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ブランド戦略コンサルタントが【ブランディングの基本と全て】を徹底解説

ブランディングとは|ブランディングの意味と戦略手法の全て|成功事例有

ブランディングとは何か?ブランディングの意味や戦略手法の全てを、企業の成功事例付で解説

多くのマーケティング担当者が、口々に「これからはブランディングが重要だ」と言う。

しかし「ブランディングが重要だ」と感じてはいるものの、あなたは「ブランディングの意味」あるいは「ブランディングの手法」について、周囲にわかりやすく説明できるだろうか?

「ブランディング」は日本語に訳しづらく抽象的な概念であるために誤解も多い。例えばあなたの周囲には以下のように誤解をしている人も多いはずだ。

  • ブランディングとはロゴデザインやパッケージデザインのことだ。まずはデザイン会社に相談して、ロゴデザインを依頼しよう…。
  • ブランディングとは認知度のことだ。さっそく広告代理店を呼んで、ブランド認知度向上のための広告プロモーションを提案してもらおう…。
  • ブランディングとはブランド広告を露出し、ブランドイメージを刷り込むことだ。我々もこれからはイメージ広告に力を入れよう…。

特にデジタルマーケティングが隆盛な昨今、CVやCPA重視のマーケティング担当者が「効率至上主義」に限界を感じ、短絡的に「ブランディング=広告露出によるブランドイメージの刷り込み」と結論付けてしまう事例が目立つ。

確かに上記3つはブランディングを行う上で重要な活動の一部ではあるが、すべてではない。

どのようなビジネスも、まずは「戦略」が方向性を決め「戦術」がその方向性を加速させる役割を担う。しかし上記の「ブランディング」の意味はすべて「戦術」部分しか見ていない。

 一般論として「戦略」は一つだが、戦略を加速させるための「戦術」は複数の手段が存在する。

しかし「ブランディング」は抽象的な概念であるため、目に見えやすい戦術面だけで捉えてしまうという間違いが起きやすい。結果、上記のように、人によって複数の「ブランディングの意味」が乱立してしまい、混乱をきたしてしまうのだ。

どれだけ「ブランディング」の必要性を叫んだところで、チームメンバーそれぞれの「ブランディングの意味」が異なれば「立脚点が揃わない」まま業務が進むことになる。

そして、ブランディングの意味が揃わないまま業務を推進してしまえば、それぞれのメンバーが統一感のない散発的な戦術を繰り返すことになり、その成果はおぼつかない。

今回は「ブランディングとは何か」について、ロジカルかつ直感的に理解できる解説を行う。その内容は、以下の通りだ。

  • ブランディングとは何か?直感的にわかるブランディングの意味
  • ブランディングとマーケティングの違い
  • ブランディングの19の戦略手法と導入手順
  • 商品ブランディングの成功事例
  • サービスブランディングの成功事例
  • リブランディングの成功事例
  • 企業ブランディングの成功事例

ちなみに、ブランディングは大きく分けて「アウターブランディング」と「インナーブランディング」の2種類が存在する。

アウターブランディングの意味とは、主に社外向けにブランディングする取り組みを指す。一方でインナーブランディングとは、社員やインナー関係者に限定してブランディングを行うことだ。

今回は2種類のブランディングの中でも「アウターブランディング」を中心に解説しよう。

さらに後半では「ブランディングを成果につなげるための手法」や、実際にブランディングに成功している企業の「ブランディング成功事例」についても解説する。

この解説を最後まで読んでいただければ、あなたは一通り「ブランディングの意味」や「ブランディングの手法」など、網羅的に理解できるようになるはずだ。

結果、チームメンバー内で「ブランディングとは何か?」「どのような手法を取るべきなのか?」などの共通認識が持てるようになり、チーム全体での実践に弾みがつくだろう。

 

ブランディングとは何か?ブランディングの意味とは

ブランディングとは-1:教科書的な「ブランドの定義」の落とし穴

もしあなたがブランディングの本を読んだことがあるなら、ブランドの起源に関する以下のような文章を目にしたことがあるはずだ。

 

ブランドの定義とは?:
「ブランド」とは、北欧の古い言語であるノルド語の「brander」に由来し、そもそも飼っている家畜に目印として焼き印をつけることを意味した。

日本語では「商標」などと訳される。

 

ブランディングの本であれば、ほぼ例外なく1ページ目に解説される「ブランドの定義」だ。そしてこれもまた例外なく、その後の文章で「差別化」や「独自性」の重要性が説かれる。

しかしあなたはこの文章を読んで「ブランディングの戦略とはどうあるべきなのか?」という素朴な疑問の答えとして、腹落ちできただろうか?

ぜひ、あなたのチームメンバーの顔を思い浮かべてほしい。果たして彼ら彼女らは納得するだろうか?おそらく「ふ~ん…。」で終わるはずだ。

続いて、AMA(アメリカマーケティング協会)のブランドの定義を見てみよう。

 

アメリカマーケティング協会のブランドの定義:

個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。

 

あなたはこの文章を読んで、どう感じただろうか?

率直に言って「理解しずらい、小難しい定義だな」と感じたのではないだろうか?

上記の文章はアメリカマーケティング協会の「公式定義」という性格から「より正確な単語を、より誤解のないように」という意図はわかる。しかしそれが逆に「ブランドの意味」をわかりずらいものにしている。

さらに「差別化」「名称」「言葉」「デザイン」などの言葉が出てくることから「結局、ブランディングとはロゴデザインやパッケージデザインを差別化することでは?」などのミスリードも起きがちだ。

しかし、ロゴデザインやパッケージデザインの差別化だけでブランディングが成功するとは、あなたも思っていないだろう。

「直感的にわかりずらい」。これが「教科書的なブランドの定義」の弱点だ。あなたが学者であれば「教科書的なブランドの定義」は一定の価値を持つだろうが、この解説をお読みいただいているあなたは実務家のはずだ。

残念ながら上記のブランドの意味は直感的にわかりずらいために、チーム内で共有しずらい。ただでさえ忙しく、時間に限りのある実務家に必要なのは、もっと直感的でわかりやすいブランドの定義だ。

ブランディングとは-2:直感的にわかる「ブランドの定義」

それでは、私たち実務家にとって直感的にわかりやすい「ブランドの意味」とは何だろうか?長年、広告代理店と外資系コンサルティングファームの両方で「ブランディングのリアルな現場」を体験してきたk_birdにとって「ブランドとは何か?」の答えはシンプルだ。

k_bird流の「ブランドとは何か?」=
ブランドとは、生活者の感情移入が伴ったモノやサービス。

 

強いブランド力を持つと評判のブランドを思い起こしてみて欲しい。

アップル、グーグル、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラ…。どのブランドも、単なる「モノ」や「サービス」を越えて、生活者からの感情移入が伴っていないだろうか?

アップル、グーグル、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラのブランドロゴ

k_birdは、広告代理店と外資系コンサルティングファーム時代を合わせて、延べ200回以上のマーケティングリサーチ経験を有している。

その経験からしても、独自の感情移入が伴っているブランドとそうでないものとでは、指名購入意向率が5倍以上変わる事例はザラにある。一方で、逆の事例は1件も見たことがない。

どのようなモノやサービスも、人の感情が乗っかれば、その人にとっての「ブランド」に変わる。

もしあなたがこれからブランディングを始めるなら、ぜひ自社の製品・サービスを振り返ってみてほしい。多くの生活者は、自分達の製品やサービスにどれだけ感情移入しているだろうか、と。

ブランドとは「生活者からの感情移入」が伴ったモノやサービスのことだ。そしてブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。

どのような製品・サービスも、感情移入を創る取り組みを続けることによって、長く愛着を持たれ「このブランドだけは特別」と思ってもらえるようになる。つまり「ロングセラーブランド」に育てることができる。

これが、k_bird流の「ブランディングとは何か?」に対する答えだ。

ここまで読んでみて、あなたは「ブランド」及び「ブランディング」について「公式定義」を学ぶよりも、ぐっと直感的に理解できたはずだ。

しかし、ただ単にブランディングの意味を直感的に理解できたからといって、そのまま有効なブランディングが実現できる訳ではない。

なぜならブランディングには、これまでの「マーケティング」を越えるための3つの発想転換が必要だからだ。

 

ブランディングとマーケティングの違い:必要な3つの発想転換

あなたは「ブランディング」と「マーケティング」の違いを説明できるだろうか?

「ブランディング」の本質的な意味を理解するには「ブランディングとマーケティングの違い」を理解する必要がある。そのためには3つの発想転換が必要だ。

そして発想転換をする上では、モノを「製品」「商品」「ブランド」にわけて考えてみるとわかりやすい。

「製品」の意味とは?

「製品」とは、工場の倉庫にある出荷待ちのものを指す。

製品開発者が長年かけて開発し、工場担当者が丹精込めて生産する。

倉庫担当者が倉庫棚に整理し、出荷待ちの状態となる。しかしこの時点で生活者の関与はなく、企業側主導で事が進められる。

「商品」の意味とは?

「商品」とは、お店の棚に並んだ販売待ちのものを指す。

商品開発担当者が「どう売るか?」を考えながらロゴやパッケージデザインを開発し、プライシングもなされている。

そして営業担当者もやはり「どうバイヤーに売るか?」を考え、知恵を搾る。そしてその努力が結実すれば、無事小売店の棚に並ぶことになる。

しかし、商品棚には様々な競合商品がひしめきあっている。

そしてたまたま偶然その棚を通りがかった生活者が、たまたま偶然あなたの商品を目にし、更にたまたま偶然その時のニーズにマッチすれば、買い物かごに放り込む。

「商品」の状態のままでは、数々の「たまたま偶然」をくぐり抜けた上での「衝動買い」に頼らざるを得ない状況だ。

結果、この「衝動買い」を創るために、販売促進担当者が「どう売るか?」を考え、値引き販売をしてみたり、ノベルティを付けてみたり、懸賞キャンペーンを展開するなど、やはり「製品」と同様、企業側主導で事が進められることが多いはずだ。

「ブランド」の意味とは?

「ブランド」とは先に述べた通り「生活者からの感情移入」が伴った状態だ。

ここに、発想転換が必要となる。

「製品」や「商品」が、企業側の都合で「どう売るか?」に力点が置かれているのに対して「ブランド」は生活者のココロの中で「どのような認識を創れば、感情移入してもらえるか?」に力学が置かれる。

そして「感情移入」とは、生活者が想い抱く「ライフスタイル」や「願望」の内側で「役に立つもの」「かけがえのないもの」あるいは「思い入れがあるもの」としての認識を積み上げられたときに初めて生まれる。

一度ブランドを確立してしまえば、あなたは「販促による衝動買い頼み」から脱し「指名買い」という次のステージを切り拓くことができる。

そしてそれを実現するには「企業都合より、生活者都合」 「モノ起点より、顧客認識起点」「どう売るか?より、どう感情移入を創るか?」という3つの発想の転換が必要となる。

これが、マーケティングとブランディングの大きな違いだ。

冒頭で「ブランドの定義」の話をしたことを、覚えておいでだろうか?

鋭い方ならお気づきかもしれないが「ブランド=焼き印」の話は「製品」の話をしているにすぎない。「違いとなる目印」を創ったからといって、生活者が感情移入をし、継続的に指名買いをしてくれるわけではない。

一方で、アメリカマーケティング協会のブランドの定義は「商品」の話をしている。「差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン」などの話も、結局はそれを実現したからと言って「ブランド」が創れるとは限らない。

そしてどちらも共通しているのは「ブランド」を「企業側の目線」でしか語っていないことだ。

マーケティング担当者は、優秀な人であればあるほど、一日中「マーケティング」について熟考を重ねていく。

「どうすれば、この商品は売れるのか?」「どうすれば、このサービスは競合より優位に立てるのか?」。そして、熟考を重ねれば重ねるほど「企業都合」「モノ起点」「どう売るか?」に陥ってしまう。これが多くの企業で起きているマーケティングの実態だ。

しかし、一方の「生活者」の視点に立つとどうだろうか?

そのマーケティング担当者とは裏腹に、生活者はそのブランドについて、1日1分も考えていないはずだ。なぜなら、生活者の興味は「今よりも理想的なライフスタイルを実現すること」であり、ブランドは、彼ら彼女らにとってはその生活を実現するための「名脇役の一つ」でしかないからだ。

ともすればマーケティング担当者は「マーケティング」の名の元に「企業都合」で「商品=主役」と捉えてしまう。しかし、生活者からすれば、主役は「自分のライフスタイル」であって、商品は「脇役」にすぎない。

生活者はそれぞれ多様なライフスタイルや価値観を持っている。そしてそのコンテキスト(背景)に対する広範な理解を伴わない限り、生活者からの感情移入を勝ち取ることはできない。つまり、ブランディングは成功しないのだ。

大切なことなので整理すると「ブランド」及び「ブランディング」の意味とは以下の通りだ。

ブランディングとは何か?

  1. ブランドとは「生活者の感情移入」が伴ったモノやサービス。
  2. ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  3. その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

 もしあなたや、あなたのチームが「企業都合」「モノ起点」「どう売るか?」という従来のマーケティング発想を越えて「生活者都合」「顧客認識起点」「感情移入重視」という「ブランディング」への発想転換ができたなら、単なる「教科書的」ではない血肉の通ったブランディングが実践できるはずだ。

ブランディングとマーケティングの違いの図解

 

ブランディングの手法と導入手順の全て

いよいよここからは、ブランディングの手法と導入手順のポイントを解説する。より詳しく知りたい方は、各リンク先ページをご覧いただきたい。より理解が深まるはずだ。

ブランディングの手法【手順1】インナーブランディングを行う

ブランディングを実現するにあたってまず重要となるのが「ブランディング」の意味や必要性、あるいはブランディングがもたらす効果をチームメンバーと共有し、共通の認識を創る「インナーブランディング」だ。

例えあなたがブランディングの必要性を信じ「これからはブランディングが必要だ!」と力説しても「なぜ今、ブランディングが必要性なのか」あるいは「ブランディングのメリットとは何か」をロジカルに説明できなければ、多くの関係者を巻き込めない。

以下の記事では「10個あるブランディングのメリット」や「企業事例」について徹底解説している。

この記事をお読みいただければ、あなたは「なぜブランディングが必要なのか?」「ブランディングは、どうビジネスの競争力に貢献するのか?」を、よりロジカルに、かつ事例を交えて説明できるようになる。

そうすれば、ブランディングを行う上での「そもそもの立脚点」をチーム内で共有できるようになるはずだ。

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ブランディングの手法【手順2】PEST分析でマクロ環境分析を行う

あなたはPEST分析をご存じだろうか?

PEST分析とは、一企業ではコントロールしずらい「マクロ環境:世の中の動向」を分析するためのフレームワークだ。

一方で、PEST分析は直接売り上げや利益に貢献する業務ではないため、ついおろそかにされがちだ。

しかしPEST分析はブランディングやマーケティングにおいて決定的に重要な至上命題となる。なぜなら、例えどんなに優れたブランド戦略も、置いている前提が間違っていれば的外れなものとなってしまうからだ。

ブランディングやマーケティングにおける「前提」とは、市場の機会や脅威のことだ。そして市場機会や脅威は、外部環境分析の結果によって導き出される。

これらを踏まえれば、あらゆる前提である「マクロ環境:世の中の動向」を捉える「PEST分析」の重要性は理解できるはずだ。

しかし一方で、あなたはPEST分析で以下のような経験をしたことがないだろうか?

  • PEST分析を使って情報収集し整理しようとしたが「どこまで範囲の」情報を「どのレベルまで」収集すべきかわからず、際限なく情報収集をするはめに陥った。
  • とりあえずPEST分析のフレームワークに沿って「穴埋め」してみたものの、そこから先の有益な示唆が導き出せない。
  • もっと上手くPEST分析を行いたいが、詳しい手順を紹介した書籍が見当たらない。

以下の記事では「PEST分析の具体的なやり方と手順」について、事例を交えながら徹底解説している。

さらに、無料でダウンロードできる「PEST分析PDF」テンプレートも配布している。もしあなたがPEST分析の結果を「単なる穴埋め解答」にしたくないなら必見だ。

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ブランディングの手法【手順3】ファイブフォース分析で業界分析を行う

 PEST分析で世の中の動向を分析したら、次に必要なのは「業界の構造・性質」に対する深い理解だ。

あなたがマーケティング担当者なら、できるだけ売上を上げやすく、コストを下げやすい業界で戦いたいと思うはずだ。あるいは「業界には、どのような利益の奪い合いの力学が働いているのか?」についても把握しておくべきだ。

ファイブフォース分析は、業界に影響を与える5つの競争要因から、その業界の魅力度(=利益の上げやすさの度合い)を評価するためのフレームワークだ。

どんなに強いニーズがあり、どんなに魅力的なブランドを携えたとしても、そもそも利益が出にくい「何らかの力学」が業界全体に働いているとしたら、あなたのブランドの成功は保証されない。

以下の記事では「ファイブフォース分析のやり方」を「徹底」解説している。また、ファイブフォース分析は「戦略への活かし方」が難しいとされるが、こちらについても、ハーゲンダッツの事例で解説している。

もちろん、テンプレートのダウンロード付きだ。

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ブランディングの手法【手順4】3C分析でミクロ環境分析を行う

ビジネスの世界には数多くのフレームワークが存在する。その中でも、多くのマーケティング担当者にとって馴染みが深いのは「3C分析」だろう。

3C分析の「3C」とは、ブランドを取り巻く環境である「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字を取った、ミクロ環境分析のフレームワークだ。

マーケティングとは、突き詰めれば「自社の強みを活かして、競合企業より上手に生活者ニーズを満たすこと」だ。

そして鋭いあなたならお気づきだろうが、上記は3C全てが含まれており、3Cとは「マーケティングそのもの」であることがわかる。

以下の記事では「3C分析」を行うに当たって必要不可欠な視点と手順を解説している。さらに単なる「穴埋め」で終わらせないために「クロス3C分析」というフレームワークも紹介しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。

こちらも、テンプレートのダウンロード付きだ。

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ブランディングの手法【手順5】ブランドアイデンティティを形創る

あなたは「ブランドとは、正しいマーケティングを続けていれば、自然に形作られていくもの」と考えてはいないだろうか?

しかしブランディングに長けた欧米の企業では、そうは考えない。

なぜなら「ブランディング」はマーケティングの上位に位置付けられ、マーケティング活動を規定するための「上位戦略」とされているからだ。

そしてその中核に位置づけられるのが「ブランドアイデンティティ」だ。

ブランドアイデンティティとは、ブランド論の生みの親であるD.A.アーカー教授によると、以下の通りとなる。

 

「ブランドアイデンティティ」とは、ブランド資産の構築と活用の戦略的主導要因であり、企業などの組織が創造し維持しようとするブランド連想の集合である。この連想は、ブランドが何を表しているかを示し、顧客に与える約束を意味する。

-D.A.アーカー

 

しかしブランドアイデンティティという考え方が登場したのは1990年代だ。1990年代と現在ではブランディングを取り巻く環境は大きく異なる。

ソーシャル時代におけるブランドアイデンティティをk_birdなりに定義すると下記の通りとなる。

 

「ブランドアイデンティティ」とは、生活者とブランドの両方が望む「社会やライフスタイルの未来像」に向けて、そのブランドが守るべき一貫した姿勢のことを指す。

 

ソーシャル時代にふさわしいブランドアイデンティティを設定できれば、あなたのブランドは企業と生活者の壁を越え、社会において果たすべき役割を持ち、生活者から共鳴感情という名の「感情移入」を引き出すことができる。その結果、社会や生活者を味方につけることが可能になり、ビジネスの成果も大きく変わる。

以下の記事では「ソーシャル時代にふさわしいブランドアイデンティティの在り方」を解説している。さらには「力強いブランドアイデンティティ」の作り方も、スターバックスの事例を交えながら解説しているので、詳しく知りたい方はぜひお読みいただきたい。

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ブランディングの手法【手順6】ブランド提供価値を設定する

「ブランド力を強化したい」。あなたがマーケティング担当者なら、ブランド力の強化は「悲願」のはずだ。

ブランド力の強化とは、ブランドへの感情移入によって生み出される「指名買い」の力を強化していくことだ。

そして当たり前のことだが「ブランド力の強化」は、顧客に価値を提供できて初めて実現できる。その価値とは、大きくわけると以下の4つだ。

  1. ブランドの「実利」が提供する価値
  2. ブランドの「感性」が提供する価値
  3. ブランドの「情緒」が提供する価値
  4. ブランドの「価値観」が提供する価値

以下の記事では、ブランド力強化の要因となる4つの提供価値に対して、更に10個に分解した上で事例解説している。

以下の記事を「チェックリスト」としてお読みいただければ、あなたのブランドはどのような価値をもち、どのようにブランド力を強化させていくべきか、次の打ち手につながる指針となるはずだ。

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ブランディングの手法【手順7】ブランドパーソナリティを設定する

優れたブランドには、際立った個性が存在する。ブランドパーソナリティは 、その「個性」を発揮していく上で必要不可欠な要素だ。

ブランドパーソナリティとは「そのブランド独特の個性を人間の人格に例えたもの」とされる。

しかし一方で、ブランディングに長けた外資系企業のブランド担当者と話をすると、日本企業が最も軽視し、かつ苦手なのが「ブランドパーソナリティだ」と口を揃える。

製品機能が横並びになってしまった現在、ブランドの個性を際立たせ、感情移入を作っていくためには「ブランドパーソナリティ」は必要不可欠となる。

以下の解説をお読みになれば、様々な事例をまじえながら「なぜブランドパーソナリティが必要なのか?」「どうすれば強いブランドパーソナリティが創れるのか?」について解説している。

「製品の差別化が難しくなった」

あなたがそう感じているのなら、次の打ち手につながる貴重なヒントが得られるはずだ。

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ブランディングの手法【手順8】ブランドの知覚品質を設定する

ブランディングを成功に導く上で、製品の品質が重要であることに、あなたも異論はないはずだ。

しかし一方で、多くの市場が成熟している今、どれだけ品質を高めてもライバルとの差が付きにくくなっていることも事実だ。そこで重要になってくるのが「知覚品質」だ。

「知覚品質」とは「顧客が認識している品質」のことを指す。

例えあなたのブランドの品質が高かったとしても、生活者がそう認識していなければ「生活者にとっての事実」とはならない。

生活者は自分が認識していることだけを基準に購入判断をするのだから、例え「物理的な品質」が高くても、知覚品質が低ければあなたのブランドは購入されないことになる。

物理的な品質を高めるのは技術者の仕事だが「知覚品質」を高めるのはマーケティング担当者であるあなたの仕事だ。

もしあなたがこれまで「生活者側が認識している品質」に目配りができていなかったのなら、これを機会に「知覚品質創り」にチャレンジしよう。

詳しくは以下の記事で事例を交えながら21の具体手法を解説している。この解説をお読みになれば「どうすれば、ブランドの知覚品質は向上するのか?」という疑問に対して、答えが見つかるはずだ。

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ブランディングの手法【手順9】ブランド連想を設定する

あなたは「ホンダ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?

「ホンダ=人の名字」

あなたは「そんなバカな…」と思われるかもしれないが、文字通り解釈すると上記の答えは正解となる。

しかしあなたは「アップル=リンゴを売っている会社」とは思わないし「ホンダ=人の名字」とも捉えないはずだ。

それではなぜ、あなたは言葉通りの答えを思い浮かべなかったのだろうか?その答えは「ブランド連想」にある。

「ブランド連想」とは、生活者がブランドについて「解釈」したり「想起」したりする一連の連想のことを指す。

ぜひ強いブランドを思い浮かべてみてほしい。

コカ・コーラ、スターバックス、ポカリスエット、ディズニーランドなど、強いブランドは思い浮かべたときに何らかの連想が頭の中に映し出されるはずだ。

もし生活者があなたのブランドに対して何の連想も思い浮かばなければ、当然価値を感じることはなく、感情移入することもない。つまり、指名買いは起きずに、販促頼みのままだ。

ブランド連想に関しては、以下の記事で事例を含めて解説している。

特に、あなたがWEBマーケティングに従事し「PDCA地獄」に陥っているのなら必読だ。そこから脱却した「次のステージ」への気づきを得ることができるはずだ。

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ブランディングの手法【手順10】ブランドロイヤリティ指標を設定する

「ブランドロイヤリティ」とは、生活者がブランドに対して感じる「愛着の度合い」のことを指す。

ブランド論の父であるD.A.アーカー教授も「ブランドロイヤリティは、すべてのブランド価値の中核をなす」と言っている通り、ブランドロイヤリティはブランディングの成否を決定づける重要な要素となる。

ある研究結果によれば、ブランドロイヤリティが5%上がるだけで、顧客1人当たりの生涯価値は95%高まると言われている。

さらに、顧客はロイヤリティの高いブランドに対して最大25%の価格プレミアムを支払う、という研究結果もある。

また、コスト面で見ても2%のロイヤリティ向上が10%のコスト削減につながるという研究結果もある。

しかし一方で「ブランドロイヤリティ=リピート率」「ブランドロイヤリティ=顧客満足度」など間違った指標で捉えると、ブランドロイヤリティを向上させるどころか、むしろ低下させるリスクをはらむ。

その理由については、以下の記事を参照頂きたい。

以下の記事では「ブランドロイヤリティの測定にふさわしい指標」や「ブランドロイヤリティを向上させるための8つの手法」について解説している。より詳しく「ブランドロイヤリティ」を理解したい方は、ぜひ参照して欲しい。

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ブランディングの手法【手順11】ブランディングとマーケティングの違いを理解する

あなたは「ブランディング」と「マーケティング」の違いを、明確に説明できるだろうか?

多くの企業のマーケティングは「標的であるターゲット」を攻略し「収益に変えるためのハンティング活動」という「企業目線の罠」に陥ってしまっている。

しかし、この解説で再三指摘している通り、ブランディングは「生活者中心」に立脚点が置かれなければならない。

以下の記事では、多くの企業が陥りがちな「企業中心のマーケティング」と「ブランディング」の違いを対比しながら解説している。

ぜひ、あなたの企業は「企業中心のマーケティング」に陥っていないが、点検してもらいたい。

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ブランディングの手法【手順12】市場&消費者をセグメンテーションする

もしあなたがマーケティングの担当者なら「STP戦略」という言葉を聞いたことがあるはずだ。マーケティング戦略の根幹をなす考え方だと言ってよい。

STP戦略の頭文字である「S」とは「セグメンテーション」のことを指す。セグメンテーションには「区分けする」や「区分する」ことなどの意味があり、マーケティングの世界では何らかの切り口によって市場や生活者を分類することを指す。

どのような戦略も、その戦略が寄って立つ「前提」が間違っていれば、機能しないどころか「大失敗」のリスクすらはらむ。

そして「セグメンテーション」とはSTP戦略が寄って立つ「前提」を作り上げる、極めて重要な業務だ。

以下の記事では「セグメンテーション」について豊富な事例を交えながら「徹底」解説している。

もし、あなたが単に「セグメンテーション=消費者を分類すること」としか捉えていないなら、ぜひ参照して欲しい。

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ブランディングの手法【手順13】ターゲティングを行う

ブランディングにおいて「ターゲティング」が重要であることは、あなたもご存じのことだろう。

もし「ターゲティング」を間違えれば、いわば「的外れ」という言葉に象徴されるように、ビジネスであれブランディングであれ、その成果はおぼつかない。

ターゲティングとは、限りある資源を誰に集中させるかの意思決定だ。そしてその目的とは、生活者とブランド双方の利益の最大化となる。

多くの企業では「ターゲットを絞る」ことは「販売機会が減る」という恐怖感があるため、二の足を踏みがちだ。しかし以下の解説では「なぜ、ターゲットを絞るべきなのか?」「どうターゲットを選ぶべきか?」について徹底解説している。

更に、ターゲティング戦略によって成功した3社の企業事例についても紹介している。

もしあなたが「ターゲットを絞るべき理由」や「ターゲットの選び方」のロジックを理解できれば、チームのメンバーに論理立てて説明できるようになる。

そしてチーム内で共有できれば、ブランディング活動はより焦点が絞られ、より実効性が高いものになっていくはずだ。

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ブランディングの手法【手順14】ペルソナをデザインする

ターゲットが設定できたら、次は「ペルソナ」をデザインするステップだ。

ここで一つ質問だが、あなたのチームメンバーは「ターゲット像」をどれだけ理解し、共有できているだろうか?

k_birdの経験からすると、多くのチームメンバーは「ターゲット」は答えられても「ターゲット像」は答えらえない。あるいは答えられたとしても、それぞれのメンバーが異なる「ターゲット像」をイメージしており、あなたは驚くことになるはずだ。

ブランディングやマーケティングの要は「STP戦略」であるとされる。しかし「STP戦略」の「S:セグメンテーション」「T:ターゲティング」は、いわば「企業側の都合で一方的に決める」取り組みであり、実は生活者目線に立ちづらい考え方だ。

そしてそのまま「ターゲット」を抽象的な「群」や「塊」として捉えたまま「ポジショニング」のフェーズに移ってしまうと、いわば「企業都合のまま」ブランディングやマーケティングの戦略が決まってしまうことになる。

ことブランディングやマーケティングにおいて「生活者志向が重要だ」という考えにあなたは異論を挟まないだろうが、残念ながら「STP戦略」のフレームワークをそのまま辿ってしまうと「企業都合を貫いた」戦略に陥る。

しかしSTP戦略に「ペルソナデザイン」というステップを加えれば「S:セグメンテーション」「T:ターゲティング」という「企業都合の取り組み」の後に、半ば強制的に「ターゲットから逆算する視点」を持つことができる。

つまり「ペルソナデザイン」というステップは「企業都合」から「生活者逆算視点」に一気にシフトする、重要な局面となる。

以下の記事では「ブランディングを成功に導く」ために必須のペルソナ項目とペルソナ設定手法を、事例を交えながら解説している。ぜひご参照頂きたい。 

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ブランディングの手法【手順15】消費者インサイトを見出す

ペルソナをデザインしたら、次はペルソナに対する「消費者インサイト」を導き出すステップだ。

もしあなたがマーケティング担当者なら、毎日のように「消費者ニーズ」に想いを馳せていることだろう。

しかし多くの業界が成熟期を迎えている現状では、生活者に対して表面的な分析だけでなく、生活者本人すら自覚していない欲求や思考に対する深い洞察が必要となる。

「インサイト」とは「表面的な事象から、その奥底にある本質を見抜く(=洞察する)」ことを指す。ブランディングやマーケティングの世界では「生活者の無意識の本音を発見すること」といった文脈で語られることが多い。

しかしこの「無意識の本音を発見する」という語感こそが、インサイトを巡る多くの誤解を生み出している。以下の記事では、

  • 消費者インサイトの正しい意味とは
  • 消費者インサイトを見出すための方法
  • 10個のインサイト例

などを事例を交えて解説している。ちまたに流布する「消費者インサイト」にはない視点をふんだんに取り入れているため、あなたにとって「目からウロコ」のはずだ。

マーケティング担当者なら、だれもが新市場を創るような革新的な商品やブランドを生み出したいと願うはずだ。それには「生活者の言葉に表れてこない視点」を読み解き、生活者自身も気づいていない「インサイト」を見極めることが重要となる。ぜひ、一読いただければ幸いだ。

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ブランディングの手法【手順16】ブランドのポジショニングを設定する

消費者インサイト導き出したら、ブランドの命運を左右する「ブランポジショニング」を設定し、築き上げていくステップだ。

「ポジショニング」はブランドマーケティングの成否を決定づける、極めて重要な考え方だ。

にもかかわらず「ポジショニング」が正確に理解されないままマーケティングミックス(4P)に展開してしまう実務現場が後を絶たない。結果、当初の目的である「ブランディング=感情移入による指名買い」とは逆に、価格競争に巻き込まれてしまっているブランドも多く見かける。

「ポジショニング」は、扱いを誤ると悲惨な結果を生む。

以下の記事では、その理由について徹底解説している。また、強いポジショニングを設定するために、

  • 優れたポジショニングを捉える「視点」とは何か?
  • ポジショニング軸の「選択基準」は何か?

についても事例を交えて解説しているので、ぜひ一読をお勧めする。

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ブランディングの手法【手順17】ブランドエクイティを測定し評価する

このブログをお読みのあなたなら、どこかで「ブランドエクイティ」という言葉を耳にしたことがあるはずだ。

ブランドエクイティとは、目に見えない「ブランド」を、不動産や有価証券といった他の資産と同じように「企業が保有する資産」として評価しようという考え方だ。

だとすれば、当然他の資産と同様に「資産価値」を高めていくための育成と投資が必要となる。

あるブランディングに長けた外資系のグローバル企業では、ブランドマーケティング予算の15%を「売り上げではなく、ブランドエクイティのために使う」とルールを決めている。

それぐらい「ブランドエクイティ」は必要不可欠な考え方だ。

以下の記事では、ブランドエクイティを理解する上で欠かせない2つのフレームワークと構成要素、及びブランドエクイティの測定手法を解説している。また、企業の成功事例も紹介しているので、より詳しくブランドエクイティを理解したいなら、ぜひ参照して欲しい。

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ブランディングの手法【手順18】ブランドビジュアルアイデンティティを設定する

例え独自性のあるブランドアイデンティティを構築し、優れたブランドポジショニングを設定したとしても、それが生活者に伝わらなければ、単なる「あなたの組織の内輪の話」で終わってしまう。

「ブランドビジュアルアイデンティティ」とは、ブランドアイデンティティやブランド提供価値、あるいはブランドのポジショニングを適切に表現し、管理していくための方法論を指す。

「デザイン」は、生活者がブランドに接する際に一番初めに関与していく。そして「直感的な強い嫌い」に影響を与えていく以上、ビジネス成果に直結する重要な要素となる。

ブランディングを成果に導く責任があるあなたにとって「デザインはアートの世界のことだから」とひるんではいられない。

もし、あなたのブランドに「ブランドデザイン」のガイドライン指針がないのなら、ぜひ導入を検討しよう。

以下の記事では「デザインが創り出す5つのブランディング効果」や「ブランドビジュアルアイデンティティ」について、その意味や企業事例、ブランドビジュアルアイデンティティに必須の構成要素について解説している。ぜひご覧いただきたい。

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8つのブランディング成功事例

ブランディングの手法が理解できたら、ここからはk_birdが秀逸だと考えるブランディングの成功事例を7つ紹介しよう。成功事例として紹介するブランドが以下の通りだ。

  1. ニベアの商品ブランディング成功事例
  2. ダヴの商品ブランディング成功事例
  3. レッドブルの商品ブランディング成功事例
  4. スターバックスのサービスブランディング成功事例
  5. 東京ディズニーランドのサービスブランディング成功事例
  6. マツダのリブランディング成功事例
  7. ハイチオールのリブランディング成功事例
  8. ジョンソンエンドジョンソンの企業ブランディング成功事例

ここまで理解したことを念頭に成功事例を読み進めれていただければ、ブランディングに対するあなたの理解は、グッと深まるはずだ。

また「ブランディングとは何か?」や「ブランディングの手法」をあなたのチームで共有する際にも、ブランディングの成功事例を交えて説明したほうがわかりやすくなるはずだ。

ここまで解説した通り、ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みのことだ。

以下のブランディング成功事例をお読みになれば、どの企業も「生活者目線」「顧客認識からの逆算」「ブランドへの感情移入重視」であることがおわかりいただけると思う。

ブランディング成功事例:商品ブランディング

ブランディング成功事例-1:ニベアの商品ブランディングの事例

ニベアのブランディング戦略成功事例

 ニベアは、ドイツで1911年に発売されたスキンケアクリームのリーディングブランドだ。現在は世界187カ国で発売されている。

日本法人であるニベア花王は、ニベアの発売元である「バイヤスドルフ・ホールディング・ジャパン」と花王が合弁で設立した会社だ。スキンケアクリームを中心に、日焼け止め、リップクリーム、デオドラント剤などを発売している。

そしてニベアは、ブランドとしてのアイデンティティを明確に掲げているブランドだ。

ニベアのブランドアイデンティティとは「肌がふれあう。ただそれだけで、人は人をあたためることができる。まもることができる。一生の素肌に。」と謳われているように「肌同士が触れ合うような、深い愛情を守り続ける」ことだ。

ニベアのブランディング成功事例を見ると、主役は商品ではなく「人(=人の愛情)」であり、スキンケアクリームはその「愛情」を支えるための「脇役」として位置づけていることに気づく。

更に、ニベアには花王の会長をもうならせた有名な逸話がある。

花王の元会長が、提携先のバイヤドルフ社の会長にパーティで会ったとき、花王の会長は「あなたは誰のために働いているのですか?」と問い掛けたという。

ニベアの会長は「ニベアというブランドを守り、 育てていくために働いているのだ」という回答をしたといわれるが、その後、同じ質問をニベアの海外部長にもしたところ、全く同じ返事が返ってきて驚いたという。

花王はブランドマーケティングに長けた企業とされるが、その取り組みのきっかけとなったのがニベアだ。

このように「ブランドのために働いている」 という哲学は、ニベアのみならず他の欧米企業のブランドには少なからず存在する。

ニベアとは「信頼」や「愛情」あるいは「やさしさ」の象徴であり、時代は変わっても、多くの人々が幼い頃に母親の愛情と共に出会うブランドだ。そしてその母親の想いが「まもりたい」という言葉に込められている。

肌と肌がふれあうことで、人は人をあたためることができる。

そんなニベアのブランドアイデンティティが「母の深い愛情に守られていた」という記憶や経験と相まって、ニベアブランドに対する感情移入を形創っている。

ブランディング成功事例-2:ダヴの商品ブランディング事例

ダブのブランディング戦略成功事例

ダヴは今から半世紀前、1957年にアメリカで発売された固形石鹸のブランドだ。

ダヴが発売した固形石鹸は、汚れを落とすだけだった石鹸に「うるおい」というブランド提供価値を提案し、今では世界80ヵ国以上で販売されている。

ダヴもまた、ニベアと同様にブランドアイデンティティを掲げている事例だ。

ダヴのブランドアイデンティティとは「美しさとはこうあるべき」という既成の価値観にとらわれ、自分の本当の美しさを見失っている女性たちに対して「本当の美しさ」を知ってもらうことだ。

ダヴもまた、ニベア同様に主役を「女性」に置いており、スキンケアは「本当の美しさを創るための名脇役」として位置付けているブランディング成功事例だ。

ダヴは2013年のプレスリリースで、以下の数値を発表している。

女性は自分の美しさに対してとても厳しい目をもっており、自分を美しいと思う割合は、世界中でたったの4%である。
世界の半数以上の女性が(54%)が、自分の見た目に一番厳しいのは自分であることを認めており、これは実に6億7,200万人に上る。
その上で「ダヴの考える理想はこれとは異なる」とし「すべての女性が自分の美しさに気づき、自信に満ち溢れ、自分が美しいかどうかを悩まない世界であるべき」だとするライフビジョンを提唱している。

「美しさ」を表面的にとらえるこれまでの考え方を改め、すべての女性が持つ各自の美しさを発見していこうというメッセージは、多くの女性から共鳴を受け、ダヴブランドに対する感情移入をもたらしている。

ブランディング成功事例-3:レッドブルの商品ブランディング事例

レッドブルのブランディング戦略成功事例

 「ニベアやダヴの成功事例は歴史の長いブランドだから成功したのであって、歴史の浅い自社ブランドには当てはまらない」あなたはそう考えてはいないだろうか?

そんなあなたに、比較的歴史の浅いブランドのブランディング成功事例を紹介しよう。

例え歴史が浅くても「感情移入」を形創ることができれば、強いブランドを築くのも夢ではない。それを体現したのがレッドブルだ。

レッドブルは、1978年にオーストリアで生まれたブランドだ。日本に参入したのは2005年のことだ。あなたが日々激務をこなしているのなら、一度はお世話になったことがあるだろう。

レッドブルもまた、商品を「主役」ではなく「脇役」としてとらえ、感情移入を促すことで大成功したブランドだ。

レッドブルもまた「冒険者を称え、翼をさずける」というブランドアイデンティティを掲げている。

事実、レッドブルの創業者は明確に「レッドブルは単なる飲料ではなくエキサイティングな体験であり、スリルや冒険である」と言い切っている。

つまりレッドブルもまた、ニベアやダヴと同様に「主役はエキサイティングな体験を求める冒険者」であり、レットブルはそんな価値観やライフスタイルを持つ冒険者を支援するための「名脇役」として位置づけられている。

そして上記のようなブランドアイデンティティは様々なブランディング施策にも反映されている。

例えばレッドブルのTVCMでは「タウリン 1000mg 配合」や「カフェインゼロ」などの製品特徴は一切うたわれない。うたわれているのは「レッドブル、翼を授ける(Red Bull Gives You Wings)」という、ターゲットを主役に置き、応援するブランドメッセージだ。

だらに、スポーツイベントの協賛でもレッドブルのやり方は一線を画する。

通常なら世界的に有名なスポーツイベントに協賛し、協賛広告枠を買い占めることで「ブランドが主役」になることを考えるが、レッドブルは「選手たちと共に、無名なスポーツや大会を世に広める」という「選手=主役」の姿勢を貫いている。

レッドブルが登場するまでのエナジードリンクといえば、どこか「おじさん臭い」イメージが強かったのはあなたもご存じの通りだ。

しかし今では多くの若者がレッドブルの「エキサイティングな毎日を過ごす冒険者」に「翼を授ける」というブランドアイデンティティに共鳴感情を抱いている。事実、リポビタンDが1本140円なのに対して、レッドブルは1本275円とかなり高価にもかかわらず、若者から指名買いされるブランドに成長している。

ブランディング成功事例:サービスブランディング

もしあなたがサービス業のマーケティング担当者なら「人」の問題は避けて通れない。

なぜなら、生活者から見れば「接客をするサービススタッフ」は、あなたのブランドの評価を決定づける重要なブランド接点だからだ。

しかし「人」は生身の人間である以上、商品ブランドのような標準化が難しく、サービスレベルを一定に保つのも難しい。

更にサービスは商品と異なり、千差万別の顧客に対して「その時その場で」適切な接客対応が求められる。例えマニュアルに記載がない局面でも、自発的に「そのブランドらしいふるまい」を行い、顧客を喜ばせるのは至難の技だ。

しかしもし適切にブランディングを行なうことができれば、ブランドに対する現場スタッフの帰属心や貢献意欲は劇的に高まる。そして現場スタッフは「そのブランドらしさ」を体現した働きを自発的に行うようになる。

誰だって、自分達が苦労を重ねて磨き上げたサービスが社会に知られるようになり、多くの人から愛着を持たれ、ブランドとして成長していく姿を見るのは誇らしいものだ。そしてそれらの誇りが、いつか自分の職務に対する誇りへと変わる。

それを体現しているブランディング成功事例が、スターバックスだ。

ブランディング成功事例-4:スターバックスのサービスブランディング事例

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スターバックスのブランディング成功事例から学べるのは「ブランディングは生活者を惹きつけるだけでなく、時に接客スタッフの誇りとなり、サービス品質も上げることができる」点だ。

スターバックスは、あなたがご存じの通りカフェでシアトルコーヒーと提供するブランドだ。しかし2011年、スターバックスのロゴから「Coffee」のロゴが消えたことを、あなたはご存じだっただろうか?

スターバックスはブランドアイデンティティとして「人々の心を豊かで活力のあるものにするためにーーひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」を掲げている。

このブランドアイデンティティからわかる通り、スターバックスもまた、主役は「人(=人の心の豊かさ)」であり「コーヒー」は心の豊かさを実現するための「脇役」に過ぎないと考えていることがわかる。スターバックスのロゴから「Coffee」が消えたのは「あくまでスターバックスは、コーヒービジネスではなく人間ビジネスである」ことを明確にするためだ。

そしてスターバックスは、最も重要な顧客接点である「バリスタ」の育成に力を入れて成功したブランディング事例でもある。一般的な飲食店の場合、研修期間は長くても2~3日とされるが、スターバックスの場合は例えアルバイトでも1人80時間の教育を施すという。

また、その教育にはコーヒーの知識・コーヒーの淹れ方・掃除の仕方だけでなく、スターバックスのブランドアイデンティティについても多くの時間が割かれている。

結果、顧客は店内の居心地のよさに癒やされ、お店のスタッフに心からの笑顔で迎えられる。そしてそのような経験が積み重なって、顧客はスターバックスに対して徐々に感情移入し、特別な存在になっていく。

更に、スターバックスは「広告宣伝を行わずに確立したブランド」としても有名だ。

それは、アルバイトも含めたスタッフ一人ひとりが愚直にスターバックスのブランドアイデンティティを体現しようと努力しているからこそ、例え広告宣伝を行わなくても「快適なサードブレイス(=第三の場所:家と職場の中間の快適な空間)として、際立ったブランドポジションを確立できた成功事例と言えるだろう。

ブランディング成功事例-5:東京ディズニーランドのサービスブランディング事例

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東京ディズニーランドは、アメリカのディズニー本社のライセンスを受けて、日本の株式会社オリエンタルランドが1983年より運営をしているテーマパークだ。あまり知られていないことだが、米国に次いで海外進出第一号だったという。

「東京ディズニーランドといえば、夢と魔法の国」。その認識に、あなたも異論はないはずだ。東京ディズニーランドは現実から離れた異空間であり、日常から離れた物語の場所だ。

東京ディズニーランドには、日本一の絶叫コースターもなければ、日本一の観覧車もない。しかしこれだけ多くの人が引き込まれるには、技術的に優れたアトラクションではなく、物語の力があるからだ。そこに物語があるからこそ印象に残り、引き込まれ、ブランドへの感情移入が促される。

さらに、東京ディズニーランドには、そのブランド力を物語る有名な逸話がある。

ある日、来場客がカストーディアルキャスト(掃除スタッフ)に「何を拾っているのですか?」と尋ねた際に、そのスタッフが「星のかけらを集めています」と答えたとされる逸話だ。

実はディズニーランドには「聞かれたらこう答えよう」といったマニュアルは存在しない。k_birdも試しに尋ねてみたことがあるが、全員が揃って決まった返答をすることはない。清掃キャスト一人一人が自分で考えたオリジナルだ。

東京ディズニーランドといえば「厳格なブランド管理」が語られがちだが、真の競争力は優秀な人材だ。パークで働いている9割のキャストは準社員(アルバイト)だと言われるが、上記の逸話の通りアルバイトスタッフが極めて優秀であり「そのブランドらしさ」を体現した働きを自発的にすることが強い競争力となっている。

東京ディズニーランドで働くアルバイトスタッフは、そもそも「ディズニーブランド」のファンであることが多い。そして、ファンであるがゆえに「そのディズニーらしさ」を誰よりも深く理解している。その結果、たとえマニュアルがない局面でも、自発的に「そのディズニーらしいふるまい」をし、顧客を喜ばすことができるのだ。

さらに、ディズニーが好きでアルバイトに応募し働いているため、アルバイトスタッフであるにもかかわらずパークに対する帰属心や貢献意欲が高く「ディズニーランドの役に立ちたい」というモチベーションが高い。

その結果、東京ディズニーランドの外側からの「見栄え」だけでなく、内側からもブランドを強くしていく「組織文化」が形成され、その組織文化が「そのブランドらしい」個性的なサービスや接客を生み出していく。

それを裏付けるかのように、ディズニーランドの創始者であるウォルト・ディズニーは以下のように語っている。


世界中でもっともすばらしい場所を夢見て、創造することはできる。設計し、建設することもできるだろう。しかしその夢を実現するには人々の力が必要だ。

-ウォルト・ディズニー

 

東京ディズニーランドは「物語による感情移入」を武器に、ブランドの外側(顧客)と内側(アルバイトスタッフ)の双方から競争力を築き上げていったブランディング成功事例の代表格と言えるだろう。

ブランディング成功事例:リブランディング

企業のブランド戦略と、市場(生活者)との間でミスマッチが起こると、ブランドは危機に陥る。

「リブランディング」とは、既存のブランドと顧客との関係性、再活性化させる取り組みを指す。

取り巻く環境が変化する以上、リブランディングは決して特別なことではない。ブランド戦略において常に選択肢の一つとなり得るものだ。

リブランディングの特質は、既に確立されたブランドが存在していることだ。通常ならブランディングには長い時間と労力・予算がかかるが、既に高い認知度を確立しているブランドが存在するなら、新規ブランドの立ち上げと比較してより低コストで効果的なブランディングも実現可能だ。

今回の解説では、マツダとハイチオールのリブランディング成功事例を紹介しよう。

リブランディング成功事例-5:マツダ

マツダのリブランディング戦略成功事例

あなたは「マツダ地獄」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?バブル経済後の不況期にささやかれた、マツダ車を揶揄する言葉だ。

当時マツダは販売不振を挽回しようと、新車販売時に大胆な値引きを行っていた。しかしその副作用として、マツダ車はブランド価値の低下を招き、下取り価格も大きく下がることになる。

結果「マツダ車を買った人は、買い替え時に再び(値引きが大きい)マツダ車を購入する以外に選択肢がなくなる」という状態となった。この負のスパイラル現象を揶揄した言葉が「マツダ地獄」だ。

 マツダは、トヨタ、日産、ホンダに次ぐ国内4位の自動車メーカーだ。それまで長らくシェアを伸ばすための拡大戦略を進めてきたが、上記の「マツダ地獄」の反省を経て、抜本的なブランド戦略の見直しを検討することになる。

検討の結果、マツダが選んだ道は「ナンバーワンブランドではなく、オンリーワンブランドになる」ことだ。ターゲットを大胆に絞り込み、シェア競争を続ける他社とは差別化を図ることで強いブランドを確立する戦略だ。

当時のマツダの幹部は以下のように語っている。

 

「マツダの世界シェアは約2%。しかし100人のうちの2人が『絶対にマツダでなければ嫌だ』と思う車を作り続れば、世の中で必要とされる会社であり続けることができる」

 

 以降、マツダが打ち出したブランドアイデンティティが「Be a driver.」だ。

そのメッセージに込められた意味とは「既存のルールや常識に縛られない、人生のドライバーを応援する」ことであり、やはりマツダもまた、主役を「車」ではなく「生活者一人一人の生き方や価値観」に置いているブランドだ。

更に、マツダは「マツダデザイン」と称して「ブランドの感性価値」も明確に打ち出している。かつてトヨタ、日産、ホンダなど国産車メーカーの中で、これほど明確に「デザインによるブランド感性価値」を打ち出したメーカーが存在しただろうか?

加えて「SKYACTIV TECHNOLOGY」をはじめとする環境対応技術を通して、ブランドの実利価値も打ち出している。

数ある国産自動車メーカーの中でも、マツダは独自のブランドポジショニングを確立したリブランディング成功事例と言えるだろう。

リブランディング成功事例-6:エスエス製薬「ハイチオールC」のリブランディング戦略

ハイチオールCのリブランディング戦略成功事例

現在は「美白効果が高い医薬品」として多くの女性の支持を集める「ハイチオールC」だが、昔は「男性向けの2日酔いの改善薬」だったことをあなたはご存じだっただろうか?

そんなハイチオールCだが、1996年ごろに売り上げ低迷し、横ばいの状況に陥る。

そこでエスエス製薬は大英断ともいえるリブランディングを行った。1998年に、ブランドのポジショニングを従来の「男性の2日酔い対策」から、一気に「女性の美白対策(しみ・そばかす対策)」 に変更したのだ。

なぜならハイチオールCに含まれる成分である「Lシステイン」は、二日酔い予防だけでなく、肌の代謝を助け、過剰にできたメラニンを排出する効果も持っていたからだ。

エスエス製薬は、ターゲットとブランドポジショニングは変えたが、製品の成分は変更していない。しかし多くの女性誌が継続的に飲みやすいように1回あたりの服用量を4錠から2錠に変更し、1瓶あたりの錠数も変えている。

また、価格についても1瓶あたりの錠数を減らし、標準小売価格も3,800円から2,200円に引き下げている。

さらには、流通チャネルも若い女性が買いやすいドラッグチェーンの取り扱いを強化するため、営業活動の重点を街の薬局からドラッグストア変更。当時、マツモトキヨシなどのドラッグチェーンの増加も寄与し、売上高は飛躍的に拡大した。

ハイチオールCは、ターゲットとポジショニングの変更によってリブランディングを成功させた事例と言えるだろう。

ブランディング成功事例:企業ブランディング

企業ブランディング成功事例-7:ジョンソンエンドジョンソンの企業ブランディング事例

ジョンソン&ジョンソンの企業ブランディング成功事例

ジョンソンエンドジョンソンは、消費者向け製品、医療機器・診断薬、医薬品の3つの事業分野を通じて業績を伸ばしてきたヘルスケアカンパニーだ。日本で事業活動を開始したのは1961年のことだ。

ジョンソンエンドジョンソンといえば有名なのが、行動指針ともなっている「我が信条(Our Credo)」だ。

ジョンソンエンドジョンソンの「我が信条(Our Credo)」には、有名な逸話がある。

1982年9月と86年2月、ジョンソンエンドジョンソンの主力製品である鎮痛剤「タイレノール」に何者かが青酸化合物を混入したことにより、死亡事件へと発展する。

ジョンソンエンドジョンソン自身も被害者としてふるまうことが可能な状況であるにもかかわらず「我が信条(Our Credo)」において最優先とされる顧客の安全を第一と考え、必要な情報は全て開示し十分な対応体制を整備した上で、現役の従業員はもちろん、退職した元従業員の協力も得て、全ての製品を店舗から回収した。

その勇気と行動は今なお高い評価を受け、当時ジョンソンエンドジョンソンの経営トップが拠りどころとした「我が信条(Our Credo)」は今でも従業員に信奉され続けている。

商品ブランドと企業ブランド(コーポレートブランド)が大きく異なる点は、企業ブランド(コーポレートブランド)には、経営者の意思決定や組織風土・価値観が色濃く反映される点だ。

欧米の卓越したブランドカンパニーは「インテグリティ」という概念を掲げ、インテグリティに則した企業行動を重視していることが多い。

「インテグリティ」とは日本語では「高潔さ」と訳されることが多いが、そのニュアンスは英語で理解したほうがわかりやすい。

Integrity=

the quality of being honest and strong about what you believe to be right.

(自分達が正しいと信じている事柄について正直であり、強くあること)

「インテグリティ」とは、企業ブランド(コーポレートブランド)として公正さや誠実さ、あるいは社会的使命に則して一貫した姿勢や行動を取り続けることを指す。

そしてインテグリティを伴った行動は、信頼や敬意という感情移入を生みだす。ジョンソンエンドジョンソンの企業ブランディング事例は「我が信条(Our Credo)」という「インテグリティ」によって成功したブランディング事例と言えるだろう。

おすすめブランディング本5冊:ブランディングの実務知識を身に付ける

締めくくりに、マーケティング・ブランディング担当者へのおすすめのブランディング関連本を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  • k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるブランディング本。
  • 実際に「ブランディング」の戦略&施策実務に役立っているブランディング本。
  • 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるブランディング本。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

おすすめブランディング本-1:企業を高めるブランド戦略

あなたは、アーカーやケラーの「ブランド戦略本」を読んで「やはりブランド戦略は難しい」と感じたことはないだろうか?

本書はそんな「ブランド戦略」を、極めて優しく解説してくれている入門書だ。
しかし、入門書だからといって内容が薄いわけではない。「ブランディングとは?」というそもそも論から、強いブランドを構築・維持するためのブランドマネジメント方法、ひいては事例に至るまで「新書」とは思えないくらいカバー範囲は広く、内容は濃い。

日々、ブランディングやマーケティングの実務に没頭していると、つい「俯瞰視点」や「体系的な整理」がおろそかになる。

しかしどのような物事も、体系的に整理できていなければ、周囲にわかりやすく説明することはできない。

本書は、いまあなたが行っている様々なブランディング業務を体系立てて整理する上で、有用な指南書となるはずだ。

企業を高めるブランド戦略 (講談社現代新書)

おすすめブランディング本-2:事例でわかる! ブランド戦略【実践】講座

どんなに優れたブランド戦略も「実践」に結びつけることができなければ、その成果はゼロだ。

本書は、事業会社出身のブランドコンサルタントが、ブランド戦略の「実践」を指南した解説本だ。

本書の著者は、味の素ゼネラルフーヅ(株)、マキシアム・ジャパン(株)、ハーシージャパン(株)などで、ブランド・マネージャー、マーケティング・マネージャー、マーケティング・ディレクターを歴任し、豊富な実戦経験を持つ。

上記の企業はどれも決してNo.1企業ではないが、そうであるがゆえにガリバーブランドとの戦い方や、その実践を熟知している。

単なる机上の理論に留まらない「現場」を意識した事例と実践指南は、多くのマーケティング担当者にとって貴重な示唆となるはずだ。

事例でわかる! ブランド戦略【実践】講座

おすすめブランディング本-3:グローバル企業に学ぶブランドマーケティング

日本企業は、ブランド戦略が苦手だといわれる。

もしそうなら、コカコーラやユニリーバなど、ブランディングに長けたグローバル企業の事例や方法論から学ぶが早道だ。

本書は、様々なグローバル企業で経験を積んだ著者が、消費者調査や流通管理をはじめとしたブランドマーケティングのポイントを、なんと90の項目にわけて解説してくれている。

このブログを読んでいるほとんどの方は、日本の企業で働いていることだろう。
だからこそ、日々の職場では学びづらい、外資系企業ならでは方法論は有益なノウハウとなるはずだ。

グローバル企業に学ぶ ブランド・マーケティング90の項目

おすすめブランディング本-4:プラットフォームブランディング

本書は、ジャーナリストとブランドコンサルティング会社がタッグを組んで著した稀有な書籍だ。

ビジネスを取り巻く環境変化についてジャーナリストが解説し、あるべきブランド戦略、そしてブランドマネジメントまでをブランドコンサルタントが解説してくれている。

ブランディングやマーケティングは、多額の投資が必要であるにもかかわらず「ブラックボックス」になりやすい領域だ。そのため、ブランド戦略を推進する上で、関係する多くの部署との調整に手間取りがちだ。

本書は、そういった起こりうるブランディングの局面や落とし穴に対して現実的な処方箋や対応事例を用意してくれている。

ブランド戦略は再現性のあるロジックであり、組織だった学習によって習得可能なスキルだ。本書はそのことを実感させてくれる一冊だ。

プラットフォーム ブランディング

おすすめブランディング本-5:ブランドで競争する技術

本書は「ブランドをいかに造り出し、ブランドを使っていかに競争に勝つか」という問いに答える実践的な手引書だ。

本書の特筆すべき点は、著者がハンズオンで企業再生を支援するターンアラウンドスペシャリストである点だ。

「改革を志すものは、単なる理屈の正しさ以上の技術を有する責任がある」とあるように、机上の空論ではない迫力に満ちている。

事例はファッションブランドのケースが多いが「ブランドバリューポジショニングマップ」「リスク分散手法」「出島理論」「TICS」など、ファッションブランドを越えて普遍的に通用するフレームワークも満載だ。

本書は事業再生という修羅場を通して、多くの実務家が競争に勝つための切り口・考え方を提示してくれている実践的競争戦略の指南書だ。

ブランドで競争する技術

終わりに

今回は「ブランディングとは|ブランディングの意味と戦略手法の全て」と題して、ブランディングの意味やブランディングに必要な発想転換、戦略手法、企業のブランディング成功事例などについて解説した。

ブランディングとは何か?:PDF無料ダウンロード

「ブランディングに必要な3つの発想転換」解説を一枚に集約したのが以下の画像だ。

PCでご覧になっている方は、この画像をクリックするとPDFダウンロード、あるいはプリントアウトできるはずだ。ぜひあなたのチームで共有するなど、ブランディング実務に活用していただきたい。

 

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今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。 

しかし、多忙につき、このブログは不定期の更新となる。

それでも、このブログに主旨に共感し、何かしらのヒントを得たいと思ってもらえるなら、ぜひこのブログに読者登録やTwitter、Facebook登録をしてほしい。

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