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ブランドロイヤリティとは|8つのロイヤリティ向上手法と調査指標を徹底解説

ブランドロイヤリティとは?8つのロイヤリティ向上手法を徹底解説

かつて「ブランディング=戦術」として捉えられていた時代がある。ブランディングとは広告のことであり、広告担当者や広告代理店に任せておけば良いと捉えられていた時代だ。

しかし、1990年代に「ブランドエクイティ」という概念が提唱され「ブランド=資産」とみなされるようになると、ブランディングの役割は劇的に変わる。

ブランドは経営上の重要な資産(ブランドエクイティ)であり、資産価値を持ち、業績を左右する。

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そんな「ブランドエクイティ」の中でも最も重要とされるのが「ブランドロイヤリティ」だ。

この記事をご覧になっているあなたなら、ブランドロイヤリティを高めることの重要性は、よく御存じのはずだ。

ブランド論の大家であるD.A.アーカーも、ブランドロイヤリティは「ブランドエクイティ要素の中でも特別なもの」として位置づけている。


ブランドロイヤリティは、すべてのブランド価値の中核をなす。

ブランド構築の目標の一つは、セグメントごとのロイヤリティの大きさと密度を強化していくことだ。

-D.A.アーカー

今回は、ブランディングの成否を決定づける「ブランドロイヤリティ」の意味と8つのロイヤリティ向上施策について解説する。

この解説をお読みになれば「ブランドロイヤリティとは何か」はもちろん「ブランドロイヤリティの測定にふさわしい指標とは何か」あるいは「ブランドロイヤリティを向上させるためにはどのような手法があるか」が理解できるようになるはずだ。

ぜひ、最後までお付き合い頂きたい。

また、以下の参考記事を合わせてご覧いただければ、抽象的でわかりずらい「ブランディング」に関して、より体系的な理解が深まるはずだ。

 

ブランドロイヤリティとは?ブランドロイヤリティの意味とは

ブランドロイヤリティとは

まずは「ブランドロイヤリティの定義・意味」について確認しよう。K_birdが定義するブランドロイヤリティとは下記の通りだ。

ブランドロイヤリティとは何か

ブランドに対して感じる「愛着の度合い」

あなたのブランドの顧客は「新規の顧客」と「リピート顧客」の2つに分かれるはずだ。そして一般的に、新規の顧客を獲得するためには先行投資が必要となる。

そしてその先行投資は、リピート後の顧客からの収益によって回収する、という構図になっているはずだ。

しかしここで想像してみて欲しい。

もし仮に、リピート顧客があなたのブランドに対してブランドロイヤリティ(=愛着)を感じていなければ、あなたのブランドは常に競合ブランドへの流出リスクに晒された状態となる。

そして現実に競合ブランドへの流出が起きれば、あなたのブランドは収益が上がらないどころか、先行投資を回収できず赤字に陥ることになる。

一方で、ブランドロイヤリティの向上は、事業収益を底上げする。

ある研究結果によれば、ブランドロイヤリティが5%向上すると顧客1人当たりの生涯価値が95%高まると言われている。さらに顧客はブランドロイヤリティが高いブランドに対して最大25%の価格プレミアムを支払う、という研究結果もある。

また、コスト面で見ても、2%のブランドロイヤリティ向上が10%のコスト削減につながるという研究結果もある。

その他、ブランドロイヤリティがあなたの企業にもたらすメリットは多岐にわたる。詳しくは下記の関連記事を参照頂きたい。ブランド戦略がもたらす様々なメリットを事例を交えて解説しているので、より理解が深まるはずだ。

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冒頭で触れた通り「ブランドロイヤリティ(=ブランドに対する愛着の度合い)」は他のブランドエクイティ要素である「ブランド認知」や「知覚品質」あるいは「ブランド連想」とは大きく異なる。

なぜなら、ブランドの「売上」や「利益」「コスト」などの財務指標に直結していく概念だからだ。

にも関わらず「ブランドロイヤリティ」は他の指標と比べて混同されがちな概念でもある。

以降ではブランドロイヤリティの代替指標として使われがちな「リピート率」及び「顧客満足度」と比較することで「ブランドロイヤリティ」の輪郭を浮き彫りにしていこう。

ブランドロイヤリティとリピート率の違い

あなたは「ブランドロイヤリティ」と「リピート率」の違いを明確に説明できるだろうか?

近年、デジタルマーケティングが浸透し、これまでと比べて顧客データや購買履歴データを入手しやすくなっている。そしてその結果ありがちな事例が、データだけを見て「ブランドロイヤリティを高めること=リピート率を高めること」と捉えてしまう誤解だ。

確かにブランドロイヤリティが高まれば、リピート率は高まる。しかしリピート率が高いからと言ってブランドロイヤリティが高いことにはならない。

それどころか、時に「リピート率」をブランドロイヤリティの代替指標に用いたために、ブランド戦略のミスリードを引き起こしてしまう可能性すら有り得る。

なぜなら、一括りに「リピート率が高い顧客」といっても、その内訳には3種類の顧客が存在するからだ。

  1. このブランド「が」いいと感じてリピート購入している顧客
  2. このブランド「で」いいと感じてリピート購入している顧客
  3. 仕方なくリピート購入している顧客

以下、一つずつ解説しよう。

このブランド「が」いいと感じてリピート購入している顧客

「このブランド“が”いい」と感じてリピート購入してくれる顧客は、あなたの狙い通り「ブランドロイヤリティ」が形成され、その結果としてリピート購入をしてくれる顧客だ。つまりブランドに対して感情移入がなされ、愛着が伴っている状態といえる。

このような状態の場合「リピート購入」に対して「ブランドへの愛着感情」という心理的な裏付けがあるため、簡単には競合ブランドにスイッチしない。ブランドロイヤリティを伴った顧客は、長期的に収益をもたらしてくれる大切な顧客だ。

このブランド「で」いいと感じてリピート購入している顧客

「このブランド“で”いい」と感じてリピート購入している顧客は、単なる慣性であなたのブランドを購入している。

k_birdの経験では「価格」を競争力にしているブランドや「配荷率の高さ」のみを特徴としているブランドに多く見られる傾向だ。

ブランドに対して「価格の安さ」や「入手利便性」を越えて「心理的な愛着感情」までに至っていないために「なんとなく、習慣で選んでいる」と明確が理由がないままにリピート購入されている状態だ。

そして賢明なあなたなら、ここまでお読みになって「ブランドロイヤリティ=リピート率」と捉えてしまうことが、どれだけ危険なことかお気づきになったのではないだろうか?

「このブランド“で”いい」という消極的な理由でリピート購入している顧客は、あなたのブランドに愛着があるわけでもなければ、好きで選んでいるわけでもない。単なる習慣や慣性、あるいは「近くにあって手にいれやすいから」購入し続けているにすぎない。

そしてもし「リピート購入」しているあなたの顧客の大半が上記のような顧客だったとしたらいかがだろうか?

残念ながら「リピート率」は行動指標であるために「顧客の気持ち(=ブランドロイヤリティ)」を反映しない。
結果、あなたのブランドの顧客基盤は「高いリピート率」とは裏腹に「ブランドスイッチ」という「見えないリスク」に晒され続けていることになる。

仕組み上、仕方なくリピート購入している顧客

あなたは、携帯通信各社の「2年縛り」に辟易したことはないだろうか?

あるいは「契約はネットで簡単にできたのに、解約となると手続きが面倒なので解約していない」という状況に陥ったことはないだろうか?

「囲い込み」という言葉に象徴されるように「ブランドロイヤリティ=リピート率」と捉えてしまうと、企業側は「いかに顧客を仕組みで囲い込むか?」という目線になりがちだ。

しかしブランディングにおいて重要なのは「どう顧客を囲い込むか」という企業目線ではなく「どう顧客から囲い込んでもらえるか」という顧客目線だ。

「2年縛り」「解約が面倒」など、仕組みで縛れば見かけ上「リピート率」は高まるが、肝心の「ブランドロイヤリティ」は下がることになる。

ブランドロイヤリティと顧客満足度の違い

続いて、こちらもよく混同されがちな「ブランドロイヤリティ」と「顧客満足度」の違いを解説しよう。

顧客満足度を測る際、よく使われるのが「顧客満足度アンケート」だ。これまで解説してきた「リピート率」とは異なり「顧客の心理」を裏付けにしていることから「リピート率」と比べて「ブランドロイヤリティ」を反映している指標のように思える。

しかし気を付けたいのは「顧客満足度」は「企業側の認識」と「顧客側の認識」で大きく異なる場合がある点だ。

「満足度」とは、言葉尻をそのまま解釈すれば「満ち足りた度合い」となる。そしてk_birdの長年のリサーチ経験からも、この定義は極めて的を得ていると確信している。

しかし、この「満ち足りた度合い」こそが「企業側の認識」と「顧客側の認識」の乖離を生んでしまう。

顧客満足度アンケートの多くは「あなたは我が社の製品・サービスに満足しましたか?」という質問後に「満足した」「やや満足した」「どちらともいえない」「あまり満足していない」「満足していない」の5段階で評価してもらうことが多い。

そして「満足した」「やや満足した」の2つを足したものを「トップ2ボックス」と呼び、これを持って「顧客満足度」の指標する。

しかしこの考え方には2つの誤解がある。以下、解説しよう。

「やや満足した」=「普通だけど物足りない」

これは当たり前のことだが、本当に満足した人なら「やや満足した」ではなく「満足した」にチェックを入れるはずだ。

そこをあえて「”やや”満足した」という「1段階下」にチェックを入れた顧客は、至らない何かがあったことになる。

k_birdの場合、顧客満足度調査をする際には「満足」~「満足していない」までの5段階評価をした後に「そのような評価をした理由をお書きください」という主旨の自由回答欄を設けることにしている。

これまでの経験上「やや満足した」をチェックした人の自由回答を読んでみると、多いコメントは「まあ、そこそこです」といった主旨のコメントだ。さらに「ただし1点だけ挙げるとすれば…」などとネガティブなコメントが続くことも多い。

つまり「やや満足」は、ストレートに行ってしまえば「普通だけど、少し物足りない」という状態であり、この状態を持って「ブランドロイヤリティ」と言えない。

「満足した」=「特に不満がない」

上記と同様に「満足した」をチェックした人の自由回答を抜き出して読んでみると多いコメントは「想定通り」といった主旨のコメントだ。

これは考えてみれば当たり前のことであり、お金を払って手に入れたモノやサービスが普通に機能すれば、顧客は当面の用は足りているのだから「満足した」という回答をする。

ここから言えるのは、顧客が言う「満足した」とは「特に不満がなく、期待通り」のことであり、必ずしも「ブランドに対する愛着の度合いが高まった」ことを意味しないということだ。

顧客は、機能や性能・スペックなどの実利が期待通りであり、特に不満がなければ「満足」と答える。しかしブランドロイヤリティとは実利を越えた「感情移入の度合い」であることから「顧客満足度が高まった」からと言って、必ずしも「ブランドロイヤリティが高まった」ことにはならないことに注意が必要だ。

ブランドロイヤリティを正確に測る調査測定指標とは

それでは、ブランドロイヤリティを適切に測る指標とは、いったいどのような指標だろうか?より適切にブランドロイヤリティを測定する指標とは、以下の3条件を満たす指標だ。

  1. 顧客の「愛着度合い」という「心理」を反映した指標
  2. 財務成果との相関が高い指標
  3. 測定可能な指標

残念ながら、どの業種・業態にも当てはまる「絶対確実なブランドロイヤリティ指標」は存在しない。しかし実務上よく使われる指標は存在するので紹介しよう。

ブランドロイヤリティの調査測定指標-1:DWB

DWBとは「Definitely Would Buy」の略で、外資系パッケージグッズメーカーでよく使われている指標だ。

生活者に対して「とても買ってみたい」「買ってみたい」「どちらでもない」「あまり買いたくない」「買いたくない」の5段階で聴き、トップボックスの「とても買ってみたい」の割合をブランドロイヤリティと見なす。

このDWBは商品開発時にもよく使われ、そのスコアは、初年度トライアル率あるいは1年購入経験値に近づくといわれている。

ブランドロイヤリティの調査測定指標-2: NPS

NPSとは「Net Promoter Score」の略で、そのブランドに対する顧客の「推奨意向」を測る指標だ。このNPSは、様々な指標の中でも最もブランドロイヤリティと相関が高いことが明らかされており、近年注目を浴びている指標だ。

NPSはすでに様々なところで解説されているので簡単な解説にとどめながら、実務上の留意点を解説しよう。

まずは、NPSの測定方法についてだ。NPSの測定手順は以下の通りとなる。

  1. 「あなたは友人や同僚に、(ブランドやサービスの名前)をどの程度薦めたいと思いますか?」という質問をする。
  2. 選択肢には0(薦めない)~10(薦める)までの11段階を用意し、どこにあたるかを答えてもらう
  3. その結果、10~9と答えた集団を推奨者(Promoter)、8~7を中立者(Passive)、6~0を批判者(Detractor)の3つに分類する。
  4. 「推奨者」-「批判者」の割合の差を算出しNPS指標とする。

そして、他のロイヤリティ指標と比べてNPSが優れているとされる背景は、以下の3点だ。

  1. 指標がシンプルであるため、様々なタッチポイントで管理がしやすい。
  2. 収益との相関性が高い。
  3. 「友人や同僚に薦めたいか?」と聞くことで、回答心理として「他人に推奨する際の責任」が加味されるため、回答の真実味が深まる。

しかし一方でNPSには実務上の留意点も存在する。その留意点とは以下の2点となる。

  1. 日本人は謙虚な国民性からか回答が中心に集中しやすい。その結果「推奨者」-「批判者」の割合の差を算出した際にマイナスのスコアになりやすい。
  2. NPSの回答者に自由回答を記入してもらうと「そもそも私は商品を人に薦めたりしません」という人が一定数存在し、その人は「0」をつけやすい。

繰り返しになるが、どの業種・業態にも当てはまる「絶対確実なブランドロイヤリティ指標」は存在しない。

よってNPSに関しても収益との相関を見ながら、選択肢の尺度(11段階)や「推奨者」「中立者」「批判者」の定義をカスタマイズする必要があるだろう。

ブランドロイヤリティとは?8つのロイヤリティ向上手法を徹底解説

 

ブランドロイヤリティを高める:ブランドロイヤリティを向上させる8つの手法

最後にブランドロイヤリティを向上させる8つの手法をリスト形式で紹介しよう。

ブランドロイヤリティ向上手法-1:ブランド提供価値の向上

一つ目はもちろん、ブランディングによるブランド提供価値の向上だ。

ブランドに対する感情移入を形創ることができれば、顧客はブランドに対して愛着や思い入れを感じるようになり、指名買いを続けるロイヤル顧客になってくれやすい。

ブランド提供価値については以下の解説をご覧いただきたい。より理解が深まるはずだ。

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ブランドロイヤリティ向上手法-2:アフィニティ(親近感)の向上

個人的な話で恐縮だが、k_birdはかなり頻繁にスターバックスの銀座マロニエ通り店に通っている。店員さんにも顔を覚えてもらっているほどだ。

ご存じの通り、スターバックスの店員さんはフレンドリーさで知られており「いつもありがとうございます!」などと気軽に声を掛けてもらえると「常連」と認められた気がして嬉しい気持ちになる。

また、接客対応が必要な業態に限らず「自分との距離が近い感じ(=アフィニティ)」の向上は、他人事だったブランドを自分事化にしていく役割を果たすため、ブランドロイヤリティは向上する。

ブランドロイヤリティ向上手法-3:ユーザーエデュケーション

あなたは、iPhoneユーザーだろうか?それともAndroidユーザーだろうか?

k_birdはAndroidユーザーだが、Androidの使い勝手に慣れてくると、iPhoneを手にしたとき、非常に使い辛く感じる。おそらく、逆もしかりではないだろうか?

人は、モノやサービスを使えば使うほど「慣れ」が生じ、他のブランドにスイッチしにくくなる。いわゆる「スイッチングコストが上がる」という現象だ。

その結果、あなたのブランドを使い続けてもらいやすくなる。このような状況を意図的に創るためには「様々な用途を提案する」「丁寧に使い方を教える」など、エデュケーションアプローチが有効だ。

ブランドロイヤリティ向上手法-4:ユーザーコミュニティ

コミュニティの形成もブランドロイヤリティの向上に有効だ。

ブランドのファンコミュニティを形創ると、そのコミュニティに参加した顧客同士が同類意識を持ちやすい。そして同類意識を持つファン同志のコミュニケーションが始まると、ブランドの背景や歴史、使い方など、ブランドに対する知識の共有が活発化する。

その結果、ブランドロイヤリティが強化される。

さらに、ブランドロイヤリティが高い顧客はエバンジェリスト(=伝道師化)として、まだそのブランドに関心を持たない人たちに対して、ブランドの良さを広めてくれることも多い。

近年のソーシャルメディアの普及により、過去と比べファンコミュニティの導入ハードルが下がっている。その結果、ソーシャル拡散による推奨効果も得やすくなっているのだ。

ブランドロイヤリティ向上手法-5:シリーズ化

雑誌や新聞では、その時々の特集やニュースに加え、連載記事が掲載されているのはあなたもご存じのはずだ。

この「連載」という手法は「続きが気になる」「続きが読みたい」という気持ちを引き出すことを通して既存顧客との接触頻度を保ち、ブランドロイヤリティの向上を促すことを意図している事例だ。

また、あるパンのメーカーが「春のパン祭り」と称して、何十年もの間、様々な白いお皿をプレゼントするキャンペーンを展開しているのも「シリーズ化」を通してコレクション意識を掻き立て、ブランドロイヤリティの維持・向上を意図した事例だ。

心理学に「単純接触効果」という理論がある。人間は単純に接触頻度が多いだけで、それらのものを好きになりやすいとする理論だ。

あなたのブランドは、商品やノベルティ、あるいは情報やコンテンツを通して、シリーズ化できる要素はないだろうか?

ぜひ、探してみて欲しい。

ブランドロイヤリティ向上手法-6:利便性の向上

このブログを読んでいるあなたなら、amazonの利用経験は、一度や二度ではないはずだ。

近くの本屋に行けば当日に手に入る本でさえAmazonで注文した、という経験もあるはずだ。

Amazonは検索を通して瞬時に探している本を見つけてくれる。更にレコメンド機能を通して自分の興味がありそうな本をおすすめしてくれるのも便利が機能だ。

このように、利便性はブランドロイヤリティの向上に寄与する。

ついマーケティングとなると商品やサービスの機能や品質面に目が向きがちだが、一度「利便性」についても深く考えてみよう。ブランドロイヤリティを向上させるヒントが見つかるはずだ。

ブランドロイヤリティ向上手法-7:ゲーミフィケーション

このブログをご覧のあなたなら、既にスマートウォッチは購入済かもしれない。

スマートウォッチは腕時計とITが融合したウェアラブル端末だが、スマートウォッチのユーザーは、搭載されている歩数計などをうまく活用して健康管理をしている人も多い。

一方で、スマートウォッチの歩数計はクラウドと連携しており「友達と歩数を競える」「歩数を積み重ねることで日本全国を制覇できる」など、ゲーミフィケーションを取り入れたサービスを展開している。

ゲーミフィケーションの本質は、ブランドにまつわるストーリーを構築し、そこに顧客を巻き込むことでブランドへの参加意識と感情移入を創ることにある。

近年、ストーリーテリングの重要性が叫ばれていることからもわかる通り、ストーリーと感情移入の相性は抜群だ。

あなたのブランドも、オウンドメディアやキャンペーンなどを通してゲーミフィケーションを取り入れる余地はないだろうか?

ブランドロイヤリティ向上手法-8:ロイヤリティプログラム

最も伝統的な手法と言えるのがポイント制の導入だ。

使い古された手法に思えるが、一方で顧客にとってはメリットがわかりやすい手法であるため、未だに根強い人気がある。

しかし最も良くないのは「気が付いたらポイントが貯まっていた」という状態を創り出してしまうことだ。これでは単なる「放置と値引き」になってしまう。

ポイント制を有効に機能させるコツは、常に目標達成ポイントと顧客の持ちポイントの差がわかるような状態を創り上げておくことだ。

ブランドロイヤリティを高める好循環サイクル

ブランドロイヤリティは、一度高めるできれば好循環をもたらし、長期的に高い利益を生み出す。その「好循環」とは以下の図の通りだ。

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ブランドロイヤリティを高める好循環-1:ブランドロイヤリティの向上

冒頭でも解説した通り、ブランドロイヤリティとは「ブランドに対して感じる愛着の度合い」のことだ。そしてブランドロイヤリティを向上させる上での基本は、こちらもすでに解説した通り、ブランド提供価値の明確化となる。

ブランドロイヤリティを高める好循環-2:販売数量の拡大

ブランドロイヤリティが向上していけば、あなたのブランドには販売数量拡大のメリットが生じる。

なぜならブランドロイヤリティが向上し、ブランドに対する愛着が強まれば強まるほど、その顧客がブランドを周囲に推奨してくれるメリットが生じる。いわゆる「クチコミによる推奨効果」だ。

近年のソーシャルメディアやレビューサイトの普及によって、以前と比べてクチコミの影響範囲ははるかに広くなっている。

ブランドの知名度が高まり、愛着感情を持ってくれる顧客が増えれば、クチコミ推奨による販売機会も広がるはずだ。

ブランドロイヤリティを高める好循環-3:価格プレミアムの向上

ブランドロイヤリティが高まり、ブランドに対する愛着度合いが強まれば強まるほど、ブランドは顧客から見て「特別なブランド」に育っていく。結果「ほかには替えられないブランド」となり、例え類似商品より多少高くても選ばれやすくなる。

さらにブランドへの愛着度合いが高まれば、顧客はそもそも類似商品と比べることすらしなくなる。いわば比較をせずに「指名買い」をしてくれる状況だ。その結果、価格競争に巻き込まれず、高い商品価格を維持しやすくなるメリットが生じる。

ブランドロイヤリティを高める好循環-4:顧客獲得コストの低下

新たな顧客を獲得するためには、多くの広告宣伝費がかかるのは、あなたもご存じの通りだ。

ここでぜひ、あなたのブランドが多くの生活者から愛着を持たれ「指名買い」されている状態を思い浮かべてみて欲しい。

「多くの生活者に指名買いされている状態」ということは、つまり「広告宣伝を見たり聞いたりしなくても、向こうから指名で買っていただけている状態」と同じだ。

つまり「これまでは多大な広告宣伝費を使わないと買ってもらえなかった」状態から「例え広告宣伝をしていなくても、指名で買っていただけてる生活者が多数いる状態」になるため、同じ売り上げを上げるにも、広告宣伝費は必要最小限で済むようになる。

ブランドロイヤリティを高める好循環-5:顧客維持コストの低下

「顧客維持」は、あなたのビジネスにとって致命的に重要な要素だ。しかしブランドロイヤリティは「顧客維持」にも大きなメリットをもたらす。

ブランドロイヤリティの向上によって、顧客の愛着度合いが強まれば強まるほど、顧客から見て「思い入れが強いブランド」に育っていく。

そして価格プレミアムと同様に「愛着感情」が強くなればなるほど、競合商品に対する「浮気」が起きにくくなるため、追加コストをかけなくても「リピート率」を高く維持できるようになる。

ブランドロイヤリティを高める好循環-6:ブランド利益の向上

ブランドロイヤリティが向上すれば、販売面では「販売数量の拡大」「価格プレミアムの向上」というメリットが生じる。

一方でコスト面では「顧客獲得コストの低下」「顧客維持コストの低下」というメリットが生じる。

結果、ブランドロイヤリティを向上させることによって、ブランド利益は飛躍的に拡大する。

ブランドロイヤリティを高める好循環-7:ブランディング投資の拡大

ブランド利益が拡大すれば、あなたは更なるブランディング投資を加速させることができるようになる。その結果、ブランド力においてライバルブランドを引き離し、あなたのブランドは長期的に利益を生み続けるようになる。

ブランドロイヤリティを学ぶおすすめ書籍2冊

締めくくりに、マーケティング・ブランディング担当者へのお薦めのブランドロイヤリティ関連書籍を紹介しよう。選定した基準は下記の通りだ。以下のどれかに当てはまるものをピックアップした。

  1. k_birdが実際に読み、単純に「素晴らしかった」と思えるブランドロイヤリティ関連書籍。
  2. 実際に「ブランドロイヤリティ」の戦略&施策実務に役立っているブランドロイヤリティ関連書籍。
  3. 長年に渡って読み継がれており、時代を越えても変わらない「本質」や「原理」が見出せるブランドロイヤリティ関連書籍。

もちろん、すべて「なぜ読むべきなのか?」という解説付きだ。

売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

モノが溢れ変化のスピードが早い現代において、既存顧客からのロイヤリティ獲得は待ったなしの状況だ。

しかし多くの企業では「顧客志向」を掲げつつも、様々な事情やしがらみにより、単なるお題目で終わってしまうことも多い。

ともすれば「顧客志向」は理想論として片づけられがちだが、本書は「顧客志向によるロイヤリティ向上」を「売上の最大化」に直結させるための指針や方法論を解説している。

ロイヤリティ構築に関しては、国内ではまだまだ解説書が少ないのが現状だが、本書は日本企業の実情に即した形で再現性のあるノウハウが解説されている。

もしあなたがブランディングやマーケティングを行なう立場であれば、ぜひとも手元に置いておきたい。

ネット・プロモーター経営で「利益ある成長」を実現する

本書は「顧客ロイヤリティを生み向上させるための"たった一つの質問"」であるNPSの誕生から10年を経て出版された「ロイヤリティティを知る究極の質問」の増補改訂版だ。

NPSが登場した当時は単なる「指標」に過ぎなかったが、本書では「仕組み・システム」へと進化させる方法が解説されている。

また、アップルやアメリカンエキスプレスなどの事例だけでなく、日本語版の特典として日本企業への導入事例も紹介されており、実践を想定しやすいのも特徴だ。

もし、あなたのミッションに「ロイヤリティ」が含まれているのなら、外せない一冊だ。

 

終わりに

今回は「ブランドロイヤリティとは?8つのロイヤリティ向上手法」と題して、ブランドロイヤリティについて解説した。ぜひ、あなたのチームのブランディングにおいて、有益な示唆となれば幸いだ。

また、下記の記事では「ブランディングの手法・手順」について詳しく解説しているので、興味があれば、ぜひご覧いただきたい。

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今後も、折に触れて「ロジカルで、かつ、直感的にわかるブランディングの解説」を続けていくつもりだ。(過去記事と今後の掲載予定はこちら

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