば、それは物事を見る「視野の広さ」に起因する問題だ。

「視野」とは、物事を見たり考えたりする「範囲」のことを指す。

「視野」とは何か

物事を見たり考えたりする「範囲」
視野とは-2:視野が狭いことのデメリット

視野が狭いと「井の中の蛙大海を知らず」という諺にもある通り、あなたは狭い世界に囚われたままとなる。その結果、新たな可能性に気づくことができなかったり、狭い世界の個別の事象に振り回され「全体の傾向」に基づいた大局的な物の見方ができなくなる。

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視野とは-3:視野を広げるメリット

逆を言えば、視野の広げるコツを身につけ、視野を広げる習慣を持つことができれば、今までにない物事への気付きや、新しい知識や体験を得ることが可能になる。

更には、視野を広げることで個別の事情を脇に置き、全体の傾向を見抜いた上でビジョンや戦略、あるいは方針を決定することができるようになる。

視点とは?

視点とは-1:視点とは?視点の意味を定義する

あなたは周囲や上司から、

  • 常識に囚われずに考えろ
  • 既存のルールに縛られずに考えろ

と言われたことがないだろうか?もしあるとすれば、あなたの「視点」は固定化され、物事を考える方向や幅が限定されている可能性が高い。

「視点」とは「今、自分がどこに焦点を当てて物事を見ているか?」という「着目しているポイント」のことを指す。

「視点」とは何か

「今、自分がどこに焦点を当てて物事を見ているか?」という「着目しているポイント」

例えば「コップの中に水が半分入っている」という事実は、視点の置き方次第で「半分しか水が入っていない」と捉えるか、あるいは「半分も水が入っている」と捉えるか、あなたの認識は変わるはずだ。

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視点とは-2:視点を変えることのメリット

もし「自由自在に視点を変える力」を身につけることができれば、あなたは様々な物事に対して、人よりも多様な側面を気づけるようになる。

そうすれば、これまで見過ごしがちだったポイントに光を当て、新たな認識を生み出し、物事の新しい可能性を大きく広げることができるようになる。

また、多くの人たちが気づいていない「別の側面」に気づくことで、これまで常識だった認識を覆し、アイデアやイノベーションを生み出しやすくなる。

「視点を変える」ということは、物事を一つの側面から見るのではなく多角的な視点から見ることで、当たり前の「常識」に飲み込まれないためのスキルだ。

 

視座・視野・視点を広げる|39個の二項対立思考リスト

視座・視野・視点それぞれの意味が理解できたところで、ここからはあなたの思考の範囲を広げる二項対立思考リストを紹介していこう。

あえて二項対立としている理由は以下の2点だ。

  • 二項対立とすることで、あなたが見逃している「もう片方の着眼点」への気づきを促し、あなたの思考範囲を広げるため。
  • 二項対立とすることで、背反する2つの着眼点を高いレベルで両立させる思考を促すため。

冒頭でも触れた通り、物事は「前提の置き方」次第で別の可能性を見出すことができる。ぜひこの二項対立思考リストを活用することで、自分が無意識に陥ってしまっている視座・視野・視点のパターンに気づき、新しい世界を切り拓くきっかけにしてほしい。

視座を変える方法:視座を変える5個の二項対立思考リスト

視座を変える方法-1:「俯瞰の視座」と「ズームの視座」の二項対立思考

物事は、俯瞰的な高い視座で見るか、それともズーム的な低い視座で見るかによってその様相を変える。

例えば、企業の現場社員の視座から見れば「給料」は「毎月当たり前に貰えるもの」だが、経営者の視座から見れば「毎月、資金が流出するコスト」となる。従業員から見れば「たくさん貰えたほうが嬉しい」が、経営者から見れば「与えすぎると経営リスクになる」ものだ。

また、マーケティングの世界でも「市場」という俯瞰的な視座でターゲットを「塊」として捉えるのと、ズームの視座で「実在しそうな1人のペルソナ像」で捉えるのでは、その様相が変わる。

このように、物事は鳥の目の高い視座で見るか?蟻の目の低い視座で見るか?によって結論が変わることがある。もしあなたがその事を事前に理解していれば、単に自分の主張を繰り返すのではなく「双方の主張を取り入れてうまく融合できないか?」など、お互いの視座を合わせた創造的な問題解決ができるようになるはずだ。

視座を変える方法-2:「自責の視座」と「他責の視座」の二項対立思考

人は問題が生じると、その原因を自分の外側に求めて、解決を周囲の人に委ねがちだ。そして「他責」が組織にはびこると物事が他人任せとなり、 組織全体が事なかれ主義に陥っていく。

一方で、もしあなたが「自責」の視座を持てれば、これまでは「どうせ無理」と諦めがちだったことに対して、自分が貢献できる部分がわずかながらでも見えてくる。

何か問題が生じたときに「きっと誰かが何とかしてくれるはず」と他人に視座を置くのではなく「今、自分にできることは何か?」「自分がどんなアクションを起こせば、問題を解決する糸口になりえるか?」という「自分中心の視座」に変えることができれば、思わぬ糸口が見つかり成果につながるはずだ。

視座を変える方法-3:「売り手の視座」と「買い手の視座」の二項対立思考

マーケティングの世界には「ドリルを売るな、穴を売れ」という言葉がある。

その意味するところは「売り手はドリル(という手段)を売ろうとするが、買い手が真に欲しがっているのは穴(という成果)である」という、売り手と買い手の視座の違いだ。

よく、自社商品の性能やスペックなど「商品価値」をひたすら捲し立てる営業担当者に出くわすが、多くの場合、顧客側の関心は「利用価値」であり、その商品を購入することで得られるメリットや成果だ。

もしあなたが「売り手と買い手の視座」を転換して考えることができれば「ドリルの説明」ではなく「穴の説明」ができるようになるはずだ。

視座を変える方法-4:「強制の視座」と「自発の視座」の二項対立思考

誰かの行動を促そうと思ったときに、すぐに思いつくのが「指示」や「命令」だろう。しかし「指示や命令を受ける側」の視座に立てば、それらは「やらされ仕事」となり、いつしか「自分で考える力」を失わせていく。いわゆる「指示待ち状態」だ。

昔「ゴミの不法投棄を防ぐためにお地蔵さんを置いたらうまくいった」という記事を読んだことがあるが「ゴミの不法投棄禁止」という看板で「指示・命令」されるより「ここでゴミを捨てるとバチが当たるな」という気持ちを引き出したほうがはるかに効果的であることはおわかりいただけるはずだ。

もしあなたが「相手の視座」に立てれば「強制」をする前に「本人が自発的にやりたくなる気持ちを創るにはどうすればよいか?」という問いに想いが至るようになる。

視座を変える方法-5:「経済の視座」と「社会の視座」の二項対立思考

経済的な視座に立てば「正義」と思えることも、社会的な視座に立てば「悪」になることは世の中に数多く存在する。

例えば「ブラック企業」などは、経済的な視座に立てば正義かもしれないが、社会的な視座では「劣悪な労働環境」というレッテルを貼られた「悪」になる。

現在ではSDGsやCSVの台頭に見られるように「経済的な視座」と「社会的な視座」の両方が問われる時代だ。

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そしてもし、この両方を視座を高いレベルで両立することができれば「ビジネスの成功を通して社会をよりより良い場所に変える」エクセレントカンパニーへと成長できるはずだ。

視野を広げる方法:視野を広げる12個の二項対立思考リスト

視野を広げる方法-1:「全体」と「部分」の二項対立思考

「部分」は組み合わせると「全体」になる。そして「全体」を分解すると「部分」で構成されていることがわかる。

「全体」と「部分」は、あなたの視野を広げる上で習慣にして欲しい着眼点だ。

例えば「エステ業界」で考えてみよう。エステ業界関係者からすれば「エステ業界」が「全体」となる。しかし近年では「家庭用美顔器」「家庭用スチーマー」などの美容家電が普及しており、エステ業界を侵食し始めている。

もし、あるエステ企業が「エステ業界=全体」と捉え、エステ業界の動向だけをモニターしていては「美容家電」というエステ業界を越えたライバルの台頭に気付けないことになる。

一方で、もし全体を「美容業界」として再定義することができれば「エステ業界」は「美容業界」の「部分」として捉えることができるようになる。その結果、美容家電業界の動向も注視できるようになるはずだ。

もしあなたが自分の視野を広げたいなら「自分が捉えている全体は、本当に全体なのか?」「もし部分だと仮定すれば、全体とは何か?」を考える習慣をつけよう。

視野を広げる方法-2:「独立」と「関係」との二項対立思考

物事は、独立して存在しえない。物事には、必ず「対象物」と「周辺との関係」という2つの側面が存在する。

人は物事を捉える際に「対象物」のみを捉え「周辺との関係」を見逃しがちだ。しかし物事は「対象物の変化」だけでなく「周辺との関係の変化」によって大きく動いていくことがある。

だとすれば、物事を「対象物」として独立して考えるだけでなく、視野を広げて「周辺との関係」という側面でも捉えてみよう。そうすれば、物事同士には、

  • 相関関係
  • 因果関係
  • 包含関係
  • 補完関係
  • 相乗関係
  • 依存関係
  • 対立関係
  • 矛盾関係
  • 主従関係
  • 代替関係
  • 順序関係
  • 連鎖関係

など、様々な「関係」があることに気が付けるはずだ。

もしあなたが「対象物」だけでなく、視野を広げて「周辺との関係」にも目を向ければ、新たな発見を手に入れ、見える景色を広げてくれるはずだ。

視野を広げる方法-3:「直接」と「間接」の二項対立思考

物事には「直接的に作用する事柄」と「間接的に作用する事柄」の2つの側面が存在する。

例えばマーケティングの世界でいえば「販売促進」は値引きや景品をつけることで直接的に販売につなげる取り組みだ。

一方で「ブランディング」は、直接的な販売には寄与しないが、長い時間をかけて知名度や好意度を上げていくことによって、間接的に販売に寄与させていく取り組みといえる。

「直接的な事柄」は目に見えてわかりやすいだけに、ついそこだけに着眼点を置きがちだ。しかし視野を広げて「間接的な事柄」にも目を向けてみよう。「間接的な事柄」は目に見えないだけに真似されにくく、うまくマネジメントすれば強い競争力になりえる。

視野を広げる方法-4:「単独」と「組み合わせ」の二項対立思考

単独では素晴らしく思えても、組み合わせると大きくパフォーマンスが落ちるのは、よくあることだ。

例えば昔放映していたTV番組に「小学生クラス対抗30人31脚」という番組がある。小学生30人が片足ずつ紐で結び、30人で50メートル走のタイムを競う競技だ。

この競技は、1人の足の速い「スーパー小学生」がいても絶対に勝てない。なぜならこの競技の本質は「30人の組み合わせ」であり、そのタイムは「最も足の遅い小学生」に依存するからだ。

物事は、単独で捉えただけでは問題が解決しないことがある。もしあなたが「単独」ではなく「組み合わせ」まで視野を広げて考えることができれば、これまで光が当たらなかった「見えないボトルネック」が発見できるようになるはずだ。

視野を広げる方法-5:「個別」と「グループ」の二項対立思考

物事は、個別で認識するよりもグループで認識したほうが、新たな概念を発見しやすくなる。

例えば、あなたの配偶者や恋人のことを思い浮かべて欲しい。「あなたの配偶者」や「あなたの恋人」は個別性が高いことから、具体的な特徴に縛られ「限定したものの見方」に留まるはずだ。

しかし、もしあなたが「配偶者」や「恋人」をグループ化・概念化できれば、個別具体的な特徴に縛られることなく、様々な切り口で多面的に考えることができるようになる。

例えばあなたが男性なら、多くの場合「配偶者」や「恋人」は女性だろう。ここで「配偶者や恋人」を「女性」としてグループ化して捉えると「女性は男性と違い子供を産む」「女性は男性と同様に社会進出が進みつつある…」など、個別性に縛られず一般化した形で、様々な切り口を考えることができるようになる。

そうすれば「男性と女性には、生物学的な違いがある」「男性と女性には、ジェンダーとしての見方がある」など、新たな概念・切り口を発見しやすくなるはずだ。

このように、物事は「個別具体的」に見るだけでなく、視野を広げて「グループ」として捉えることで、これまで自覚的でなかった新たな概念に気づくことができる。

視野を広げる方法-6:「前提」と「論理」の二項対立思考

ロジカルシンキングが普及してからというもの「論理の筋道が正しいかどうか?」を厳密に考える機運は大いに高まったといえる。

そして冒頭でも触れた通り、ロジカルシンキングは「前提」→「推論」→「結論」で構成されるが、ともすれば「推論」ばかりに焦点があてられ「前提」の部分がおざなりになりがちだ。

もしあなたが「ロジカルシンキング」から一歩抜け出したいなら、論理の筋道だけでなく「そもそもの前提」まで視野を広げて、疑ってかかる習慣をつけよう。もし、その「前提」を覆すことができれば、新たなイノベーションを生み出すきっかけとなるはずだ。

視野を広げる方法-7:「規模」と「範囲」の二項対立思考

製造業の世界では、生産規模が大きくなるほど単位コストが下がり、コスト競争力が増すといわれる。いわゆる「規模の経済」といわれる現象だ。

しかし「規模の経済」の前提は「生産した分だけ売れ続けること」であり、もし売れなければ在庫が溜まり、生産量は落ち、規模の経済は働かなくなる。

日本国内では、すでに人口は減少局面に移っており、企業努力とは無関係に消費人口は減っていく。つまり「規模の経済」は働きにくくなる。

よって、今後多くの企業で求められるのは、より広い視野で世の中を見渡す「範囲」の視点だ。

例えば自動車業界では、単に「たくさん車を売る」のは限界を迎えつつある。よって「リースやレンタル、シェアリングなどのビジネスに範囲を広げる」「都市全体のモビリティサービスに範囲を広げる」などが求められてくるだろう。

物事は、つい「規模」や「量」で捉えがちだが、視野を広げて「範囲」に目を向けてみよう。思わぬ地平が広がっているかもしれない。

視野を広げる方法-8:「絶対」と「相対」の二項対立思考

物事を絶対的に捉えるだけでは、判断を間違うことがある。

例えば、あなたが担当している商品を思い浮かべてみよう。仮に当初の計画通り、ブランドイメージスコアで最も高かった項目が「親しみやすさ」だったとしたら、どのような感想を持つだろうか?

「当初の計画通りだから」と言って喜ぶのは時期尚早だ。

なぜなら、あなたの競合ブランドの方が相対的にスコアが高かったら、あなたのブランドは後塵を喫していることになるからだ。

あるいは、あなたのブランドの見込み客が「親しみやすさ」を重視してなかったとすればどうだろうか?

物事は、絶対的な視点だけではその良し悪しを判断できない。もしあなたが正しい判断をしたいなら、視野を広げて相対的に「比べる」視点を取り入れよう。

視野を広げる方法-9:「法則」と「例外」の二項対立思考

人は何らかの法則を見つけると、それに従いたくなる生き物だ。

例えば「広告量を増やせば売り上げが上がる」という法則を見つけたら「売り上げを上げるために広告量を増やそう」という結論になり「人口密度が高い地区に出店すれば、多くの来店客数が見込める」という法則を見つけたら「来店客数を確保するために、人口密度が高い地区に出店しよう」という結論になる。

法則は、先々のリスクを低減する上で重要な考え方だが、一方で視野を広げて「例外」に目を向けることで、新たな可能性を見出すことが可能になる。

例えば「広告費ゼロなのに売り上げを上げ続けている企業があるのはなぜか?」「人口密度が低い地区に出店しているのに来店客数が多い店が存在するのはなぜか?」など「例外」を起点にした問いは、これまで常識とされていた「法則」を打ち破るきっかけになる。

視野を広げる方法-10:「コンテンツ」と「コンテキスト」の二項対立思考

物事には「事実(=コンテンツ)」と「事実の裏側にある背景(=コンテキスト)」が存在する。

例えば、今あなたの目の前に椅子が置いてあると仮定しよう。「椅子という存在」そのものは事実であり「コンテンツ」だ。

しかし、もしあなたが「10キロのマラソンを終えて帰ってきたばかりである」という背景(=コンテキスト)が存在したら、あなたにとってその椅子は「疲れた体を癒してくれるありがたい存在」となるはずだ。

一方で、もしあなたが「引っ越し作業の真っ最中である」という背景(=コンテキスト)が存在したら、あなたにとってその椅子は「運び出さなきゃいけない面倒な存在」となる。

このように、例え同じ事実(=コンテンツ)でも「背景(=コンテキスト)」が変わることによって、コンテンツの意味合いが変わることがある。

もしあなたが「コンテンツ」から視野を広げ「コンテキスト」にも目を向けることができれば、事実そのものは変えられなくても「事実の裏側にある背景」を変えることで「事実の意味合い」を変えることができる。

視野を広げる方法-11:「時点」と「推移」の二項対立思考

物事を「その時点のみ」で捉えると、良し悪しの判断を間違うことがある。

例えば、仮に「今時点でのあなたの商品の市場シェアが40%」だとしたら、一般論として高いシェアといえるだろう。しかし「推移」に視野を広げた結果「ここ10年でシェアが下がり続けている」ことがわかったとしたら、大きな問題として認識するはずだ。

「いまこの時点でのスナップショット」だけでは「そのような状況に至った背景」を伺い知ることはできない。もしあなたが自分の視野を広げたいなら「今時点」だけでなく「そうなった推移」にも目を向けよう。

視野を広げる方法-12:「現在」と「未来」の二項対立思考

現在を起点に未来を考えるということは「現状の延長線上に未来がある」と考えるのとイコールだ。

しかし変化が激しい現在においては、必ずしも現状の延長線上に未来があるとは限らない。「イノベーションのジレンマ」にもあるように「現在を起点に考える」こと自体が大きなリスクになりえる時代だ。

もしあなたが視野を広げ「未来から逆算して現在を考える」ことができれば、過去や現在に囚われない大胆な発想ができるようになる。

未来のあるべき姿を考え、その姿を実現する上で必要な条件を洗い出し、一つ一つ条件を満たしていけば「現状の延長線上」とは異なる未来を創り出すことができるはずだ。

 

視点を変える方法:視点を変える22個の二項対立思考リスト

視点を変える方法-1:「目的の視点」と「手段の視点」の二項対立思考

あらゆる物事は「目的」に対して「手段」が存在する。「手段」だけが独立して存在することはありえない。

しかし「手段の目的化」は多くの職場で見られる「あるある」だ。「手段の目的化」を防ぐためには、物事を考える際に「今考えているのは目的なのか?それとも手段なのか?」について自覚的になる視点を持つことだ

そしてもし「今考えているのは手段のことだ」と感じたら「その目的は何だろうか?」に視点を変え、逆に「目的のことだ」と感じたら「その手段は何だろうか?」に想いを馳せてみよう。

目的は、あなたの向かう方向を決める。そして手段は、その方向にスピードを加速させる役割を担う。

もしあなたが「目的の視点」と「手段の視点」を柔軟に切り替える力が身に付けば、手段が目的化することなく、ブレない実行力を手に入れることができるはずだ。

視点を変える方法-2:「方向の視点」と「到達水準の視点」の二項対立思考

物事には「向かうべき方向を定める視点」と「どの程度至ったか?という到達水準の視点」が存在する。その典型例が「目的の視点(=方向)」と「目標(=到達水準の視点)」だ。

そもそも向かうべき「方向」がわからなければ、人や組織は行動を起こすことができない。そして向かうべき方向の「到達水準」がわからなければ、どれだけリソースを費やすべきかを見積もることができない。

近年では、物事のアクションを起こす際にKPIやKGIの設定が一般的となりつつあるが「方向だけ」「到達水準だけ」のKPI設定が散見される。しかし、本来「方向」と「到達水準」は表裏一体のはずだ。

もしあなたが「目的」のことを考えるなら、同時に「目標」という視点も持つ習慣をつけよう。またKPI数値など「達成水準」を考える際には「この数値を達成する目的はなんだっけ?」と考える習慣をつけよう。

目的と目標は、セットになって初めて機能するものだ。

視点を変える方法-3:「現象の視点」と「原因の視点」の二項対立思考

人は、ともすれば目に見える「現象」に目を奪われがちだ。

しかし世の中に生じている物事は、それらを生じさせている原因が存在する。そしてもし「現象」と「原因」の間にある因果関係を見極めることができれば、人為的に「原因」を発生させることで「現象」を生じさせることができる。逆に人為的に「原因」を消滅させることで「良くない現象」を発生させないようにすることも可能になる。

もしあなたが何らかの現象に気づいたら、それを生じさせている「原因」を考える視点を持とう。

また、逆に「起きている現象が、何らかの原因になりえるとしたら?」という仮定を置き、今後起こりえることを予測してみよう。

「現象」という視点と「原因」という視点を自由自在に行き来することができれば、あなたは「目に見えない因果関係」を洞察することができるようになるはずだ。

視点を変える方法-4:「表層の視点」と「原理の視点」の二項対立思考

物事は「表層に現れている現象」と「その背景で働いている原理・メカニズム」が存在する。

例えば、現在活況を呈しているプラットフォームビジネスについて考えてみよう。

「プラットフォームビジネスが流行っている」というのは、目に見える表層の視点にすぎない。その背景に働いている原理・メカニズムは「限界費用ゼロ」と「ネットワーク外部性」だ。

まずは「限界費用ゼロ」について解説しよう。

物理的なモノの世界では、生産量を1個・10個・10,000個と増やすと、比例的に仕入れ原価が増えていく。しかしデジタルの世界では、PV(ページビュー)が1PV・10PV・10,000PVに増えようが、材料を消費するわけではないため仕入れ原価はゼロだ。つまりどれだけ規模が大きくなっても仕入れコストがかからない「限界費用ゼロの原理」が働いている。

続いて「ネットワーク外部性」について解説しよう。

プラットフォームビジネスの本質は「マッチング」だ。この「マッチングビジネス」の特徴は「需要側の数」が「供給側の期待」を生み「供給側の数」が「需要側の期待」を生むことだ。

このように片方がもう片方に影響を与え、相乗的に好循環を作りながら規模を拡大していく効果を「ネットワーク外部性」と呼ぶ。

ここまでお読みになってお気づきかも知れないが、単にプラットフォームビジネスを「最近流行っているな」と表層的な視点で捉えるよりも「プラットフォームビジネスを機能させている原理・メカニズムの視点」まで踏み込んで理解しておけば、様々な分野に応用し、原理やメカニズムを味方につけやすくなる。

物事の表層は目に見えやすい反面、その背景にある原理やメカニズムは目に見えずらい。しかし「目に見えずらい」からこそ意識的に「原理・メカニズム」に視点を置こう。

もし新たな原理やメカニズムを発見することができれば、それはあなただけの競争力となる。

視点を変える方法-5:「量の視点」と「質の視点」の二項対立思考

人は、物事を見比べるときに「量の視点」で見比べやすい。しかし「量」だけでなく「質の視点」で物事を見比べると、未来に向けた多くの気づきを得やすくなる。

なぜなら、物事はまず「質の変化」が起き、その「質の変化」が「量の変化」を引き起こす「前後関係の構図」になっていることが多いからだ。

だとすれば、あなたが「量の違い」だけでなく「質の違い」にも視点を置くことができれば、その変化を注意深くモニタリングすることで、人に先駆けて「変化」を見抜くことができるようになる。

その結果、周囲に先駆けて手を打つことも可能になるはずだ。

視点を変える方法-6:「異質の視点」と「類似の視点」の二項対立思考

複数の物事は、見比べてみると「異質な部分」と「共通している部分」に分けることができる。

もし、あなたが「異質な部分はどこか?」という視点を持てれば「そのものらしさ」が際立つ「違い」を認識することによって「オリジナリティ」や「付加価値」発見することができる。

一方で「似ている部分はどこか?」という視点は、異なる物事にも関わらず共通している部分であることから、それらを成り立たせる上で必要不可欠な「本質的な価値」を見出せることが多い。

もし、あなたが物事を見比べる際には「異質と類似」という両方の側面に考えを巡らてみよう。そうすれば様々な物事が、これまでよりもくっきりとした輪郭を伴って認識できるようになるはずだ。

視点を変える方法-7:「論理の視点」と「感情の視点」の二項対立思考

人は、論理的であると同時に感情も持ち合わせた生き物だ。

近年、ロジカルシンキングの重要性が叫ばれて久しいが、相手の感情を汲まないまま「ロジカルシンキング一辺倒の視点」では、あらぬ「感情的対立」を生むことになる。

ロジカルシンキングは「論理」を盾にバッサバッサと切っていけるため、主張する側は快感を得やすい。しかし、時に鋭いナイフに似て相手の気持ちもバッサバッサと切りつけてしまう。その結果、無用な感情論を引き起こしてしまうことも少なくない。

ビジネスの目的は「目標を達成する」であって「ロジカルシンキングの能力を見せびらかすこと」ではない。

多くのビジネスはチームによってなされる。そしてチームメンバーは感情を持った人間なのだから、感情への配慮を伴わない「ロジカルシンキング一辺倒の視点」は厳に慎もう。

視点を変える方法-8:「演出の視点」と「仕組みの視点」の二項対立思考

「演出」は人の気持ちに変化を創り「仕組み」は持続可能な基盤を創る。

ことビジネスとなると「優れた仕組み」に視点が行きがちだが、時に「心に響く演出」が人々の気持ちを動かすことがある。

例えば、単なる「初回割引チケット」という仕組みも「演出」という視点を取り入れ「旅」をモチーフにデザインを施せば「あなたを新しい世界に導くパスポート」という物語性を打ち出すことができる。

あるいは単なる「商品の詰め合わせ」も、遊園地をモチーフに装飾を施せば、人々の遊び心をくすぐることができる。

単に「仕組みの視点」だけで物事を考えると無味乾燥なものになりがちだが、そこに「演出」という視点を加えることで、より人々の心を動かせるものに変わる。

視点を変える方法-9:「データの視点」と「心理の視点」の二項対立思考

データの裏側には人の生活があり、人間の心理が存在する。

昨今ビッグデータやデータドリブンの重要性が叫ばれて久しいが、データの背景に存在する「人間心理への洞察」が伴わなければ、優れた仮説は生み出せず、脊髄反射的な施策に留まりがちだ。

  • 人は、謎があると解き明かしたくなる。
  • 人は、善意を受けると返したくなる。
  • 人は、珍しいものに触れると誰かに話したくなる。

このように、人の心理は必ずしもデータやロジックだけで解き明かせるものではない。
もしあなたが、データやロジックの視点で行き詰ったら、人間心理や感性の視点を取り入れてみよう。人間に対する共感能力が、新たな可能性を拓いてくれるはずだ。

視点を変える方法-10:「効果の視点」と「効率の視点」の二項対立思考

「効果」は、ただそれだけを伸ばそうとするなら投入資源を増やせばよい。投入資源を2倍にすれば、今よりもほぼ確実に効果は上がる。

しかし、投入資源を2倍にしたにも関わらず、効果が1.5倍に留まったとしたら「効果は上がった」が「効率は落ちた」ことになる。逆に効果が2.5倍になったとしたら「効果も効率も上がった」といえる。

ここまでお読みになって鋭いあなたならお気づきと思うが、効果そのものは「投入資源量」に大きく依存するが、効果の「到達水準」が1.5倍に留まるか、それとも2.5倍に伸びるかは「あなたの工夫の度合い」に依存する。

単に「効果」だけを追い求めれば、投入資源量が多いものが勝ってしまうが「戦略」とは集中と選択であり、投入資源の効率性を高める「工夫の度合い」のことだ。

だとすれば「効率」は、あなたの戦略の有効性を測るバロメーターといえる。

もしあなたが優れた「戦略」を策定し実行したいなら、単に「効果の視点で」だけで物事を見るのではなく「効率」という視点も持ち合わせておこう。

視点を変える方法-11:「ポジティブな視点」と「ネガティブな視点」の二項対立思考

物事は、捉え方次第でポジティブにもネガティブにも変わる。

例えば「自社は流通チャネルの支配力が弱い」という「ネガティブ」な話を耳にするが、これをポジティブな視点で捉えれば「直販に対するしがらみが少ない」ともいえる。また「自社は企業規模が小さい」というネガティブな視点も、ポジティブな視点に解釈し直せば「意思決定や実行のスピードが速い」ということになる。

これらように、一見「ネガティブ」と思えるものも、視点を変えるだけで「ポジティブに変わる」ことは、往々にしてあることだ。

もしあなたが自社や自社ブランドの弱点を見つけたら「それらをポジティブに捉え直してみる」視点を取り入れて欲しい。思わぬ打開策が見つかるはずだ。

視点を変える方法-12:「増やす視点」と「減らす視点」の二項対立思考

物事には「増やしたほうが良い事柄」と「減らしたほうが良い事柄」が存在する。

例えば「情報」を例にとった場合「情報の精度」という視点では「増やしたほうが良い」が「情報の伝わりやすさ」という視点では、できるだけ情報を減らし「シンプルにしたほうが良い」という判断になる。

また「人材」という視点でも、労働集約型の単純作業なら人を「増やす」ほうがタスクを早期に終わらせることができるが、知的労働や高度な意思決定の場合は人を「減らす」ほうが有用な場合も多い。

人は、物事を考える際につい「増やす」方向に視点が向きがちだが、同時に「減らす」視点も持ち合わせておこう。「減らす」ことで物事をシンプルにし、生産性を高めることもあるからだ。

視点を変える方法-13:「リスクの視点」と「リターンの視点」の二項対立思考

「リスク」という言葉は、日本では「危険」という文脈で使われることが多く、ネガティブな印象で捉えられることが多い。

特に大企業病にかかった組織では、過度にリスクを恐れ「リスクをゼロにする」ことに視点が向きがちだ。

しかし、あらゆるビジネスが未来に向けてなされる以上、想定外のことが起きるリスクはゼロにならない。にもかかわらずリスクをゼロにしようとする企業努力は、過度にルールや制度を厳格化させるだけでなく、意思決定のタイミングを遅らせ、ビジネスチャンスを逸することになる。

リスクは、決して悪ではない。「リスクテイク」という言葉があるように、適切なリスクを取ることができれば、その「リターン」は大きくなる。

必要なのはリスクをゼロにする努力ではなく、リスクの許容範囲を見極め、致命的にならない程度のリスクを取りながら「リターン」を追求していくことだ。

もしあなたが「リスク=危険」と捉え「リスクはゼロであるべき」と考えるなら「リスクはリターンを得るためにコントロールすべきもの」という視点に改めよう。

視点を変える方法-14:「フローの視点」と「ストックの視点」の二項対立思考

世の中には2種類の異なるタイプの情報が流通している。その2種類とは「フローの情報」と「ストックの情報」だ。

「フローの情報」とは流れ去る情報のことで、いわば「タイムライン」のようなイメージだ。

一方で「ストックの情報」とは、あなたが思考を巡らすことで「あなたならでは知恵」に発展可能な情報を指す。

「フローの情報」の価値は「新しいこと」だが「ストックの情報」の価値は「変わらない本質・原理」が潜んでいることだ。

「フローの情報」は時間が経てば経つほどその価値は減っていく。しかし「ストックの情報」は「変わらない本質・原理」が潜んでいるのでいつまでも価値が減らない。

鋭いあなたならもうお気づきかもしれないが「ストックの情報」は「変わらない本質・原理」がひそんでいるのだから、触れる時間を増やし、思考を巡らせば巡らすほど自分の中に「変わらない本質・原理」が蓄積されていく。

そして自分の中に「変わらない本質・原理」が蓄積されていけば、いざというときに様々な要素を「変わらない本質・原理」に当てはめてみることで、質の高い答えが素早く導き出せるようになる。これが思考力の源であり、巷で言われる「仮説力」だ。

誤解を恐れずにいえば、時間とは蓄積のことであり、蓄積とは時間だ。つまり常に「思考」を巡らし、その時間を蓄積に変えていくことができれば、それをしなかった人と比べて圧倒的な競争力を「蓄積」することが可能になる。

さらに「知恵のストック(=蓄積)」が増えてくれば、今度は「知恵のストック同志」を組み合わせて、更に新たな知恵を生み出すことが可能になる。

あなたはどこかで「イノベーションは、既存の知恵の組み合わせに過ぎない」という言葉を聞いたことがないだろうか?

「知恵の組み合わせパターン」は、理論上は何通りも存在する。そのため、上手く組み合わせれば、あなたが生み出す知恵の量は累乗的に増えていく。

もしあなたが「フローの視点」だけでなく「ストックの視点」も持つことができれば、あなたはこれまでにない発想を生み出す思考力を磨くことができる。

視点を変える方法-15:「完璧さの視点」と「スピードの視点」の二項対立思考

世の中には、何事も完璧でないと済まない「完璧主義」の人がいる。

完璧主義の人は「スピード」という視点が抜けたまま「中途半端なままでは、申し訳ない」と考え、1つ1つの工程で完璧になるまで自分の資源を投入してしまう。しかし投入資源量を増やすことで成果を増やすやり方はラットレースと同じであり、予算や時間などの資源が頭打ちになった段階で成果も頭打ちとなってしまう。

また、完璧主義の人は「重要な部分」と「そうでない部分」の切り分けをしないまま絨毯爆撃的に物事を進めてしまうため、ビジネスのスピードを遅らせてしまう。これは変化が早い現在のビジネス環境においては致命的だ。

重要なのは、相手にとって最もバリューが高い論点を見抜いて、そこにフォーカスする視点だ。そうすれば、あなたは必要最小限で最大の成果を出せるようになる。その結果、自分の時間を浮かすことができるようになり、ワークライフバランスや新たな自己投資ななどに時間を使えるようになる。

「完璧さ」は、あなたではなく相手が決めるものだ。

もしあなたが「完璧主義」の傾向があるなら、そこに「スピード」という視点を加えよう。そうすれば「限られた時間の中で、何にフォーカスすべきか?」という「論点を絞り込む」習慣が身につくはずだ。

視点を変える方法-16:「PDCAの視点」と「一貫性の視点」の二項対立思考

ビジネスにはPDCAが重要だ。このブログの読者なら、PDCAの重要性はよく理解されていることだろう。

近年では「PDCAサイクル」や「リアルタイム運用」が重要とされ「素早く結果を検証して柔軟にPDCAを回し、短期的な成果を上げ続ける」ことが重視される時代だ。

しかし、PDCAを金科玉条のごとく扱うと、思わぬ副作用に悩まされることになる。

PDCAを効果的に機能させるための前提は「施策の結果の良し悪しによって、短期的に、かつ柔軟に次の施策を変えることができる」ことだ。

しかしこの前提は、逆を言えばチームの視野が「短期的に、かつ柔軟に変えることができる施策のみ」に限定されてしまうリスクをはらむ。いわば「木を見て森を見ず」という状態だ。結果「PDCAの範囲の外側」を見逃しがちになる。

また、チームがPDCA至上主義に陥ってしまうと、PDCAの範囲外で起きる構造変化や不連続な未来を見通すことができないまま、ひたすら過去の反省・検証・改善を繰り返すことになる。結果、良かれと思って必死にやっていることが、労力の割にほとんど効果のない活動になる可能性もある。

住宅建築に例えれば、建物の部分はリフォームやリノベーション・インテリアなどで「PDCA」を回せるが「家の基礎の部分」はPDCAを回せない。

これをビジネスの世界に当てはめると「家の基礎の部分」とは「ミッション」「ビジョン」「バリュー」あるいは「戦略」「方針」であり、これらはPDCAという次元を越えて、長期に渡って一貫させないと機能しない要素だ。

このように、ビジネスには「PDCAを回すべき部分」と「一貫性を保つべき部分」が存在し、それぞれを切り分けて考えなければならない。

もしあなたが「PDCAの視点」と「一貫性の視点」の両方を持てれば、様々な要素や局面に応じて、双方の使い分けができるようになるはずだ。

視点を変える方法-17:「実体の視点」と「概念の視点」の二項対立思考

物事の在り方は「実体」と「概念」で規定される。

そして「実体と概念」を自由自在に行き来する視点を身につけることができれば、多様なコンセプトを生み出すことが可能になる。

例えば「物理的な液体としての水」は、そのまま捉えれば「実体」だが「概念」として捉えれば「飲むもの」となる。

そしてあなたが多角的な視点を持てれば「水=飲むもの」だけでなく「水=洗うもの」「水=火を消すもの」「水=泳いで遊ぶもの」など多様な「概念」を抜き出すことが可能になる。これは、別の言い方をすれば「水(という実体)」の可能性を大きく広げたことと同じだ。

更に「水=洗うもの」という掴みどころのない「概念」を実体化していくと「手洗い用洗浄水」「トイレ用洗浄水」「食品用洗浄水」「電子部品用洗浄水」など、さらに可能性を広げることが可能になる。

このように「実体を概念化して考える」「多角的な視点を取り入れる」「具現化する」というステップを踏み「実体」と「概念」を自由に行き来できるようになれば、単なる「実体」を捉えるより遥かに幅広いコンセプトを生み出すことができる。

視点を変える方法-18:「有形の視点」と「無形の視点」の二項対立思考

物事には「有形」のものと「無形」のものが存在する。あなたがビジネスパーソンなら、すぐに思いつくのは「有形資産」と「無形資産」だろう。

土地や建物などの有形資産は「形のある」資産であり、企業のバランスシートに記載されている資産だ。直感的に認識しやすいため市場に流通しやすく、マネジメントもしやすい資産といえる。

一方で、企業文化やブランドなどの無形資産は「形のない」資産であるため、目に見えにくく、直感的に認識しにくい。その結果、市場に流通しにくく、マネジメントもしにくい資産だ。

こう見ると無形資産は非常に扱いずらい資産に思えるが、うまくマネジメントすれば絶大な競争力をもたらしてくれる。なぜなら有形資産は使えば使うほど価値が減る資産であるのに対し、企業文化やブランドなどの無形資産は、使えば使うほど価値が増していく資産だからだ。

また、無形資産の性質である「目に見えないこと」「市場に流通しにくいこと」「マネジメントしにくいこと」は、裏を返せば希少性が高く模倣困難な競争力の源泉となりえる。

今現在、日本国内ではモノが溢れ、これからは「知恵」で戦っていく時代だ。そうであれば、必然的に無形資産の重要性は高まっていく。

もしあなたが「目に見えるものの価値」しか捉え切れていないなら、これを機に「目に見えないものの価値」にも視点を向ける習慣をつけよう。

視点を変える方法-19:「多様性の視点」と「統一性の視点」の二項対立思考

これからの時代は「多様性が重要だ」と言われる。そんな時代に持っておきたいのが「多様性の視点」と「統一性の視点」だ。

人間の思考は固定化しやすいようにできている。なぜなら人間の脳は、入ってくる情報に対して思考を整理し、体系化しようとする性質があるためだ。

そして、思考の整理や体系化が繰り返されると、それらはやがて「思考パターン」として固定化していく。更には、固定化された思考パターンがあなたの思考習慣となり、あなたの視野を狭くしていく。

しかし、もしあなたが多様性の視点を持てれば、多様なメンバーから多様な視点を受け取ることが可能になる。その結果、固定化しがちな思考パターンは常に「矯正」され、多面的な物の見方ができるようになる。

しかし、多様性のメリットを活かすには、逆説的だが「統一性の視点」も必要となる。なぜなら多様性は、単にそれだけでは「無目的な群衆」を生み出し「カオスな世界」を形作ってしまうからだ。

チームメンバーのバックグラウンドは多様であるべきだ。しかし一方で、多様なバックグラウンドを持つメンバーを一つにまとめるには、目指すべきビジョンや目的、価値観は統一されている必要がある。

もしあなたが「多様性」の視点だけでなく、同時に「統一性」の視点を持てれば、チームが向かう方向が一致し、多様性を活かしながら創造的な問題解決や価値創造に結びつけることができるはずだ。

視点を変える方法-20:「集中の視点」と「分散の視点」の二項対立思考

「集中」は「集中=規模」と捉えれば規模の経済を機能させ「集中=一元管理」と捉えれば、範囲の経済に寄与する。

一方で「分散」は多様性による創発を促し、業務プロセスでは同時並行化の道を拓く。また、限界コストゼロの世界ではロングテールを実現する。

このように「集中と分散」という視点は、目的に応じて使い分けることで大きなメリットをもたらしてくれる。

もしあなたが物事を考える際には、常に「何を集中させ」「何を分散させるか?」という視点を持ち合わせておこう。もし「集中と分散」の枠組みを変化させることができれば、時に創発を促したり、効率性を高めることが可能になる。

視点を変える方法-21:「作用の視点」と「反作用の視点」の二項対立思考

物事は一方向に作用すると、その反動として反作用が生まれることがある。

例えば中高年の女性の間では、加齢に抗おうとする機運(=作用)がある反面、加齢を自然体で受け入れる機運(=反作用)も存在する。

また、ビジネスの世界でもデータドリブン(=作用)という機運が高まる反面、デザイン思考などの人間中心設計を取り入れようとする機運(=反作用)も存在する。

世の中に存在する「機運」は、片方に振れるとそれに抗う反作用が生じるメカニズムが働く。

もしあなたが「作用-反作用の視点」を持つことができれば「作用はあるのに反作用が現れてない」市場を見つけ、これから「反作用側の市場が立ち上がってくるかもしれない」という仮説を導き出すことも可能になる。そしていち早く参入できれば、先行者利得が得られるかもしれない。

視点を変える方法-22:「主体の視点」と「客体の視点」の二項対立思考

物事には「主体」と「客体」が存在し、主体と客体を入れ替えることによって、新たな発想が得られる場合がある。

もしあなたがビルオーナーで、テナントから「エレベーターの待ち時間が長い」というクレームに悩まされていたとしよう。あなたはどのような問題解決策が思いつくだろうか?

エレベーターを主体に考えれば、平均待ち時間を制御するAIをエレベーターに導入し、最適化技術を通して待ち時間を減らすことが解決策の一つとなるだろう。しかしこの解決策は、大きな設備投資を覚悟することになる。

今度は逆に「エレベーター」を客体として捉え「エレベーターを待っている人」を主体として考えてみるとどうだろうか?

「エレベーターを待っている人」を主体として捉えれば「エレベーターの待ち時間が長い」という問題は「エレベーターを待っている時間が無意味に感じること」と再定義することができる。だとすれば「無意味に感じる時間」を「有意義に感じる時間」に変えることができれば、大きな設備投資をせずに問題は解決することになる。

事実「エレベーターの横に鏡を置く」という施策で、エレベーターを待っている時間を「無意味な時間」から「身だしなみを整える有意義な時間」に変え、クレームを大きく減らした例が存在する。

このように、もしアイデアに行き詰ったら「主体」と「客体」を入れ替える視点を持とう。思わぬブレークスルーが見つかるはずだ。

 

視座・視野・視点を広げる本|おすすめ書籍5冊

締めくくりに、あなたにおすすめできる「視座・視野・視点を広げる本」を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思える本。
  • 実際に戦略立案実務や事例共有に役立っている関連書籍。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せる書籍。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

視座・視野・視点を広げる本おすすめ書籍-1:知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ

論理的思考には限界が存在する。それは推論を考える際の「切り口」の限界だ。

ロジカルシンキングを行う際には「ロジックツリー」というツールを多用する。

ロジックツリーは、目の前にある「問題現象」を要素分解することで根本課題を見抜いたり、あるいは「問題解決」の打ち手の選択肢を広げていくときに使われることが多い。

しかし「要素分解」も「選択肢の拡大」も、その「切り口」次第で結論は変わる。そうなると、いかに「筋のよい切り口」を見出せるかが重要なカギとなるが「筋のよい切り口」は論理では導き出せない。

本書は「多面的な視点」を持ち、複眼的に様々な切り口から物事を見る重要性を説いた書籍だ。

もしあなたがロジカルシンキングを越えて「多面的」「複眼的」に考える思考技術を手に入れたいなら、一読をおすすめする。

視座・視野・視点を広げる本おすすめ書籍-2:メタ思考トレーニング

例え同じ事実でも、視点の置き方によってその事実に対する解釈は変わる。

本書は、物事を「一つ上の視点」から客観的に考えるメタ思考の重要性と実践法を解説した良書だ。

これまで個別に見ていた問題も、一つ上の視点から眺めると実は「全体に対する部分」であったことに気付くことができる。

また、一見、規則性なく散らばった「バラバラの問題」も、一つ上から俯瞰的に眺めることで、その「意味」や「関係性」を読み解き、それらを引き起こす根本課題を特定して解決することができるようになる。

ビジネスの世界では「型の奴隷になるな。型の創造者たれ」という言葉がある。

もしあなたがメタ思考を身に付けることができれば、複数の問題に対する根本課題を読み解き、問題解決に活かすことが可能になるはずだ。

視座・視野・視点を広げる本おすすめ書籍-3:3D思考

本書は「視点を立体的に動かす思考法」を解説した書籍だ。

仕事の出発点にあるのは「思考」であり「思考の質」を高めるためには、自分なりの思考パターンから抜け出し、視点を切り替えるクセをつける必要がある。

なぜなら、様々な視点を自由自在に切り替えることができれば「多様な側面の課題に気がつける」「さまざまなアイデアが出せる」などのよい結果を期待できるからだ。

本書は、このような「視点の切り替え」に関して、

  • 視点を置くレベル(視点の高さ・低さ)
  • 視点のポジション(視座:誰の視点から考えるか)
  • 時間

の3つに分け「視点を切り替えて考える方法」を紹介している。

もしあなたが「多様な視点を持ててない」「視野が狭い」と感じているのなら、本書は必読の書籍だ。

視座・視野・視点を広げる本おすすめ書籍-4:答えはいつも、自分の枠の外にある!

「思い込み」は自分の世界を狭くしてしまう。本書は、そんな「自分の思い込み」を打破し、修正していくことを目的とした書籍だ。

本書の特筆すべき点は、楽しみながらドリルをこなしていくことで、自分の「思い込み」に気づき「発想の転換」や「視点の切り替え」で世の中の捉え方が大きく変わることを実感できる点だ。

物事は、ある一面だけで捉えると思わぬ落とし穴に陥ってしまう。

もしあなたが様々な視点に気づき、ストックし、自分の世界を広げたいなら、本書は一読に値する書籍だ。

視座・視野・視点を広げる本おすすめ書籍-5:ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門

「ロジカルシンキングはできるのだが、アイデア発想は苦手だ」。あなたはそのような悩みをお持ちでないだろうか?

ロジカルシンキングは「理由や根拠を掘り下げていく思考法」であることから「ビジネス課題の発見」には有効だが「そもそもの問題の定義」や「解決策の立案」の局面では不向きな思考法と言っていい。

本書は、ロジカルシンキングと対極をなす「ラテラルシンキング」を解説した書籍だ

ラテラルシンキングとは、知らず知らずのうちに頭の中で設けてしまっている制約を取り除き、自由に発想を広げる思考法を指す。

本書は、柔軟な思考力として「疑う力」「抽象化する力」「偶然を見逃さない力」などの重要性を説く。

「いざブレストとなると、通り一辺倒のアイデアしか湧いてこない」

もしあなたがそのような悩みをお持ちなら、一読の価値がある書籍だ。

その他の解説記事とおすすめ書籍

もしあなたが本解説以外にも関心があるのであれば、リンクを張っておくのでぜひ必要な記事を探していただきたい。

また、下記の記事ではより深く学びたい方におすすめ書籍を紹介している。ぜひご覧いただければ幸いだ。

終わりに

今後も、折に触れて「あなたをブランドにする思考法」の解説を続けていくつもりだ。 

しかし多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録Twitterfacebook登録をしてほしい。

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