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ブランド戦略コンサルタントが【ブランディングの基本と全て】を徹底解説

ブランディングとは?ブランディングの成功事例と導入手法を徹底解説

ブランディングとは?ブランディングの成功事例と導入手法を徹底解説

多くのマーケティング担当者が、口々に「これからはブランディングが重要だ」と言う。

しかし「ブランディングが重要だ」と感じてはいるものの、あなたは「ブランディングの意味」や「ブランディングの定義」について、周囲にわかりやすく説明できるだろうか?

「ブランディング」は極めて抽象的な概念であるために誤解も多い。例えばあなたを含め、あなたの周囲には以下のような誤解をしている人も多いはずだ。

  • ブランディングとはロゴや商品パッケージのことだ。まずはブランドデザイン会社に相談して、ロゴ制作を依頼しよう…。
  • ブランディングとは知名度のことだ。さっそく広告代理店を呼んで、知名度向上のための広告プランを提案してもらおう…。
  • ブランディングとは、広告を露出し、イメージを刷り込むことだ。我々もこれからはイメージ広告に力を入れよう…。

特に、デジタルマーケティングが隆盛な昨今、CVやCPA重視のマーケティング担当者が「効率至上主義」に限界を感じ、短絡的に「ブランディング=広告露出によるイメージの刷り込み」と結論付けてしまうケースが目立つ。

確かに上記3つはブランディングを行う上で重要な活動の一部ではあるが、すべてではない。

どのようなビジネスも、まずは「戦略」が方向性を決め「戦術」がその方向性を加速させる役割を担う。しかし上記の「ブランディング」の例はすべて「戦術」部分しか見ていない。

 一般論として「戦略」は一つだが、戦略を加速させるための「戦術」は、複数の手段が存在する。

残念ながら「ブランディング」は抽象的な概念であるため、目に見えやすい戦術面だけで捉えてしまうという間違いが起きやすい。

結果、上記のように、人によって複数の「ブランディングの意味」が乱立してしまい、混乱をきたしてしまうのだ。

どれだけ「ブランディング」の重要性を叫んだところで、チームメンバーそれぞれの「ブランディングの意味」が異なれば、結局「チームの誰も腑に落ちてない」という状況のまま業務が進むことになる。

そして、ブランディングの意味を理解しないまま業務を推進してしまえば、それぞれのメンバーが統一感のない散発的な戦術を繰り返すことになり、その成果はおぼつかない。

今回は「ブランディングとは何か?」という古くて新しい問題について、ロジカルに、かつ、直感的に腹落ちできる解説を行う。さらに後半では、ブランディングの導入手法についても解説する。

この解説を最後まで読んでいただければ、あなたはブランディングの本質や意味をロジカルに、かつ直感的に理解できるようになるはずだ。

結果、チームメンバー間で「ブランディングとはどういう意味なのか?」「どのような手法で導入すべきなのか?」という共通認識が持てるようになり、チーム全体での実践に弾みがつくだろう。

 

ブランディングとは何か?教科書的な「ブランドの定義」の弱点

もしあなたがブランディング関連の本を読んだことがあるなら、ブランドの起源に関する以下のような文章を、どこかで目にしたことがあるはずだ。

 

「ブランド」とは、北欧の古い言語であるノルド語の「brander」に由来し、そもそも飼っている家畜に目印として焼き印をつけることを意味した。

日本語では「商標」などと訳される。

 

ブランディング関連本であれば、ほぼ例外なく1ページ目に解説される文章だ。そしてこれもまた例外なく、その後の文章で「差別化」や「独自性」の重要性が説かれる。

しかしあなたはこの文章を読んで「どうすればブランディングが成功するのか?」という素朴な疑問の答えとして、腹落ちできただろうか?

ぜひ、あなたの周囲のチームメンバーの顔を思い浮かべてほしい。果たして彼ら彼女らは納得するだろうか?おそらく「ふ~ん…。」で終わるはずだ。

続いて、AMA(アメリカ・マーケティング協会)の定義を見てみよう。

 

個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。

 

あなたはこの文章を読んで、どう感じただろうか?

率直に言って「直感的に理解しづらい、小難しい定義だな」と感じたのではないだろうか?

上記の文章はアメリカ・マーケティング協会の「公式定義」という性格から「より正確な単語を、より誤解のないように」という意図はわかる。しかしそれが逆に、直感的にわかりずらいものにしているのだ。

さらに「差別化」「名称」「言葉」「デザイン」などの言葉が出てくることから「結局、ロゴやパッケージデザインを差別化することでは?」などのミスリードも起きがちだ。

しかし、ロゴやパッケージデザインの差別化だけで効果的なブランディングが実現するとは、あなたも思っていないだろう。

「直感的にわかりずらい」。これが「教科書的なブランドの定義」の弱点だ。あなたが学者であれば、教科書的なブランドの定義は一定の価値を持つだろうが、この解説をお読みいただいているあなたは実務家のはずだ。

残念ながら上記のブランドの定義は直感的にわかりずらいために、ブランディングチームの間で共有しずらい。ただでさえ忙しく、時間に限りのある実務家に必要なのは、もっと直感的でわかりやすいブランドの定義だ。

k_bird流「ブランドの定義」&「ブランディングの定義」

それでは、私たち実務家にとって直感的にわかりやすい「ブランドの定義」とは何だろうか?長年、広告代理店及び外資系コンサルティングファームの双方で「ブランディングのリアルな現場」を体験してきたk_birdにとって、「ブランドの定義」は以下の通りシンプルだ。

ブランドの定義=
ブランドとは、生活者の感情移入が伴ったモノやサービス。

 

高いブランド力を持つと評判の「ブランド」を思い起こしてみて欲しい。

Apple、google、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラ…。どのブランドも、単なる「モノ」や「サービス」を越えて、生活者からの感情移入が伴っていないだろうか?

k_birdは、広告代理店及び外資系コンサルティングファーム時代を合わせて、延べ200回以上のマーケティングリサーチ経験を有している。

その経験からしても、独自の感情移入が伴っているブランドとそうでないものとでは、指名購入意向率が5倍以上変わるケースはザラにある。一方で、逆のケースは1件も見たことがない。

もしあなたがこれから「ブランディング」を始めるなら、ぜひ自社の製品・サービスを振り返ってみてほしい。多くの生活者は、あなたの製品やサービスにどれだけ感情移入しているだろうか?

「ブランド」とは「生活者からの感情移入」が伴ったモノやサービスのことだ。そして「ブランディング」とは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。

どのような製品・サービスも、これらの取り組みを続けることによって、長く愛着を持たれ「このブランドだけは特別」と思ってもらえるようになる。つまり「ロングセラーブランド」に育てることができる。

これが、k_bird流の「ブランド」そして「ブランディング」の定義だ。

ここまで読んでみて、あなたは「ブランド」及び「ブランディング」について「公式定義」を学ぶよりも、ぐっと直感的に理解できたはずだ。

しかし、ただ単に「ブランド」あるいは「ブランディング」の定義を直感的に理解できたからといって、そのまま有効なブランディング業務に落とせる訳ではない。

なぜならブランディングには、これまでの「マーケティング」とは異なる、3つの発想転換が必要だからだ。

 

ブランディングとは?ブランディングの意味を理解するための発想転換

「ブランディング」の真の意味を理解するには、単なる「マーケティング」とは異なる3つの発想転換が必要だ。

その発想転換は、モノを「製品」「商品」「ブランド」にわけて考えてみるとわかりやすい。

「製品」の意味とは?:ブランドと製品の違い

「製品」とは、工場の倉庫にある出荷待ちのものを指す。

製品開発者が長年かけて「何を、どう売るか?」を考えて開発し、工場担当者が丹精込めて生産する。

倉庫担当者が倉庫棚に整理し、出荷待ちの状態となる。しかしこの時点で生活者の関与はなく、企業側主導で事が進められる。

「商品」の意味とは?:ブランドと商品の違い

「商品」とは、お店の棚に並んだ販売待ちのものを指す。

商品開発担当者が「どう売るか?」を考えながらロゴやパッケージデザインを開発し、プライシングもなされている。

そして営業担当者も「どう売るか?」を考え、その努力が結実すれば、無事小売店の棚に並ぶことになる。

しかし、商品棚には他にも様々な競合商品がひしめきあっている。

そしてたまたま偶然その棚を通りがかった生活者が、たまたま偶然あなたの商品を目にし、更にたまたま偶然その時のニーズにマッチすれば、買い物かごに放り込む。

「商品」の状態のままでは、数々の「たまたま偶然」をくぐり抜けた上での「衝動買い」に頼らざるを得ない状況だ。

結果、この「衝動買い」を創るために、販売促進担当者が「どう売るか?」を考え、値引き販売をしてみたり、ノベルティを付けてみたり、懸賞キャンペーンを展開するなど、やはり「製品」と同様、企業側主導で事が進められることが多いはずだ。

「ブランド」の意味とは

「ブランド」とは先に述べた通り「生活者からの感情移入」が伴った状態だ。

ここに、発想転換が必要となる。

「製品」や「商品」が、企業側の目線から「どう売るか?」に主眼が置かれているのに比べ、「ブランド」は生活者のココロの中に「どのような認識を創れば、感情移入してもらえるか?」に主眼が置かれる。

そして「感情移入」とは、生活者が想い抱く「ライフスタイル」や「願望」の内側で「役に立つもの」「かけがえのないもの」「思い入れがあるもの」としての認識を積み上げたときに初めて生まれる。

一度ブランドを確立してしまえば、あなたは「販促による衝動買い頼み」から脱し「指名買い」という次のステージを切り拓くことができる。

そしてそれを実現するには「企業目線⇒生活者目線」 「モノ起点⇒顧客認識起点」「 どう売るか?重視⇒ブランドへの感情移入重視」という発想転換が必要となる。

これが、ブランディングに必要な3つの発想転換だ。

ブランディングの本当の意味とは?

冒頭で「ブランドの定義」の話をしたことを、覚えておいでだろうか?

鋭い方ならお気づきかもしれないが「ブランド=焼き印」の話は「製品」の話をしているにすぎない。「違いとなる目印」を創ったからと言って、生活者が感情移入をし、継続的に指名買いをしてくれるわけではない。

一方で、アメリカ・マーケティング協会のブランドの定義は「商品」の話をしている。「差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン」などの話も、結局はそれを実現したからと言って「ブランド」が創れるとは限らない。

そしてどちらも共通しているのは「ブランド」を「企業側の目線」でしか語っていないことだ。

マーケティング担当者は、優秀な人であればあるほど、一日中「ブランディング」や「マーケティング」について熟考を 重ねていく。

「どうすれば、この商品は売れるのか?」「どうすれば、このサービスは競合より優位に立てるのか?」。そして、熟考を重ねれば重ねるほど「企業目線 」「モノ起点」「どう売るか?重視」に陥ってしまう。

しかし、一方の「生活者」の視点に立つとどうだろうか?

そのマーケティング担当者とは裏腹に、生活者はあなたのブランドについて、1日1分も考えていないはずだ。なぜなら、生活者の興味は「今よりも理想的なライフスタイルを実現すること」であり、ブランドは、彼ら彼女らにとってはその生活を実現するための「名脇役の一つ」でしかないからだ。

ともすればマーケティング担当者は「企業の視点」で「商品=主役」と捉えてしまう。しかし、生活者からすれば、主役は「自分のライフスタイル」であって、商品は「脇役」にすぎない。

生活者はそれぞれ多様なライフスタイルや価値観を持っている。そしてそのコンテキスト(背景)に対する広範な理解を伴わない限り、生活者からの感情移入を勝ち取ることはできない。つまり、ブランディングは成功しないのだ。

大切なことなので整理すると「ブランド」及び「ブランディング」の意味は以下の通りだ。

ブランディングの意味とは?

  1. ブランドとは「生活者の感情移入」が伴ったモノやサービス。
  2. ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みを指す。
  3. その成果は「衝動買い頼み」を越えた「指名買い」によるロングセラーブランドだ。

 

もしあなたや、あなたのチームが「企業目線」「モノ起点」「どう売るか?重視」を越えて「生活者目線」「顧客認識起点」「ブランドへの感情移入重視」という発想転換ができたなら、単なる「教科書的」ではない血肉の通ったブランディングが実践できるはずだ。

ブランディングとは何か?:PDF無料ダウンロード

ここまでの解説を一枚に集約したのが以下の画像だ。

PCでご覧になっている方は、この画像をクリックするとPDFダウンロード、あるいはプリントアウトできるはずだ。ぜひあなたのチームで共有するなど、ブランディング実務に活用していただきたい。

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なぜブランディングが必要なのか?ブランディングのメリットで理解する

それでは、なぜ「ブランディング」は必要なのだろうか?ブランディングの必要性を理解するには「ブランディングメリット」を知ることが早道だ。

よって、ここからはブランディングにおける3大メリットを解説しよう。

ブランディングによる販売拡大のメリット

生活者は「知らないものを欲しがる」ことはできない。

逆を言えば、知名度が上がり知っている人が増えていくことで、欲しがる人も比例的に増えることになる。結果、販売数量も比例的に拡大していくメリットが生じる。

更に多くの生活者は同じジャンルの「無名の商品」と「有名な商品」を比べた場合、有名な商品の方を選ぶ傾向にある。なぜなら、生活者はモノを購入する際に「有名な商品だから、大丈夫だろう」という安心感を得たがるからだ。

心理学の世界には「ザイアンス効果」と呼ばれる法則が存在する。社会心理学者のR・ザイアンスによれば、人々は見知らぬ「記号」であっても、何回も繰り返し見せられるとその記号に対して好意を持つようになるという。

アメリカで行われた実験では、アメリカ人には理解できない「漢字」ですらも、何回も見せられることでその「漢字」に好意持つ割合が高まったという。

つまり人間は知らないものより知っているもののほうに、強い理由もなく好意を抱く傾向を持っているのだ。

ブランディングによる価格プレミアムのメリット

 一般に、ビジネスの売上高は「販売数量×販売単価」で決まることは、あなたもご存じのはずだ。

しかし、近年の市場成熟化及び競争激化で「販売単価」が下落するプレッシャーは年々高まっている。特にあなたが消費財ブランドを扱うマーケティング担当者なら、日々価格低下の圧力に悩まされていることだろう。

そのような状況の中でも適切にブランド戦略を実行に移せれば、高い単価を維持できる。その理由を解説しよう。

ブランドは感情移入の度合いが強まれば強まるほど、生活者から見て「思い入れが強い特別なブランド」に育っていく。結果「ほかには替えられないブランド」となり、例え類似商品より多少高くても選ばれやすくなる。

その上、さらに感情移入の度合いが強まれば、生活者はそもそも類似商品と比べることすらしなくなる。いわば比較をせずに「指名買い」をしてくれる状況だ。その結果、価格競争に巻き込まれず、高い商品価格を維持しやすくなるメリットが生じる。

ブランディングによるリピート率向上のメリット

「価格プレミアム」でも触れたが、ブランドは、感情移入の度合いが強まれば強まるほど、生活者から見て「思い入れが強いブランド」に育っていく。

そして「愛着感情」が強くなればなるほど、競合商品に対する「浮気」が起きにくくなるため「リピート率」を高く維持できるようになる。

一般に、リピート顧客にかかるコストは、新規顧客にかかるコストの1/5で済むと言われる。ブランディングによる感情移入で高いリピート率が維持できれば、新規顧客獲得コストの回収可能性が高まるだけでなく、ビジネスの収益性向上にも大きく貢献するようになる。

ブランディングによるその他のメリット

ブランディングには、上記以外にも様々なメリットをもたらす。もしブランディングによる「その他のメリット」も理解したければ、以下の解説を参考にして欲しい。

上記3つのメリットを含め、計10個のメリットを解説している。

www.missiondrivenbrand.jp

 

ブランディングの成功事例とは?5つのブランディング事例

ここからは、k_birdが秀逸だと考えるブランディングの事例を紹介しよう。ブランディングに対するあなたの理解は、より深まるはずだ。

また「ブランディングとは?」をあなたのチームで共有する際にも、事例を交えて説明したほうがよりわかりやすくなる。

ここまで解説した通り、ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」感情移入を形創っていく取り組みのことだ。

これらのブランディング事例をお読みになれば、どのブランドも「生活者目線」「顧客認識起点」「ブランドへの感情移入重視」であることがおわかりいただけるはずだ。

ブランディングの成功事例-1:スターバックス

スターバックスのブランディング成功事例

スターバックスは、あなたがご存じの通り店舗でコーヒーと提供するブランドだ。しかし2011年、スターバックスのロゴから「Coffee」のロゴが消えたことを、あなたはご存じだっただろうか?

スターバックスはミッションとして「人々の心を豊かで活力のあるものにするためにーーひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」を掲げているが、文言を読むとわかる通り、あくまで主役は「人(=人の心の豊かさ)」であり「コーヒー」は心の豊かさを実現するための「脇役」に過ぎないと考え、位置づけていることがわかる。

スターバックスのロゴから「Coffee」が消えたのは「あくまでスターバックスは、コーヒービジネスではなく人間ビジネスである」ことを明確にするためだったといわれる。

スターバックスが強いブランドとして発展していく上で最も重要な顧客接点は、言うまでもなくバリスタと呼ばれるスタッフだ。一般的な飲食店の場合、研修期間は長くても2~3日だが、スターバックスの場合、例えアルバイトでも1人80時間の教育をするという。

また、その教育にはコーヒーの知識・コーヒーの淹れ方・掃除の仕方だけでなく、スターバックスのミッションについても多くの時間が割かれていると言われる。

顧客は店内の居心地のよさに癒やされ、そしてお店のスタッフに心からの笑顔で迎えられる。そしてそのような経験が積み重なって、顧客はスターバックスに対して感情移入するようになり、特別な存在になっていく。

スターバックスは「広告宣伝を行わずに確立したブランド」として有名だが、スターバックスのミッションを、アルバイトも含めたスタッフ一人ひとりが愚直に実現しようと努力しているからこそ、例え広告宣伝が無くても「快適なサードブレイス(=第三の場所:家と職場の中間の快適な空間)として、独自のブランドポジションを確立できたと言えるだろう。

ブランディングの成功事例-2:ニベア

ニベアのブランディング成功事例

ニベア は、ドイツで1911年に発売されたスキンケアクリームのトップシェアブランドだ。現在は世界187カ国で発売されている。

日本法人であるニベア花王は1968年に、ニベアの発売元である「バイヤスドルフ・ホールディング・ジャパン」と花王が合弁で設立した会社で、スキンケアクリームを中心に、日焼け止め、リップケア、制汗剤などを発売している。

ニベアの価値観は「肌がふれあう。ただそれだけで、人は人をあたためることができる。まもることができる。一生の素肌に。あなたに」と謳われているように「肌同士が触れ合うような、深い愛情を守る」ことだ。

こちらもスターバックスと同様に、主役は商品ではなく「人(=人の愛情)」であり、スキンケアクリームはその「愛情」を支えるための「脇役」の位置づけだ。

ニベアブランドには、花王の会長をもうならせる逸話がある。

花王の元会長である常盤氏が、提携先のバイヤドルフ社の会長 にパーティで会ったとき、常盤氏は「あなたは誰のために働い ているのですか?」と問い掛けたという。クーニッシュ氏は「ニベアというブランドを守り、 育てていくために働いているのだ」という回答を得た後に、同じ質問を海外部長にもしたところ、全く同じ返事が返ってきたという。

このように「ブランドのために働いている」 という哲学はバイヤドルフ社のみならず他の欧米企業にも少なからず存在する。

ニベアクリームとは「信頼」「愛情」「やさしさ」の証明であり、時代は変わっても、多くの人々が幼い頃に母親の愛情と共に出会うブランドだ。そしてその母親の想いが「まもりたい」という言葉に込められている。

肌と肌がふれあうことで、人は人をあたためることができる。

そんなニベアの価値観が「母の深い愛情に守られていた」という記憶や経験と相まって、多くの顧客の感情移入を形創っている。

ブランディングの成功事例-3:ダブ

ダブのブランディング成功事例

ダヴは今から半世紀前、1957年にアメリカで発売された固形石鹸のブランドだ。

最初に発表された固形石鹸は、汚れを落とすことだけが使命だった石鹸に「うるおい」という提供価値を提案し、今では世界80ヵ国以上で販売されている。

 ダブは「美しさとはこうあるべき」という既成の価値観にとらわれ、自分の本当の「美しさ」を見失っている女性たちに向けて「本当の美しさ」を知ってもらうため、世界規模でメッセージを発信し続けている。

 ダブもまた、主役を「人」に置いており、スキンケアは人を輝かせるための「脇役」として位置付けていることがわかる。

ダブはは2013年のプレスリリースで、以下の数値を発表している。

  1. 女性は自分の美しさに対して、とても厳しい目をもっており、自分を美しいと思う割合は、世界中でたったの4%である。
  2. 世界の半数以上の女性が(54%)が、自分の見た目に一番厳しいのは自分であることを認めており、これは実に6億7,200万人に上る。

その上で「ダブの考える理想はこれとは異なる」とし「すべての女性が、自分の美しさに気づき、自信に満ち溢れ、自分が美しいかどうかと悩まない世界であるべき」だとするライフビジョンを提唱している。

「美しさ」を表面的にとらえるこれまでの考え方を改め、すべての女性が持つ各自の美しさを発見していこうというメッセージは、多くの女性から共鳴を受け、ブランドに対する感情移入をもたらしている。

ブランディングの成功事例-4:レッドブル

レッドブルのブランディング成功事例

レッドブルは、1978年にオーストリアで生まれたブランドだ。あなたが日々激務をこなしているのなら、一度はお世話になったことがあるだろう。

レッドブルもまた、商品を「主役」ではなく「脇役」としてとらえ、感情移入を促すことで大成功したブランドだ。

レッドブルが掲げているのは「レッドブル=エキサイティングな毎日」だ。事実、レッドブルの創業者は「レッドブルは単なる飲料ではなくエキサイティングな体験であり、スリルや冒険である」と明確に言い切っている。

つまりレッドブルもまた、スターバックスやニベア、あるいはダブと同様に「主役はエキサイティングな体験を求める人たち」であり、レットブルはそんな価値観やライフスタイルを持つ人たちを支え、応援するための「名脇役」として位置づけられている。

そしてそのようなレッドブルのアイデンティティは様々なブランディング施策にも反映されており、例えばレッドブルのTVCMでは「タウリン 1000mg 配合」や「カフェインゼロ」などの製品特徴は一切うたわれていない。うたわれているのは「レッドブル、翼を授ける(Red Bull Gives You Wings)」という、ターゲットを主役に置いたキャッチコピーだ。

また、スポーツイベントでもレッドブルのやり方は一線を画する。

通常なら世界的に有名なスポーツイベントに協賛し、協賛広告枠を買い占めることで「ブランドが主役」になることを考えるが、レッドブルは「選手たちと共に、無名なスポーツや大会を世に広める」という「選手=主役」の姿勢を貫いている。

レッドブルが登場するまでのエナジードリンクといえば、どこか「おじさん臭い」イメージが強かったのはあなたもご存じの通りだ。

しかし今では多くの若者が「エキサイティングな毎日を過ごす冒険者に翼を授ける」というレッドブルのブランドアイデンティティに感情移入し、リポビタンDが1本140円なのに対して、レッドブルは1本275円とかなり高価にもかかわらず、若者に支持されるブランドに成長している。

ブランディングの成功事例-5:マツダ

マツダのブランディング成功事例

あなたは「マツダ地獄」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?バブル経済後の不況期にささやかれた、マツダ車を揶揄する言葉だ。

当時マツダは販売不振を挽回しようと、新車販売時に大胆な値引きを行っていた。しかし結果、マツダ車はブランド価値の低下を招き、下取り価格が大きく下がることになる。

結果「マツダ車を買った人は、買い替え時に再び(値引きが大きい)マツダ車を購入する以外に選択肢がなくなる」という状態となった。この負のスパイラル現象を揶揄した言葉が「マツダ地獄」だ。

 マツダは、トヨタ、日産、ホンダに次ぐ国内4位の自動車メーカーだ。それまで長らくシェアを伸ばすための拡大戦略を進めてきたが、上記の「マツダ地獄」の反省を経て、抜本的なブランド戦略の見直しを検討することになる。

検討の結果、マツダが選んだ道は「ナンバーワンブランドではなく、オンリーワンブランドになる」ことだ。ターゲットを大胆に絞り込み、シェア競争を続ける他社とは差別化を図ることで強いブランドを確立する戦略だ。

当時のマツダの幹部は以下のように語っている。

 

「マツダの世界シェアは約2%。しかし100人のうちの2人が『絶対にマツダでなければ嫌だ』と思う車を作り続れば、世の中で必要とされる会社であり続けることができる」

 


以降、マツダが打ち出したブランドメッセージが「Be a driver.」だ。

そのメッセージに込められた意味は「既存のルールや常識に縛られない人生のドライバーになろう。」であり、主役を「車」ではなく「生活者一人一人の生き方や価値観」に置き、ブランドの自己表現価値に重きを置いていることがお分かり頂けるはずだ。

また、マツダは「マツダデザイン」と称して「ブランドの感性価値」も明確に打ち出しているのも特徴だ。かつてトヨタ、日産、ホンダなど国産車メーカーの中で、これほど明確に「デザインによるブランド感性価値」を打ち出したメーカーが存在しただろうか?

さらにマツダは「SKYACTIV TECHNOLOGY」をはじめとする環境対応技術を通して、ブランドの実利価値も打ち出している。

結果、数ある国産自動車メーカーの中でも、独自のブランドポジションを確立できたと言えるだろう。

 

ブランディングの導入手法とは?

ここからは、ブランディングの導入手法についてポイントを解説する。より詳しく知りたい方は、各リンク先ページをご覧いただきたい。より理解が深まるはずだ。

ブランディングの導入手法【ステップ1】まずはブランディングの必要性とメリットをチームで共有する

あなたは「ブランディング」の必要性やビジネスメリットを、周囲のチームメンバーに明確に説明できるだろうか?

例えあなたがブランディングの必要性を信じ「これからはブランディングに力を入れていくべきだ!」と考えたとしても、ブランディングの必要性やメリットをロジカルに明確に説明できなければ、単なる「青臭い理想論」で片づけられてしまう。

ブランディングのメリットを列挙すると、以下の10個となる。

  1. ブランド戦略による「販売拡大」のメリット
  2. ブランド戦略による「価格プレミアム」のメリット
  3. ブランド戦略による「リピート率向上」のメリット
  4. ブランド戦略による「ビジネス機会の拡大」のメリット
  5. ブランド戦略による「アライアンス機会の拡大」のメリット
  6. ブランド戦略による「仕入れコストの削減」のメリット
  7. ブランド戦略による「広告宣伝コストの削減」のメリット
  8. ブランド戦略による「人材獲得効果」のメリット
  9. ブランド戦略による「働く誇りの向上」のメリット
  10. ブランド戦略による「資金調達コストの削減効果」のメリット

以下の記事では、上記の「ブランド戦略のメリット」について事例を交えて解説している。もちろん「なぜ?」というロジカルな理由付だ。

この記事をお読みいただければ、あなたは「なぜブランド戦略が必要なのか?」「ブランド戦略は、どうビジネスの競争力に貢献するのか?」をロジカルに説明できるようになる。

そうすれば、あなたのチーム内で「ブランディングの必要性」が明確となり、ブランディングを行う上での「そもそもの立脚点」を共有できるようになるはずだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ2】PEST分析で世の中の動向を分析する

もしあなたがマーケティング担当者なら、PEST分析という言葉は、どこかで耳にしたことがあるはずだ。

一方でこれらの外部環境分析は、様々な施策立案とは異なり直接売り上げや利益に貢献する業務ではないため、ついおろそかにされがちだ。

しかしPEST分析はブランディングやマーケティングにおいて至上命題となる。なぜなら、どんなに優れた戦略や施策も、その前提が間違っていれば的外れなものとなるからだ。

そして、ブランディングやマーケティングにおける「前提」とは、市場の機会や脅威だ。そして市場機会や脅威は、外部環境分析によって導き出される。その中でも、なかなか一企業ではコントロールしずらい「世の中の動向」を捉えるためのビジネスフレームワークが「PEST分析」だ。

しかし一方で、あなたは以下のような経験をしたことがないだろうか?

  • PEST分析を使って情報収集し整理しようとしたが「どこまで範囲の」情報を「どのレベルまで」収集すべきかわからず、際限なく情報収集をするはめに陥った。
  • とりあえずPEST分析のフレームワークの「箱」を埋めてはみたものの、そこから先の示唆を導き出せない。

以下の記事では「PEST分析のやり方」を「徹底」解説している。もしあなたがPEST分析を「単なる穴埋め問題」にしたくないなら必見だ。

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ブランディングの導入手法【ステップ3】ファイブフォース分析で業界の性質・力学を分析する

PEST分析で世の中の動向を分析したら、次に必要なのは「業界全体」や「業界の構造・性質」に対する深い理解だ。

あなたがマーケティング担当者なら、できるだけ売上を上げやすく、コストが下げやすい業界で戦いたいと思うはずだ。あるいは「業界全体で得た利益は、誰に、どう分配されやすい力学が働いているのか?」についても気になることだろう。

そういった「業界全体の利益の上げやすさ」や「それらを促進(’あるいは阻害)する要因」を明らかにするビジネスフレームワークがファイブフォース分析だ。

ファイブフォース分析とは、業界に影響を与える5つの競争要因から、その業界の魅力度(=利益の上げやすさの度合い)を評価するためのビジネスフレームワークだ。ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授が提唱したことで知られる。

どんなに強いニーズがあり、どんなに魅力的なブランドを携えたとしても、そもそも業界全体に利益が出にくい何らかの力学が働いているとしたら、あなたのブランドの成功はおぼつかない。

以下の記事では「ファイブフォース分析のやり方」を、事例も含めて「徹底」解説している。もしあなたが「業界全体に働いている力学」を把握しておいきたいなら、一読をお薦めする。

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ブランディングの導入手法【ステップ4】3C分析で市場・競合・自社の状況を分析する

ビジネスの世界には数多くのビジネスフレームワークが存在する。

その中でも、多くのマーケティング担当者にとって馴染みが深いのは「3C分析」ではないだろうか?

3C分析の「3C」とは、ブランディングやマーケティングを取り巻く環境である「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字を取ったものだ。

市場を取り巻く環境を「3つのC」という視点で整理することで、抜け漏れのない市場環境分析が可能になる。

この「3C分析」を考案したのは、元マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントで、現在ではビジネスブレイクスルー大学の学長である大前研一氏だ。1984年に出版された「ストラテジック・マインド―変革期の企業戦略論」によって広く知られるようになった。

一般に、分析となると数多くのデータを収集し、多大な労力が必要とされる。しかし3C分析の目的や本質を理解していれば、要点を絞り込んだ情報収集や分析が可能となる。

しかし、これまで数多く紹介されてきた3C分析は、使い方を誤ると単なる「穴埋め問題」で終わる。

以下の記事では「3C分析とは?」について具体的な視点とやり方を解説している。さらに単なる「穴埋め問題」で終わらせないために「クロス3C分析」という分析手法も紹介しているので、ご興味があれば御覧いただきたい。

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ブランディングの導入手法【ステップ5】ソーシャル時代に向けたブランドアイデンティティを設定する

あなたは「ブランドとは、ちゃんとしたマーケティング活動を続けていれば、自然に形作られていくもの」と考えてはいないだろうか?

しかしブランド戦略に長けた欧米の企業では「ブランディング」はマーケティングの上位に位置付けられ、マーケティング活動そのものを規定するための「上位戦略」とされる。ブランディングは結果論ではなく「戦略論」であり、強いブランドは成り行き任せでは創れない。洞察と戦略性、そして創造性をもって、戦略的に創り上げていくものだ。

そしてその中心に位置づけられるのが「ブランドアイデンティティ」だ。

ブランドアイデンティティとは、ブランド論の大家であるD.A.アーカーによると、以下の通りとなる。

 

「ブランドアイデンティティ」とは、ブランド資産の構築と活用の戦略的主導要因であり、企業などの組織が創造し維持しようとするブランド連想の集合である。この連想は、ブランドが何を表しているかを示し、顧客に与える約束を意味する。

-D.A.アーカー

 

しかしあなたは上記を読んで「ブランドアイデンティティ」を理解し「実務に落とせそうだ」と感じただろうか?

ブランドアイデンティティという概念が登場したのは1990年代だ。しかし1990年代と現在ではブランディングを取り巻く環境は大きく異なる。

k_birdなりにブランドアイデンティティを定義しなおすと、下記の通りとなる。

 

「ブランドアイデンティティ」とは「生活者とブランドの両方が望む、社会やライフスタイルの未来像」に向けて、そのブランドが守るべき一貫した姿勢のことを指す。

 

ブランドアイデンティティを適切に設定できれば、あなたのブランドは在り方そのものが大きく変わるはずだ。

ブランドと生活者の壁を越え、社会において果たすべき役割を持ち、生活者からの共鳴感情を引き出すことが可能になる。その結果、ブランドと生活者との関係性が変化し、ビジネスの成果も大きく変わる。

ブランドアイデンティティに関しては以下の記事で解説している。この記事では、これからのソーシャル時代に必要なブランドアイデンティティについて、事例を交えながら解説しているので、詳しく知りたい方はぜひお読みいただきたい。

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ブランディングの導入手法【ステップ6】ブランド力の向上させる提供価値を定義する

「ブランド力を高めたい」。あなたがマーケティング担当者なら、日々そう考えていることだろう。

ブランディングが「ブランドに対する感情移入」を形創っていく取り組みであることはすでに述べた。

そして感情移入を通して「生活者が感じ取る喜びの度合い」を高めていくことができれば、そのブランドは多くの生活者にとって「思い入れ」や「愛着」を感じる、かけがえのないブランドに育っていく。言い換えれば、ブランド力が向上していく。

ブランド力とは、ブランドに対する感情移入によって生み出される「指名買い」の力だ。

そして当たり前のことだが「ブランド力」は顧客に価値を提供できて初めて生み出されるものだ。そしてブランドの提供価値は、大きく以下の4つに分けられる。

  1. ブランドの「実利」が提供する価値
  2. ブランドの「感性」が提供する価値
  3. ブランドの「情緒」が提供する価値
  4. ブランドの「価値観」が提供する価値

以下の解説記事では、ブランドの4つの提供価値に対して、更に具体的な10個の価値に分解した上で、事例を交えながら解説している。

この記事を「チェックリスト」としてお読みいただければ、あなたのブランドはどのような価値をもち、どのようにブランド力を向上させていくべきか、より理解が深まるはずだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ7】ブランドパーソナリティを設定する

優れたブランドには、際立った個性が存在する。ブランドパーソナリティは 、その「個性」を発揮していく上で、ブランディングには必要不可欠な要素だ。

ブランドパーソナリティとは「そのブランド独特の個性を人間の人格に例えたもの」だ。そしてブランドパーソナリティを設定することで、あなたのブランドは以下のような効果が得られる。

  1. ブランドを記憶に残りやすくする効果
  2. 豊かなブランド連想を創る効果
  3. ブランドを差別化する効果
  4. ブランドに対して感情移入を創る効果
  5. ブランドに対して一貫性をもたらす効果

ブランディングに長けた外資系企業のブランド担当者と話をすると、日本企業が最も苦手なのは「ブランドパーソナリティだ」と口を揃える。しかし下記の解説をお読みになれば「なぜブランディングにパーソナリティが必要なのか?」「どうすれば強いブランドパーソナリティが創れるのか?」について貴重なヒントが得られるはずだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ8】ブランドの知覚品質を設定する

ブランディングを成功に導く上で、製品の品質は決定的に重要だ。

しかし一方で、多くの市場が成熟期に行きついている今、どれだけ品質を高めてもライバルとの差が付きにくくなっていることも事実だ。そこで重要になってくるのが「知覚品質」だ。

「知覚品質」とは「顧客が認識している品質」のことを指す。

例えあなたのブランドの「品質の高さ」が事実だとしても、生活者側がそう認識していなければ、生活者本人にとっての事実とはならない。

企業側が主張する「高品質」はどうあれ、生活者は自分が認識していることだけを基準に購入判断をするのだから、例え品質が高くても知覚品質が低ければ、あなたのブランドは購入されないことになる。

見方を変えれば、知覚品質とは「品質に対する信憑性」ともいえる。もしあなたがこれまで「生活者側が認識している品質」である「知覚品質」に目配りができていなかったのなら、これを機会に「品質に対する信憑性創り」にチャレンジしよう。

詳しくは以下の解説記事で事例を交えながら解説している。この解説をお読みになれば「どうすれば、ブランドの知覚品質は向上するのか?」という疑問に対して、答えが見つかるはずだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ9】ブランド連想を設定し一貫性を保つ

あなたは「アップル」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?

「アップル=リンゴを売っている会社」

あなたは「そんなバカな…」と思われるかもしれないが、文字通り解釈すると上記の通答えは正解となる。しかしあなたは「アップル=リンゴを売っている会社」とは思わなかったし「トヨタ=人の名字」とも捉えないはずだ。

それではなぜ、あなたは言葉尻通りの答えを思い浮かべなかったのだろうか?その答えは「ブランド連想」にある。

「ブランド連想」とは、生活者がブランドについて「解釈」したり「想起」したりする一連の連想のことを指す。強いブランドは、そのブランドを思い浮かべたときに何らかの連想が頭の中に映し出される。

もし生活者があなたのブランドに対して何の連想も思い浮かばなければ、価値を感じることは当然なく、感情移入することもない。

ブランド連想に関しては、以下の記事で事例を交えながらの解説している。

もしあなたがWEBマーケティングに従事し「PDCA地獄」に陥っているのなら、そこから脱却した「次のステージ」に向けた気づきを得ることができるはずだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ10】ブランドロイヤリティ指標を設定し向上させる

「ブランドロイヤリティ」とは、生活者がブランドに対して感じる「愛着の度合い」のことを指す。

D.A.アーカーも「ブランドロイヤリティは、すべてのブランド価値の中核をなす」と言っている通り、ブランドロイヤリティはブランディングの成否を決定づける要素となる。

ある研究結果によれば、ブランドロイヤリティが5%上がると顧客1人当たりの生涯価値が95%高まると言われている。

さらに顧客はブランドロイヤリティの高いブランドに対して最大25%の価格プレミアムを支払う、という研究結果もある。

また、コスト面で見ても、2%のブランドロイヤリティ向上が10%のコスト削減につながるという研究結果もある。

しかし一方で「ブランドロイヤリティ=リピート率」「ブランドロイヤリティ=顧客満足度」と捉えると、ブランディングは失敗するリスクをはらむ。

以下の記事では「真にブランドロイヤリティにふさわしい指標」や「ブランドロイヤリティを向上させるための8つの手法」を解説しているので、より詳しく「ブランドロイヤリティ」を理解したい方は、ぜひ参照して欲しい。

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ブランディングの導入手法【ステップ11】ブランディングのデザインガイドラインを設定する

例え独自性のあるブランドアイデンティティを構築し、優れたブランド提供価値を設定したとしても、それが生活者に伝わらなければ、それらは単なる「あなたの組織の内輪の話」で終わってしまう。

「デザインガイドライン」とは、ブランドアイデンティティやブランド提供価値、あるいはブランドパーソナリティを適切に表現し、維持していくための方法論を指す。

「デザイン」は、生活者がブランドに接する際に、一番初めに関与していく。

そして「直感的な強い嫌い」に影響を与えていく以上、ビジネス成果に直結する重要な要素となる。

ブランディングを成果に導く責任があるあなたにとって「デザインはアートの世界のことだから」とひるんではいられない。

もし、あなたのブランドに「ブランドデザイン」のガイドライン指針がないのなら、ぜひ導入を検討しよう。

ブランディングの導入手法【ステップ12】ブランドマーケティングの意味を理解する

あなたは「マーケティング」と「ブランドマーケティング」の違いを、明確に説明できるだろうか?

多くの企業のマーケティングは「標的を攻略し、収益に変えるためのハンティング活動」という企業目線になってしまっている。

しかし、今回の解説で再三に渡って指摘している通り、ブランディングは「生活者中心」に立脚点が置かれなければならない。

以下の解説記事では、多くの企業が陥りがちな「企業中心のマーケティング」と「ブランドマーケティング」の違いを対比しながら解説している。あなたの参考になれば幸いだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ13】STP戦略を立案する

もしあなたがブランディングやマーケティングの担当者なら、どこかで「STP戦略」という言葉を聞いたことがあるはずだ。マーケティングの根幹をなす考え方だと言って良い。

STP戦略の「S」とは「セグメンテーション」のことだ。セグメンテーションには「区分けする」や「区分する」ことなどの意味があり、マーケティングの世界では何らかの切り口によって市場を分類することを指す。

そしてSTP戦略の「T」とは「ターゲティング」のことを差す。つまり「S:セグメンテーション」で分類したセグメントのうちのどれかを「ターゲット」として設定することだ。

さらにSTP戦略の「P」とは、そのターゲットから見て「そのブランドならではの独自の役割」を見出し、築き上げていく取り組みを指す。

市場&消費者をセグメンテーションする

以下の記事では、STP戦略を有効に機能させる上での「前提」となる「セグメンテーション」について解説している。

セグメンテーションはSTP戦略の「前提」である以上、あなたのブランディングやマーケティングの成否を決定的に左右する、極めて重要な概念となる。

もし、あなたが単に「セグメンテーション=消費者を分類すること」としか捉えていないなら、ぜひ参照して欲しい。

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ターゲットを設定する

ブランディングにおいて「ターゲティング」ことが重要であることは、あなたもご存じのことだろう。

「ターゲティング」とは「買っていただくお客様を決めること」であり、ブランディングはもちろん、あらゆるビジネスの起点となる。もし「ターゲティング」を間違えれば、いわば「的外れ」という言葉に象徴されるように、ビジネスであれブランディングであれ、その成果はおぼつかない。

ターゲティングとは、限りある資源を誰に集中させるかの選択だ。そしてその目的とは、生活者とブランド双方の利益の最大化となる。

ターゲティングとは、言葉を変えれば「どのセグメント(顧客層)に買ってもらいたいかを決めること」ともいえる。 もしターゲティングがうまくいかなければ「誰のためのブランドなのか」 が明確にならず、結果的に誰も買ってくれない状態になる。

以下の記事は「なぜ、ブランディングではターゲットを絞るべきなのか?」について解説している。もしあなたが「ターゲットを絞るべき理由」を論理的かつ直感的に理解できれば、ブランディングやマーケティングチームのメンバーに説明できるようになる。

そしてチームのメンバーが「ターゲットを絞るべき理由」を共有できれば、チームのブランディング活動はより焦点が絞られ、より実効性が高いものになっていくはずだ。

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ブランディングの導入手法【ステップ14】ブランドエクイティを評価する

このブログをお読みのあなたなら、どこかで「ブランドエクイティ」という言葉を耳にしたことがあるはずだ。

ブランドエクイティとは、無形で目に見えない「ブランド」を、不動産や有価証券といった他の資産と同じように「企業が保有する資産」として評価しようという考え方だ。

そして、ブランドは「資産」である以上、当然他の資産と同様に「資産価値」を高めていくための育成と投資が必要となる。

ブランド力の優劣は、生活者が商品やサービスの購入を決める際に大きな影響を及ぼしている。

以下の解説記事では、ブランドエクイティを理解する上で欠かせない2つのフレームワークと構成要素、及びブランドエクイティの評価尺度の代表例を解説している。より詳しくブランドエクイティを理解したいなら、ぜひ参照して欲しい。

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ブランディングおすすめ本5冊

最後の締めくくりに、参考となるおすすめブランディング本を5冊、紹介しよう。すべて「なぜ読むべきなのか?」という理由付きだ。

ブランディングおすすめ本-1:企業を高めるブランド戦略

あなたは、アーカーやケラーの「ブランド理論書」を読んで「やはりブランド論は難しい」と感じたことはないだろうか?

本書はそんな「ブランド論」を、極めて優しく解説してくれている学術的入門書だ。
しかし、入門書だからといって内容が薄いわけではない。「ブランディングとは?」というそもそも論から、強いブランドの構築・維持するためのブランドマネジメント方法、ひいては事例に至るまで「新書」とは思えないくらいカバー範囲は広く、内容は濃い。

日々、ブランディングやマーケティングの実務に没頭していると、つい「俯瞰視点」や「体系的な整理」がおろそかになる。

しかしどのような物事も、体系的に整理できていなければ、周囲にわかりやすく説明することはできない。

本書は、いまあなたが行っている様々なブランディング業務を体系立てて整理する上で、有用な指南書となるはずだ。

企業を高めるブランド戦略 (講談社現代新書)

ブランディングおすすめ本-2:事例でわかる! ブランド戦略【実践】講座

どんなに優れたブランド戦略も「実践」に結びつけることができなければ、その成果はゼロだ。

本書は、事業会社出身のブランドコンサルタントが、ブランド戦略の「実践」を指南した解説書だ。

本書の著者は、味の素ゼネラルフーヅ(株)、マキシアム・ジャパン(株)、ハーシージャパン(株)などで、ブランド・マネージャー、マーケティング・マネージャー、マーケティング・ディレクターを歴任し、豊富な実戦経験を持つ。

上記の企業はどれも決してNo.1企業ではないが、そうであるがゆえにガリバーブランドとの戦い方や、その実践を熟知している。

単なる机上の理論に留まらない「現場」を意識した事例と実践指南は、多くのマーケティング担当者にとって貴重な示唆となるはずだ。

事例でわかる! ブランド戦略【実践】講座

ブランディングおすすめ本-3:グローバル企業に学ぶブランドマーケティング

日本企業は、ブランド戦略が苦手だといわれる。

もしそうなら、コカコーラやユニリーバなど、ブランディングに長けたグローバル企業の事例や方法論から学ぶが早道だ。

本書は、様々なグローバル企業で経験を積んだ著者が、消費者調査や流通管理をはじめとしたブランドマーケティングのポイントを、なんと90の項目にわけて解説してくれている。

このブログを読んでいるほとんどの方は、日本の企業で働いていることだろう。
だからこそ、日々の職場では学びづらい、外資系企業ならでは方法論は有益なノウハウとなるはずだ。

グローバル企業に学ぶ ブランド・マーケティング90の項目

ブランディングおすすめ本-4:プラットフォームブランディング

本書は、ジャーナリストとブランドコンサルティング会社がタッグを組んで著した稀有な書籍だ。

ビジネスを取り巻く環境変化についてジャーナリストが解説し、あるべきブランド戦略、そしてブランドマネジメントまでをブランドコンサルタントが解説してくれている。

ブランディングやマーケティングは、多額の投資が必要であるにもかかわらず「ブラックボックス」になりやすい領域だ。そのため、ブランド戦略を推進する上で、関係する多くの部署との調整に手間取りがちだ。

本書は、そういった起こりうるブランディングの局面や落とし穴に対して現実的な処方箋や対応事例を用意してくれている。

ブランド戦略は再現性のあるロジックであり、組織だった学習によって習得可能なスキルだ。本書はそのことを実感させてくれる一冊だ。

プラットフォーム ブランディング

ブランディングおすすめ本-5:ブランドで競争する技術

本書は「ブランドをいかに造り出し、ブランドを使っていかに競争に勝つか」という問いに答える実践的な手引書だ。

本書の特筆すべき点は、著者がハンズオンで企業再生を支援するターンアラウンドスペシャリストである点だ。

「改革を志すものは、単なる理屈の正しさ以上の技術を有する責任がある」とあるように、机上の空論ではない迫力に満ちている。

事例はファッションブランドのケースが多いが「ブランドバリューポジショニングマップ」「リスク分散手法」「出島理論」「TICS」など、ファッションブランドを越えて普遍的に通用するフレームワークも満載だ。

本書は事業再生という修羅場を通して、多くの実務家が競争に勝つための切り口・考え方を提示してくれている実践的競争戦略の指南書だ。

ブランドで競争する技術

終わりに

今回は「ブランディングとは?ブランディングの成功事例と導入手法を徹底解説」と題して、ブランディングの意味と、ブランディングに必要な3つの発想転換、そして導入手法、おすすめ本について解説した。ぜひ、あなたのチームのブランディングにおいて、有益な示唆となれば幸いだ。

今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。 ( 過去記事と今後の掲載予定はこちら

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