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BtoBブランディング|BtoB企業のブランド戦略手法とB2Bの成功事例

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「そもそも、BtoB企業にブランディングは必要なのか?」

このページに辿り着いたあなたなら、BtoB企業のマーケティング担当者としてBtoBブランディングの必要性を痛感しているはずだ。しかし冒頭のように、あなたがBtoBブランディングの必要性を社内に説いても「ブランディングは我々のビジネスにどのような効果をもたらすのか」といった疑問を投げかけられ、答えあぐねているのではないだろうか?

BtoC企業に比べ、BtoB企業のブランド戦略に対する理解は、まだまだ遅れているのが現状だ。k_birdは長年、外資系コンサルティングファーム及び広告代理店の現場を歩いてきたが、BtoBブランディングの議論になると、以下のような誤解に出くわすことが多い。

  1. BtoB企業の収益は人的営業への依存度が高い。取引先はBtoC企業と比べて少数なのだから、営業部隊だけで充分だ。
  2. BtoB企業の取引先は合理性に基づいて製品やサービスを選ぶ。情緒的な価値(心理的要素)やブランドイメージは入り込む余地はない。
  3. BtoB企業は長い時間をかけた組織的な意思決定を行う。BtoC商材のように「そのブランドの名前を思い出して、衝動買いする」などの事態は起こらない。

一方で視野をグローバルに広げると、欧米の企業ではBtoB企業であるにも関わらず「グローバルブランド価値ランキング」の上位にランキングされる常連企業が存在する。例えば以下のようなBtoB企業だ。

世界のBtoBブランディングの成功事例

GE/IBM/シスコシステムズ/オラクル/SAP/アクセンチュア/シーメンス/J.P.モルガン/キャタピラー/ゴールドマンサックス/ボーイングetc…。

一方でトップ100位にランキングされている日本のBtoB企業は「三菱グループ」「住友グループ」などを除けば、1社もない。

ブランド価値が高いとされる欧米のBtoB企業は、製品開発や生産現場における細やかな技術論はもちろん、顧客の目に見える部分の「表現力」でも勝負している。顧客開拓を営業部門に丸投げせずに、マーケティング戦略やデザイン・ブランド戦略などを武器に付加価値の向上にも余念がない。

ある外資系企業の幹部は、以下のような趣旨のことを述べている。

「日本企業の製品は世界レベルであることは間違いない。
しかし、沈黙しているようだ」

BtoBブランディングが不得手な日本企業は「良いものを創っている割には儲からない」という状況に陥りがちだ。これらを踏まえ、今回は「BtoBブランディング」について徹底解説を行う。

あなたがどれだけBtoBブランディングの必要性を痛感していたとしても「なぜ?」という「背景」が理解できていない限り、周囲に「BtoBブランディングの必要性」を説明し、納得してもらうことはできない。よってまずは「BtoB企業を取り巻く背景と変化」について解説する。

更には「BtoBブランディングは、BtoB企業にどのような効果をもたらすのか?」について解説する。

こと「ブランディング」となると抽象論に陥りがちだが、BtoBブランディングが投資を伴うビジネス活動である以上「BtoBブランディングのビジネスインパクト」の説明責任はあなたにある。

この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「BtoBブランディングが、自社にどのような効果をもたらすのか?」を周囲に説明できるようになるはずだ。

そして最後に「3つのBtoBブランディング手法」について、成功事例を交えながら解説する。いざ「BtoBブランディング」となると、自社の「何を」「どう」打ち出していいかがわからない、という悩みに出くわしやすい。しかしこの解説を最後までお読みいただければ「BtoBブランディングにはどのような方法があるのか?」が理解できるようになるはずだ。

 

BtoBブランディングが必要な3つの理由:BtoB企業を取り巻く背景と変化

BtoB企業を取り巻く環境変化

BtoBブランディングが必要な3つの理由-1:新規取引先拡大の必要性

日本経済の成熟化が進むにつれ、多くの企業は海外に活路を見出しつつある。その結果として生じているのが、従来は日本企業の強みとされていた系列取引の崩壊だ。

近年のセットメーカーは、材料や部品の調達を系列企業だけに求めなくなり、質や機能が良いものであれば、系列外はもちろん、グローバルで調達するのすら当たり前の時代だ。

これは、下請けのBtoB企業からすれば「いつセットメーカーから切られてもおかしくない」「突然、海外の企業に受注を持っていかれてもおかしくない」というリスクにさらされていることを意味する。

市場が一定ないし下降傾向にある中で失注リスクが高まれば、それをカバーするための取引先拡大は急務となる。しかし知名度やブランド力に乏しいBtoB企業からよく聞かれるのは「ブランド力に定評のある競合企業は1回で担当者に会えるのに、名前が知られていない自社では門前払いになり会えない」というぼやきだ。

新規開拓の営業活動は、単純化すれば「アポイント数×受注確率」で決まる。そしてブランド力の有無は前述のように「簡単にアポイントが取れるか?それとも門前払いされるか?」という「アポイント率」に大きな影響を与える。

これが、BtoBブランディングが必要な1つ目の理由だ。

BtoBブランディングが必要な3つの理由-2:ソリューション化の必要性

あなたがBtoB企業のマーケティング担当者なら、多くの製品分野で性能や品質のコモディティ化が進んでいることは、既に実感しているはずだ。これまでのように技術や機能面だけで圧倒的な優位性を確立することは難しくなってきている。

それに拍車をかけているのが「設計技術や製造技術のデジタル化」だ。

アナログ時代には、ハードウェアの設計技術や製造技術が暗黙知となっていたため、自社ならではの競争力となりえた。しかし設計や製造のデジタル化が進んだ現在では、あり合わせの部品と制御ソフトで一定レベルの製品が作れるようになっている。いわば「標準化」が進んだ状態だ。

すると取引先企業から見れば「どの調達先企業の製品もたいして変わらない」という状態となるため、見積もり入札や価格競争は激化していくことになる。そして価格競争が激化した場合、取りうる打ち手は以下の2つのみだ。

  1. 価格を下げて販売数量を伸ばす
  2. 高い付加価値をつけて価格競争を回避する

BtoB企業の営業部隊は「1.価格を下げて販売数量を伸ばす」という手段を志向しがちだが、あなたの会社が業界トップ企業でない限り「価格を下げる」のは最悪の打ち手となる。なぜなら「市場が伸びない」中での価格競争は「シェア争い」となり、競合企業が価格競争に追随してくれば「消耗戦」となるからだ。

そして「価格競争の消耗戦」に陥った場合、局地戦での勝ち負けはありつつも、最終的に有利になるのは「企業体力のあるトップ企業」だ。

このことを踏まえれば、多くの企業にとって賢い選択となるのが「2.高い付加価値をつけて価格競争を回避する」選択だ。そのための手段としてBtoB企業が取りうる選択肢が「既存製品の組み合わせによる課題解決」であり「モノ売り」から「ソリューション」への転換だ。

しかしここでよく出くわすのが「取引先に浸透している汎用品イメージが邪魔をして、ソリューションの受注が取れない」という状態だ。

単なる「汎用品の提供」とは異なり「ソリューションの提供」となれば、これまでの「担当者決裁」では済まなくなる。なぜならソリューションパートナーの選定は「汎用品の調達」を越えて、事業や経営に影響を及ぼす重要な論点となるからだ。そのため、現場担当者を越えて事業幹部レベルで検討されることが多い。

そして事業幹部の人たちは、必ずしも詳細な技術評価や最新動向だけでソリューションパートナーを選定するとは限らない。事業レベルでの関係を求められている以上「企業としての信頼感」「期待感」あるいは「定評」なども選定に影響してくることは、容易に想像が付くはずだ。

これが、BtoBブランディングが必要な2つ目の理由だ。

BtoBブランディングが必要な3つの理由-3:人材確保の必要性

残念なことだが、今後、日本の人口は減少が見込まれている。特にBtoB企業では、理系人材の確保に苦戦している方も多いはずだ。現に、大学における理学・工学・農学分野の学生数は1999年度の63.6万人をピークに一貫した減少が続いている。

良いか悪いかは別として、新卒の学生は知名度の高い企業を就職候補に選びがちだ。事実、毎年雑誌の誌面を賑わす「就職したい企業ランキング」も、上位にランキングされるのは知名度の高い企業ばかりだ。

BtoB企業の場合、製品やサービスが一般生活者の目に振れたり、話題にされることが頻繁にあるわけではないことから、新卒学生がビジネスの社会的影響力や意義を自覚しにくい。

しかし、BtoB企業が世の中に提供している技術の多くは、目に触れないところで社会を支え、社会のインフラの一端を担っているケースが多い。人材難で技術の継承がうまくいかず、製品やサービスの供給が滞れば、それはそのまま社会的な損失に直結する。

これらを踏まえれば、BtoBブランディングによる社会的な存在感の向上と人材確保は、もはや多くのBtoB企業にとって社会的責任の一つとなりつつある。

これが、BtoBブランディングが必要な3つ目の理由だ。

 

BtoBブランディングとは?BtoBブランディングの意味と効果

BtoBブランディングの意味と効果

「BtoBブランディング」のシンプルな意味

あなたは「BtoBブランディングとは何か?」と聞かれて、シンプルに答えることができるだろうか?

そもそも「ブランディング」自体が高度に抽象的な概念であることから、人によって多様な解釈がなされやすい。しかし多様な解釈を許したままでは、ブランディングに関わるそれぞれの人たちの「立脚点」がズレたまま議論が進むことになり「議論が散らかり、まとまらない」という状態となる。

よって、BtoBブランディングを進めるにあたって初めに必要となるのは「ブランディング」に対するシンプルな定義だ。k_birdは「ブランディング」を以下のように定義している。

ブランディングとは何か

ブランディングとは「できるだけ多くの人に」「できるだけ強い」
感情移入を形創っていく取り組みを指す。

上記の「ブランディングの定義」をご覧になって、あなたは「BtoB取引は経済合理性に基づいて行われるのだから、情緒的価値は必要ないのでは?」とお感じになったかもしれない。

しかし「ブランディングの定義」をBtoB企業用に以下のように捉えなおせば、話はよりシンプルになるはずだ。

BtoBブランディングとは何か

BtoBブランディングとは「多くのステークホルダーや社会に対して」
できるだけ強い「期待感情」を形創っていく取り組みを指す。

ここであなたに質問だ。あなたが所属するBtoB企業は、どれだけ取引先や潜在顧客、あるいは新卒学生に対して「期待感情」を持たれているだろうか?

前項の「BtoBブランディングが必要な理由」で「新規取引先拡大の必要性」について触れたのを覚えておいでだろうか?新規取引先を拡大するためには「アポイント数×受注確率」がカギとなるが、BtoBブランディングによる「期待感情創り」は「アポイント率の向上」に好影響を与える。

また「モノ売りからソリューションへの転換」でも、必ずしも技術知識に長けていない「事業幹部レベル」の決裁の局面で「期待感情」は大きな影響を与える。

更には、人材確保の点でも、あなたが所属するBtoB企業の意義や使命、あるいは社会的影響力が理解されれば、世の中から見た「期待感情」は大きく高まり、それらに共鳴した人材の確保がしやすくなる。

BtoBブランディングとは、突き詰めれば「社会やステークホルダー」に対して「期待感情」を創り上げることだ。下の図をご覧いただければわかるように、BtoBブランディングによる「期待感情」と、製品やソリューションの提供による「信頼感情」の両輪を高めることができれば、あなたのBtoBビジネスは「期待感情と信頼感情」の好循環を築くことが可能になる。

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「BtoBブランディング」のブランディング効果

続いては「BtoBブランディング」の効果について解説しよう。よりリアルにイメージしていただくために「取引先企業の製品の導入プロセス」に沿った形でBtoBブランディングの効果を解説しよう。

BtoBブランディングの効果-1:自社の問題を認識するステップ

製品やサービス、あるいはソリューション導入の一番最初のステップは、取引先企業が自社の問題を認識することから始まる。取引先の現場担当者が自社の問題を認識し「解決すべき案件」として取り上げるケースが多い。

このステップでは、取引先の現場担当者は薄々ながら「どの企業なら自社の課題の相談に乗ってくれそうか?」を考えるていることが多い。

この段階であなたの企業が獲得すべきは「相談案件」だ。日頃から付き合いのある取引先なら声が掛かるかもしれないが、関係の浅い新規の取引先の場合「認知度」や「期待感情」がなければ声が掛からず、先に競合他社に入り込まれることになる。

BtoBブランディングの効果-2:解決方法を構想するステップ

このステップでは、取引先企業の現場担当者は「解決方法の情報収集」を行うことになる。場合によってはプロジェクトチームを組み、起案者+プロジェクトメンバーで情報収集にあたるケースも多い。

この段階ではまだ「構想」だけあって「具体的な解決手段や技術・製品」が思い浮かばないケースも多い。もしこの段階であなたの企業やソリューションに対する「期待感情」が高まっていれば「セミナーの参加」「展示会の来場」「個別ヒアリングの要請」という形で声が掛かりやすくなる。いわゆる「引き合い数の増加」だ。

BtoBブランディングの効果-3:解決方法の提案を依頼するステップ

このステップになると、取引先企業は候補となる事業者を絞り込み、提案を依頼することになる。この段階で重要となるのが「いかに提案依頼先として指名してもらえるか?」だ。

「相談段階」や「引き合い段階」で助言や情報提供をすることはもちろんだが、それに加えて理想的なのは「あの会社から提案を受けてみたい」あるいは「あの会社を候補からはずすわけにはいかないだろう」という状況を創り出すことだ。

「これまで取引がなく、名前も知らない企業」と「これまで取引はないが、ソリューション力に定評のある企業」とではどちらが提案依頼先として残りやすいかは、容易に想像ができるはずだ。

BtoBブランディングの効果-4:提案内容評価&事業者選定のステップ

このステップになると取引先は各社の提案を評価し、パートナーとなる事業者候補を選定することになる。官公庁や公的団体などシステマチックな調達活動が行われている企業では、あらかじめ組織としての選定基準が規定されており、その規定に沿って客観的な評価がくだされることが多い。

しかしそうでない民間企業では、この段階で部門内調整や部門間調整がなされることがある。その場合、BtoBブランディングで広く期待感情を創れていれば事業者選定で優位に働く。

ブランディングは、ときに「タイ・ブレーカー」と呼ばれることがある。タイブレークとは、テニスで同点のときに勝ち負けを決める延長戦のことだ。

「様々な基準で評価したけれども、あちらが立てばこちらが立たずだった」場合「結局のところ、評判の良いこれがいいんじゃない」というブランド力で勝負が決まることは、現実によくあることだ。

また「提案内容評価&事業者選定」の次のステップは「稟議&決裁」となるが、稟議の上げる担当者の心情として「名もないBtoB企業」と「業界で定評のあるBtoB企業」では、どちらのほうが稟議に上げやすいかは、推して知るべしだ。

BtoBブランディングの効果-5:稟議&決裁のステップ

最後は、稟議と決裁に至るステップだ。汎用品であれば現場レベルでの決裁となるが、前述したようにソリューションの決裁となればその影響は事業全体に関わってくるため、事業幹部による決裁となることが多い。

この段階での事業者評価の焦点は、選定候補企業がどのような戦略や長期展望を有しているのか、目指す方向性や経営の安定性など、より高次で多角的な視点から評価されることになる。

BtoB取引は、大型案件になればなるほど「稟議を決裁する承認者」は仕様以上の信頼や安心感を求める。事実、知名度が高く社会的に期待されている企業からの提案の方が、決裁されやすいことは各識者が指摘している。

 

BtoBブランディングの3つのブランド戦略手法

企業ブランディング/ソリューションブランディング/技術ブランディング

続いては、BtoB企業が取りうる3つのBtoBブランディング手法について解説しよう。

  1. 企業に対する期待感情を創る「企業ブランディング」
  2. ソリューションに対する期待感情を創る「ソリューションブランディング」
  3. 技術に対する期待感情を創る「テクノロジーブランディング」

 BtoBブランディングのブランド戦略手法-1:BtoB企業ブランディングと事例

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは「企業自体の期待感情を高める取り組み」を指す。

企業ブランディングは、ともすれば「企業好感度の向上」や「親しみやすさの向上」と誤解され、短絡的に「タレントCM」を展開するBtoB企業も見られる。しかし企業ブランディングの本質は、あなたの企業の「社会目的」を世の中に示し、広く共鳴感情を得ていくことだ。

k_birdは、企業ブランディング(コーポレートブランディング)を以下のように定義している。

企業(コーポレート)ブランディングの意味とは?

企業(コーポレート)ブランディングとは「企業が存在する社会目的」や「そこに向かう一貫した姿勢」を明確にすることで、社会やステークホルダーからの感情移入を促し、味方につける取り組みを指す。

近年、SDGsやCSV経営、ソーシャルイノベーションなど、企業活動にも「社会性」が求められる時代だ。多くの企業に求められているのは「あくなき利益の追求」だけでなく「ビジネスを通して社会をより良く変える」取り組みだ。

「この企業は社会の○○を解決してくれる企業」あるいは「この企業は社会の〇〇を実現してくれる企業」としての期待感情を形創ることができれば、あなたの企業は社会で果たすべき役割を持ち、多くのステークホルダーから共鳴感情を引き出すことが可能になる。

更には、あなたの企業がどのように社会の課題を解決し、社会をより良い場所に変えていくのか、一貫したストーリーを語れるようになる。

以下、イメージしやすいように仮定の事例で解説しよう。

BtoBブランディングの企業ブランディング事例:トラック業界の仮事例

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あなたもご存じの通り、トラック業界は「トラック運転手の高齢化」それに伴う「トラック運転手不足」「多発するドラック事故」「環境問題」「宅配便企業の労働問題」など、社会課題が山積の業界だ。

もしあなたがトラック製造メーカーのブランド担当者だったら、どのように社会の中に自社ブランドを位置づけ、社会課題を解決し、多くのステークホルダーからの共鳴感情を引き出すだろうか?

トラックは産業輸送と生活輸送の両方を担う社会生活のインフラだ。トラック運転手の不足がより深刻になれば、社会生活そのものが滞ってしまいかねない重要な社会課題だ。

そしてトラック運転手の不足は、トラック製造メーカーにも悪影響をもたらす。直感的にお分かりいただけると思うが、トラック運転手が不足すれば、それだけトラックは売れなくなる。

上記を踏まえると、トラック製造メーカーのブランド担当者であるあなたにとって、解決すべき重要な社会課題は「トラック運転手の不足の解消」となる。

残念ながらトラック運転手は、典型的な3K(きつい・きたない・危険)職場とされる。そのため、社会的地位は低く見られがちだ。

しかし前述した通りトラック運転手は日本のインフラを支える産業輸送・生活輸送の担い手だ。そして時に「親から子へ」「子から親へ」あるいは「愛する人へ」など「人の切実な想い」が託された品物を預かり、届ける役割を担う。

トラックの運転手は、本来は人々の想いを託されて運ぶ、誇り高い職業だ。そうだとすれば、トラック運転手の社会的地位はもっと高くあるべきだ。

もし、あなたがトラック製造メーカーのブランド担当者としてそう考えるのなら「トラック運転手の社会的地位を上げる」ための啓発キャンペーンが想定できるはずだ。

啓発キャンペーンでは「トラック運転手の社会的地位を高くする」という社会的使命を掲げ「トラック運転手は、人々の想いを託されて運ぶ誇り高い職業だ」という啓発活動をリードしていく。

その結果、トラック運転手の職社会的地位が向上すれば、トラック運転手のなり手が増え、トラック運転手不足という社会課題は解決に向かう。更にはトラック運転手の数が増えることで、必然的に自社のトラックのセールスは伸びていくことになる。

加えて、多くのトラック運転手にとって、あなたの企業は「俺たちトラック運転手の社会的的地位を高めてくれたブランド」として好意的に受け止められ、共鳴感情を得ることが可能になる。

上記が実現できれば、あなたの企業に対する共鳴感情は大きく高まり、様々なビジネスの局面で有利に働くはずだ。

普通に考えれば、トラック製造メーカーのBtoBブランディングと言えば、納入先となる建設会社や宅配便会社に対するブランディングを想定しがちだ。しかしもう一歩高い視座で「社会全体の課題解決」に目を向ければ、多くのステークホルダーから共鳴感情を引き出すことが可能になる。

 BtoBブランディングのブランド戦略手法-2:ソリューションブランディングと事例

 近年、企業が抱える課題は複雑化している。その結果、多くの企業では「課題そのもの」は認識できても「課題の解決策が見出せない」という事例が増加している。そこで必要性を増しているのが「ソリューションブランディング」だ。

「ソリューション」とは日本語にすると「課題解決」という意味となるが、要はその企業が「どのような課題を」「どのように解決できるのか」を示した方法論のことだ。

ソリューションブランディングとを指す。

決められた取引先に、決められた仕様の汎用品を納入するのに比べて「ソリューション」は決められた仕様がない「課題解決サービス」となる。そのため、取引先企業からすれば事前評価がしにくくなるデメリットが生じる。しかし技術群や製品群を「課題解決」という軸で整理し、あらかじめ「課題解決」に対する期待感情を創っておけば、受注活動は極めてスムースになる。

もし仮にソリューションブランディングが行われなければ、あなたの企業は「汎用品イメージ」を引きずったまま「何が得意かわからない」「どのようなビジネス課題を解決してくれる企業かわからない」ままの状況となる。これでは「相談案件」や「引き合い案件」の増加はおぼつかない。

逆を言えば「何が得意かがわかる」「どのようなビジネス課題を解決してくれるかがわかる」状態を創り上げ、受注プロセスを有利に導くのがソリューションブランディングの目的だ。

BtoBブランディングのソリューションブランディング事例-1:IBMの事例

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2017年時点で、IBMが展開しているソリューションブランディングが「コグニティブ(cognitive)コンピューティング」だ。

コグニティブとは、日本語に訳せば「認知プロセス」というニュアンスだ。いわば「人間などが外界にある物事を捉えた上で、それが何であるかを理解したり解釈したりするプロセス」のことを指す。

IBMがソリューションブランディングとして提唱する「コグニティブコンピューティング」とは、システムを「情報処理の機械」として捉えるのではなく「人間のように自ら理解・解釈し、更には学習するシステム」として捉えよう、といった意味が込められている。

コグニティブコンピューティングが目指すのは「定型処理の効率化」が中心だったこれまでのITシステムの領域を広げ「解釈」や「判断」まで担わせることで、人がより創造的で革新的なアイデアを生み出す仕事に集中できる環境を実現することだ。

ここで鋭いあなたならお気づきかもしれないが「コグニティブコンピューティング」という考え方は、IBMの人工知能であるWatsonと密接に紐づいている。ソリューションブランディングによって「コグニティブコンピューティング」の理解が広まれば広まるほど、その提唱者であるIBMに対する期待感情が高まり、Watsonが売れていくという構図を創り上げているのだ。

BtoBブランディングのソリューションブランディング事例-2:Googleの事例

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あなたがマーケティング担当者なら「マイクロモーメント」という言葉は、どこかで聞いたことがあるだろう。

スマートフォンが普及するに従い、人々はあらゆる局面で情報収集ができるようになった。例えば電車を待っている2-3分の間や、ソファーで寝転がってテレビを見ている際のCM時間なども、気軽に情報収集をすることが可能だ。

人々は、ふと「何かを知りたい」「どこかへ行きたい」「何かをしたい」「必要なものを買いたい」と感じた瞬間に、手元のスマホで検索行動を行う。

Googleはこのような「人々が何かを欲した瞬間に行う、スマートフォンでの検索行動」のことを「マイクロモーメント」と名づけ、提唱している。

その狙いは「マイクロモーメントの検索行動にこそ人々のニーズが潜んでおり、そのニーズに対して適切なタイミングで、適切なメッセージを届けることが非常に重要である」ことを、多くのマーケティング担当者に気付かせることだ。

これらのソリューションブランディングを通して「マイクロモーメント」に対する期待感情が高まれば、検索エンジンのリーダーであるGoogleへの期待も高まり、検索連動型広告の受注も増えるという構図を創り出している。

 BtoBブランディングのブランド戦略手法-3:テクノロジーブランディングと事例

これまでBtoB取引においては、技術者同士が互いに技術の目利きであることが前提であるため、優れた技術・性能を持つものが勝ち残ると信じられ、その差別性に関しては注意が払われてこなかった。

しかし市場に求められる技術水準が上がり、進化が早い現代においては、必ずしも「優れた技術が生き残る」とは限らなくなっている。

また、これまでは技術と言えば「特許を取って守る」という「守り」の色彩が強く、技術をブランドとして捉え市場を広げようとする「攻めの」戦略を考える企業は多くはなかった。言い換えれば「技術力」を「ブランド力」に変え「収益力」に結び付ける視点が薄かったともいえる。

これに反し「技術」や「素材」を「ブランド」として捉え、マネジメントすることによって競争優位の確保を目指すのが「テクノロジーブランディング」の考え方だ。

以下、テクノロジーブランディングの成功事例を2つ紹介しよう。

BtoBブランディングのテクノロジーブランディング事例-1:ドルビーラボラトリーズ

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もしあなたが映画好きなら、上記のロゴは頻繁に目にしたことがあるはずだ。しかしあなたはドルビーラボラトリーズの「広告」をご覧になったことがあるだろうか?

ドルビーラボラトリーズは、映画、テレビ、記録メディアその他の音響記録・再生技術に関わる研究、開発を行う米国の企業だ。同社は装置製造だけでなく、開発した技術を他社に積極的にライセンスすることで収入を得るビジネスモデルを採用している。

ドルビーラボラトリーズは1968年、自社の技術をライセンス供与することを決めている。当時提供していたのは音楽録音時のノイズを低減する「ノイズリダクション技術」であり、急速に拡大していた音楽産業・映画産業において最も注目されていた技術だ。

ドルビーラボラトリーズは、自社のノイズリダクション技術をブランド化することを目指し、技術特許のライセンス、商標、ノウハウに関する権利、回路販売数に基づいたロイヤリティプログラムを創り上げている。

更に、ドルビーラボラトリーズは自社が定めた商標を表示した製品については、ノイズリダクション技術の品質を保証しただけでなく、商標の入ったすべての製品の品質イメージを高く維持させる取り組みを行った。

その結果、ドルビーラボラトリーズは多額の広告費を使わずにロゴマークを認知させ、今ではセットメーカー製品、ゲームソフト、テレビ作品、映画作品などの幅広い分野で「高音質性を保証するシンボル」として認知されている。

BtoBブランディングのテクノロジーブランディング事例-2:TOTO「ハイドロテクト」

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TOTOの「ハイドロテクト」は、光触媒技術である「光触媒料超親水性技術」あるいは「光触媒有機物分解性技術」のいずれかを有する商品に付加されるテクノロジーブランドだ。

「超親水性」とは、水をまったく弾かないことだ。その結果、モノの表面に水滴や曇りができず、汚れも水で簡単に洗い流せるようになる。また「有機物分解性」とは、光触媒によって発生する活性酸素が、様々な有機物を分解する効果のことを指す。これによって、汚れのこびりつきやにおいの発生を防ぐことが可能になる。

TOTOはこれらの技術を建物の内装材や外装材、生活用品やカー用品メーカーなどに提供し、ハイドロテクトのシンボルマークを表示することを推奨した。その結果、ハイドロテクトのロゴの知名度は徐々に高まり、今では「ハイドロテクトのロゴが付与された製品は水滴がつかない」「汚れが落ちやすい」ことを一目で理解させるシンボルとして機能している。

 

終わりに

今回は「BtoBブランディングとは|BtoB企業の3つのブランディング手法と成功事例を徹底解説」と題して、BtoBブランディングについて解説した。

 今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。(過去記事と今後の掲載予定はこちら

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